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代謝とは何か

自然科学用語には、なぜそういう漢字を使ったのだろうと思う言葉が多いが、まあ、大半は専門家のカッコつけだろう。素人に分かりにくい言葉を使って恐れ入らせるわけだ。
新陳代謝や基礎代謝の「代謝」などがそのひとつで、誰が誰に代わって謝るのだよ、と言いたくなるが、もちろん、この「謝」は謝る意味ではない。
ちなみに、「基礎代謝」とは、生存に必要な基礎エネルギー量、くらいの意味だと思うが、老化すると基礎代謝は減少するのに、同じ量の飯を食い続けるから太るわけである。


(以下引用)



「謝」は、説文解字(中国の字書)によれば、元は


「辞去=別れの言葉を言うこと」。またその意味から、
「代謝=移り変わること。移り変わり」のように用い、さらに、
「去る」の意味を表す。そこから転じて、
「感謝」などのように、「恩に感じて礼を述べること」を意味するようになった。

「新陳代謝」は、本来「新しいものと古い(陳)ものとが移り変わる(こと)」の義で、生理学等に固有の意味ではない。もちろん「代謝」も上記の意味が本義で、自然科学用語は近年になってから使われるようになったものである。

つまり「謝」も「代謝」も「新陳代謝」も、今使っている意味はあとからできたもので、本来はほかの意味だったということですね。
「常用字解」(白川静 平凡社)、「漢語林」(大修館)を参考にしました。

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「治療薬の服用の有無にかかわらず」

最近はこの手の記事を書く時には「子どもがインフルエンザにかかると、治療薬の服用の有無や種類にかかわらず、興奮してベランダに出て飛び降りようとするなどの異常行動を起こす恐れがあるとして」と書くのがパターン化しているようだwww まあ、製薬会社と医療業界からの要請によるものだというのは明白だろう。


(以下引用)




インフル薬服用後 高層マンションから転落か 男子中学生が死亡 発熱で学校休む


12/10(火) 22:00配信


中国新聞デジタル



 10日午後1時50分ごろ、広島市内のマンションから「人が落ちた」と付近の住民から110番があった。広島県警や市消防局などによると、転落したのは中学の男子生徒で、死亡が確認された。関係者によると、男子生徒はインフルエンザの薬を飲んだ後に転落したという。県警は事故とみて調べている。

 関係者によると、男子生徒は発熱があり、この日は学校を休んでいた。家族もいる自宅でインフルエンザの薬を飲んだ後、何らかの原因で転落したとみられる。

 現場は十数階建ての高層マンション。近くのアパートに住む50代の女性は「マンションの敷地に男性が倒れていた。救急車が来て担架で運ばれた」と話した。

 厚生労働省は、子どもがインフルエンザにかかると、治療薬の服用の有無や種類にかかわらず、興奮してベランダに出て飛び降りようとするなどの異常行動を起こす恐れがあるとして、注意を呼び掛けている。






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喫煙者は大幅に減少しながら肺癌死亡者が毎年増えていく怪

別ブログに書いた記事だが転載しておく。
私はそのブログで「高血圧は癌と相剋関係にあるのではないか」という仮説を書いているのだが、戦後ほぼ一貫して減少したものと言えば、塩の使用量だろう。塩分摂取は確かに血圧を上げるだろうが、仮に高い血圧が癌の予防になっていたとしたら、「高血圧罪悪視」こそが癌患者を増やし続けていたということになるわけだ。
まあ、これは仮説にすぎないが、癌罹患者と血圧の関係は研究する価値はあると思う。だが、高血圧症患者と降圧剤で大儲けをしている医学界と製薬業界がこんな研究を許すわけがないwww
もちろん、脳卒中より癌のほうがマシと思うかどうかは人それぞれだろう。私は前者がマシという意見だが、現時点での意見にすぎない。
なお、肺癌だけが突出して伸びているのは、また別の原因があるはずで、それは喫煙者が激減している事実を見れば、煙草以外の原因を探す必要があるだろう。



