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権利の上に眠る者

「独りファシズム」から転載。
記事の前半は放射能障害がどのようなものかが書かれていたが、ネットに触れる程度の情報リテラシーのある人間なら常識だろうから省略する。

大事なのは、冒頭に書かれた「国家賠償法第一条」である。役人というものは、自己保身を第一義とする連中だから、こういう法律を作る場合には、まっ先にこの条項を入れたわけである。どうせ国民の99%は一生読むこともない文章なのだから、これに文句をつけられることもないというわけ。
要するに、丸山真男の「であることとすること」という有名な文章に引用されている「『権利の上に眠る者』はやがてその権利を失う」、という趣旨の言葉が現実化したわけである。
我々は民主主義を上から与えられたが、その民主主義を守る努力をしてこなかった。そしてやがて日本の民主主義は「国民主権」から「役人主権」に書き換えられていたのである。


(以下引用)


国家賠償法第1条には、行政上の瑕疵があろうとすべからく役人は免責となることが謳われています。厚生労働省の役人が4000万人の年金台帳記入漏れをしようが、財務省の役人が外貨準備金運用で30兆円の為替損をだそうが財政投融資で260兆円規模の焦げ付きをつくろうが、経済産業省の役人が原発の監督行政で下手うって1000万人を被爆させようが、公務員個々へ責務は遡及されず、賠償責任は国、つまり国民の税金に依拠するものと規程されているわけです。

いかなる社会や時代においても、結果責任を問われない組織や個人が腐敗するのは常でしょ。いずれにしろ福島原発を発端とする未曾有の惨劇は、特権階級と化した公務員を頂点とする利権複合体のジェノサイドでありホロコーストであり、ガタガタ屁理屈をぬかしたところでポルポトやスターリンに匹敵する自国民の大量殺戮です。

電力会社に非難が集中しているようですが、利権構造において連中は底辺の属性であり、本丸の悪党は連綿と無軌道な原発行政を推進した経済産業省エネルギー庁を筆頭とする官僚機構でしょ。利権ヒエラルキーにおいて、これに連なる推進派議員やマスコミは所詮連中の実働部隊にすぎません。つまり公務員が親と子供を殺し、土壌と水を汚染し、財産と仕事を奪い、文化と共同体を破壊し、経済と産業を遺滅させているわけです。

くりかえしますが利権複合体のマネーロンダリングシステム中核にあるのが独立・特殊・公益法人群です。これらに貸し付けられた財政投融資債(年金・郵貯・簡保マネー)約360兆円のうち推計75%が不良債権と化し、過去7年だけでも欠損穴埋めと利払のため国庫=税金から約18兆円が拠出されています。これだけの金があれば、国民負担なく震災の復興に使うこともできたわけです。さらに特別会計から金の流れを遡及してみれば、各種租税の引き上げ目的は暫定的な復興財源ではなく、官僚の不労所得のために起債された財政投融資債の償還が主眼であるとわかります。

結局のところ、強者はとことんまで貪り、弱者はどこまでも喰われるという、この醜悪な現実こそが我々の社会の基本原理であり、国家の本質とはすなわちノーメンクラツーラ(官僚支配階級)の私物に他ならないということです。

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酔生夢人
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男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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