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血液の総入れ替えによる若返り

「ユルネバ!」ツィッターで知った記事である。
年を取ると、手足が冷えやすくなることを最近実感していたが、実際に血液の温度も下がっているのではないか。年寄りが熱い風呂を好むのもそのせいだろう。逆に、若い頃は体温が高いから、夏などは暑くて大変だ。それでやたらとクーラーの温度を下げたがる。「若き血に燃ゆる者」とか、「柔肌の熱き血潮」というフレーズは、医学的にも正しいわけである。
さて、問題は、下記記事にあるように、年寄りの不感症(これをニル・アドミラリとか悟りとも言う。w)や健忘症が、この血液の老化(低温化でもあるだろう。)と関係があるのではないか、ということだ。血液の老化が脳の海馬への刺激低下となり、記憶力や創造力などの低下につながっているとすれば、若い頃には創造性が高いのに、年を取ると創造性が落ちてくることの原因が解明され、ひいては年を取っても高い創造性を維持することが可能になるのではないか。
もちろん、吸血鬼になってもそれは血液が「エサ」になるだけで、血液の新陳代謝にはならない。しかし、現代ならば、体内の血液を総入れ替えすることも可能ではないだろうか。ロックフェラーやロスチャイルドといった大富豪や大権力者ならば、とっくにそういう「秘法」を行っているのではないか、と私は空想したりするのである。もちろん、それには若い人間の体が必要であるから、そういう「消耗品としての人体」の確保も当然の前提である。(笑)


(以下引用)


【衝撃科学】若い血液の輸血が「若返り」をもたらし、脳や筋肉の機能が復活すると米研究が確認

  
 
 
                                                
 
 
dracula.jpg
工工エエェェ(゚Д゚;ノ)ノェェエエ工工

こ、これ、凄すぎて絶句するレベル

若いマウスの血液を、年老いたマウスの血液に注入することで、脳で記憶を司る海馬のニューロンが活性化、記憶や学習能力が復活することをカリフォルニア大学の研究チームが確認、ネイチャー・メディシン誌 (Nature Medicine) に発表、また、スタンフォード大学の研究チームは心臓や骨格筋が復活することをサイエンス誌に発表した

ニューヨーク・タイムズ誌の解説によると、若者の血に高齢者を若返らせる物質が含まれている可能性は、実は何世紀も前から示唆されており、1950年代にはコーネル大学のクライブ・M・マッケイが二匹のラットの側腹部を繋げる「並体結合」と言う手法を使った実験で "若いラット" と "老齢のラット" の血液を2つの個体間で循環させたところ、老齢ラットの軟骨が若返ったという

しかしその時点で、科学者たちはまだ原因を見つけることができなかった

並体結合.jpg
並体結合

その後、幹細胞が生体組織を維持していくために必須であることが明らかになる

組織が損傷すると、死んだ細胞は新しい細胞と入れ替えるが、その機能は歳を取るにつれ衰えていく。しかし、科学者たちは、老化組織内の幹細胞は死んだわけではなく、適切な信号を得ることができなくなっているだけだと2000年代初頭に気づいた

スタンフォード大学・神経医学のトーマス・A・ランドー教授はマッケイの「並体結合」実験を引継ぎ、老齢のマウスの筋肉が若いマウスとほぼ同じ迅速な速度で回復することを確認、加えて、新たな肝細胞の成長も確認したと2005年に発表

しかしこのとき、若いマウスの筋肉は通常よりも回復速度が遅れたという

((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

この実験は何らかの物質が古い幹細胞を目覚めさせ、老化組織を活性する一方で、老齢の血液が若いマウスの回復力を衰えさせる可能性を示唆した

その後、ランドー教授のチームのメンバーのエイミー・J・ウェイジャーズ博士が同様の実験で老齢のマウスの心臓が若返ることを実証

GDF11.jpg
この変化に関与する分子を特定するために、チームはマウスの血液をスクリーニングし「GDF11」と呼ばれるタンパク質が若いマウスでは豊富で、老齢のマウスでは少ないことを発見。「並体結合」を行わず、この「GDF11」を単独で老齢のマウスに注入したところ、心臓や骨格筋が復活することを確認した

一方、カリフォルニア大学のソール・ヴィレッダ (Saul Villeda) 博士は、若いマウスの血液が老齢の脳にどのような影響を与えるのかを研究、若いマウスの血小板を取り出しその血漿を老齢のマウスに注入すると、海馬が新しい神経接続を発芽し、記憶力のパフォーマンスが遥かに向上することを発見した