愛煙家は消滅しつつあるのに肺癌死亡者は毎年増える怪



今では愛煙家というのは稀少種なのだから、「煙草=肺がんの原因」説は完全に息の根を止められたのではないか。また、自動車の排ガスもかなりクリーンになっており、工場の排ガスも同様だ。とすると、肺がんの毎年の増加の原因は何なのか。大きな視点の転換(たとえば、何が増えたかではなく何が社会から消えたのかを考えるなど)が必要だろう。
なお、その他の癌(の死亡者)も胃癌を除き着実に増えている。これは食生活の欧風化は戦後一貫しており、それが原因かと思われるが、それ以外の原因もあるかもしれない。たとえば、水が自然の水から水道に替わったこととか。(つまり、消毒剤が原因かもしれない)
胃癌の「死亡者」の減少、あるいは増加が止まったのは、胃癌は切除手術の成功率が比較的高いためかと思う。何しろ、全摘手術すらあると言うから、人間の身体はもともと強靭であるのだろう。別の見方をすれば、口から肛門までの空洞は外界と直接に接触する部位だからダメージ修復力が強いのかもしれない。





haigan

1: 風吹けば名無し 2019/11/22(金) 21:22:41.90 ID:xkml1h4I0
なんでなん?
no title







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高齢者の低血圧の危険性

「日経電子版」からの記事である。
高血圧もダメ、低血圧もダメ、で、面倒くさい話であるwww


(以下引用)



高齢者、低血圧に注意 腹八分目で転倒防止

寒い日はこたつに入り、鍋などを囲めば温かくなる。満腹になったところで、手洗いなどに行こうとしたら、立ちくらみやめまいを覚えるケースもある。これは血圧が一時的に低下した状態だ。低血圧は高齢者で起きやすく、3人に1人で症状が出るといわれる。転倒し、骨折する危険もある。普段、高血圧気味の人も含め、注意が必要だ。

心臓から送り出された血液は脳や手足など体の隅々まで行き渡り、また心臓に戻ってくる。心臓が血液を送り出すために筋肉を収縮させた時の圧力が収縮期血圧(上の血圧)で、心臓の筋肉がもっとも広がった時の圧力が拡張期血圧(下の血圧)だ。血圧が正常より低い状態が低血圧で、上の血圧が100以下が目安となっている。



■高血圧気味でも



やせ形の若い女性などが「低血圧気味で朝なかなか起きられない」と訴えるケースもあるが、これは体質などが関係しており、原因がよく分からない「本態性低血圧」に分類される。



一方、高齢者などで食後の立ちくらみなどの原因となる低血圧は一過性の場合が多い。脳への血液が不足気味になり、ぼーっとしたり、めまいを起こしたりする。ひどいケースでは失神してしまう。



東邦大学医療センター佐倉病院の榊原隆次准教授は、食後に低血圧が起こる仕組みについて「食べた物を消化・吸収するため、血液が胃や腸に集まる。その結果、心臓に戻る量が減ってしまう」と説明する。胃や腸では消化に必要な消化管ホルモンも分泌される。このホルモンは栄養を体内に吸収するために血管を広げる役割があり、胃腸以外の末梢(まっしょう)の血管が広がりやすくなるという。



体内では、自律神経が働いて心拍数や血圧を上げている。しかし、高齢者などではこの調節の仕組みがうまく働かなくなり、低血圧になりがちだ。



榊原准教授は「普段、高血圧だといわれている人でもこうした現象は起こる可能性がある」と指摘する。また、糖尿病やパーキンソン病などの神経障害がある人は食後に低血圧症状になるケースが多いという。



■カフェインが効果



食後にふらつきが気になる人は、ゆっくり食べるとともに腹八分目を目指すとよいと専門家は指摘する。1回に食べる量を減らして数回に分ける。



東京女子医科大学東医療センターの渡辺尚彦准教授は「食後30分~1時間は安静にして、濃い緑茶やコーヒーを飲むのも有効だ」と助言する。成分のカフェインなどに血の巡りを改善する作用があるからだ。みそ汁などで塩分を少し多めにとるのもよいという。



