「日本一社員が幸せな会社」として有名な「未来工業社」社長の山田さんの発想が素晴らしい。
会社の上役というのは下の人間を常に猜疑の目で見ているものである。規律や罰則で縛りあげないと、社員というものは必ず悪いことをする、というのが多くの会社の上層部に共通する心理である。つまり、人の本性は悪である、というのが彼らのひそかな信念なのである。(要するに、小人である自分に照らして他人をそう見るわけだ)
だから、そういう会社に勤める人間は、毎日が息苦しい。常に監視され、疑われているのだから当然である。仕事の辛さなどよりも、そういう精神的不快感の方が、人間をよっぽど苦しめ、委縮させるものだ。ひどい場合には、それが身体的な病気を招いたりもする。会社勤めのストレス解消として酒を飲まないようなサラリーマンは、むしろ少数派だろう。上役に気に入られるためには、自分をアピールすることも必要だが、そういうのが嫌いな人間もいる。昔は、そういう人間、黙々と働く人間もきちんと評価する上役がいたものだが、今の時代は自己アピールで上にのし上がった上役が(人を見る目などないのだから)同じようにアピール上手なだけの人間を上に引き上げていく。そして気が付くと、会社の上部は弁舌能力だけの、人格低劣、識見皆無の人間が占めるようになるのである。
日本の多くの大企業はたぶんそうなっているのではないか。そうでもない限り、経団連という所にあのように人格低劣な下司(ゲス)だけが揃っているはずはない。東電などもその一つである。
下記記事で「ホウ・レン・ソウ」禁止、というのは面白い。「ホウ・レン・ソウ」をやかましく言うトップは、下の人間に権限を移譲していないということであり、下の人間を信じていないということだ。
実際、現場のことは現場の人間が一番知っているのだから、「報告・連絡・相談」などにほとんど意味はないとも言える。まあ、不測の事態が起こった時に報告・連絡・相談すればいいのであり、部下からの報告・連絡・相談など無くてもいつでも不測の事態への備えをしているのが優れた上司だろう。たいていの職場の「ホウ・レン・ソウ」はただそうやれと上から言われているからやっているというだけの形骸的なものと化している例が多いはずである。で、上の人間も自分がすべて知らないと不安で仕方がないから報告しろ連絡しろ、と部下にやかましく言うわけである。知って何をするわけでもないのだが、まあ、上司の精神安定剤にはなるわけだ。
最後に書いてある、「自由にさせても日本人はきちんと働くものだ」というのは至言である。逆に、そうでないような人間を社員として採用したなら、それは、採用した人間が自分の不明を恥じねばならないはずだ。
日本の会社の多くで、この山田氏のように人格・識見に優れた人物がトップになっていたなら、日本経済の現在のような落ち込みはなかっただろう。
最後に、山田氏の考え方を一言で言えば、社員を信頼すること、である。あるいは社員を人間としてまともに扱うこと、と言ってもいい。
(以下「ヤフーニュース」から引用)*元記事は産経新聞のようだ。
山田 社長の仕事というのはね、社員を幸せにして、「この会社のためにがんばろう」と思ってもらえるような『餅(インセンティブ)』を与えること。社員がヤル気を出して会社が儲(もう)かれば、分け前をまた『餅』にする。それだけだよ。バブル崩壊後、多くの会社が、正社員を派遣社員やアルバイトに切り替えてコストを下げようとしたでしょ。だけど、それで会社が儲かるようになったのか、って聞きたいですよ。人間(社員)を「コスト扱い」するな、ってね。
--ノルマや上司への「ホウレンソウ(報告、連絡、相談)」も禁止。支社や営業所も社員が勝手に作ったとか
山田 現場のことは、現場の社員が一番よく知っているからね。支社や営業所も「必要だ」と思ったから作ったんでしょ。私は名刺を作る度に(裏に書かれた支社・営業所を見て)「また増えとるなぁ」と思うぐらい(笑い)。社長なんてバカだと自覚しなきゃいけないんだよ。陣頭指揮などもってのほか。どう『餅』を与えるか、っていう大きな「戦略」を考えるだけでいい。「戦術」は社員に任せるのがいいんです。
--社員に任せすぎて失敗したことは
山田 「報告は禁止」だから知りませんねぇ(苦笑)。でもね、休日が多く、労働時間も短い、上司への報告も禁止…となると、人間はむしろ、いいかげんなことができない。その中で成果を上げようと必死で工夫してがんばるもんですよ。これは日本人だからできること。儒教精神が残っているし、農耕民族だからね。狩猟民族は獲物がなければヨソへ行くけど、農耕民族は苦しくても、土地にしがみついてがんばるしかない。『餅』を貰(もら)った以上、そこ(会社)で懸命に働こうと思うんだよ。
