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外部から他人のパソコンを勝手に操作すること

「陽光堂主人の読書日記」というブログから転載。
あるいは有名ブログなのかもしれない。前原誠司が石原慎太郎に尖閣騒動の責任を押し付けている、という面白そうなネタを追ううちに、このブログに出会ったのだが、下記記事の方が面白いので、そちらを掲載する。
我々のパソコン(あるいはモバイル、スマホ)が外部から操作可能である、ということは、我々のパソコンへの得体の知れない「更新」が勝手に行われていることからも明白だろう。中には我々の許可を得て行われるものもあるが、たいていは勝手に、今何かを「更新」しているから電源を切るな、と高飛車に言ってくるのである。
まあ、私はITには無知なので、言う事に責任は持てないが、我々のパソコンが自分の意思によらない変更を常に受けているのは明らかに思える。特に、ネット接続においては、自分の設定が勝手に変えられることは珍しくない。これこそパソコンが外部操作可能だ、ということの明らかな証拠だと思うのだが、下記の記事だと何かの「ウィルス」のせいだ、という話になっている。私は、そんなウィルスなど不要で、いくらでも外部から操作できると思っている。ならば、パソコン犯罪、ネット犯罪の厳罰化は実に危険極まりないもので、膨大な冤罪事件がこれから起こるだろう、と当然推定できるわけである。
ネットで政治批判、権力批判ばかりしている私のような幼稚な馬鹿は、いい加減にこの火遊びをやめるべきなのかもしれない。しかし、それこそがネット犯罪厳罰化に踏み切った権力の狙いなのだから、癪に障る話である。


(以下引用)




冤罪の温床となりかねないサイバー犯罪捜査
 「成り済まし送信」の疑いが濃いのに捜査不充分のまま逮捕された件は、ネットの危うさを知らしめました。犯人に仕立てられた人は真に気の毒ですが、今後同様の冤罪が続出する可能性があり、我々は警戒を怠ることはできません。

 事件はトップニュースとして扱われていますから、改めて紹介する必要はないでしょうが、毎日新聞が顛末を簡潔にまとめていますので、以下引用します。(昨日付、http://mainichi.jp/select/news/20121008k0000m040059000c.html)

   殺人予告:第三者が遠隔操作で書き込みか 演出家を釈放

 大阪市のホームページ(HP)に無差別殺人予告を書き込んだとして、偽計業務妨害罪で起訴されたアニメ演出家の北村真咲被告(42)が事件に無関係だった可能性が高まり、大阪地検が先月21日、勾留取り消しを請求し、釈放していたことが分かった。北村さんのパソコン(PC)は特殊なウイルスに感染し、第三者が遠隔操作した疑いが強いという。「成り済まし」で無関係の人が容疑者になり得るサイバー犯罪の捜査の課題が浮上した形だ。

 また、伊勢神宮爆破を予告する書き込みをしたとして三重県警に逮捕された津市の無職男性(28)のPCからも同種ウイルスが検出され、先月釈放されていたことも判明した。

 北村さんと津市の男性はともに「身に覚えがない」と一貫して否認していた。大阪府警などはウイルス感染の経緯解明を急ぐとともに、不正指令電磁的記録作成・同供用容疑を視野に捜査を進める。

 北村さんのPCは、第三者が遠隔操作でHPに勝手に書き込みできるウイルスに感染。キーボードの入力状況も外部から監視できるようになっていた。府警が8月26日に逮捕してPCを押収した際、ウイルスに感染させるファイルは既に削除されていた。殺人予告が書き込まれた後に、何者かが消去したとみられるが、その後の捜査で復元したという。

 北村さんは7月29日に「(大阪・日本橋にある通称)ヲタロードで大量殺人をする。歩行者天国にトラックで突っ込む」と大阪市のHPに書き込んだとして逮捕された。8月1日には「成田発ニューヨーク行き日本航空006便に爆発物を仕掛けた」と日航に電子メールが届き、飛行機が引き返すトラブルがあった。インターネット上の「住所」に当たるIPアドレスの捜査などから、発信元はいずれも北村さんのPCと確認された。

 大阪地検幹部は「第三者が書き込みをしたことの確認、解析には時間がかかる。起訴を取り消すかどうかすぐに結論は出せないだろう」と話している。【武内彩、三上健太郎、永野航太、田中功一】 (下線は引用者による)

 津市の男性は9月10日午後3時半ごろ、掲示板2ちゃんねるに「伊勢神宮爆破」などと書き込み、神宮の業務を妨害したとして同月14日、伊勢署に逮捕されました。県警によると、逮捕後、押収したPCを調べると、第三者に不正操作される恐れがあるウイルスに感染していたことが判明しました。

 北村さんのケースでは、ウイルスを感染させたとみられるファイルは既に削除されていましたが、津市の男性を捜査した三重県警が大阪府警に情報提供したことから再捜査に繋がりました。危ないところを救われたわけです。

 しかし、両人に対する嫌疑が晴れたわけではなく、起訴取り消しには時間がかかるようです。府警幹部は「パソコンの中身を全部調べたら何十年もかかる」と嘆いているそうですが、だからと言って安易な逮捕が正当化されるわけではありません。逮捕されただけで犯人扱いされ、社会的に葬られてしまうことが多いからです。

 我国の警察はサイバー犯罪に弱いようですが、IPアドレスが一致したからという理由で逮捕してしまうのは乱暴に過ぎます。その機器から発信されたというだけの話で、本人が書き込んだとは限らないのですから。

 今回は幸い冤罪の可能性が高いことが判明しましたが、ウイルスの存在が見過ごされたら、そのまま起訴有罪となったかも知れません。冤罪をでっち上げようとする際には、都合の良い手法です。反権力的なサイトやブロガーなどを葬ろうとしたら、権力サイドは同様の「成り済まし送信」をして冤罪をでっち上げればよいわけです。

 今回のようにIPアドレスの一致だけで罪を問うのは難しいですが、場合によっては「違法ダウンロード」で逮捕されるケースも出てくるかも知れません。今月から施行されている改正著作権法(違法ダウンロード刑事罰化)は、そのための布石と考えることもできます。

 津市の男性は逮捕前に、「ネット上のソフトをインストールしてパソコンを使っていたら変な動きがあったので、一旦閉じて放っておいた」などと話しているそうですから、ダウンロードしたファイルにウイルスが含まれていたのです。こういう時は、直ぐさま対処することが必要です。

 怪しい動きをしたら変だと判りますからまだよいのですが、殆ど変化を感じさせない高度で悪質なものであった場合にはお手上げです。フリーソフトや怪しいファイルは極力ダウンロードしない方が賢明でしょう。

 今回の一連の騒ぎは、ネット利用者に対する警告の意味があるのかも知れません。権力者側の恫喝であり、住みにくい窮屈な世の中になりそうです。

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