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高校生のための「現代世界」政治経済編9(全体終了)

終わりに

 以上で、この「高校生のための現代世界」は終わりです。この本を書くために使った本は、帝国書院の高校教科書と旺文社の「詳解シリーズ」と、山川出版社の用語集と、93年版の古い「イミダス」、それに三省堂から出ている「最新世界の国ハンドブック」(地理データは、だいたい1995年から97年です。)くらいです。中の表現に、それらの丸写しはしていないつもりですが、多少似た表現はあるでしょう。つまり、この本のデータ自体は、そのへんの教科書の中にあるということです。
高校教科書や参考書の中にも面白い世界は広がっています。それを誰も本気で読まないのはもったいないことです。しかし、それには理由があります。
 残念ながら、教科書や参考書の書き方は無難で正確なだけで、面白くはない。何よりも、物事の因果関係や意味の連鎖がわからないということが致命的な欠点です。(それに、たとえば、イミダスなどにも、マッカーシズムとか、逆コースのような大事な言葉が載っていません。新しい情報にばかり捉われていると、かえって物が見えなくなります。)
 私は、その無味乾燥な地理や世界史や政治経済に血を通わせようと考えました。つまり、社会科をドラマとして描こうと考えたのです。ドラマには悪役が必要です。そのために西洋文明と、特にアメリカをその悪役にしたのですが、実際、このとおりの事を彼らはしてきたわけですから、言葉は過激でも、それを訂正する必要は認めません。要は、面白いかどうかです。そして、面白さという点では、これまでに書かれた社会科教科書や参考書の百倍の面白さがあり、有益さという点では千倍も有益だと自負しています。おそらく、この本を読むことで、世界認識の足がかりができるでしょう。
しかし、この本は出発点にしかすぎません。大事なのは、根本をしっかりさせることで、その根本とは、すべての情報を疑うことです。この本ももちろん、私の主観と偏見がかなり入っています。まずは、私のこの本も疑って、自分でいろいろなデータを集めてください。そして、自分の頭で考える人間が一人でも増えてくれることが、私の望みです。そうすれば、日本はきっと、希望が持てる社会に変わっていくでしょう。 

               2005年 4月5日   作者敬白

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