私は「漸進的社会主義者」のつもりだから、右翼とは対立する考えの持ち主だ。だが、今回の大震災の被害者救助に対して、右翼集団の一つと目される日本財団が大きな支援をやっていることを知ったので、公平を期すために掲載しておく。特に漁船を失った漁民に対し、1億円を無利子で貸すというのは、相当なものだ。政府の無為無策に比べると実に立派なものである。だからと言って彼らのふだんの行為のすべてが正当化できるということはもちろん無いが、善行は善行として顕彰しよう。
タイトルは、昔、中国の政治家の誰かが言った言葉。言いかえれば、右だろうが左だろうが、困っている人を救う者が(この際は)いい人間である。
(以下「笹川陽平ブログ」より引用)
緊急記者会見 [2011年03月30日(水)]
「東北地方太平洋沖地震への救援活動」その30
―緊急記者会見―
※日本財団第一次被災者救済策発表
①死者・行方不明者に各一人5万円を支給
②漁船を失った漁民に最大1億円、3年間返済猶予の上15年で返済。無利息
③NPOボランティアの100万円を限度に迅速支援
①広域被災地には、2,500ヶ所余の避難所での生活を強いられている方々、自宅の1階は泥で埋まり2階でひっそりと生活されている方もおられ、被災された方々の避難生活の現状は千差万別である。被災から18日、最低限の生活は確保されたものの、将来への具体的な展望のない生活は、避難民の精神を着実に追い詰めている。
死者・行方不明者を出したご家族の嘆きはいかばかりであろうか。察するに慰める言葉もない。
避難所での生活が落ち着けば、亡き親族に花束を手向け、線香を立て、好物であった酒や饅頭などをお供えしたいであろうに。
筆者は昭和20年3月10日、東京大空襲で被災した。親戚を廻り、ささやかな食事にはありついたが、現金のない生活のつらさをいやというほど味わった。そんな経験もあり、今回の死者・行方不明者の遺族・親族に、死者・行方不明者一人当たり5万円の弔慰金又は見舞金を送ることを決定した。
現在の死者・行方不明者は約2万9千人であり、約15億円を大至急現地にお届けする。
②報道で見る被災者の漁民の姿は一様に深刻である。海に生きた男がすべてを失い、漁業での再起を放棄しようとする映像に涙した。三陸の漁業を絶やしてはならない。
筆者を含め、日本中の人々が三陸の魚介類を楽しみに生活してきた。彼らに再起のほのかな光を提示することによって、今一度、海に出る気力の回復といつの日か我々の食卓に三陸の珍味を提供願いたいものだ。
③NPO、ボランティアは、日頃、専門としている仕事があるにもかかわらず、乏しい金をやりくりしてガソリンを買い、遠路、被災地で活動して下さっているが、この方々への政府、企業からの支援は皆無に等しい。
2,500ヶ所の避難所に1ヶ所10名としても25,000名の人手がいる。その上、町を覆った泥土の処理等々、被災地の復興の初期段階には膨大なボランティアの支援なくして不可能である。
しかし、彼らには政府からは一銭の援助もなく、ただ黙々と働き、夜は寝袋で眠りに就つく。
これらの無私の活動に、日本財団は物心両面の支援をしたい。
この三点の日本財団の具体的な支援が起爆剤となり、政府や関係筋が連動してくれることを願って止まない。
Posted by 笹川 陽平 at 09:00 | エッセー(essay) | この記事のURL | コメント
タイトルは、昔、中国の政治家の誰かが言った言葉。言いかえれば、右だろうが左だろうが、困っている人を救う者が(この際は)いい人間である。
(以下「笹川陽平ブログ」より引用)
緊急記者会見 [2011年03月30日(水)]
「東北地方太平洋沖地震への救援活動」その30
―緊急記者会見―
※日本財団第一次被災者救済策発表
①死者・行方不明者に各一人5万円を支給
②漁船を失った漁民に最大1億円、3年間返済猶予の上15年で返済。無利息
③NPOボランティアの100万円を限度に迅速支援
①広域被災地には、2,500ヶ所余の避難所での生活を強いられている方々、自宅の1階は泥で埋まり2階でひっそりと生活されている方もおられ、被災された方々の避難生活の現状は千差万別である。被災から18日、最低限の生活は確保されたものの、将来への具体的な展望のない生活は、避難民の精神を着実に追い詰めている。
死者・行方不明者を出したご家族の嘆きはいかばかりであろうか。察するに慰める言葉もない。
避難所での生活が落ち着けば、亡き親族に花束を手向け、線香を立て、好物であった酒や饅頭などをお供えしたいであろうに。
筆者は昭和20年3月10日、東京大空襲で被災した。親戚を廻り、ささやかな食事にはありついたが、現金のない生活のつらさをいやというほど味わった。そんな経験もあり、今回の死者・行方不明者の遺族・親族に、死者・行方不明者一人当たり5万円の弔慰金又は見舞金を送ることを決定した。
現在の死者・行方不明者は約2万9千人であり、約15億円を大至急現地にお届けする。
②報道で見る被災者の漁民の姿は一様に深刻である。海に生きた男がすべてを失い、漁業での再起を放棄しようとする映像に涙した。三陸の漁業を絶やしてはならない。
筆者を含め、日本中の人々が三陸の魚介類を楽しみに生活してきた。彼らに再起のほのかな光を提示することによって、今一度、海に出る気力の回復といつの日か我々の食卓に三陸の珍味を提供願いたいものだ。
③NPO、ボランティアは、日頃、専門としている仕事があるにもかかわらず、乏しい金をやりくりしてガソリンを買い、遠路、被災地で活動して下さっているが、この方々への政府、企業からの支援は皆無に等しい。
2,500ヶ所の避難所に1ヶ所10名としても25,000名の人手がいる。その上、町を覆った泥土の処理等々、被災地の復興の初期段階には膨大なボランティアの支援なくして不可能である。
しかし、彼らには政府からは一銭の援助もなく、ただ黙々と働き、夜は寝袋で眠りに就つく。
これらの無私の活動に、日本財団は物心両面の支援をしたい。
この三点の日本財団の具体的な支援が起爆剤となり、政府や関係筋が連動してくれることを願って止まない。
Posted by 笹川 陽平 at 09:00 | エッセー(essay) | この記事のURL | コメント
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