忍者ブログ

私は沈黙していた。それは自分の事ではなかったから。

「独りファシズム」経由の記事だが、これまでは他人事としか思っていなかった原発問題が、自分たちの身にふりかかってきた今だからこそ読むべき文章である。私もここに書かれた内容のあらましは知っていたし、この文章の一部も読んだことはあった。だから原発反対の思想は持っていたが、そのために運動することはしなかった。なぜなら、日本において反原発運動をすることは、この社会でありとあらゆる不利益を甘受することを意味したからだ。つまり、既得権益層の悪事を暴くことは、既得権益層、すなわち権力の側の人々の敵になること、あらゆる弾圧を受けるこを意味するのである。自分だけならまだしも、家族にそういう運命を受けさせることはできない。おそらく、社会悪に沈黙する人々の多くの気持ちはそんなものだろう。しかし、そうした沈黙の結果が今回のような大惨事になったのである。これは東電社長一人を断罪して済む問題ではない。また、だからといって一億総懺悔をして責任をあいまいにしてもならないことだ。
我々は、下記の文中にある女子高生の悲痛な叫びに耳を傾けなかった。その結果、今度は無数の人命が失われることになったのである。



(以下引用)


  原発がどんなものか知ってほしい

原発がどんなものか知ってほしい(全)
平井憲夫

私は原発反対運動家ではありません
 私は原発反対運動家ではありません。二十年間、原子力発電所の現場で働いていた者です。原発については賛成だとか、危険だとか、安全だとかいろんな論争がありますが、私は「原発とはこういうものですよ」と、ほとんどの人が知らない原発の中のお話をします。そして、最後まで読んでいただくと、原発がみなさんが思っていらっしゃるようなものではなく、毎日、被曝者を生み、大変な差別をつくっているものでもあることがよく分かると思います。

私は原発反対運動家ではありません
「安全」は机上の話
素人が造る原発
名ばかりの検査・検査官
いいかげんな原発の耐震設計
定期点検工事も素人が
放射能垂れ流しの海
内部被爆が一番怖い
普通の職場環境とは全く違う
「絶対安全」だと5時間の洗脳教育
だれが助けるのか
びっくりした美浜原発細管破断事故!
もんじゅの大事故
日本のプルトニウムがフランスの核兵器に?
日本には途中でやめる勇気がない
廃炉も解体も出来ない原発
「閉鎖」して、監視・管理
どうしようもない放射性廃棄物
住民の被曝と恐ろしい差別
私、子供生んでも大丈夫ですか。たとえ電気がなくなってもいいから、私は原発はいやだ。
原発がある限り、安心できない
著者 平井憲夫さんについて
--------------------------------------------------------------------------------


私は原発反対運動家ではありません。
 二十年間、原子力発電所の現場で働いていた者です。原発については賛成だとか、危険だとか、安全だとかいろんな論争がありますが、私は「原発とはこういうものですよ」と、ほとんどの人が知らない原発の中のお話をします。そして、最後まで読んでいただくと、原発がみなさんが思っていらっしゃるようなものではなく、毎日、被曝者を生み、大変な差別をつくっているものでもあることがよく分かると思います。

 はじめて聞かれる話も多いと思います。どうか、最後まで読んで、それから、原発をどうしたらいいか、みなさんで考えられたらいいと思います。原発について、設計の話をする人はたくさんいますが、私のように施工、造る話をする人がいないのです。しかし、現場を知らないと、原発の本当のことは分かりません。

 私はプラント、大きな化学製造工場などの配管が専門です。二○代の終わりごろに、日本に原発を造るというのでスカウトされて、原発に行きました。一作業負だったら、何十年いても分かりませんが、現場監督として長く働きましたから、原発の中のことはほとんど知っています。

「安全」は机上の話
 去年(一九九五年)の一月一七日に阪神大震災が起きて、国民の中から「地震で原発が壊れたりしないか」という不安の声が高くなりました。原発は地震で本当に大丈夫か、と。しかし、決して大丈夫ではありません。国や電力会社は、耐震設計を考え、固い岩盤の上に建設されているので安全だと強調していますが、これは机上の話です。

 この地震の次の日、私は神戸に行ってみて、余りにも原発との共通点の多さに、改めて考えさせられました。まさか、新幹線の線路が落下したり、高速道路が横倒しになるとは、それまで国民のだれ1人考えてもみなかったと思います。