高齢者で起こる低血圧はほかにもある。起立性と呼ぶタイプだ。立ち上がった際に、血圧が急激に下がり、気を失って転倒事故などを招く。



このタイプは思春期の若者などで多く、不登校の原因などになることが知られている。健康な人でも疲れているときなどに起こることがある。体力の低下した高齢者で起こると、骨折やそれによる寝たきりなどをもたらしかねない。



自宅で仏壇の前に座って読経していた70代男性は30分後に立ち上がった瞬間、立ちくらみが起き、そのまま失神してしまった。夜寝ていてトイレのために起きる際などでも起こりやすい。



起立性低血圧に対処するには、腰のベルトを少しきつめにしたり、専用の加圧式腹部バンドを使ったりするとよい。弾性ストッキングをはく方法もある。末梢の血管の開きを抑えて血圧の低下を防げるという。散歩などの軽い運動や、足を5~10分組むのも予防効果が期待できる。



このほか、高血圧の患者が降圧剤を使ったときに一時的になる低血圧にも注意したい。渡辺准教授は「血圧の薬の中には、手足の先などの血管を開くものもある。起立性などの低血圧が起きやすくなる傾向がある」と指摘する。



患者のなかには、失神を起こすからといって自らの判断で降圧剤の服用を中止する人もいるという。しかし、服用をやめれば血圧がまた上昇してしまう。渡辺准教授は「自分で判断せずに、必ずかかりつけの医師に相談してほしい」と話す。降圧剤の量を調整する場合もあるという。



がんや心臓病などの病気とともに低血圧になる「症候性」と呼ぶタイプもある。病気の進行による栄養不足などが原因だ。



血圧が単に低いだけでなく、背後に病気が隠れている可能性もある。気になる症状があれば医師に一度診てもらうとよいだろう。



(八木悠介)







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「健康にいい食品」常識には嘘が多い?

これは、私も半分くらい信じていた。「ブルーベリーは目にいい」というのが嘘だと分かったら、健康食品産業には大打撃なのではないか。
この手の「常識の嘘」は、ブルーベリーだけではないだろう。
いったん嘘が広まると、それを使った商売が世間で大繁盛し、その嘘を暴くのが難しくなるからだ。

(以下引用)




ざっくり言うと

  • 「ブルーベリーは目にいい」との説について、筆者が紹介している
  • 実は第二次世界大戦時、英軍が戦争に勝つために流した嘘情報なのだそう
  • 医学的根拠もなく、目への効果は論文でも否定されているという


「ブルーベリーが目に効く」は第二次世界大戦中にイギリス軍が流したデマが元だった



「ブルーベリーは目にいい」と、よく言われますよね。そして、その根拠として「第二次世界大戦のイギリス空軍のあるパイロットの好物がブルーベリージャムで、そのおかげで夕暮れでも物がはっきりと見えた」などという逸話を聞いたことがある人もいるでしょう。


しかしこの逸話、実は戦争に勝つために流された嘘情報だったんです! しかも当時は、ブルーベリーの効果ではなく、とある別の野菜の効果として宣伝されていたものでした。


いったいどういうことなのでしょうか? 「アリエナイ理科」シリーズでおなじみ、亜留間次郎氏に詳しく解説してもらいました!


もともとは「ニンジンの効果」とされていた!

「ブルーベリーに含まれるアントシアニンが目にいい」という話を、第二次世界大戦の逸話として聞いたことがある人も多いでしょう。曰く、「イギリス空軍のあるパイロットの好物がブルーベリージャムで、そのおかげで夕暮れでも物がはっきりと見えた」と。


しかしこの宣伝文句は、実はレーダーの性能を敵国ドイツに知られないようにするための方便でした。しかも、その当時、夜目に効果があるとされていたのは「ニンジンのカロチン(ビタミンA)」であり、ブルーベリー(のアントシアニン)ではなかったのです。


▲アメリカ国立公文書記録管理局に保管されている第二次世界大戦中のポスター。出典|ウィキメディア・コモンズ


あの時代、「ビタミンAを大量に摂取すると夜間視力が向上する」という説は世界的に支持されていました。日本軍もビタミン注射などを採用していたほどです。そしてイギリスは、灯火管制で真っ暗だったため夜目が利くことが重要とされており、国を挙げてニンジンを食べるようキャンペーンを行っていました。「ドクター・キャロット」なんていうゆるキャラも存在していたんです。