さらに、スタンフォード大学のランドー教授のチームは嗅覚に関わる脳の特定領域への影響を調査「並体結合」が脳内の血管の成長に拍車をかけ、新しい血液の供給がニューロンの成長につながり、老齢のマウスの嗅覚を鋭くすることを見つける

加えて、骨格筋や心臓の若返りに関与したGDF11が、単独で、脳にどのように影響するかを検証したところ、並体結合ほどの大きな変化ではなかったが、血管やニューロンの成長速度が加速することを確認した

目も眩みそうな怒涛の研究結果ですが

脳、心臓、骨格筋、肝細胞に続き、調査さえすれば今後も他の部位で確認されて行きそうな勢い。これらの研究結果は現在、アルツハイマーや心臓病患者の治療をけん引するものになると考えられているそうです

あなたの心臓や筋肉、脳のために投与している薬のかわりに

その全てに作用する "なにか" が発見される可能性がある

エイミー・J・ウェイジャーズ博士

最高に興奮している

これらの知見は、革命を起こす可能性がある

ハーバード大学医学部神経学 ルドルフ・タンジ教授

我々は時計を止めたり、遅くしたりすることができる

これが成功すれば最高だ

国立心肺血液研究所 分子医科学研究センター トーレン・フィンケル

しかし、カリフォルニア大学バークレー校・生物工学のイリナ・M・コンボイは幹細胞を目覚めさせることは抑止できない細胞増幅につながる可能性もあると警鐘を鳴らしています「それは、がん発生率の劇的な増加に繋がる可能性が高い」

 
それにしても、単純に "体を繋げる" ことで若返りが、とっくの昔に可能だったとか・・・マッドサイエンティストの映画や小説、はたまた吸血鬼伝承とか、いや、

まさかもうすでに・・・我々の知らないところで・・

そんな妄想がむしろ脳内で増殖して止まらないよ

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子供は親の背中を見て育つ

子は親の言葉ではなく、行動を見て学習する、という話である。
家庭教育の理想像がここにある。この親自身にはそれが教育だという意識も無かったと思うが、逆にそれが子供への好影響を与えたのだと思う。私自身の子育てはまったくの放任主義だったが、親(私)が怠け者礼賛主義なので、子供は見事な怠け者になっている。(笑)


(以下引用)



341: おさかなくわえた名無しさん 2014/02/27(木) 18:56:58.33 ID:nbNOJs00
10人姉弟の6番目として戦中に生まれた母親は 
3歳で終戦を迎え、6歳で樺太から日本に引き揚げてきた 
奇跡的に一家全員が無事だったとはいえ日本での生活は苦しく 
母親は中学こそ何とか卒業したものの下の弟妹の世話や家の手伝いに追われ 
ほとんど勉強できなかったことに悔いを残していた 
その後美容師の資格を取り、結婚後も美容師として働いていたが 
俺が中学に入ると俺の教科書を借りて勉強を始めた 
勉強自体がおよそ20年ぶり、しかも頭の回転も記憶力も10代のようにはいかない 
それでも家事を終えた夜、一生懸命に教科書をめくりノートを取っていた 
当時の俺は部活一筋で自主的に机に向かうのはテスト前くらいだったが 
母親のそんな姿を見るうちに負けてらんねえみたいな謎のライバル心が湧き 
自然と勉強する時間が増えていった
342: おさかなくわえた名無しさん 2014/02/27(木) 18:59:44.23 ID:nbNOJs00
母親が分からないことについて質問してくることも多く
その時にきちんと答えられないのが悔しいという気持ちもあって勉強には熱が入った
しっかり理解していないと人には教えられないし
はっきり理解しないまま何となく流そうとしている箇所に限って母親に聞かれるものだから
母親からの質問に備えて教師に聞きに行くこともあった
俺たちがわいわいやってるのを見ていた妹は、勉強とはよほど楽しいものだと思ったらしく
誰に言われなくても勉強するようになり、自主的に取り組んだ自由研究の大作で全国的な賞をもらったりもした
理系の大学を出ている父親は平日は帰りが遅かったが
休日は俺も母親も歯が立たなかった数学の難問を解説してくれたり
科学館や博物館、史跡など家族の興味に沿った場所に連れて行ってくれた
母親は最終的に通信だが高校、大学を見事卒業
俺と妹も大学で学んだことを生かした職に就くことができた
「自分がやりたくてもできなかったから」と子どもに夢を託す親は多いが
まず自分があきらめず取り組む姿を見せてくれた母親は本当にかっこいいと思ってる




