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「随、蠱、臨、観」の占断

17:随(沢雷随)【×○○ ××○】「したがう、したがわす」

随は基本的に通る。貞固であると利がある。咎なし(ミスがあっても大丈夫)。

*上卦「沢」は喜びの象であり、下卦の「雷」は動きを表す。それでなぜ「従う」意味になるのかはよく分からないが、動いて喜ぶことがあれば人は従う、ということか。当たり前と言えば当たり前である。働いたら鞭で打つぞ、と言われて働く者はいない。働けば報酬(喜び)をやるから働くのである。「咎なし」とは「小吉」といった感じか。咎を受けてもおかしくないが、咎を免れるということだろう。まあ、従う相手が悪いとその責めを自分が受けたりするが、その咎は無い、というくらいの感じかと思う。あまり心配するな、という卦のようで、「日中働いたら、夕方には楽しく酒でも飲んで休息しろ」という趣旨の言葉もこの卦の象伝にある。つまり、「雷」の活動の後は「沢」の喜びが大事だ、ということか。「働いて(勉強)ばかりで遊ばないと間抜けな(つまらない)子供になるよ」という英語の諺もある。All work and no play makes Jack a dull boy.

18:͡ 蠱(山風蠱)【○×× ○○×】「腐敗、腐敗を建て直す事業」

蠱は基本的には願いは通る。大きな事業をやるのに利益がある。

*皿の上に虫が三匹いる漢字で、見るからに気持ちが悪い。つまり、「腐敗」を表す漢字だ。上卦は山、下卦は風で、山に風が吹きつけて山肌を削る感じか。しかし、物事の崩壊の時とは大きな事業を必要とする時でもある。単に崩壊を食い止めるのではなく、崩壊の根本原因を探り、その欠点を直してこそ、崩壊に処する態度だろう。腐敗や崩壊を必ずしもマイナスと見ないところに易の深さがあるのではないか。この卦の象伝には「君子もって民をにぎわし徳を養う」とある。そういう姿勢が大事だ、ということだろう。

19:臨(地沢臨)【××× ×○○】「迫り臨む」

臨は基本的に願望は通る。貞固であると利益がある。

*この卦には「八月に至りて凶あらん」という不気味な言葉が入っている。上卦は地で下卦は沢、つまり下卦に喜びの象があるのに、なぜそうなるか、解説書の説明は難しいので、ただ「近い将来に変事、それも不吉な出来事があると覚悟せよ」としておく。まあ、現在の「喜び」に浮かれてばかりいないで、将来の変事に慎重に備えなさい、くらいか。

20:観(風地観)【○○× ×××】「見る、示す」

リーダー的立場にある人間が誠実な態度を示せば、その下の人々は彼を尊敬し仰ぎ見るだろう。

*この卦には吉凶を示す言葉が無く、占断というよりはリーダーへのアドバイスにみえる。あまり誰にでも応用できる卦には見えないが、象伝の本田氏による訳が多少のヒントにはなるかもしれない。「観の卦は風が地の上にある。風が地上を吹くとき、あまねく万物にゆきわたる。昔の聖王はこの卦にのっとって、四方を巡視し、民の風俗を観察し、それぞれに適した政教を設ける」。つまり、「観」、注意深い観察が大事だよ、という教えと思えばいいか。

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HN:
酔生夢人
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男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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