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確実に起こること

私にとって気になる記事を二つ掲載しておく。両方とも「ダイヤモンドオンライン」からである。一つは食料問題、もう一つは雇用問題だ。両方とも夏頃から顕在化してくる。特に雇用問題は、派遣社員の雇用が6月打ち切りとなっているところが多いようだから、その頃に大量の失業者が出ることになるだろう。食料問題は、東北地方の田畑が津波被害に遭っているから、今年の秋の米は例年より収穫量がかなり落ち込むはずだ。
この二つの問題について政府は今から対策を講じる必要があるが、おそらく何もしないで、問題が表面化してから「有識者会議」でも開いて、「まず調査のうえ、善処します」ということになりそうである。そして、調査のための新しい機関を作り、その調査報告書が出たら、それで政府の仕事は終わり、ということになる。その間、国民はどんどん首吊り自殺をし、政府は「これで無駄飯食いが減った」とほくそえむわけである。


(以下引用)





世界が不安視する日本の食糧輸入
今後重視すべきは「ムダの削減」
――需給バランスを安定させ、穀物価格の上昇を防ぐためには、どうすればよいか。
 国内での増産に加え、先進国が協力して備蓄を増やしていくことが必要だ。とりわけ日本については、「ムダの削減」が重要になる。
 日本は国内でコメ、小麦などの穀物を年間1000万トン生産しているが、一方でその3倍となる3000万トンの穀物を輸入している。つまり国内では、合わせて4000万トンが供給されていることになる。
 ところが、実際人々の口に入るのはその半分の2000万トンに過ぎない。残りは残菜や賞味期限切れなどの理由で、捨てられてしまうという。これは、全くもって大きなムダである。
 人口1億3000万人弱、国土38万平方キロメートルの日本が1000万トンの穀物しか生産していないことに対して、人口も国土も日本の半分程度の英国では3000万トン、日本より国土が1割小さいドイツも5500万トンの穀物を生産している。国際マーケットがこれだけきつくなっている時代に、日本が3000万トンも穀物を輸入し、しかもその多くがムダになっている状況は、明らかにおかしい。
 これを見ても、日本人は食糧不足に対する危機感が薄いと思う。むしろ、「コメや小麦は余っているから、もっと備蓄を減らしたほうがよい」と言う人さえいる。しかし、国内でコメが余る理由は、食糧の自給体制が整っているからではなく、3000万トンもの穀物が当たり前のように輸入されているからだ。中国と共に、日本の過剰な穀物の輸入は国際マーケットで不安視されている。
 今後、食糧が高騰すれば、ムダの削減や食育が浸透する可能性はある。ゆくゆくは食糧不足が顕在化し、国内で大増産へと舵を切ることになるだろう。
 ただしそうなったときに、日本に弾力的な農業生産力があるかどうかは甚だ疑問だ。多くの農家が資金不足や人手不足に悩んでいるし、水利施設の管理費は事業仕分けで6割も削られてしまった。こんな状態で、来るべき危機にどうやって対処するつもりだろうか。この機会に、日本も食糧に対する考え方を改めるべきだろう。
穀物は単なる商品でなく「政治財」
大震災を機に危機感を取り戻せるか
――3月中旬に発生した東日本大震災では、被災地の農業が大きな打撃を受けた。大震災は日本の食糧市場にも影響を与えるだろうか。
 今回の大震災では、不安を募らせた消費者の買い占めにより、スーパーやコンビニの店頭から、おにぎり、弁当、カップ麺、パンなどの食糧が一斉になくなった。商品の原料ベースで見ると、これは穀物が消えたことに他ならない。異常事態における穀物は、足りないとなるとパニックを引き起こすことから、単なる商品ではなく「政治財」に変わり得る重要なものなのだと感じた。
 震災の影響で一時的に食糧不足が顕在化すれば、穀倉地帯では「まず自分たちの食糧を確保しよう」という意識が強まり、都会への「売り惜しみ」が生じるかもしれない。ライフラインが完全に復旧していない影響もあり、品薄でパニックになればさらなる買い占めが起きる可能性もある。
 その結果、「食糧の自給にもっと力を入れるべき」という議論が盛り上がる可能性はある。

質問1 食糧不足を解消するにはどうしたらいいと思う?
国内でもっと増産する さらに輸入を増やす 先進国が協力して需給をコントロールする 個人レベルでムダを出さないように心がける その他






