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「需、訟、師、比」の占断

5:需(水天需)【×○× ○○○】「躊躇、期待」

需(の意味するところ)は誠意があればおおいに通る。貞固であれば吉。大きな企てに利益がある。

上卦が坎で下卦が乾である。つまり、眼前に困難(険難)はあるが、勇気を以て(「乾」の行動力で)実行すればその困難は打開できる、ということだろう。その実行の方法は現状のまま(貞固)でいい、つまり正道を踏めばよく、奇策は不要。
「需」は「(何かを求めて)待つ」意味があり、打開策がはっきりしない場合は焦らずに悠々と飲食宴楽して待つといい。

6:訟(天水訟)【○○○ ×○×】「争論、訴訟」

訟はこちらが正しくても勝つ見込みは無い。訴訟の結果を熟慮し、ほどほどのところでやめれば吉。あくまで戦おうとしたら凶。実力者や賢人に相談するといい。この場合、大きな企て(訴訟で一発勝負をかけること)には利益が無い。

「需」の上卦と下卦が逆になったもので、上は乾で剛強、下は坎で険難のさ中にある。弱い立場(下卦)の者が権力者(上卦)に勝つのは無理だし、天は上に上り、坎は下に沈むのだから両者は離反するばかりで、下の者が訴訟(あるいはもめごと)に勝つ見込みは無い。
事を為すには、最初を慎重に図るべきである。

7:師(地水師)【××× ×○×】「軍隊、戦争」

争い事、特に戦争は、こちらに正義があることが必要である。統率する人間が優れた人間なら戦っても吉である。

ここでは「貞」を「貞正」と解釈した。というのは、ここの彖伝に「師は衆なり。貞は正なり」という言葉があるからで、戦争に「貞固」という言葉は合わないからである。言うまでもなく、「兵は詭道なり」であって、正攻法はむしろ危険な道である。つまり、「貞固」であるよりは、「師は衆なり」、つまり従う衆人を納得させる大義名分が必要だ、ということだろう。
日常的な問題の占断でこの卦が出たらどうするか。まあ、それはお好みの解釈をするしかないだろう。象伝だと「君子以て民を容(い)れ、衆を蓄(たくわ・やしな)う」とあるのがヒントになるか。つまり、寛容に他者を受け入れることが大事だ、ということだ。それで相手が強硬に逆らうなら「戦う」だけである。

8:比(水地比)【×○× ×××】「人と親しむ法」

比は吉である。永く貞固であるようにすれば多少の失敗があっても咎はない。親しくない人間もそのうち向こうから来て友になるだろう。こちらがいつまでも頑なに相手を拒否したら凶。

上卦が坎で下卦が地という卦で、地と水が密着しているのを「親しんでいる」と見たようだ。しかし、上卦の「坎」は険難を意味するから、多少のもめごとはある。だが、相手の人間性をよく見分けて(調べて)慎重に行動すれば大きな失敗はない。「原筮、元永貞、无咎」





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