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気の赴くままにつれづれと。
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© Photo: RIA Novosti/Valeriy Melnikov
米国はウクライナ紛争の長期化を望んでいる。キエフ政権は米国のおかげで存在できている。その対価は、自国通貨が暴落しているので、ウクライナ人の血で支払う、ということらしい。以上のような、ポーランド人ジャーナリスト、ヤクブ・コレイバ氏による署名記事が、リア・ノーヴォスチのサイトに掲載されている。
ミンスク交渉は大失敗に終わった。ウクライナ南部・東部における流血の惨事がついに停止されるか、との期待は水泡に帰した。これでひとつのことがわかった。モスクワ以外だれひとり、戦争の停止を望んでいないのだ、ということ。欧米もウクライナ政府も、戦争の終結を望んではいない。彼らの行動そのものがそのことの証拠だ。むしろ戦争を、自分の政略に利用しようとしている。
キエフは戦争を終結させることが出来るのである。まずは命令一下、戦闘行為を停止させ、ついで諸地域と交渉を行い、国の未来を決めていく。簡単な二者択一だ。妥協するか、それとも、物理的に弱らせることによって、相手の立場を変えさせるか。紛争のこの半年の経過を見るに、キエフは緊張緩和に努めてはいない。和平の光明が見えたと思うそのたび、キエフは懲罰作戦を再開した。
何を隠そう、キエフではいま、まったく新しい国家イデオロギーの建設が進んでいるのである。ウクライナという国家の文化的存立基盤の根本的変造である。ウクライナ東部市民にとってはただでさえ容認しがたい、クーデターを出発点とする政権の上に、全く合法的とは認めがたい国家機構が樹立されようとしているのである。
キエフが戦争終結を望まない以上、流血の惨事の停止という重責は、国際社会の肩にかかる。その筆頭は、ウクライナにおける「民主主義の強化」に50億ドルを「融資」した、かの米国である。今やウクライナに対し政治的・また技術的影響力を持ち、ウクライナを平和への途に赴かしめることが出来るのは、ひとり米国のみである。問題なのは、ウクライナで戦争が続くと、世界における米国の覇権が強化される、という構造があることである。米国の国家戦略についての深い洞察で知られるジョージ・フリードマン氏は言う。「米国には、戦争で勝つことなど必要ではないのである。必要なのは、戦争によって、地政学上のライバルに問題を抱えさせ、その潜在力の開花を妨げることだけだ」。
米国はここ10年、ロシアの経済的台頭を、また、時を追うごとに「頑固さを募らせていく」、つまり独立性を高めていくその外交政策を、警戒心をもって観察し続けた。国家戦略の立案を担うものたち、政治工学者たちは、このままではまずい、「国際関係における独立した引力源たるロシアは、無力化されなければならない」と考えられるようになった。そのためには、ロシア国境に戦争を起こすのが一番いい。主要な貿易相手国における、難民の大量発生、人道危機、経済破綻、これにまさる物はない。
膨大な資本投下と工作によって米国は戦争の扇動者たちを大統領・首相・将官の席につかせた。紛争が長期化し、血みどろになればなるほど、この「遠くの」、そして「小さな」戦争に、ロシアはどんどん資本を奪われ、「ビッグ・ポリティクス」にはますます手が回らなくなる。それが米国の狙いである。
今やノヴォロシアの側さえ、紛争終結を望んでいない。ドネツクもルガンスクも、キエフの現政権が続く限り、自分たちに政治的未来はない、どころか、物理的生存さえ危うい、そう理解している。
ウクライナ紛争の終結は遠い。もはやとうの昔に、国内の特定の地域の地位うんぬんの話ではなくなっているのである。ウクライナも、ウクライナ国内の諸権力も、グローバル規模の仁義なきチェス・ゲームに組み込まれてしまっている。ワシントンのグランドマスターが東欧の歩兵にチェックをかけている。その最終目標はモスクワ陥落だ。
ワシントンはウクライナ人が最後の一人になるまでモスクワとの戦争をやめない。そのことを、ヤツェニュークもポロシェンコも理解していない。
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