 世間一般に、原発や新幹線、高速道路などは官庁検査によって、きびしい検査が行われていると思われています。しかし、新幹線の橋脚部のコンクリートの中には型枠の木片が入っていたし、高速道路の支柱の鉄骨の溶接は溶け込み不良でした。一見、溶接がされているように見えていても、溶接そのものがなされていなくて、溶接部が全部はずれてしまっていました。

 なぜ、このような事が起きてしまったのでしょうか。その根本は、余りにも机上の設計ばかりに重点を置いていて、現場の施工、管理を怠ったためです。それが直接の原因ではなくても、このような事故が起きてしまうのです。

素人が造る原発
 原発でも、原子炉の中に針金が入っていたり、配管の中に道具や工具を入れたまま配管をつないでしまったり、いわゆる人が間違える事故、ヒューマンエラーがあまりにも多すぎます。それは現場にブロの職人が少なく、いくら設計が立派でも、設計通りには造られていないからです。机上の設計の議論は、最高の技量を持った職人が施工することが絶対条件です。しかし、原発を造る人がどんな技量を持った人であるのか、現場がどうなっているのかという議論は1度もされたことがありません。

 原発にしろ、建設現場にしろ、作業者から検査官まで総素人によって造られているのが現実ですから、原発や新幹線、高速道路がいつ大事故を起こしても、不思議ではないのです。

 日本の原発の設計も優秀で、二重、三重に多重防護されていて、どこかで故障が起きるとちゃんと止まるようになっています。しかし、これは設計の段階までです。施工、造る段階でおかしくなってしまっているのです。

 仮に、自分の家を建てる時に、立派な一級建築士に設計をしてもらっても、大工や左官屋の腕が悪かったら、雨漏りはする、建具は合わなくなったりしますが、残念ながら、これが日本の原発なのです。

 ひとむかし前までは、現場作業には、棒心(ぼうしん)と呼ばれる職人、現場の若い監督以上の経験を積んだ職人が班長として必ずいました。職人は自分の仕事にプライドを持っていて、事故や手抜きは恥だと考えていましたし、事故の恐ろしさもよく知っていました。それが十年くらい前から、現場に職人がいなくなりました。全くの素人を経験不問という形で募集しています。素人の人は事故の怖さを知らない、なにが不正工事やら手抜きかも、全く知らないで作業しています。それが今の原発の実情です。

 例えば、東京電力の福島原発では、針金を原子炉の中に落としたまま運転していて、1歩間違えば、世界中を巻き込むような大事故になっていたところでした。本人は針金を落としたことは知っていたのに、それがどれだけの大事故につながるかの認識は全然なかったのです。そういう意味では老朽化した原発も危ないのですが、新しい原発も素人が造るという意味で危ないのは同じです。

 現場に職人が少なくなってから、素人でも造れるように、工事がマニュアル化されるようになりました。マニュアル化というのは図面を見て作るのではなく、工場である程度組み立てた物を持ってきて、現場で1番と1番、2番と2番というように、ただ積木を積み重ねるようにして合わせていくんです。そうすると、今、自分が何をしているのか、どれほど重要なことをしているのか、全く分からないままに造っていくことになるのです。こういうことも、事故や故障がひんぱんに起こるようになった原因のひとつです。

 また、原発には放射能の被曝の問題があって後継者を育てることが出来ない職場なのです。原発の作業現場は暗くて暑いし、防護マスクも付けていて、互いに話をすることも出来ないような所ですから、身振り手振りなんです。これではちゃんとした技術を教えることができません。それに、いわゆる腕のいい人ほど、年問の許容線量を先に使ってしまって、中に入れなくなります。だから、よけいに素人でもいいということになってしまうんです。

 また、例えば、溶接の職人ですと、目がやられます。30歳すぎたらもうだめで、細かい仕事が出来なくなります。そうすると、細かい仕事が多い石油プラントなどでは使いものになりませんから、だったら、まあ、日当が安くても、原発の方にでも行こうかなあということになります。

 皆さんは何か勘違いしていて、原発というのはとても技術的に高度なものだと思い込んでいるかも知れないけれど、そんな高級なものではないのです。

 ですから、素人が造る原発ということで、原発はこれから先、本当にどうしようもなくなってきます。

名ばかりの検査・検査官
 原発を造る職人がいなくなっても、検査をきっちりやればいいという人がいます。しかし、その検査体制が問題なのです。出来上がったものを見るのが日本の検査ですから、それではダメなのです。検査は施工の過程を見ることが重要なのです。

 検査官が溶接なら溶接を、「そうではない。よく見ていなさい。このようにするんだ」と自分でやって見せる技量がないと本当の検査にはなりません。そういう技量の無い検査官にまともな検査が出来るわけがないのです。メーカーや施主の説明を聞き、書類さえ整っていれば合格とする、これが今の官庁検査の実態です。