会社の上役というのは下の人間を常に猜疑の目で見ているものである。規律や罰則で縛りあげないと、社員というものは必ず悪いことをする、というのが多くの会社の上層部に共通する心理である。つまり、人の本性は悪である、というのが彼らのひそかな信念なのである。(要するに、小人である自分に照らして他人をそう見るわけだ)
だから、そういう会社に勤める人間は、毎日が息苦しい。常に監視され、疑われているのだから当然である。仕事の辛さなどよりも、そういう精神的不快感の方が、人間をよっぽど苦しめ、委縮させるものだ。ひどい場合には、それが身体的な病気を招いたりもする。会社勤めのストレス解消として酒を飲まないようなサラリーマンは、むしろ少数派だろう。上役に気に入られるためには、自分をアピールすることも必要だが、そういうのが嫌いな人間もいる。昔は、そういう人間、黙々と働く人間もきちんと評価する上役がいたものだが、今の時代は自己アピールで上にのし上がった上役が(人を見る目などないのだから)同じようにアピール上手なだけの人間を上に引き上げていく。そして気が付くと、会社の上部は弁舌能力だけの、人格低劣、識見皆無の人間が占めるようになるのである。
日本の多くの大企業はたぶんそうなっているのではないか。そうでもない限り、経団連という所にあのように人格低劣な下司(ゲス)だけが揃っているはずはない。東電などもその一つである。
下記記事で「ホウ・レン・ソウ」禁止、というのは面白い。「ホウ・レン・ソウ」をやかましく言うトップは、下の人間に権限を移譲していないということであり、下の人間を信じていないということだ。
実際、現場のことは現場の人間が一番知っているのだから、「報告・連絡・相談」などにほとんど意味はないとも言える。まあ、不測の事態が起こった時に報告・連絡・相談すればいいのであり、部下からの報告・連絡・相談など無くてもいつでも不測の事態への備えをしているのが優れた上司だろう。たいていの職場の「ホウ・レン・ソウ」はただそうやれと上から言われているからやっているというだけの形骸的なものと化している例が多いはずである。で、上の人間も自分がすべて知らないと不安で仕方がないから報告しろ連絡しろ、と部下にやかましく言うわけである。知って何をするわけでもないのだが、まあ、上司の精神安定剤にはなるわけだ。
最後に書いてある、「自由にさせても日本人はきちんと働くものだ」というのは至言である。逆に、そうでないような人間を社員として採用したなら、それは、採用した人間が自分の不明を恥じねばならないはずだ。
日本の会社の多くで、この山田氏のように人格・識見に優れた人物がトップになっていたなら、日本経済の現在のような落ち込みはなかっただろう。
最後に、山田氏の考え方を一言で言えば、社員を信頼すること、である。あるいは社員を人間としてまともに扱うこと、と言ってもいい。
(以下「ヤフーニュース」から引用)*元記事は産経新聞のようだ。
山田 社長の仕事というのはね、社員を幸せにして、「この会社のためにがんばろう」と思ってもらえるような『餅(インセンティブ)』を与えること。社員がヤル気を出して会社が儲(もう)かれば、分け前をまた『餅』にする。それだけだよ。バブル崩壊後、多くの会社が、正社員を派遣社員やアルバイトに切り替えてコストを下げようとしたでしょ。だけど、それで会社が儲かるようになったのか、って聞きたいですよ。人間(社員)を「コスト扱い」するな、ってね。
--ノルマや上司への「ホウレンソウ(報告、連絡、相談)」も禁止。支社や営業所も社員が勝手に作ったとか
山田 現場のことは、現場の社員が一番よく知っているからね。支社や営業所も「必要だ」と思ったから作ったんでしょ。私は名刺を作る度に(裏に書かれた支社・営業所を見て)「また増えとるなぁ」と思うぐらい(笑い)。社長なんてバカだと自覚しなきゃいけないんだよ。陣頭指揮などもってのほか。どう『餅』を与えるか、っていう大きな「戦略」を考えるだけでいい。「戦術」は社員に任せるのがいいんです。
--社員に任せすぎて失敗したことは
山田 「報告は禁止」だから知りませんねぇ(苦笑)。でもね、休日が多く、労働時間も短い、上司への報告も禁止…となると、人間はむしろ、いいかげんなことができない。その中で成果を上げようと必死で工夫してがんばるもんですよ。これは日本人だからできること。儒教精神が残っているし、農耕民族だからね。狩猟民族は獲物がなければヨソへ行くけど、農耕民族は苦しくても、土地にしがみついてがんばるしかない。『餅』を貰(もら)った以上、そこ(会社)で懸命に働こうと思うんだよ。
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