▲イギリスの帝国戦争博物館に保管されている「ドクター・キャロット」のポスター。出典|ウィキメディア・コモンズ


そんななか、イギリス空軍は、夜間戦闘でドイツの爆撃機を多数撃墜するという戦果をあげはじめます。これ、本当はレーダーの性能が向上したおかげなんですが、敵国ドイツに悟られないよう、「ニンジンのおかげで夜目が利く撃墜王がいる」という宣伝を行ったんですね。このとき英雄に祭り上げられたのが「猫目のカミンガム」こと、ジョン・カミンガムです。オーストラリア国立図書館のデータベース「Trovo」では、1952年3月14日の新聞に「第二次世界大戦中で最も成功した嘘において主役を演じた」と書かれているのを確認できます。


▲オーストラリア国立図書館のデータベース「Trovo」より、「News」1952年3月14日の記事を引用。


また、『Deceiving Hitler: Double-Cross and Deception in World War II』という本によると、これらの嘘情報作戦は、イギリスの諜報機関「オプスB(Ops B)」のジャービス・リード大佐が指揮を執っていたそうです。


ちなみに、現代医学においても、ビタミンAやビタミンB群は目にとって必要な栄養素であるとされています。特にビタミンAは、欠乏すると夜盲症の原因になる可能性があります。しかし、たくさん摂取したからといって、もとの視力以上に能力が向上するわけではないのです。

論文で否定されている「ブルーベリーの目への効果」

さて、それではニンジンがブルーベリー(総称。具体的にはその1種である「ビルベリー」)の伝説にすり替わったのは、いつのことなのでしょうか? この点について必死にネタ元を探してみたのですが、残念ながら具体的なことは突き止められませんでした。


ただし、2017年の現在、世界最大の論文データーベース「Pubmed」で検索を行うと、21世紀に書かれたブルーベリーの効能を否定する論文がたくさん見つかります。


Pubmed:検索ワード「Bilberry+eye」


Pubmed:検索ワード「Buleberry+eye」


たとえば2014年の論文「Blueberry effects on dark vision and recovery after photobleaching: placebo-controlled crossover studies.」では、夜間視力のブルーベリー効果はプラセボであると結論づけていました。


21世紀になって、このような論文がたくさん登場するようになった理由は、「ブルーベリーが目にいい」という“常識”が世間で幅を利かせるようになってきたからでしょう。特にサプリメントなどはどんどんエスカレートしており、近視や乱視、疲れ目、緑内障、白内障などにも効果があるかのように匂わせる表現が使われていたりします。が、そこに医学的なエビデンスはありません。当然ながら、当局の認可を受けたり、「医薬品」を名乗ったりすることはできないのです。


ちなみに、第二次世界大戦当時、ニンジンの嘘に騙されたのかどうかは定かではありませんが、ドイツはもっとすごいものを作ってやろうと研究に取り組んだようです。その結果、マリーゴールドの花びらから抽出したヘレニエンという色素に、明暗順応効果があることを突き止めました。



バイエル薬品の「アダプチノール錠」は、このヘレニエンを主成分とした目の薬です。承認薬となって市販が開始されたのは1951年と戦後になってからですが、2017年現在も日本の厚生労働省も含め、世界的に認可されています。アダプチノール錠は、ちゃんとしたエビデンスのある医薬品として使われ続けているわけです。

ブルーベリーに関する最近の研究成果

さて、ブルーベリーを一方的にくさしただけで終わるのもなんなので、BMJ(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)に掲載された論文(2013年8月29日公開)を紹介しておきましょう。それは「Researchers find link between blueberries, grapes and apples and reduced risk of type 2 diabetes」(ブルーベリーを食べたほうがブドウやリンゴを食べるより2型糖尿病のリスクが低下する)というもの。


この論文によると、ブルーベリーを毎日食べている人のハザード比(何もしない人を1として比べた場合の平均死亡率)は0.74で、ブドウやリンゴを食べる人に比べて低い値を示しています。論文によると、果物ごとのハザード比は以下の通りです。


