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「この世界の片隅に」

良書の紹介。

こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社 前後篇あり)


こうの史代は『夕凪の町 桜の国』が有名だが、そっちよりも私はこちらの方が大傑作だと思う。何より、戦争の時代の庶民の生活、生き方をユーモア混じりに描く、その描き方が素晴らしい。しかも、全体のリズムやトーンが見事に一定し、最後と最初が照応しているという、雑誌連載作品とは思えない完成度である。作者の絵も、『夕凪の町 桜の国』よりもはるかに表現力が豊かになっていると思う。まあ、こちらが後の作品だと思ってそう言うのだが。
日本漫画史上に残る傑作の一つといずれ評価されるだろう。

一見お遊び風の部分が時々出てくるが、それが何とも味わい深いのである。
楠公飯の解説の中の楠公のセリフ「やれうまし。まぢうまし」は特にお気に入り。

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HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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