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英国瞥観行その12(番外編) パリ瞥観行

パリには実質1泊2日、その前(行き)と後(帰り)は夜行バスの車中泊である。ほとんど眠る余裕は無いから、体力に不安のある人にはお勧めしない。若い人なら、ロンドンとパリ往復で1万円程度だと思うので、英国旅行のついでにパリに行くとか、その逆とかもするといい。もっとも、例によって私の場合はお膳立ては全部女房がやってくれたのだが。最近はネットで飛行機予約も旅館予約もすべて済むようだが、私自身はネットでの買い物すらしたことがない。新しいものが嫌いで苦手なのである。間違って、銀行預金を全部引き出されたりしないのか、そんな不安を誰も持たないのだろうか。
まあ、パリでは、パリに泊まったこと自体が収穫のようなものだ。日本語も英語もほとんど通じなくても、旅人として数日を過ごすだけなら、さほど問題はないのではないか。もっとも、アクシデントが起こったら、最低でも英語はできないとマズイだろう。
パリの印象は、ロンドンほど観光客に優しく親切ではないな、というものだが、一般庶民は気さくで親切であるのはロンドンと同様だ。こちらが道に迷っているようだと見ると、こちらには通じないフランス語であれこれ教え、面倒を見ようとする。まあ、有難いことではある。あちらの言っていることは何となくは分かる。
美術館ではルーブル美術館はもちろんだが、モネの「睡蓮」の絵を二つ展示しているだけ、という珍しい美術館にも行った。そこでの荷物検査(身体検査)のため、入館するまで2時間近くかかったような気がする。それでいて、見るのは絵が二つだけwww まあ、そのモネの絵もたいした絵ではない、と私は思った。
後は凱旋門とエッフェル塔、ノートルダム寺院のほか、パリ近郊のベルサイユ宮殿にも行った。ベルサイユ宮殿は金ぴかの外見、豪華な内装だったが、この旅では豪華な宮殿には食傷気味であった。毎日暮らす場所ではない。あんな住居ではかえって気が休まらないだろう。なお、ベルサイユの庭園を見るのが楽しみだったが、入園料をケチった女房の強硬な意見で、見ることはしなかった。家具や内装や人ごみや祭りに興味のある女房と、庭園や公園や人気の無い自然に興味のある私とでは、見たい場所が違うので、どちらかを見てる間は、もう一方は我慢、ということになるわけだ。それで時には険悪な雰囲気になるので、そういう場合はどちらかが折れるしかない。
パリで泊まったホステルのフロント係の若者は日本の漫画が好きだ、と言っていたようだが、私はフランス語はもちろん、英語もできないので、それ以上の話はできなかった。なお、もう一人の若者(二人でフロントにいた)も「合気道」を習っている、ということで、植芝盛平などという名前が話の中に出たりした。日本文化はフランスの若者には親しまれているようだ。
テレビがつまらないのはイギリスもフランスも同じだが(これは言葉が分からなくても、ちゃんと伝わるものだ。)フランスの子供向け教育番組では、アメリカ開拓史の中で、インディアンを白人(主にイギリス人www)が滅亡させたことを堂々と放映しているのが面白かった。同じ欧州でも、他国の悪行は公然と非難するわけである。


パリの面白いところは、歴史的な偉人の名が、政治的偉人、文化的偉人とも通りの名につけられていることで、私たちが泊まった通りは「ヴォルテール・バスティーユ」という通りだった。なぜヴォルテールとバスチーユが結びつけられているかは不明だが、私はヴォルテールは大好きな思想家・作家であり、フランス革命も大好きなので(革命の発火点となった)バスチーユの名も当然好きだ。これは、偶然ではあっても、何かの天の配剤に近い、と思うことにする。私に、日本のヴォルテールを目指せ、ということかwww

シャンソンを聴きに行く余裕は無かったが、地下鉄の通路でアコーディオン弾き(の乞食)が、見事な「パリの空の下セーヌは流れる」を弾いていたのを聞いたので、それで本場のシャンソンを聞いた、ということにしておく。おひねり(と言うかお布施というか)を置くだけの気が廻らなかったのを少々後悔している。(というより、そういうことをつい恥ずかしく思う性格なのである。)





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酔生夢人
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男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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