ブルーベリー 0.74ブドウ・レーズン類 0.88プルーン 0.89リンゴ・洋ナシ類 0.93バナナ 0.95グレープフルーツ 0.95ピーチ・プラム・アプリコット 0.97オレンジ 0.99イチゴ 1.03赤肉メロン 1.10

というわけで、糖尿病が気になる人は、ブドウやリンゴやイチゴやメロンを食べるよりは、ブルーベリーを選んだほうが良いかもしれません。とはいえ、まずはバランスのよい食生活を心がけることが一番大事! ブルーベリーばかり大量に食べるといった極端なことをしては意味がありませんよ。


※本記事は書籍『アリエナイ理科式世界征服マニュアル』から一部抜粋し、加筆修正を加えたものです。本書では、映画やアニメなどで描かれる「“悪の組織”による世界征服」が現実社会で可能なのかを大真面目に検討しています。支配者になる前に知っておきたい知識が満載!























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ヒートテックの惨劇

私自身はヒートテックとやらを着た経験が無いのだが、家に老人のいる家族が老人のためを思ってヒートテックを着させて下記のような状態になる、ということもあるかと思うので、この種の情報は世間に知られるべきだろう。
まあ、製品に注意書きなどが書いてあるかもしれないが、そもそも多くの人は下着(肌着)でそんな惨劇が起こるなど予想もしないから、読まないに決まっている。
衣服や下着の新製品というのは、実験で試着などするだろうが、その被験者に老人がいるとは限らない。薬品などもそうで、世間には普通とは違う体質や持病を持った人がいるかもしれないが、あらゆる人(70億人)を被験者にしてから売り出すことはできないのである。






さんがリツイート

老人介護施設勤務ですが、高齢の方にヒートテック下着類の着用は避けた方が良いです。ただでさえ乾燥気味の老人の肌から水分が奪われ、あっという間に超乾燥肌になります。ミイラ肌です。背中や腰回りを掻き壊し、一晩で血だらけになる方も。ヒートテックを着るなら、綿の下着を1枚着た上に着てね!














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癌治療の進歩(w)の「理由」

「逝きし世の面影」から転載。
長い記事を書いたのだが、なぜか途中で消えた(消された?)ので、記事紹介のみにする。


(以下引用)




「リードタイム・バイアス」って何?

2019年05月22日 | 放射能と情報操作
図1 リードタイム・バイアス

検診発見がんと外来発見がんとの間で生存率を比較する際に問題となる偏り。がんの発生から死亡までの時間が検診発見群と外来発見群の両群で等しい(すなわち検診の効果がない)場合でも、検診で早期診断された時間の分(リードタイム)だけ、検診発見がん患者の生存時間は見かけ上長いことになり、したがって見かけ上の生存率もあがることになるという偏りである。生存期間の始点が早期発見の分だけずれるという意味から、ゼロタイム・シフトとも呼ばれる。

■なぜ「生存率」ではだめなのか 国立研究開発法人国立がん研究センター検診研究部 検診評価研究室

「生存率」を用いて、がん検診の評価を行うことがありますが、この場合もがん検診特有のバイアスが紛れ込む可能性があります。
バイアスとは偏りのことで、真の状況からはかけ離れた状態を示すものです。
生存率の評価にはリードタイム・バイアスやレングス・バイアスが紛れ込みます。リードタイム・バイアスは、がんの成長や進展に関与するもので、検診によって発見された患者は有症状のために外来を受診した患者に比べ、がん発見が早いことから、見かけ上生存率が増加することで生じます。(図1)。また、レングス・バイアスは、検診は成長のゆっくりしたがんを見つけやすく、外来患者のがんに比べ予後が良くなる可能性を示しています(図2)。
「発見率」や「生存率」を根拠に新しい検診方法の導入を検討する場合には、こうした問題点を考慮する必要があります。


この国立がんセンターの図2 レングス・バイアスには最初の●がん発生、最後の■が死亡だった図1と比べれば一目稜線、重大な欠陥がある。(人マークと■が入れ替わり間違った結論に誘導)

