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「元亨利貞」の意味

易についての私の基本的な考えをまとめておこうかと思うが、べつに大した内容ではない。ただ、あまりにも理解不可能な「説明」が、岩波文庫の「易経」でも朝日新聞社文庫の「易」でも平然と垂れ流されているので、もう少しまともな「解釈」ができないか、あるいは、一般人にもある程度易に接することが可能な程度の解釈はできないか、と思うわけである。
ほとんどの人は最初の「元亨利貞」の説明だけでアウトなのではないか。「元(おお)いに亨(とお)りて貞(ただ)しきに利(よろ)し」という読みがすでに理解不可能だ。なぜ「元」が「大いに」なのか、「亨(とお)る」はなぜ分かりやすく「通る」ではないのか。「貞(ただ)し」はなぜ「正し」ではないのか。「利」をなぜ「よろし」と読むのか。
まあ、この中で「亨」は人名の「とおる」で使われているから、理解可能だろうが、その他の3文字の読みや解釈には無理がありすぎると私は思っている。
そこで、私の解釈を書いておく。

1:「元」は、読み方はともかく、意味は「元」そのままだと思う。つまり、「元素」の「元」である。物事の基本や根幹の意味だ。形容詞として言い換えれば「基本的に」の意味だろう。
つまり、「元亨」は、「基本的に、この問題は解決する(が細部は卦の性格を見よ)」ということだろう。言い換えれば、「悩む必要は無い。安心しろ」というお告げである。
2:「貞」は「正しい」ではなく、「貞固」の意味で、「現在の方針を堅持する」意味だろう。なぜなら、易の中には「貞なれば凶」のような言葉もあるからで、これは「現在のやり方にこだわり続けると凶である」ということだろう。
3:「利」は「よろし」よりは「利あり」と読むべきだと思う。「よろし」ではあまりに漠然としすぎている。誰にとって、どういう意味で「よろし」なのか。それより明確に「利益がある」という宣託だと見たほうがすっきりする。

で、占いとして見た場合、易の卦の言葉の中で一番大事なのは「亨」という言葉ではないかと思う。占いの対象となっている問題について、それは「大丈夫なのか」「成功するか」「実現するか」というのが、占う人の知りたい最大のポイントだからで、それに対して「亨る」という託宣があれば、その願望は実現する、ということで、後は、易の卦を見て、細部の注意をすればいだけである。

で後は易の64卦の意味する内容をおおまかに知れば、易占のだいたいの意図は達せられると私は思うわけである。だが、問題はそれぞれの卦の中にある爻の解釈が難しいことで、これは私にはさっぱりお手上げであるし、解説の本の解釈を見ても屁理屈だけしか書いていない。これは、思い切ってすべて無視するのが案外賢い方法ではないかと思う。

と言うわけで、次回から、爻は無視して易の各卦の「主意」を解釈してみようと思う。

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