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「遯、大壮、晋、明夷」の占断

33:遯(天山遯)【○○○ ○××】「退避、隠遁」(「遯」は「とん」と読む。)

遯(の卦)は通る。貞固であれば小利がある。

*遯は「遁走」や「隠遁」の遁と同じで、忍術の「火遁、木遁、水遁」の術の「逃げる」意味だ。「通る」のは「退く」ことで願望や目的が通るという、なかなか奇異な卦である。彖伝に「遯は亨(とお)る。遯(しりぞ)いて亨(とお)るなり」とある。象伝「天の下に山あるは遯なり。君子もって小人を遠ざく。悪(にく)まずして厳なり」という分かりやすい言葉もある。小人が力を持っている情勢では闘争の場から我が身を遠ざけることで悪を避けるわけだ。

34:大壮(雷天大壮)【××○ ○○○】「大きなものの隆盛」

大壮(の卦)は貞固であることに利がある。

*見ての通り、陰の爻が下から伸長してくる陽の爻に駆逐されそうな印象だが、卦辞は素っ気ない。亨(とお)るとも何とも書いていない。彖伝「大なるもの壮(さか)んなり」象伝「君子もって礼にあらざれば履(ふ)まず」と、あまり要領を得ない。各爻辞もあまり景気の良くないものばかりで、これは「大なるものが盛んな時だからこそ、その権力の悪用に害されることに気をつけて我が身を処するが良い」という趣旨かと思う。つまり、「大なるもの」とは占う者自身ではなく、その情勢における権力者(組織内の権力者)だと私は解する。陽の爻の伸長とは、陰爻つまり柔弱なものの危機であるわけだ。

35:晋(火地晋)【○×○ ×××】「進む」

晋(の卦)は、進む意味で、偉い人の前に進み出て褒美を貰うようなことがあるだろう。

*卦の言葉が難解で、先達の解説も意味不明であるが、大地の上に太陽が輝いているような象であり、悪い卦ではなさそうだ。象伝「君子もって明徳を明らかにす」、つまり、正しい人間が正しく評価される意味の卦だろう。


36:明夷(地火明夷)【××× ○×○】「傷ついた太陽、韜晦すべき時」

艱難の中でも貞固に身を処することに利がある。

*「火地晋」の反対に、太陽が地の下に隠れた象で、「夷」は「傷痍軍人」の「痍」と同じで傷つく意味があるらしい。つまり、明徳が傷つくということだろう。彖伝には「以て大難を蒙る」という不吉な言葉がある。まあ、小人(陰爻の集団)が世を謳歌している時で、明哲保身の方針が吉か。「遯」と似たような情勢だろう。



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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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