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ブラック官兵衛

「紙屋研究所」から一部転載。
省略した最初の部分は、NHKの「黒田官兵衛」が視聴率的に苦戦しているという話から始まって、そもそもなぜ黒田官兵衛レベルの人物をなぜ大河ドラマの主人公に選んだのか、という疑問を呈している。そのあたりも面白いのだが、おそらくプロの書き手である管理人氏の文章を全文コピーするわけにもいかないので、後半だけ転載した。
吉川英治の「黒田官兵衛」(題名もこうだったかは忘れた)を少し前に読んだ(NHKがドラマ化するというニュースを知る前である)ために、黒田官兵衛の名前は私には親しいものとなっていたので、NHKのドラマ化の結果がどうなるかにも関心はあったのだが、最初のあたりを瞥見すると、意味不明の色事(恋愛沙汰)に長々と時間を使っているようで、まったく見る興味を無くしたものである。ドラマというと色事(恋愛)を入れないと成立しないという、ハリウッド映画式、あるいはアメリカテレビドラマ式の思想が、日本の時代劇や歴史ドラマまでいかに毒しているか、ということである。アメリカのドラマ(たとえば「ユーレカ」など)は、地球が破滅するかという危急の際でも、それに立ち向かうべき主人公の男と女がいちゃいちゃしたり、痴話喧嘩ばかりしているので、見ているこちらは腹が立つばかりである。私はかつて、「スーパーマン」のテレビ放映を友人たちと見ていて、地球の危機を前にして自分の恋愛だけにかまけているスーパーマンにあきれ、「愛は地球を滅ぼす」と言って、友人たちに大うけしたものだ。(これは、当時の「24時間テレビ」の「愛は地球を救う」というキャッチコピーへの皮肉。)
いや、興奮してつい話が逸れた。とにかく、アメリカドラマの恋愛病、色情狂ぶりは、日本のドラマも汚染している、ということである。日本の歴史ドラマに「政略結婚」はあっても、「恋愛」などあってはおかしいのである。それが歴史に忠実な描き方だろう。壬申の乱だって、べつに額田王をめぐる三角関係からの戦争ではない。そうだったら、トロイ戦争みたいで面白いが。
さて、駄弁が長くなったが、紙屋研究所管理人氏が見落としている漫画がある。
それは平田弘史の「黒田三十六計」で、コンビニで買える。「ブラック官兵衛」を描いている点では、これに勝るものは無いのではないか。平田弘史の作品の中では最上というわけではないが、官兵衛がNHKドラマの主人公にいかに不適であるかはありありと分かるだろう。


(以下引用)






「生涯の汚点」としての宇都宮鎮房暗殺

 さて、こうした「官兵衛」本、あるいは「官兵衛」マンガが中心な中で、ぼくが驚いたのは中津市(大分県)が監修している屋代尚宣『マンガ 戦国の世を生きる 黒田官兵衛と宇都宮鎮房』(梓書院)である。


 何が驚いたといって、まさか宇都宮鎮房(しげふさ)の謀殺をこんなに正面から描くなんて思いもしなかったからである。


 秀吉の九州平定後、官兵衛は豊前(大分県)に領土を与えられるが、秀吉に協力した土豪・宇都宮鎮房は伊予(愛媛県)に領地を移すよう秀吉に求められる。また、太閤検地によって兵農分離がすすめられ、中間搾取者としての地付きの小勢力の武士(国人)は農民になるか俸録(給料)制の家臣になることを迫られた。

 これらの不満が一体となって、大規模な反乱となる。

 黒田は大苦戦を強いられ、最終的には和平とみせかけ、政略結婚まで用意しながら、城内に誘い入れ、謀殺。一族皆殺しにしてしまう。


 どこが不敗の軍師だよ、何が平和を願った男だよ、と言われてしまう官兵衛の「黒歴史」である。「あれは子の長政がやったことで、官兵衛の所業ではない」という言い訳もあるが、かなり苦しい。


