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国家資本主義?

「阿修羅」のかつてのエース、あっしら氏が、珍しく引用投稿ではなく自説開陳投稿をしていて、それがなかなか興味深いので、転載しておく。

投稿記事内の「金融資本主義」対「国家資本主義」という対比は、昔なら後者は「国家社会主義」と言えば済む話だと思うのだが、「社会主義」という言葉を聞いただけでアレルギーを起こす層に配慮して新しく「国家資本主義」という言葉を造語したのではないか。つまり、「資本主義」と「社会主義」が、まったく同一のものを語っているという不思議な現象が起こっていると私には見える。

もちろん、現在の中国を「国家社会主義」と言うのは不適切だとあっしら氏は考えたのだろうが、国家が経済を統制しているなら、それは社会主義と言っていいと私は思う。それを標榜するかどうかは内実とは別の話だ。

まあ、もともと「資本主義」と「社会主義」は完全な対立概念でもないと私は思っている。「社会主義」の反対概念は「自由主義」であり、国家による経済規制を是とするのが社会主義、非とするのが自由主義である。

そして、現代の世界は先進国の資本主義が爛熟し、金(資本)の行き場が無くなったために、労働と生産によって金を生む「産業中心資本主義」から、金で金を生む「金融資本主義」になった、ということだ。そして、国家による経済規制を完全に取り払うことが、金融海賊たちの理想であり、それを新自由主義と言うのである。

そして、その新自由主義のもたらすものはわずかな経済的勝者がすべての富を独占し、残りは奴隷的境遇に陥る「1%対99%」の世界である。いや、将来的には「0.000001%対、99.999999%」の対立になるだろう。要するに、100万人に一人しか勝者になれない世界である。

残りは、せいぜい出世して奴隷頭である。

ワタミのミキティとか橋下とかね。

 

 

 

(以下引用)

 

 

 

中国は世界3位の対外投資国に 投資先では世界一:データの虚実は無問題、買ってくれるか儲けられるかが問題
http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/638.html
投稿者 あっしら 日時 2013 6 28 19:50:55: Mo7ApAlflbQ6s


「「中国が米国を追い抜く日は来ない」(EJ第3578号) (Electronic Journal)」( http://www.asyura2.com/13/hasan80/msg/635.html )という見方もされているが、中国が米国をGDP規模で追い抜くと言っても、人口で5倍近いのだから、これまでの推移を考えれば当たり前のことである。

 中国が近代経済的質で米国を抜くことは極めて困難であり、うまく経済を運営したとしてもずっとずっと先のことであろう。

 中国の経済データが嘘であるという問題も、データは参考指標であり、諸外国は中国が資源をどれだけ輸入してくれるのか、グローバル企業も、中国にどれだけ輸出ができるのか、投資を行ってどれだけリターンを得られるのかがすべてだから、あれこれ言ってもはじまらない。

 正しいデータを発表する国民経済とカネ儲けができる国民経済のどちらを選ぶかという問題である。学者やアナリストは前者かもしれないが、企業経営者なら、嘘のデータに隠れている事実を確認しながら後者を選択するに違いない。


いずれにしろ、近代世界はこれからしばらく、「金融家資本主義」(欧米流)と「国家資本主義」(中国流)がお互いに優位性を主張する時代が続くと思う。


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中国は世界3位の対外投資国に 投資先では世界一

 国際連合貿易開発会議(UNCTAD)がこのほど発表した2013年版の「世界投資報告書」によると、2012年に中国の対外直接投資は過去最高の840億ドルを記録し、中国は米国と日本に次ぐ世界3位の対外投資国になった。また各国の投資促進機関が行った調査によると、中国は対外直接投資を行う国の中で最も将来性がある国だという。「人民日報」海外版が伝えた。

 同報告書によると、中国は多国籍企業の投資先として真っ先に名前が挙がる国だ。多国籍企業の投資先国で評価が高い5カ国のうち、1位は中国、2位は米国だ。UNCTAD関連部門の責任者は、「中国は海外資本を吸収してグローバルバリューチェーンの中でグレードアップを重ね、国内でより多くの付加価値を生み出すのに成功した模範的事例の一つになった」と話す。

 だが同報告書は次のような分析も示す。中国企業が世界のバリューチェーンに参加するといっても、海外の多国籍企業のバリューチェーンへの参加や適応に限られるケースが今なお多い。このため中国企業はグローバルチェーンのローエンドや低付加価値の段階に集中し、付加価値構造モデル「スマイルカーブ」の真ん中や底にいるところが多い。

 同報告書はまた、グローバルバリューチェーンにおける競争の基本的な局面は、世界最大の多国籍企業がグローバルバリューチェーンや産業配置を利用して高付加価値の重要な段階を掌握し、資源や市場を掌握する力をますます強めている、と率直に述べている。(編集KS

 「人民網日本語版」2013628

http://j.people.com.cn/94476/8303617.html


 


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コメント

 


   


03. あっしら 2013年6月28日 20:23:57 : Mo7ApAlflbQ6s : DvLZNEv2EI

 nJF6kGWndYさん、コメントありがとうございます。
 触発される内容に感謝しております。


【引用】
>「金融家資本主義」(欧米流)と「国家資本主義」(中国流)がお互いに優位性を主張する時代

これは単純化し過ぎ
欧米も完全な新自由主義とは程遠く、金融規制は今後、より厳しくなっていくし
民主主義を維持するためにも、税制や資金移動の共通化に向かっていくだろう

また中国も、国民の経済・知力が増大するにつれ、国家の規制を減らし、有能な人材を取り入れ、技術革新の効率を高めていかざるえない

つまり競合するシステムの戦略は淘汰の過程で収束していくだろう」


【コメント】
 「金融家資本主義」だからといって、完全な新自由主義をめざしているわけではなく、金融も無規制をめざすわけではありません。
 「金融家資本主義」は、金融家(投資家)が儲けられるシステムや諸条件を整えることを優先する考えと理解して貰えばいいと思います。

 「国家資本主義」は、政党なのか官僚なのかは別として、国家を支配するものが、国民全体の生活向上を政策目標として経済運営を行うことをよしとするものと理解して貰えればと思っています。

 難しいのは、国民全体の生活向上を政策目標として経済運営を行うことが、必ずしも国民全体の生活向上をもたらすわけでない一方、金融家の利益を優先した経済政策が、必ずしも国民全体に貧困をもたらすわけではないということです。


「中国も、国民の経済・知力が増大するにつれ、国家の規制を減らし、有能な人材を取り入れ、技術革新の効率を高めていかざるえない」という見方には同意です。ただ、このような動きは、「国家資本主義」に反するものではありません。

中国共産党は、シンガポールの国家持ち株会社テマセクのようなものを確立したいと思っている可能性があります。

 「競合するシステムの戦略は淘汰の過程で収束していく」ということについては、それは経済システムの優劣ではないので、政治的選択の決せられることになると思っています。

 02.で書かれていることについては同感です。
 「生き残りに注力するという戦略」も、勝ち残る戦略と変わらないほど難しいものとは思っていますが...




 

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