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政治の役目は何かを描いた「ミネソタの娘」

アマゾンプライムビデオの「ミネソタの娘」(原題は「農家の娘」だろうか)だが、民主主義のお手本のような映画である。1946年の作だから、太平洋戦争が終わってまだ1年しか経っていないころの作品だ。まだ若く健全だったころの理想的アメリカの姿が見られるが、同時に政治の腐敗はこのころから水面下にはあったことも分かる。悪徳政治家役の役者の顔がまるで甘利みたいで笑える。この映画は政治を題材として、しかも面白い。フランク・キャプラの政治映画より面白いかもしれない。とにかく湿気が無く明るい。
主演のロレッタ・ヤングはさほど美人ではないが、アメコミ漫画のキャラのような顔で、見ていると味が出て来る。エセル・バリモアがジョセフ・コットンの母親役で、実に貫録がある。執事役の俳優は知らないが、これもいい。脇役が上手い映画はだいたい名作である。ジョセフ・コットンは毎度のジョセフ・コットンである。そこがいいわけだが。

(以下引用)
小麦農家の娘が家政婦に雇われた議員宅で働くうち、思いがけず自らも政治家を目指すというサクセス・ストーリー 。フランク・キャプラの作品を思わせる展開に、温かさと微笑ましさが感じられ、ロレッタの可愛らしくコミカルな演技も秀逸。彼女はこの作品で、アカデミー賞主演女優賞獲得。

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ノスタルジア

野原ひろしの半生の中で、高校生のひろしが女生徒とそれぞれの自転車を並べて歩いているシーンのすぐ次に、ひろしがひとりで自転車を押しているシーンがあり、それだけで何があったか分かるという演出が素晴らしい。



ななしさん
劇中でかかる懐かし曲のチョイスもいいよね
ななしさん
曲名分からないけどケンチャコが昭和の街に戻った時のデュエット曲がちょい物悲しくて雰囲気にぴったりだったな
ななしさん
>曲名分からないけどケンチャコが昭和の街に戻った時のデュエット曲がちょい物悲しくて雰囲気にぴったりだったな
白い色は恋人の色
だな
いい曲だよ

https://youtu.be/L7v_2Ob-q_E

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アメリカの教師の給与はなぜ低いのか

私はめいろまは嫌いだが、これは重要な指摘をしていると思う。
アメリカの教員の給料の安さは日本ではあまり知られていないが、アメリカの映画やテレビドラマなどで分かる。
なぜ教師という重大な仕事の給与がそんなに安くて、しかもそれがなぜ改善されないのか、というと、そこに現実の「反知性主義」が存在するのではないか、と思う。アメリカ人はself-made manを尊敬し、学者や教師を尊敬しないという風土があると私は思っている。それが反知性主義だ。要するに「勝った者が偉い」という「勝てば官軍」主義の裏面だ。手段がギャンブルだろうが暴力だろうが詐欺的商売だろうが、成功した人間を尊敬するわけである。かつてはキリスト教道徳が存在したが、信仰に基づく道徳は、信仰の消失とともに消えるのが当たり前である。
要するに、教師は尊敬される仕事ではないから給与が安くて当然、という思想が教師の低給与の根底にある、というのが私の推理である。知識があろうが、喧嘩が弱い人間に何の価値がある、という思想と言ってもいい。まあ、西部開拓時代から続く精神性である。こういう土壌では女性は、男と肩を伍して「力(権力や能力)」を誇示するか、性や欲望の対象としての価値が第一になるだろう。それが、幼い女の子まで「セクシー」さが魅力の基準と考えるキチガイ思想になる。女性は表面的に大事にはされるが、本質的には差別対象だろう。もちろん、日本のほうがマシかどうかは分からない。どちらも一長一短なのではないか。
思い出したが、「スタンドバイミー」の中で、主人公の親友が学校に納めた(女教師に渡した)カネを、その女教師に着服されて傷ついた、というエピソードがある。その場面では観客の誰しも(脚本家の意図どおり)その女教師を憎むだろうが、しかしこういうフィクションの事件が観客にとってリアリティを持つその背景には、教師の給与の安さという現実があったと思う。

(以下引用)
谷本真由美 (めいろま) 「世界のニュースを日本人は何も知らない3」発売中
@May_Roma
生活苦のアメリカの公立学校の教員。48歳のキャリアの長い先生の年収は680万円ほどだがアメリカの物価高で生活は苦しい。バイトや売血で生活費を捻出する人もいる。教員の給料は他の産業に比べても特に安く、看護師であれば 年収1千万円を超える
time.com
'I Work 3 Jobs And Donate Blood Plasma to Pay the Bills.' This Is What It’s Like to Be a Teacher in...
Millions are fighting in a wage crisis centuries in the making