 司馬遼太郎はこの一件を次のように評している。




留守居の官兵衛の嫡子の長政がこれらと戦い、とくに最大の土豪である宇都宮鎮房との戦いで惨敗した。宇都宮氏は城井(きい)谷を根拠地とし、鎌倉以来の地頭で土地の者からよく崇敬されていた。長政がこの鎮房をもてあまして陰惨な謀殺をやっているが、このことに官兵衛は無縁とはいえず、この男にとっては生涯の汚点といっていい。(司馬『新装版 播磨灘物語(四)』講談社文庫p.331、強調は引用者)


 「生涯の汚点」。

 相当に厳しい言葉である。

 宇都宮氏はすでに一族としてのまとまりがないほどに分立していたが、少なくとも鎮房の本家に関しては、黒田によって根絶やしの凄惨な弾圧が行われる。政略結婚のために嫁ぐことになっていた13歳の鶴姫は磔(はりつけ)にされるのだ。


 NHKパンフの描き方にみられるように、大河ドラマの主人公が謀殺などをした男であってはならず、このエピソードがとりあげられることはまずない。特に何かにつけて教訓くさく大河ドラマの主人公を押し出したい行政などにとっては、タブーではないのか、とぼくは思っていた。


 ところが、である。


 このマンガは、中津市が「監修」にもかかわらず、このエピソードを取り扱う。いや扱うどころじゃねえ。タイトルがそもそも『黒田官兵衛と宇都宮鎮房』であり、まさにド真正面から扱っているのだ。


異色のマンガ『黒田官兵衛と宇都宮鎮房』

 職場でこういう話が好きな人と、「まさかあのエピソードは扱うまい」と話題にしていたので、こんなマンガを中津市が出したという新聞記事(読売新聞)を読んだとき、びっくりして「ぜひ読まねば」と思った。


 ところが、書店はおろか、Amazonでさえ入手できなさそうである。現地でお土産としてしか売ってないらしい。

 記事に、中津市教育委員会に電話しろとあったので、電話した。本体が700円、送料が740円もする(さらに少額小為替の換金手数料が200円かかった)。しかし、何としても手に入れたいと思い、郵送してもらった。

http://www.city-nakatsu.jp/docs/2014022000106/


 絵柄がすごいね。

 中津市のホームページには「親しみやすいマンガで」とあるのだが、全然親しみやすくねえ。まあ、マンガという表現形式が一般的に親しみやすいという意味だろうけど、一人残らず目が切れ長の劇画調。怖い。


 官兵衛の半生も手際よくまとめているが、中心は宇都宮と黒田の相克。

 ヤマ場は、やはり和睦の酒宴ということで入城した宇都宮鎮房を暗殺するシーンである。「官兵衛は謀殺に関係ありません」という立場をとらず、子・長政に実質的な指揮命令をして殺したのが、まさに当の官兵衛であるという考証に立っている。




再び一揆が起これば今度こそ黒田は詰め腹を斬らされる

喰うか喰われるか

これが世の中の流れじゃ


とミもフタもない弱肉強食の世界観を口にする官兵衛。

 いいねえ。リアル。

 いや、これがホントのところだと思うよ。

 正直。

 マンガにも書いてあるけど、同じ九州(熊本)で、佐々成政が過酷な圧政と検地を行ったために、同じように反乱がおき、秀吉に失政の責任を問われて文字通り詰め腹を切らされた。

 官兵衛は秀吉の怒りを恐れて、徹底した弾圧を決意していたとみるのがまあ正当なところだろう。太平の世を願って……とかそういう寝ぼけた主張はアレですわ。


「中世対近世」という解釈の正当性

 本書に「刊行にあたって」という中津市長の言葉が載っている。



敵を殺さず戦に勝つといわれた官兵衛も、この時ばかりはそうもいかず、鎮房と徹底的に交戦し、最後は謀殺という非情な手段をもってこれを鎮めました。新しい世の中をつくるために避けられない戦いだったのです。(本書p.109)


 うむ、これだけではなかなか苦しい。

 観光の目玉としたい行政であるにもかかわらず、このテーマを正面から扱ったことには拍手を送りたいが、「新しい世の中をつくるために避けられない戦いだったのです」とは「いい話」っぽくまとめすぎである。

 後述するように実はこの市長の述べた評価は妥当なのだが、肝心のロジックが抜けているので、「いい話」にまとめる横車を押している感じが否めない。


 この「新しい世の中をつくるために避けられない戦いだったのです」というロジックは、本書の「おわりに」として市教委の一人(三谷紘平)が書いているのがより詳細に伝えている。


