私はすべての「国際機関」は欧米の利益擁護組織ではないかと疑っているのだが、ICC(国際刑事裁判所)も同様である。なぜ国際機関が国内法よりも上位にあることになるのか、法学者の考えを聞きたいものである。そもそも、国際法というものの実効性や正当性さえ疑う学者もいたはずなのに、現在ではなし崩し的に国際機関が国内法よりも上位であるかのような扱いになりつつある。ところが、その「国際機関」は、誰がどのようにして作ったのか、どのようなメンバーが動かしているのか、あやしいものなのである。そのやってきたことを見れば、そのほとんどの場合が欧米の利益を優先し、たまに申し訳程度にそれ以外の国のための活動をする、というものである。
アムネスティ自体も私は疑っている。なぜ彼らは欧米以外の国での人権抑圧しか問題にせず(下記記事でも人権抑圧の事例としてアムネスティが挙げているのはすべて欧米以外である)、アメリカの「愛国者法」のような最大の人権抑圧を問題にしないのか。路上で警察が公然と人を射殺するアメリカやイギリスという国をなぜ告発しないのか。他国に侵略してその国民を殺害したフランスやイギリスをなぜ告発しないのか。その一事を見ただけで、私はアムネスティという組織の正体が見える気がする。
(以下アムネスティへのインタビューより引用)
-なぜカダフィ大佐が、リビア国内で裁判にかけられることはないのか?
一度ICCが事件捜査の開始を決定すると、国内裁判所はその事件を扱うことが許されません。さらに、ICCがカダフィ大佐に逮捕状を発行したので、リビアを含むすべての国がICCに全面的に協力しなければなりません。
-リビアの司法制度の何が問題なのか?
リビアの新たな指導者は、暴動が収束したのち直ちに、司法制度、警察その他枢要な機関をどのように改革するのか検討しなければなりません。以下は、緊急に改革が求められる事項です。
・リビアの刑法典は、集団虐殺、人道に対する罪、戦争犯罪、拷問、強制失踪などの国際法上の罪を明確に規定していない
・リビアの刑事訴訟法は、適切な法的保障措置を欠いている。とくに、本質的に政治的なものであると思われる事件に対して、それらの保障がない
・数十年の政治的干渉により、リビアの司法権の独立が損なわれている
・リビア法に存在する一定の法的保障措置が、治安部隊によって当然のように軽視されている。「国家に反逆した」事件を扱うため、2007年に並列の司法制度が創設された
・広範な違法行為に死刑が適用されている
-カダフィ大佐は死刑に処されるべきか?
死刑に処されるべきではありません。アムネスティ・インターナショナルは、たとえ犯した罪がいかに大きいものであろうと、いかなる場合においても死刑に反対しています。極刑は生存権を侵害するもので、究極に残酷であり、非人間的かつ品位を傷つける刑罰です。
-もし他国がカダフィ大佐に安全な避難場所を提供した場合、どうなるか?
非常に重大な罪を犯した人物を免責することは、国際法で禁じられています。万が一カダフィ大佐がリビアから逃亡するようなことがあれば、彼を早急に逮捕し、捜査のためICCに移送することをアムネスティは求めます。
-カダフィの免責は紛争の早期解決をもたらし、結果的に人命を救うことになるのでは?
そのような取引は国際法を蹂躙するもので、決して容認されません。被害者の裁判を受ける権利、真実を明らかにする権利、補償への権利を侵害することになります。重大な罪を犯し非難された者が、以後犯罪に加担しないことに同意するかわりに、刑務所から解放され自由になるのであれば、「説明責任」という概念が無意味なものになってしまいます。
犯罪者の免責は人権侵害を悪化させ紛争を長期化させることになる、と歴史は伝えています。コロンビア、コンゴ、ハイチや イスラエル/被占領パレスチナ地域でも、指導者が交代しても、犯罪加害者は罰せられることなく人権侵害は大規模になって続いています。チリ、アルゼンチン、リベリアやシエラレオネでは、重大な人権侵害への免責と恩赦がなされましたが、それらは機能していません。
-ICCはリビア、アフリカ問題への「欧米」の干渉の良い例なのでは?