 原発の事故があまりにもひんぱんに起き出したころに、運転管理専門官を各原発に置くことが閣議で決まりました。原発の新設や定検(定期検査)のあとの運転の許可を出す役人です。私もその役人が素人だとは知っていましたが、ここまでひどいとは知らなかったです。

 というのは、水戸で講演をしていた時、会場から「実は恥ずかしいんですが、まるっきり素人です」と、科技庁(科学技術庁)の者だとはっきり名乗って発言した人がいました。その人は「自分たちの職場の職員は、被曝するから絶対に現場に出さなかった。折から行政改革で農水省の役人が余っているというので、昨日まで養蚕の指導をしていた人やハマチ養殖の指導をしていた人を、次の日には専門検査官として赴任させた。そういう何にも知らない人が原発の専門検査官として運転許可を出した。美浜原発にいた専門官は三か月前までは、お米の検査をしていた人だった」と、その人たちの実名を挙げて話してくれました。このようにまったくの素人が出す原発の運転許可を信用できますか。

 東京電力の福島原発で、緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動した大事故が起きたとき、読売新聞が「現地専門官カヤの外」と報道していましたが、その人は、自分の担当している原発で大事故が起きたことを、次の日の新聞で知ったのです。なぜ、専門官が何も知らなかったのか。それは、電力会社の人は専門官がまったくの素人であることを知っていますから、火事場のような騒ぎの中で、子どもに教えるように、いちいち説明する時間がなかったので、その人を現場にも入れないで放って置いたのです。だから何も知らなかったのです。

 そんないい加減な人の下に原子力検査協会の人がいます。この人がどんな人かというと、この協会は通産省を定年退職した人の天下り先ですから、全然畑違いの人です。この人が原発の工事のあらゆる検査の権限を持っていて、この人の0Kが出ないと仕事が進まないのですが、検査のことはなにも知りません。ですから、検査と言ってもただ見に行くだけです。けれども大変な権限を持っています。この協会の下に電力会社があり、その下に原子炉メーカーの日立・東芝・三菱の三社があります。私は日立にいましたが、このメーカーの下に工事会社があるんです。つまり、メーカーから上も素人、その下の工事会社もほとんど素人ということになります。だから、原発の事故のことも電力会社ではなく、メー力-でないと、詳しいことは分からないのです。

 私は現役のころも、辞めてからも、ずっと言っていますが、天下りや特殊法人ではなく、本当の第三者的な機関、通産省は原発を推進しているところですから、そういう所と全く関係のない機関を作って、その機関が検査をする。そして、検査官は配管のことなど経験を積んだ人、現場のたたき上げの職人が検査と指導を行えば、溶接の不具合や手抜き工事も見抜けるからと、一生懸命に言ってきましたが、いまだに何も変わっていません。このように、日本の原発行政は、余りにも無責任でお粗末なものなんです。

いいかげんな原発の耐震設計
 阪神大震災後に、慌ただしく日本中の原発の耐震設計を見直して、その結果を九月に発表しましたが、「どの原発も、どんな地震が起きても大丈夫」というあきれたものでした。私が関わった限り、初めのころの原発では、地震のことなど真面目に考えていなかったのです。それを新しいのも古いのも一緒くたにして、大丈夫だなんて、とんでもないことです。1993年に、女川原発の一号機が震度4くらいの地震で出力が急上昇して、自動停止したことがありましたが、この事故は大変な事故でした。なぜ大変だったかというと、この原発では、1984年に震度5で止まるような工事をしているのですが、それが震度5ではないのに止まったんです。わかりやすく言うと、高速道路を運転中、ブレーキを踏まないのに、突然、急ブレーキがかかって止まったと同じことなんです。これは、東北電力が言うように、止まったからよかった、というような簡単なことではありません。5で止まるように設計されているものが4で止まったということは、5では止まらない可能性もあるということなんです。つまり、いろんなことが設計通りにいかないということの現れなんです。

 こういう地震で異常な止まり方をした原発は、1987年に福島原発でも起きていますが、同じ型の原発が全国で10もあります。これは地震と原発のことを考えるとき、非常に恐ろしいことではないでしょうか。

定期点検工事も素人が
 原発は1年くらい運転すると、必ず止めて検査をすることになっていて、定期検査、定検といっています。原子炉には70気圧とか、150気圧とかいうものすごい圧力がかけられていて、配管の中には水が、水といっても300℃もある熱湯ですが、水や水蒸気がすごい勢いで通っていますから、配管の厚さが半分くらいに薄くなってしまう所もあるのです。そういう配管とかバルブとかを、定検でどうしても取り替えなくてはならないのですが、この作業に必ず被曝が伴うわけです。