 三谷は、宇都宮対黒田は単なる一地方の勢力争いではなく、検地と兵農分離によって中間搾取者であった土着の小勢力を徹底的に排除し、封建革命を完成させようとする秀吉側と、それに抵抗する中世の旧権力との闘争であると見ている。中世対近世というわけである。



宇都宮鎮房については、滅びてまで自らの土地を守ろうとした、中世を代表する武士であったと、あらためて評価すべきではないでしょうか。(本書p.146)


 これは得心がいく。

 これに対する近世権力の代表、黒田の評価はどうか。




官兵衛の豊前平定は、この中津の地を豊前の中心に定め、戦国の世から平和の時代へ変えるための行動であったということができます。(同前)


 「平和の時代へ」というのは、「平和主義者である官兵衛」という解釈だといかにもとってつけた感じになるけども、この文脈でいうと「中世の分立する小勢力を整理・掃討して、近世権力をうちたて、強力な秩序をつくりだす」というふうに読めばさほど無理はなくなる。統治が混乱することを望む支配者はいないのだから。それを「平和の時代へ変えるための…」などというのは、ちょっと強引なように思われるけど、こういう流れの中であれば許されるだろう。

 じっさい、マンガとして、こういう場合、黒田は正義、宇都宮は悪、のような造形に描かれがちである(あるいは郷土的愛着からまったく逆にする)。しかし、さっきぼくが「怖い」と評した作者・屋代の、「どの人物も酷薄なフォルム」というタッチがここではプラスに生きている。読者はどちらにもあらかじめの正義を感じることなく、「喰うか喰われるか これが世の中の流れじゃ」的な感覚を味わうことができる。


 だから、この本をぼくは高く評価する。

 行政が主体でつくったにもかかわらず、大河ドラマの英雄の「汚点」に斬り込み、なおかつギリギリのリアルな解釈をしているからである。


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バーで首吊りする、という話

私の英語力は高校一年生の平均レベルかと思うが、本はわりとたくさん読んできた部類なので、英語の翻訳などをする時には、そうした「基礎教養」によって類推できることが多い。本職の英語教師などは案外と本を読まない人が多く、(生徒のほうはもちろんそれ以上に読まない。)少しひねりの利いた英文やユーモアを交えた表現などになると手も足も出なくなる、という例を私は職場(塾や予備校)などでよく見たものである。
で、そういう例は教育の現場だけのことではない。
昨日、市の図書館から借りた、村上春樹訳の「ロング・グッドバイ」(言うまでもなく、レイモンド・チャンドラーの古典的ハードボイルド小説だが、私は未読であった。)の後書きを先に読むと、こういう一節にぶつかった。

たとえば、第36章で自殺の方法についてあれこれ例をあげるところで、
They have hanged themselves in bars and gassed themselves in garages.
という一節がある。直訳すれば「人はバーで首を吊ったり、ガレージでガスを吸ったりして自殺する」となるわけだが、これは文章としてどうも変だ。というのは、チャンドラーはここで自殺の方法について、文章が対になるかたちできれいにいくつもの例を列挙しているからだ。となると、barはbarnの誤植ではないかということになってしまう。「人は納屋で首を吊ったり、ガレージでガスを吸ったりして自殺する」、これなら話がわかる。バーで首を吊るというのは、どう考えても不自然だ。必然性がない。(中略)そのようなわけで、僕は熟考の末に「納屋説」をとることにした。ちなみに清水俊二さんも「納屋説」をとっておられる。意見が一致したわけだ。


私はこれを読んで、即座に「馬鹿な! これはhangover(二日酔い)の洒落に決まっているだろう!」と心の中で叫んだものである。
洒落である以上はもちろん直訳は不可能であり、「人はバーで飲みすぎて二日酔いになって溺死するか、ガレージで排気ガスを吸ってガス中毒死する」とでも訳するのがいいだろう。これなら、「溺死」と「ガス中毒死」、つまり、肺に死因がある死に方の並列で、「対」にもなっている。(もちろん、「二日酔い」で溺死する、は誇張表現。)
村上春樹氏や清水俊二氏がチャンドラーのこの一文を読んで、「hangover」の一語を想起しなかった(できなかった)というのは信じ難いように思われるかもしれないが、酒を飲む人間ならば、「バー」と「二日酔い」は即座に連想するのだが、あまり酒を飲まない人たちならば、こういう連想が働かなくても不思議ではない。それに、もともと日本人は翻訳をする時に、そこにユーモアが含まれているということを見逃しがちなものなのである。
要するに、学校教育とユーモア(あるいは幅広い教養)は対立する存在であり、その影響は教育が終わった後でも、日本人の頭脳を支配している、ということである。


