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まんじうのあんにたがはぬむくい来て かゝるやけどのあつ皮なつら

岩波文庫の「泉鏡花随筆集」を気が向いた時に読んでいるが、その中に「東海道中膝栗毛」(あるいはその続編か)に出て来る狂歌があり、それがなかなか多重技巧的というか、和歌以上に和歌技巧を凝らしていると思うので、解釈するのが面白かった。まあ、独りよがりの思い込みかもしれないが、せっかく考えたのでここに書いておく。なお、鏡花自身の解説は無かった。


まんじうのあんにたがはぬむくい来て
かゝるやけどのあつ皮なつら

理解の方便のために一部を漢字で書いておく。同じ言葉が掛詞で二重の意味を持っているので、漢字も二重になる。ちなみに、最初の「まんじうの」は枕詞としての機能も持っていると思う。つまり、「案に違わぬ」の「あん」を引き出す機能だ。

饅頭の餡(案)に違わぬ報い来て
かかる火傷の熱(厚)皮な面

まあ、これだけでも解釈はほぼ終わりだが、最後の「あつ皮なつら」は、「人間の面の皮が厚い」と「饅頭の皮が厚い(品質が悪い)」とを掛けていて、そして火傷で顔の表面が「熱い」ということだろう。「面の皮が厚い」、のは自分たち(客)か、店の主人かは不明。

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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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