東京で、愛知で「大規模派遣切り」が進行中
非正規社員を襲う“6月危機”と“9月危機”
「このままだと、6月末には全国に失業者が溢れることになります」
 派遣ユニオン書記長の関根秀一郎さんはこう予測している。
 工場城下町として知られる群馬県伊勢崎市。ここには、派遣会社の寮として使われるワンルームマンションがかなりあるが、4月9日、関根さんが訪れてみると半分以上がガラ空きの状態だったという。すでに派遣切りは始まっているのだ。
派遣ユニオン書記長・関根秀一郎さん
「会社や工場が被災し、自宅待機を命じられている派遣社員は数知れない。その多くが近く失職に追い込まれる可能性が高い」と関根さん。1ヵ月、もしくは3ヵ月という細切れ契約が多いことを考えると、Xデーは震災の3ヵ月後、つまり6月末という計算になる。
 しかも、これは被災地に限った話ではない。
「震災にともなう労働相談は東京が最多。愛知や埼玉、神奈川も多い。とくに大手自動車メーカー部品工場従業員からの相談が目立っています。
 下請け部品工場が被災して稼働をストップすると、在庫がないから親請け工場も身動きが取れなくなる。まさに“ジャストインタイム”の弊害が出た格好です。部品の“ジャストインタイム”の流れがストップすると、人間の“ジャストインタイム”、派遣による労働力の調達がまっ先に止められる。
 必要な時に必要な人材を、という派遣制度は、“必要がなくなればすぐ切れる制度”でもある。こんな制度を放置しておいちゃ絶対にダメだ」
 被害は派遣社員にとどまらない。“6月危機”の次に到来が予想されるのは“9月危機”だ。半年契約をしている工場の期間工たちが大量解雇される危険がある。さらに来年春、そして再来年春には正社員のリストラが進む可能性もある。「最終的に失業者の規模はリーマンショックを超えるのではないか」と関根さんは見ている。
未曾有の大失業時代を迎えるかもしれない日本。非正規雇用の若者たちはそんな時代をどう生き抜けばいいのだろう。
 ひとつだけはっきりしているのは、「国はアテにできない」という現実だ。
「厚生労働省ではこのほど、雇用保険失業給付の特例措置を設けた。これは、『会社が震災で直接被害を受け、無給で休業することになった場合は、離職してなくても失業給付が受けられる』というもの。一方、会社が直接被害を受けていない場合は、労働基準法26条にしたがって休業中の賃金が支払われなければいけない。
 ところがここに大きな隙間があるんですね。計画停電で休業している会社はその間の賃金を支払わなくていいのか、という問題です。厚生労働省は『26条には該当しないので、賃金を払わなくていい』という通達を出している。これは昭和26年に出された通達にならったものとか。だけどね、60年も前の通達ですよ?」
 昭和のシステムをいまだに踏襲しつづけている国。おかげで計画停電中、無給状態に陥った多くの人々の間では「家賃が払えない」といった悲鳴が相次いだ。この問題に限らず、老朽化したシステムの“隙間”は今後次々に露わになる可能性もある。
「その場しのぎの施策も多すぎる」と関根さん。たとえば「緊急雇用創出事業」。国の交付金を原資に、自治体などが失業者に働き口を提供するというものだ。とはいえ、就労できる期間は最長でも原則1年。
「期間が満了するとしかたなく生活保護を受ける人が多い。結局、解決にならないんですよ」
小さなパイを上手に分け合う知恵
「国をアテにできないからこそ自分たちの安心は自分たちで守らなければ。それには孤立せずみんなで危機に立ち向かうことだ」と関根さんは表情を引き締めた。
「労働需要はしばらく元通りになることはないでしょうね。復興景気も一部の産業に限られるでしょうし。僕らが今、考えなければいけないのは、経済を回復させてバリバリ稼ぐ方法じゃない。安心して働き続けられる社会をみんなで作ることではないでしょうか。
 停電でネオンの消えた渋谷の街を歩いていると、『この方がなんか落ち着くな』と感じるんですよね。豊富に電気を使える便利な世の中は悪くないけど、便利になればなるほど、人は生産活動に駆り立てられる。“増やす”のでなく“維持していく”。低成長・低消費時代に合った生き方、価値観に、今こそ転換するチャンスかもしれません」
 そのためには、小さなパイを上手に分け合う仕組みが必要だ。具体的には、労働者派遣法や有期雇用に関する法律を改正し、働く人を簡単に切り捨てられないようにすべき、という。お手本になるのは、合理的な理由なくして有期雇用契約ができないフランスやドイツ。とくにフランスでは働く人の均等待遇が進んでいる。
 キーワードは“シェア”。一人勝ちをめざすのでなく、みんなで痛みを分かち合う時代が到来している、ということなのだろうか。







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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
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