(3月18日追記)

上記の「バーで首吊り」の本文部分を読むと、ここはユーモアを入れる場面ではなさそうだから、上に書いたのは私の間違いかもしれない。もっとも、マーロウは死んだ男(ロジャー・ウェイド)にそれほど好意を持っているようでもないから、やはり、シニカルなユーモアの多いマーロウの心の中の発言として、ここを洒落だと解釈してもいいような気もする。人が死んだ時に、様々な自殺の方法について対句めいた御託を並べること自体、不謹慎とも言えるのだから。
もう一つ、気になったのは、別の部分で、ある拳銃を「モーゼルPPK」と書いてあったことだが、かつては男の子だった人間ならたいてい知っているように「PPK」はワルサーである。もしかして、「PPK」とはある種の共通の仕様で、モーゼルにもあるのかな、と思ってネットで調べると、次のような文章があった。これはチャンドラーの書き間違いらしい。そもそも、モーゼルは大型拳銃として有名であり、小型拳銃も作っていないでもないだろうが、小型拳銃としてモーゼルの名前を使うというのは、チャンドラーの気が知れない。とは言っても、この作品が稀に見る傑作であることは確かであった。何より、「推理小説」としても傑出している。事件の謎解きが終わったはずなのに、まだページ数が残っているので、どんな蛇足的エピローグを書いているのか、と思ったら、最後で背負い投げをくらってびっくりした。ただし、あまり気分の良くないどんでん返しだったが。こうした「裏切り」で終わるのがハードボイルドのお約束とは言え、探偵という連中は、いったい何が悲しくて裏切られるためにあくせく苦労しなければならないのか。

(以下引用)

蛇足ながら、前の章に続きこの章でも、テリーの妻の所有する銃、つまり殺害に使用された凶器だが、モーゼルP.P.K.7.65ミリと書かれているが、ご存知のとおり、P.P.K.はワルサー社製の拳銃で、モーゼルではない。イアン・フレミングの007シリーズにおいて、ジェイムズ・ボンド愛用の銃として知られているので、今では誰でも知っていることだが、原文にモーゼルとある以上、翻訳者が勝手に訂正することはできない相談なのだろう。チャンドラーともあろう作家が何でこんな初歩的なミスを犯したか。銃器には詳しくなかったのかもしれないが、編集者や出版社は専門家だ。気がつかなかったのだろうか。どうにも腑に落ちない。






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敗者には何もやるな


「ライブドアニュース」から転載。
まあ、アメリカの話だから、日本には当てはまらない部分も多いのだが、共通する部分もあるだろう。もっとも、この調査の数字自体が捏造かもしれないし、あるいは誘導的アンケートによるものかもしれない。この手の記事を読むときは、常に、そういう姿勢で読むべきだ。記事中にも書いてあるように、国会議員とか芸能人を最初からアンケートのリストから外していると思う。
それに、私が考える「給料もらいすぎ職業」の代表的な一つである、プロスポーツ選手がランキングに入っていないのだが、これはプロスポーツ選手というものが、アメリカでは「アメリカンドリーム」の象徴、すなわち資本主義社会の撒き餌であり、イメージシンボル(まあ、イメージもシンボルもほぼ同義だが)になっているからだ、と私は推理した。
「努力と才能で、誰でもこんな高給(大金)が手に入るのだよ。成功できないのは社会システムのせいではなく、本人の努力不足や才能のせいなのだよ」ということを絶えず刷り込む役目をプロスポーツ選手は持っているわけだ。
なお、日本では歯医者の所得はかなり低いはずである。アメリカは敗者に厳しく、日本は歯医者に厳しい。(笑)



(以下引用)




マイナビウーマン

マイナビウーマン
2014年02月11日21時01分


給料をもらいすぎている・もらっていない職業トップ7―「もらっている1位 ファイナンシャル・マネージャー」




ワーキングプア。真面目に働いて節約しているのに、お金は貯まらず。「あの人たち、なぜあんなにお給料もあらえるの?」とぼやいていませんか? 世の中が不公平なのは、米国でも同じようです。米国人が考える「あの人たち、給料もらいすぎ・少なすぎ」の上位7位の職種を紹介しましょう。