がんの成長速度の差によるバイアスである。検診では成長速度の遅いがんのグループが発見される可能性が高くなる(レングス・バイアスド・サンプリングとも呼ばれる)。成長速度の遅いがんは、成長速度の速いがんに比べて一般に予後が良好である。したがって、検診発見がんと外来発見がんとで予後や生存率が異なっていたとしても、それが検診の効果なのか、あるいは各々で発見されるがんの成長速度の違いに由来するものなのか判別し難いというバイアスである。

『リード・タイム・バイアスとレングス・バイアスとは』 資本主義社会で生き残るために -不確実を財宝に変える発想

生存率と死亡率について。
生存という言葉は医療界にとってメリットがある。 何故生存という言葉は医療界にとってメリットがあるのでしょうか。 その一端を示すものとして、"リード・タイム・バイアス"と"レングス・バイアス"について説明します。
リード・タイム・バイアスやレングス・バイアスによって、見えないところで生存率を現実より高く見せ、私たちに医療の進歩を印象付けることができるのです。

リード・タイム・バイアスとは
リード・タイム・バイアス(Lead time bias)とは、生存期間が長くなることによって"医療が進歩した"と思わせるトリックを指します。
ここで生存期間とは医者に病気だと診断されてから亡くなるまでの期間を表します。
例えば55歳のときに胃がんと診断されて、その後5年後に胃がんで亡くなったら生存期間は5年ということになります。 しかし現代は医療の進歩によって、CTスキャンなどを駆使してがんを早期発見することができます。 その結果50歳の若さで胃がんを見つけられたとしましょう。

手術とか抗がん剤治療とかを駆使して、なんと最初に胃がんが見つかってから10年も生きられることができた! つまり生存期間が10年となって、昔に比べて2倍も延びています。
だけどちょっと待ってください。 上の二つ、よくよく見るとどちらも同じ60歳で亡くなっていますよね。 つまりがんの早期発見によって生存期間が長くなっただけで、亡くなる年齢は何一つ変わっていません
これがリード・タイム・バイアスです。

リード・タイム・バイアス
ポイントは「生存期間のスタート=病気だと診断されたとき」だということです。
これによってがんを早期発見するだけで、死亡年齢は変わらない(つまり医療は進歩していない)のに生存期間だけが延びてしまい、医療が進歩しているように見えてしまうのです。

リード・タイム・バイアスを利用した悪質な例
医療の進歩により、ガン患者の生存期間は年々増加しています。 例えば2009年に国立がんセンター中央病院によるシンポジウムで、大腸がんの生存期間が1980年の6ヶ月から2005年には4倍の24ヶ月にまで延びていることを紹介しています。
そして国立がんセンターはこれを抗がん剤の成果だと述べています。

大腸がんの生存期間の増加
一見すると抗がん剤によって生存期間が延びた、やったー!ということになります。 しかしここにも実はリード・タイム・バイアスのマジックが関わっているのです。
「がんもどき理論」で有名な放射線治療医の近藤誠氏は、著書「余命3ヶ月のウソ」の中で以下のように述べています。

『 1980年代あたりまでは大腸がんと判断するための肝転移は、がんの直径が8cm以上にならないと中々区別できなかったとのことです。 そして肝転移が発見されてからの生存期間中央値は大体6ヶ月程度でした。
しかしがん早期発見技術の進歩によって、2005年には直径1cmの転移したがんを発見できるようになりました。
直径1cm→8cmになるためには大体18ヶ月かかるので、医療技術の進歩によって従来より肝転移を18ヶ月早く見つけられるようになったのです。 』

2005年の大腸がん生存期間中央値は大体24ヶ月。 よって肝転移したがんが直径8cmになってからの生存期間は、24-18=6ヶ月。
つまり1990年も2005年も、肝転移した直径8cmのがんが見つかってから亡くなるまでの期間は一緒なのです。 これは大腸がんの薬が死亡率の低下にほとんど役に立っていないことを意味します。
生存期間が延びただけで、亡くなる年齢、死亡率はほとんど改善されていないのです。
つまり抗がん剤の効果は全くと言っていいほどないのです。
リード・タイム・バイアスを利用して抗がん剤の効果を不当に吊り上げた、悪質な例です。

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酔生夢人
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男性
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考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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