 原発は一回動かすと、中は放射能、放射線でいっぱいになりますから、その中で人間が放射線を浴びながら働いているのです。そういう現場へ行くのには、自分の服を全部脱いで、防護服に着替えて入ります。防護服というと、放射能から体を守る服のように聞こえますが、そうではないんですよ。放射線の量を計るアラームメーターは防護服の中のチョッキに付けているんですから。つまり、防護服は放射能を外に持ち出さないための単なる作業着です。作業している人を放射能から守るものではないのです。だから、作業が終わって外に出る時には、パンツー枚になって、被曝していないかどうか検査をするんです。体の表面に放射能がついている、いわゆる外部被曝ですと、シャワーで洗うと大体流せますから、放射能がゼロになるまで徹底的に洗ってから、やっと出られます。

 また、安全靴といって、備付けの靴に履き替えますが、この靴もサイズが自分の足にきちっと合うものはありませんから、大事な働く足元がちゃんと定まりません。それに放射能を吸わないように全面マスクを付けたりします。そういうかっこうで現場に入り、放射能の心配をしながら働くわけですから、実際、原発の中ではいい仕事は絶対に出来ません。普通の職場とはまったく違うのです。

 そういう仕事をする人が95%以上まるっきりの素人です。お百姓や漁師の人が自分の仕事が暇な冬場などにやります。言葉は悪いのですが、いわゆる出稼ぎの人です。そういう経験のない人が、怖さを全く知らないで作業をするわけです。

 例えば、ボルトをネジで締める作業をするとき、「対角線に締めなさい、締めないと漏れるよ」と教えますが、作業する現場は放射線管理区域ですから、放射能がいっぱいあって最悪な所です。作業現場に入る時はアラームメーターをつけて入りますが、現場は場所によって放射線の量が違いますから、作業の出来る時間が違います。分刻みです。

 現場に入る前にその日の作業と時間、時間というのは、その日に浴びてよい放射能の量で時間が決まるわけですが、その現場が20分間作業ができる所だとすると、20分経つとアラ-ムメーターが鳴るようにしてある。だから、「アラームメーターが鳴ったら現場から出なさいよ」と指示します。でも現場には時計がありません。時計を持って入ると、時計が放射能で汚染されますから腹時計です。そうやって、現場に行きます。

 そこでは、ボルトをネジで締めながら、もう10分は過ぎたかな、15分は過ぎたかなと、頭はそっちの方にばかり行きます。アラームメーターが鳴るのが怖いですから。アラームメーターというのはビーッととんでもない音がしますので、初めての人はその音が鳴ると、顔から血の気が引くくらい怖いものです。これは経験した者でないと分かりません。ビーッと鳴ると、レントゲンなら何十枚もいっぺんに写したくらいの放射線の量に当たります。ですからネジを対角線に締めなさいと言っても、言われた通りには出来なくて、ただ締めればいいと、どうしてもいい加滅になってしまうのです。すると、どうなりますか。

放射能垂れ流しの海
 冬に定検工事をすることが多いのですが、定検が終わると、海に放射能を含んだ水が何十トンも流れてしまうのです。はっきり言って、今、日本列島で取れる魚で、安心して食べられる魚はほとんどありません。日本の海が放射能で汚染されてしまっているのです。

 海に放射能で汚れた水をたれ流すのは、定検の時だけではありません。原発はすごい熱を出すので、日本では海水で冷やして、その水を海に捨てていますが、これが放射能を含んだ温排水で、一分間に何十トンにもなります。

 原発の事故があっても、県などがあわてて安全宣言を出しますし、電力会社はそれ以上に隠そうとします。それに、国民もほとんど無関心ですから、日本の海は汚れっぱなしです。

 防護服には放射性物質がいっぱいついていますから、それを最初は水洗いして、全部海に流しています。排水口で放射線の量を計ると、すごい量です。こういう所で魚の養殖をしています。安全な食べ物を求めている人たちは、こういうことも知って、原発にもっと関心をもって欲しいものです。このままでは、放射能に汚染されていないものを選べなくなると思いますよ。