■「給料もらいすぎ」職業ランキング

1位 ファイナンシャル・マネージャー
2位 経営責任者
3位 フィナンシャルアナリスト&アドバイザー
4位 不動産ブローカー
5位 弁護士
6位 歯医者
7位 スポーツ・芸能エージェント

ゴールドマン・サックスの初任給が話題になったように、金融業はお給料がいいことで有名ですが、平均は1263万円。外資系のディーラーには、1回のボーナスで1億円以上の額が支給されることもあります。

6位の歯医者の平均収入は1700万円。アメリカの高額な医療費が想像できます。米国に住む予定のある人は、日本で歯を全て治療し終わってから、渡航した方がよさそうです。

■「給料が少ない」職業ランキング

1位 農業従事者
2位 チャイルドケアワーカー
3位 料理人
4位 ウェイター、ウェイトレス
5位 ビル清掃人
6位 消防士
7位 ファストフード従業員

(いずれもBUSINESS INSIDER SurveyMonkey Audience調べ)

米農業従事者の平均給料額は224万円。90パーセント近い人が「少なすぎ」と回答しています。

料理人も、料理をする他、メニューの作成、新しいレシピの開発、朝の買い出しから仕込み、片付けと、早朝から夜中過ぎまで働いている割には、お給料が少なすぎると言えるでしょう。平均年収も農業従事者と大きな差はありません。

このランキングに寄せられた感想は「なぜ、国会議員が入っていないんだ」という批判の声が最多で、その次にトークショーの司会者やハリウッドスターの名もあがっていました。

「職業に貴賤なし」と言うように、もう少しお給料の差をなくしてほしいものです。

参考:Most Overpaid und Underpaid Jobs in America.
http://jobs.aol.com/articles/2014/01/16/most-overpaid-and-underpaid-jobs-in-america/



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シャケとニジマス

「ネットゲリラ」から転載。
自民党だけがそうなのか、代議士の大半がそうなのかは知らないが、少なくとも安倍政府がどこに顔を向けて政治を行っているのかがよく分かる話なので、面白い。
本当なら、金持ち相手の高級レストランの食材偽装よりも、一般大衆相手の食材偽装の方を問題にするのが政治家というもので、昔の政治家にはその程度の判断力や常識はあったと思うのだが。
ところで、私にはなんとなくシャケよりもニジマスの方が高級に思えるのだが、まあ、そういう「価値観」というもの自体が怪しげなものだ、ということを私は昔「価値論」という小文で書いたことがある。このブログの過去記事のどこかにあるかもしれない。


(以下引用)





貧乏人は偽シャケ弁

野次馬 (2014年2月 7日 16:13) | コメント(25)



自民党の大臣が、「自民党の議員みたいな金持ちが食う料理の偽装は許せないが、貧乏人が食うシャケ弁当は偽装やむなし」だそうで、まぁ、自民党はそういう政党です。まぁ、東京みたいな大都会に溜まったルンペン・プロリアートを食べさせるのには、偽装だろうが放射能だろうが農薬だろうが知ったこっちゃない、という事です。





森大臣「高級レストランのスモークサーモンと安いシャケ弁は別の話」 ニジマス「シャケ弁」安けりゃOK?

1 トラースキック(WiMAX) 2014/02/06(木) 17:35:19.25 ID:CEDpbLyDP
ニジマス「シャケ弁」安けりゃOK? 基準あいまい(02/06 13:59)

 メニューの偽装表示を巡るガイドライン案について、森消費者問題担当大臣はニジマスを使ったシャケ弁当は問題ないとの認識を示しましたが、基準はあいまいで、更に混乱を招く可能性もあります。
 森消費者問題担当大臣:「高級なレストランの宴会に行って、スモークサーモンのサラダと思って食べていたらトラウトサーモンだった。それが小さくであろうと、どこにも説明(表示)がなかったというような事例と、誰でも買って安価で買って楽しんでいるシャケ弁当とはまた別の話だ」




(追記)同記事コメントの中で、私好みのものを一つ。



79 トラースキック(兵庫県) 2014/02/06(木) 18:58:37.34 ID:wBJZ2Qqk0


キツネうどんやタヌキそばも廃止にしないとな




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