「大摩邇」所載の「in deep」記事で、記事後半はオカルト的な内容なので無視していいが、世界の現状を明快に整理してもいるので「赤い月」との関係は無視して読めばいい。
で、前半の「赤い月」の科学的説明もなかなか有益な記事だと思う。
というのは、先ほどだったか昨晩だったか、もう忘れているが、家の窓から見た月がその「赤い月」だった(半月だったが)ので、どういう現象なのか訳が分からず不安になったのが、下の記事で一応解消されたからである。もっとも、「青い光は散乱しやすい」という現象の理屈は分からないが、まあ、「そうなっている」のだろう。
で、「皆既月食」というのは初耳のような気がする。実際には月は完全に地球の陰になるわけではなく(そうなると旧暦月末の無月状態になるのだろう。)太陽の光が地球を通過する際に青い光が散乱して月が赤い光だけで照らされる現象なのだろうか。とすると、それを「皆既月食」と表現するのは言葉がおかしい気がする。
下の記事には「ブルームーン」が実際には「青い月」の意味ではない、という有益な知識もある。もっとも、昔から月の光を青いと感じるのは自然なことであり、それのために月自体を「月がとっても青いから、遠回りして帰ろう」と歌ったりしたものである。ジャズナンバーの「ブルームーン」もおそらく月の光を青いと感じたものだろう。
(以下引用)
「赤い月」というのは、皆既月食のことで、皆既日食では、太陽が黒くなりますけれど、皆既「月食」では、月は赤くなるのです。
色を強調していますけれど、以下のような感じでしょうか。
皆既月食(左)と皆既日食
英語ではブラッド・ムーン (血のような月)とも呼ばれます。
この皆既食の際に、
「太陽では黒くなり、月では赤くなる」
ということ自体が、私にとっては、とても示唆的であり、もともと日食や月食という現象に「奇跡性」を感じている私 (過去記事)としては、感慨深いものです。
皆既月食で、月が赤く見える理由は、光の「散乱」というものにより、そのように見えるようです。
皆既月食が赤く見える理由
Canon Global
皆既月食には「スーパーブラッドムーン」と呼ばれるものがあります。
スーパームーンは「地球から見た満月の円盤が最大に見える」ときのことで、ブラッドムーンは「皆既月食のこと」で、これが重なるものです。
さらにいえば、ブルームーンという言葉があり、これは色の青とはまったく関係なく、「1ヶ月のあいだに満月が2回あること」をいいます。
これらが全部重なると、「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」というということになり、これは大変に珍しい現象で、最近では、2018年に発生しましたが、それ以前は、その 150年前だったのです。
そして、大変に興味深いこととして、日本が江戸時代であった 1866年にスーパー・ブルー・ブラッドムーンが発生した年は、
「その年に江戸時代が終わった」
のでした。
以下の 2018年の記事に書きました。
・150年ぶりに「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」が出現する : 前回の1866年は江戸時代が消える日本の近代史上最大の転換点の時だった
In Deep 2018年1月19日
翌年からは、実質的に明治時代となりました。
まったく変わったのです。
それで、それから 150年後の 2018年にスーパー・ブルー・ブラッドムーンが出現したわけですが、
「翌年の 2019年に新型コロナウイルスのパンデミックが発生した」
のでした。
やはり、世界はまったく変わったのでした。
もちろん、このパンデミックが「大した出来事でない」とする解釈なら、大した問題ではないのでしょうが、しかし、このパンデミック (コロナという病気そのものではなく)と、その対策が社会のすべてを変化させたことは疑いの余地がありません。
衛生管理体制の問題や、ワクチンによる人口動態の大幅な変化 (死亡数の大幅な増加や、出生数の大幅な低下など)だけではなく、「過去最大の懸念となりかねない銀行と金融危機」も、このパンデミック対策での無謀な政府援助が原因のひとつとなっています。
・アメリカの銀行破綻の連鎖の最大の原因が、「パンデミックの景気刺激策とロックダウンの影響」であることを知る
In Deep 2023年3月13日
銀行の危機は、少なくともアメリカにおいては、根本の部分においてまったく変化していないですので、時期はともかく、必ず起きます。
それに加えて、アメリカでは、
「リーマンショック時をはるかに超える商業不動産危機」
が迫っていることを、モルガン・スタンレーの資産運用部門の責任者が報告書で述べていました。以下に報道の翻訳があります。
・モルガン・スタンレーが、米国の商業用不動産の今後の「壊滅的な崩壊」を警告 (2023/04/10)
最高投資責任者の方は、報告書に、以下のように書いています。
「この市場は、大きなハードルに直面しており、ストラテジストたちは商業用不動産が 2008年の金融危機時よりもさらに悪い約 40%の下落になると予想している」
商業用不動産だけではなく、アメリカの集合住宅の販売も壊滅的な崩壊に近づいています。
・アメリカの集合住宅の売上高が74%減少、2008年以来最大。価格も高値から20%下落 (2023/04/04)
これもパンデミックのロックダウン中に、アメリカでは、移住ブーム等が起こり、どんどん家や集合住宅が建設され、そして、パンデミック中にどんどん家賃が上昇しました。
今、「家賃も住宅価格自体も、どちらも大きな下落に転じて」おり、そのため、不動産の持ち主たちが、ローンの返済に難渋し始めているようで、今年、「不動産の投げ売り」が起きる可能性を専門家が懸念しています。
さらに、最近の銀行の預金流出危機の後から銀行は「融資をしなくなってきている」ため、新しい資金も借りられない状態で、不動産を投げ売るしかない。
米ノースマーク証券の集合住宅部門の代表者は、
「(不動産の危機は)始まったばかりです」
と述べています。
このようなことが、商業用不動産と住宅不動産の両方に「仮に」起きてしまった場合、事態がリーマンどころではなくなることは想像できます。
そして、「ドルの死」という懸念はどんどん強くなっています。
・ドルの崩壊が、曖昧ではなく始まった
In Deep 2023年4月6日
あくまでアメリカの話ですが、今年は食糧生産もどうなるかわからなくなってきています。
アメリカ最大の食糧生産地であるカリフォルニアの今年の春の状態は、ほぼ絶望的です。
・リアルな「水没」に直面しているカリフォルニアの農地
地球の記録 2023年4月5日
また、アメリカの春小麦の生産の約 4分の3を占めているノースダコタ州、サウスダコタ州、ミネソタ州もまた、「過去最大級の積雪」により、この春の小麦の作付けが危ぶまれています。
・アメリカの春小麦生産地域の積雪量が今世紀最大に。過剰な土壌水分により作付けが大幅に遅れる見込み (2023/4/09)
この3州の積雪量は、21世紀ではダントツに最大です。
アメリカの春小麦生産地の積雪量
gro-intelligence.com
このような、
・過去最大の金融危機 (の可能性)
・過去最大の不動産危機 (の可能性)
・過去最大の食糧生産の危機 (の可能性)
・ドルの死 (の可能性)
が、同時期に一気に襲ってきた場合、社会が「今まではとはまったく異なる」状態になることは避けられないと思われます。
積雪は別にして、これらの原因のほとんどが、パンデミックとその対策に起因していると考えると、
「スーパー・ブルー・ブラッドムーンが発生した 2018年の翌年」
というのが、どれだけ劇的な時期を「招く要因となった年だったか」ということがわかります。
もちろん、これらは、あくまでアメリカの問題ですが、これが一気にアメリカで発生した時に、日本が無傷である可能性はほとんどないはずです。