 数年前の石川県の志賀原発の差止め裁判の報告会で、八十歳近い行商をしているおばあさんが、こんな話をしました。「私はいままで原発のことを知らなかった。今日、昆布とわかめをお得意さんに持っていったら、そこの若奥さんに「悪いけどもう買えないよ、今日で終わりね、志賀原発が運転に入ったから」って言われた。原発のことは何も分からないけど、初めて実感として原発のことが分かった。どうしたらいいのか」って途方にくれていました。みなさんの知らないところで、日本の海が放射能で汚染され続けています。

内部被爆が一番怖い
 原発の建屋の中は、全部の物が放射性物質に変わってきます。物がすべて放射性物質になって、放射線を出すようになるのです。どんなに厚い鉄でも放射線が突き抜けるからです。体の外から浴びる外部被曝も怖いですが、一番怖いのは内部被曝です。

 ホコリ、どこにでもあるチリとかホコリ。原発の中ではこのホコリが放射能をあびて放射性物質となって飛んでいます。この放射能をおびたホコリが口や鼻から入ると、それが内部被曝になります。原発の作業では片付けや掃除で一番内部被曝をしますが、この体の中から放射線を浴びる内部被曝の方が外部被曝よりもずっと危険なのです。体の中から直接放射線を浴びるわけですから。

 体の中に入った放射能は、通常は、三日くらいで汗や小便と一緒に出てしまいますが、三日なら三日、放射能を体の中に置いたままになります。また、体から出るといっても、人間が勝手に決めた基準ですから、決してゼロにはなりません。これが非常に怖いのです。どんなに微量でも、体の中に蓄積されていきますから。

 原発を見学した人なら分かると思いますが、一般の人が見学できるところは、とてもきれいにしてあって、職員も「きれいでしょう」と自慢そうに言っていますが、それは当たり前なのです。きれいにしておかないと放射能のホコリが飛んで危険ですから。

 私はその内部被曝を百回以上もして、癌になってしまいました。癌の宣告を受けたとき、本当に死ぬのが怖くて怖くてどうしようかと考えました。でも、私の母が何時も言っていたのですが、「死ぬより大きいことはないよ」と。じゃ死ぬ前になにかやろうと。原発のことで、私が知っていることをすべて明るみに出そうと思ったのです。

普通の職場環境とは全く違う
 放射能というのは蓄積します。いくら徴量でも十年なら十年分が蓄積します。これが怖いのです。日本の放射線管理というのは、年間50ミリシーベルトを守ればいい、それを越えなければいいという姿勢です。

 例えば、定検工事ですと三ケ月くらいかかりますから、それで割ると一日分が出ます。でも、放射線量が高いところですと、一日に五分から七分間しか作業が出来ないところもあります。しかし、それでは全く仕事になりませんから、三日分とか、一週間分をいっぺんに浴びせながら作業をさせるのです。これは絶対にやってはいけない方法ですが、そうやって10分間なり20分間なりの作業ができるのです。そんなことをすると白血病とかガンになると知ってくれていると、まだいいのですが……。電力会社はこういうことを一切教えません。

 稼動中の原発で、機械に付いている大きなネジが一本緩んだことがありました。動いている原発は放射能の量が物凄いですから、その一本のネジを締めるのに働く人三十人を用意しました。一列に並んで、ヨーイドンで七メートルくらい先にあるネジまで走って行きます。行って、一、二、三と数えるくらいで、もうアラームメーターがビーッと鳴る。中には走って行って、ネジを締めるスパナはどこにあるんだ?といったら、もう終わりの人もいる。ネジをたった一山、二山、三山締めるだけで百六十人分、金額で四百万円くらいかかりました。

 なぜ、原発を止めて修理しないのかと疑問に思われるかもしれませんが、原発を一日止めると、何億円もの損になりますから、電力会社は出来るだけ止めないのです。放射能というのは非常に危険なものですが、企業というものは、人の命よりもお金なのです。

「絶対安全」だと五時間の洗脳教育
 原発など、放射能のある職場で働く人を放射線従事者といいます。日本の放射線従事者は今までに約二七万人ですが、そのほとんどが原発作業者です。今も九万人くらいの人が原発で働いています。その人たちが年一回行われる原発の定検工事などを、毎日、毎日、被曝しながら支えているのです。

 原発で初めて働く作業者に対し、放射線管理教育を約五時間かけて行います。この教育の最大の目的は、不安の解消のためです。原発が危険だとは一切教えません。国の被曝線量で管理しているので、絶対大丈夫なので安心して働きなさい、世間で原発反対の人たちが、放射能でガンや白血病に冒されると言っているが、あれは“マッカナ、オオウソ”である、国が決めたことを守っていれば絶対に大丈夫だと、五時間かけて洗脳します。  