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軍隊内の上級国民(将官)と下級国民(兵士)

面白い問題提起で、コメントにもなかなか興味深いものがたくさんあったが、コメントは省略。
上級国民の利権保護だろ、という趣旨のものも、かなり納得した。ただし、「長い灰色の線」という映画を見ると、下層階級からでも士官学校に入れたようだ。(これは私の誤解かもしれない。士官学校の体育教官や舎監になることと、学生になることは別だろうから。)
最初から階層が分かれているから、将官は平気で兵士を死地に行かせることができ、平気で死者数を積み上げることができる、という趣のコメントも納得である。



(以下引用)


軍隊って一兵卒として入隊したら、どれだけ昇進しても少尉だったかくらいで頭打ちになるんだったよね?


対して士官学校卒業したら少尉士官から始まる。


当然、軍の上層部には士官学校を出ていないと入れない。


 


この仕組を軍隊のような現実的集団が堅持しているということは、


この仕組が有効であるという証左なんだと思う。


でも、疑問なのは、なぜそうなるんだろう?ということだ。


一兵卒で入隊して、叩き上げ将軍にまでなれる仕組みよりも


学校を出て士官から始めた人たちだけで将軍が占められる仕組み。


なぜ後者の仕組みのほうがより合理的組織がつくられると考えるのだろうか?

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日本人の「so so(まずまず)」主義

ジャズなのかポップスなのか、分類は分からないが、アメリカのスタンダードナンバー、つまり古典的ヒット曲の中に「So in love」という歌があって、作曲はコール・ポーターのようだ。
実は、わりと新しい、と言っても十年以上前のヒットポピュラーソングに「so in love」というフレーズが効果的に使われた歌があって、どちらかと言えばそっちの方が私は好みだ。だが、誰が歌った歌かも分からず、題名も分からない。
で、本題だが、この「so in love」をどう日本語に訳すのか、というのが問題なのである。接続詞と解釈して「だから恋している」とするか、副詞と解釈して「それほどに恋している」とするか。
後者の場合のsoはveryと同じ意味合いで、女性に多い用法だと辞書にはある。
などと書いたのは、前にも引用したマーク・ピーターセンの「英語の壁」の中に、「日本人はsoという単語を使いすぎだ」という趣旨のことが書いてあったからだ。副詞としてなら、むくつけき男が女性言葉を使うのは気持ち悪いだろうし、ピーターセン氏が言っていたのは、明確な因果関係が無いのに、接続詞としてsoを使うことへの注意であった。
その例文を引用しようかと思ったが、面倒なので省略するが、確かに接続詞としてのsoは「AだからB」という因果関係の「だから」に当たるはずだのに、何となくsoで文をつなぐ傾向が日本人にはありそうだ。
もともと、日本人は論理性をあまり重視しないで言語表現をする傾向があるのではないか、と私は思っている。昔の女子高生など「えー」「うそー」「本当?」だけで会話が成立する場面を私は目撃したものだが、今はどうだろうか。これ(論理性の軽視)は男性でも同様である。いちいち、相手の発言の論理を確認していては会話にならない。これは書かれた文章でも同じ傾向になるのではないか。


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「行ってきます」「行ってらっしゃい」問題

幾つかの本と並行的に読んでいるマーク・ピーターセンの「英語の壁」の中に、日本語についての面白い疑問が書かれていた。
日本語学習教材で、登校する娘が母親に「行って来ます」と言い、母親が「はい、行っていらっしゃい」と応えるのだが、日本語学習者はそこで不思議に思うらしい。

出かけることを知らせるなら「行きます」で十分なのに、なんで毎回「(行ってから)また来ますよ」と知らせないといけないのだろうか。そしてお母さんにしても、なんでわざわざ「またおいで(いらっしゃい)」まで付ける必要があるのだろう、と思い、自分には自然な日本語は使えそうもないと感じる。