ICCは国際機関であり、アフリカやリビアへの「欧米的」干渉ではありません。アフリカの32ヵ国を含む、世界の半数以上の国(116ヵ国)がICCの設立を定めたローマ規程を批准しています。さらに、現在23カ国が条約に署名しており、将来の批准が予想されています。昨今ですとチュニジアが2011年6月にICCに加入し、締約国となりました。リビア新政府も、国際刑事裁判所ローマ規程を即刻批准することが望まれています。
国連安全保障理事会がリビアの状況をICCに付託する決議を全会一致で採択した際には、西欧諸国のみならず、すべての大陸の理事国がこの動きを支持しました。
アムネスティ自体も私は疑っている。なぜ彼らは欧米以外の国での人権抑圧しか問題にせず(下記記事でも人権抑圧の事例としてアムネスティが挙げているのはすべて欧米以外である)、アメリカの「愛国者法」のような最大の人権抑圧を問題にしないのか。路上で警察が公然と人を射殺するアメリカやイギリスという国をなぜ告発しないのか。他国に侵略してその国民を殺害したフランスやイギリスをなぜ告発しないのか。その一事を見ただけで、私はアムネスティという組織の正体が見える気がする。
(以下アムネスティへのインタビューより引用)
-なぜカダフィ大佐が、リビア国内で裁判にかけられることはないのか?
一度ICCが事件捜査の開始を決定すると、国内裁判所はその事件を扱うことが許されません。さらに、ICCがカダフィ大佐に逮捕状を発行したので、リビアを含むすべての国がICCに全面的に協力しなければなりません。
-リビアの司法制度の何が問題なのか?
リビアの新たな指導者は、暴動が収束したのち直ちに、司法制度、警察その他枢要な機関をどのように改革するのか検討しなければなりません。以下は、緊急に改革が求められる事項です。
・リビアの刑法典は、集団虐殺、人道に対する罪、戦争犯罪、拷問、強制失踪などの国際法上の罪を明確に規定していない
・リビアの刑事訴訟法は、適切な法的保障措置を欠いている。とくに、本質的に政治的なものであると思われる事件に対して、それらの保障がない
・数十年の政治的干渉により、リビアの司法権の独立が損なわれている
・リビア法に存在する一定の法的保障措置が、治安部隊によって当然のように軽視されている。「国家に反逆した」事件を扱うため、2007年に並列の司法制度が創設された
・広範な違法行為に死刑が適用されている
-カダフィ大佐は死刑に処されるべきか?
死刑に処されるべきではありません。アムネスティ・インターナショナルは、たとえ犯した罪がいかに大きいものであろうと、いかなる場合においても死刑に反対しています。極刑は生存権を侵害するもので、究極に残酷であり、非人間的かつ品位を傷つける刑罰です。
-もし他国がカダフィ大佐に安全な避難場所を提供した場合、どうなるか?
非常に重大な罪を犯した人物を免責することは、国際法で禁じられています。万が一カダフィ大佐がリビアから逃亡するようなことがあれば、彼を早急に逮捕し、捜査のためICCに移送することをアムネスティは求めます。
-カダフィの免責は紛争の早期解決をもたらし、結果的に人命を救うことになるのでは?
そのような取引は国際法を蹂躙するもので、決して容認されません。被害者の裁判を受ける権利、真実を明らかにする権利、補償への権利を侵害することになります。重大な罪を犯し非難された者が、以後犯罪に加担しないことに同意するかわりに、刑務所から解放され自由になるのであれば、「説明責任」という概念が無意味なものになってしまいます。
犯罪者の免責は人権侵害を悪化させ紛争を長期化させることになる、と歴史は伝えています。コロンビア、コンゴ、ハイチや イスラエル/被占領パレスチナ地域でも、指導者が交代しても、犯罪加害者は罰せられることなく人権侵害は大規模になって続いています。チリ、アルゼンチン、リベリアやシエラレオネでは、重大な人権侵害への免責と恩赦がなされましたが、それらは機能していません。
-ICCはリビア、アフリカ問題への「欧米」の干渉の良い例なのでは?
ICCは国際機関であり、アフリカやリビアへの「欧米的」干渉ではありません。アフリカの32ヵ国を含む、世界の半数以上の国(116ヵ国)がICCの設立を定めたローマ規程を批准しています。さらに、現在23カ国が条約に署名しており、将来の批准が予想されています。昨今ですとチュニジアが2011年6月にICCに加入し、締約国となりました。リビア新政府も、国際刑事裁判所ローマ規程を即刻批准することが望まれています。
国連安全保障理事会がリビアの状況をICCに付託する決議を全会一致で採択した際には、西欧諸国のみならず、すべての大陸の理事国がこの動きを支持しました。
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