 こういう「原発安全」の洗脳を、電力会社は地域の人にも行っています。有名人を呼んで講演会を開いたり、文化サークルで料理教室をしたり、カラー印刷の立派なチラシを新聞折り込みしたりして。だから、事故があって、ちょっと不安に思ったとしても、そういう安全宣伝にすぐに洗脳されてしまって、「原発がなくなったら、電気がなくなって困る」と思い込むようになるのです。

 私自身が二〇年近く、現場の責任者として、働く人にオウムの麻原以上のマインド・コントロール、「洗脳教育」をやって来ました。何人殺したかわかりません。みなさんから現場で働く人は不安に思っていないのかとよく聞かれますが、放射能の危険や被曝のことは一切知らされていませんから、不安だとは大半の人は思っていません。体の具合が悪くなっても、それが原発のせいだとは全然考えもしないのです。作業者全員が毎日被曝をする。それをいかに本人や外部に知られないように処理するかが責任者の仕事です。本人や外部に被曝の問題が漏れるようでは、現場責任者は失格なのです。これが原発の現場です。

 私はこのような仕事を長くやっていて、毎日がいたたまれない日も多く、夜は酒の力をかり、酒量が日毎に増していきました。そうした自分自身に、問いかけることも多くなっていました。一体なんのために、誰のために、このようなウソの毎日を過ごさねばならないのかと。気がついたら、二〇年の原発労働で、私の体も被曝でぼろぼろになっていました。

だれが助けるのか
 また、東京電力の福島原発で現場作業員がグラインダーで額(ひたい)を切って、大怪我をしたことがありました。血が吹き出ていて、一刻を争う大怪我でしたから、直ぐに救急車を呼んで運び出しました。ところが、その怪我人は放射能まみれだったのです。でも、電力会社もあわてていたので、防護服を脱がせたり、体を洗ったりする除洗をしなかった。救急隊員にも放射能汚染の知識が全くなかったので、その怪我人は放射能の除洗をしないままに、病院に運ばれてしまったんです。だから、その怪我人を触った救急隊員が汚染される、救急車も汚染される、医者も看護婦さんも、その看護婦さんが触った他の患者さんも汚染される、その患者さんが外へ出て、また汚染が広がるというふうに、町中がパニックになるほどの大変な事態になってしまいました。みんなが大怪我をして出血のひどい人を何とか助けたいと思って必死だっただけで、放射能は全く見えませんから、その人が放射能で汚染されていることなんか、だれも気が付かなかったんですよ。

 一人でもこんなに大変なんです。それが仮に大事故が起きて大勢の住民が放射能で汚染された時、一体どうなるのでしょうか。想像できますか。人ごとではないのです。この国の人、みんなの問題です。

(続く)

拍手

PR

『恐怖の報酬』

「asahi.com」より転載。
もちろん、福島原発事故のためだろう。逃げる場所がある人間はいいが、関東が生まれ故郷である人間はそう簡単に関東脱出はできないだろう。それに年寄りには放射能の影響はそれほど無いとも言うから、乳幼児・子供・若者をまず「疎開」させるのがいいのではないか。

ついでに、福島の避難場所や待機場所に物資が届かないという問題について、運送屋が放射能を恐れているからだと言われているが、これを解決するのは簡単な話である。ドライバーや作業員に大金を支払って行かせればいい。生命に関わる危険な仕事を通常の給料で使おうというケチなやり方が通用するはずがない。私はむしろ、会社命令を拒否した労働者の勇気を評価する。
将来の放射能後遺症発症可能性に対する報酬としてどの程度が妥当かは、労使双方が協議すればよいが、あまりケチな金額にしないことだ。今は時間との戦いだから、一人1000万円くらいも出してはどうか。放射能後遺症が出ない可能性もあるのだから、いいギャンブルである。いわば『恐怖の報酬』である。
福島原発の事故処理をしている末端労働者にも一人1億円ずつ支払うべきである。本人が死んだら、その家族に支払うと決めれば、自ら志願して行く人間もいるだろう。まあ、その中には東電社長は必ず入れねばならなが。もちろん、無給でだが、その財産もすべて国家が没収して事故費用の一部に充てるべきだろう。その他の東電経営陣も同様だ。


(以下引用)


米、チャーター機で退避を開始 仙台へバスも手配2011年3月18日23時32分


. 【ワシントン=村山祐介】米政府は17日、日本にいる米政府職員の家族を対象に自主退避の許可を出したことを受けて、チャーター機やバスを使った被災地や日本からの退避支援を本格化させた。