日本人だと小さい時からの習慣でまったく疑問に思わない言葉も、外国人日本語学習者は、それを合理的に考えてしまうため、疑問に思うわけである。
では、これに対して日本人として、どう説明ができるだろうか。
私はこういう「どうでもいい問題」を考えるのが大好きなので、考えてみる。
まず、母親の言葉だが、この「行っていらっしゃい」の「~(して)いらっしゃい」は、「~しなさい」の丁寧表現だろう。本来は「いらっしゃる」は「いる」の敬語だったと思われるが、補助動詞化して「~している」意味になり、その中でも「いらっしゃい」は「~しなさい」「~してきなさい」という婉曲な命令形になったと思われる。店員などがお客に言う「いらっしゃいませ」の中の「いらっしゃい」も本来は「いる」意味であって「来る」ではないと思う。(「ませ」は、丁寧語「ます」の語形変化で、相手の動作や行為を歓迎する意味だろう。)「いらっしゃいませ」は、つまり、この場に客が存在することを歓迎するものだろう。要するに、上記のピーターセン氏の「いらっしゃい」を「またおいで」という解釈は、補助動詞的用法を本動詞と錯覚したものだと思う。
娘の「行ってきます」の「きます」の解釈はもう少し難しい。私の解釈では、これは「行ってからまたここに来ます」ではなく「行っておきます」の「お」の音が脱落して「行ってきます」になったのではないか。つまり、「やっておきます」が「やっときます」になるようなものだと思う。では、なぜ「行っときます」ではなく「行ってきます」になったのか、と言えば、「言っときます」と混同されるからだろう、というのは少々苦しい解釈だろうか。要するに「行きます」ではなく、その行為が「行きっぱなし」ではなく限定された時間だけの不在である、ということを示すのが「行っておきます⇒行ってきます」だろう、というわけである。まあ、屁理屈だ。



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マイ・フェア・レディ

映画「マイ・フェア・レディ」の原作である戯曲はG・B・ショーの「ピグマリオン」だが、これはギリシャ神話か何かの、自分の作った人形(彫像)に恋をする人形作り(彫像師)の名前だったはずで、つまり戯曲の内容にぴったり合っている。しかし、「マイ・フェア・レディ」となると、どうしても「ロンドン橋落ちた」の最後のフレーズを思い出すわけで、まあ、ロンドンを舞台にしている以外は話の内容とあまりつながらない。ただし、「fair」の意味が「美しい」だとすると、映画のヒロインであるオードリー・ヘップバーンにはぴったりだ。この「美しい」こそがfairの原義で、そこから派生した「公正な」の意味が中心的になったのは現代でのことらしい。ただし、ヘップバーンは欧米では「美しい」より「ファニー・フェイス」だと思われているらしく、だからこそコメディへの出演が多かったのだろう。
ちなみに、イギリス映画の「ピグマリオン」の主演女優は女優としてもあまり美人でなく、短期間で洗練されて美女となり、周りの男たちを魅惑する役柄にかなり無理があった。映画自体は良くできていたのだが、役柄に合わない役者を使うと映画が破綻する。つまり演技だけでは「マイ・フェア・レデイ」にはなれないわけだ。

どうでもいいが、下の説明の末尾の「dance over」は「踊って越えよ」ではなく「踊り続けろ」ではないだろうか。少し古いポップスの「over and over」は「繰り返し繰り返し」の意味だったと思う。「over and over I whisper your name…」というフレーズを覚えている人もいるのではないか。ギリシャの俳優兼歌手の女性が歌っていた歌だ。

(以下引用)

マイ・フェア・レディ[編集]

歌詞の「マイ・フェア・レディ (My Fair Lady)」、または古い歌詞にある「レイディ・リー (Lady Lee)」の意味についても、いくつかの説が存在する。


1つは、この「レディ」はウォリックシャーの貴族であったリー (Leigh) 家の婦人がモデルではないかという説である。家を建て替える際にこの婦人は建材などに色々と注文を出した、あるいは工事中に人が埋められたとも言われている。それがこの歌の題材になっているという主張である[20][19][18]


また、ロンドン橋の建設の責任者であったことから、ヘンリー1世の王妃マティルダ・オブ・スコットランドであるという説がある[12]。さらに、1269年から1281年ぐらいまで橋の収益に関しての権限を持っていたヘンリー3世の王妃エリナー・オブ・プロヴァンスではないかという説も存在する[12]


一方で、これは人物ではなく、英国のリー川 (River Lee) を指すとする見解もある[20][21]。リー川はロンドン橋のあるテムズ川に注ぎ込む川である。しかし、リー川がテムズ川と合流するのはロンドン橋よりも下流であるため、この説に疑問を呈す意見もある[22]


また、古い歌詞にある"Dance over my Lady Lee"(踊って越えよ、レイディ・リイ[23])とは、冬の間テムズ川が凍結するので、橋が壊れても氷上を歩いて渡れることを意味しているとする見解もある[22][24]

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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
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