 国防総省のラパン副報道官は17日、本州に住む米軍人、国防総省職員の家族らの国外退避を進めていることを明らかにし、対象は「数千人規模になりうる」と述べた。必要に応じて米軍機の利用も検討する。また、すべての国防総省関係者の家族に対し、自主退避許可措置が解除になるまで本州への訪問を見合わせるよう指示したという。

 また、国務省のケネディ次官(管理担当)は17日の会見で、日本時間の同日夜に外交官の家族ら約100人を東京からチャーター機で台北に退避させたと明らかにした。18日も東京からチャーター機を最大2便手配する。仙台市には17日、東京への退避のためバス14台を向かわせた。最大で約600人を輸送する。

 一方、AP通信によると、ナポリターノ国土安全保障長官は同日、日本からの乗客・貨物について放射能検査を実施していることを明らかにした。米税関・国境警備局によると、シカゴやシアトルなどの空港で日本発貨物から放射能が検出されたが、いずれも有害な水準ではなかった。
.

拍手

民は知らしむべからず、依らしむべし

天木直人は頭がお坊ちゃん的で判断が甘く、鳩山前総理の同類だが、鳩山前総理と同様の善人だと私は見ている。だから普通の場合、批評家としては評価できないが、外務関係ではさすがにその道で生きてきた人間だから、下記の事態の判断は正しいだろうし、裏情報のコネクションもあるだろう。
国民の生命に直結する情報を国民に隠す政府を我々は持っているのである。つまり、太平洋戦争の頃の情報統制・大政翼賛会政治から一歩も進んでいないのだ。いや、江戸時代から変わらないのかもしれない。


(以下「阿修羅」より引用)


天木直人のメールマガジン2011年3月18日発行 第187号 
 
 ==================================================================
  外国人の国外退去を隠そうとした日本政府
            
 ==================================================================


 いまでこそ各国政府が日本からの国外退去を命じていることが
大手新聞各紙で報じられるようになった。18日の各紙が様々な
形でそれを報じている。

 その中で私は18日の朝日新聞の記事に注目した。その記事は要旨
こう報じている。

 17日までに大使館の一時閉鎖を正式に通報してきた国は外務省
によると、イラク、バーレーン、アンゴラ、パナマ、クロアチア、
コソボ、リベリア、レソトの8カ国である。しかし正式な通報はない
ものの事実上大使館を閉鎖している国は相当数あるという。

 この奇妙な記事が意味する事を私が解説して見せよう。

 影響力のない小国がいくら撤退したところで影響力はない。だから
外務省は発表する。

 しかし、米、英、仏といった主要国が大使館を閉鎖したらその政治的
ダメージはどうか。

 菅民主党政権はついに国際社会から見限られたということになる。

 だから政府・外務省はたとえそのような動きがあっても、それを正式に
認めたくないのだ。おそらくかなりの数の大使館が通報なく避難をはじめ
ているに違いない。

 主要国が正式に撤退を通報してこない裏に何があるのか。

 それを推測させてくれるに十分な情報を私は偶然にも個人的つながり
で入手した。

 日本政府が口止めしていたのだ。

 日本の原発事故について海外ではどう見ているのか。その事について
私の知人の何人かからメールで情報が寄せられてくる。

 国内の報道との格差には驚くばかりだ。

 放射能汚染に対する危機意識がまるで違う。

 日本政府の対応に対する不信は驚くばかりだ。

 そんなメールの中で、日本に進出しているドイツ外資会社の幹部の
奥さんから次のようなエピソードを聞いたと教えてくれるメールが、某国
在住の友人の一人から寄せられた。

 ドイツ大使館が在日ドイツ人に国外退避を呼びかけた(これについては
16日の産経新聞が在日ドイツ大使館がウェブサイトを通じ15日までに
呼びかけたと報じていた)。

 ところがそれに対し、「国外退去をすすめた事実は公けにはしないで
欲しい」と日本政府からドイツ大使館に要請があったというのだ。

 これにはさすがにドイツ大使館も驚いたという。

 日本政府は国民に本当のことを知らせないのか、と。

 日本国民をいたずらに動揺させてはいけないという口実の下に、政府に
都合の悪い事は隠そうとしているのではないか。そのような疑問が菅・枝野
両名の言動には常につきまとっていたが、その動かぬ証拠を見つけた思いだ。

 一事が万事だ。

 私の菅民主党政権に対する信用はとっくの昔に失せていたが、このエピ
ソードを聞いてからは、菅民主党政権のあらゆる言動がウソ臭いと思う
ようになった。

 危機を食い止めることよりも、如何にして国民の批判が政府に向かわない
ようにする、その事にエネルギーを投入しているように思えてならない。

拍手

町が全滅しても行方不明者ゼロ?

「ゲンダイネット」から転載。日刊現代の目次の一部も含めて掲載する。菊田政務次官の「エステに買い物」記事なども面白そうである。まあ、国家の非常時だからといって、外国にいる自分には何もできないのだからという気持ちは分かるが、さすがにエステなどやっている場合ではないだろう。このあたりが官僚の本性というか、本領というものか。
それはさておき、下記の記事は非常に重要な指摘である。言われてみれば当たり前のことだが、公の発言として聞いたのは初めてだ。なるほど、警察というものは「失踪届」があって初めて行方不明者としてカウントするのである。ならば、町全体が水没したなら一人も行方不明者はいないという理屈だ。マスコミの人間ならそういう基礎知識(裏知識)は持っているはずだのに、それを誰も口に出さないとは、この国のマスコミはどこまで国民を馬鹿にしているのか。まあ、馬鹿なんだけど。とにかく、マスコミの言うことなど信じると、それこそ馬鹿を見るってことです。


(以下引用)


テレビは「行方不明者は推定16万人」と、なぜ伝えないのか
東日本大震災のテレビ報道が話にならない。とりわけ「発表報道」に傾斜しすぎ、発表のブレに応じて右往左往する姿は目も当てられない。

もっとも有害なのは警察が確認した死者数と警察に届けが行方不明数を足して、「死者・不明1万2000人超」とする発表報道。NHKが典型である。

津波映像を見れば、一家全員や近所に住む親戚が丸ごとのみ込まれたケースがあるのは当然。すると、誰も行方不明者を届け出ない。それは数える必要も、報じる必要もないというのがテレビや大新聞の考え方だ。

その結果、「死者・行方不明は5日目で1万人ちょっと。増えても2万~3万人か」という印象を人々に与え、社会をミスリードしてしまう。これは「誤報」に近い問題報道だと私は思う。

例えば岩手県陸前高田市の面積は232平方キロで宅地が2.5%。2万3000人が2.4キロ四方に住んでいた。その市街地が津波で壊滅し、避難民が約9000人。だから行方不明者は1万4000人である。

これに自治体首長などが不明者数を語った大槌町1万人も南三陸町8000人、女川町5000人を加えれば、4つの自治体だけで行方不明者3万7000人なのだ。

このような自治体が岩手県、宮城県、福島県と30近く並ぶ。人口は1万~数万が多い。計算過程を記す紙幅がないが、現段階での行方不明者の推定数は約16万人である。

むろん阪神・淡路の死者6400人とはケタ違い。関東大震災か東京大空襲か広島原爆級の行方不明者が出た大災害に私たちは直面している。

そう認識して初めて何をなすべきか分かる。その大前提すら伝えないテレビや大新聞の報道とは何なのか?
(ジャーナリスト・坂本衛)

(日刊ゲンダイ 2011/03/17 掲載)

--------------------------------------------------------------------------------

他に、「深夜の避難所で大パニックが起きていた~自衛隊が逃げた!」
「(黄色スーツの)菊田真紀子外務政務官はジャカルタでエステに買い物三昧」
など、紹介したい記事がたくさんですが、本紙をどうぞ。

気になる「枝野の会見」
例えば、「避難していただきたい、と思っております」と言う。
「思っております」は本人の意見、感想、推測…。なぜ「避難してください」となぜ言い切らないのか。
(政府の)決定事項ではないのか。個人の意見・感想を語る場ではない。
また、「―と報告を受けております」と言う。
<オレは報告があったことを伝えているだけ…><間違っていてもオレは知らない>
と私には聞こえる。
いずれも、己の保身、責任回避を優先するヤツにありがち…。

専門用語、官僚言葉、カッコ(体裁)ばかりでつくろう。
分かりにくい会見は今後も続く…。

■ふざけた人事…仙谷氏起用に批判 (3/18 時事通信)

【ゲンダイネット】

◆「民放はこの局は原発報道だけ、この局は安否情報だけ、この局はバラエティーと思い切った放送を」
被災したサンドウィッチマン会見 (3/17)

◆なぜ自衛隊を使って被災地に食料、毛布を投下しないのか
話にならない無能バカ政府 (3/16)

◆何から何まで後手後手、右往左往の無能ぶり (3/14)

拍手

スケープゴートを作るな!

またしてもマスコミ・権力お得意のスピンである。この期に及んでも誰かをスケープゴートにして吊るし上げ、そこに話題を集中させて自らの責任をあいまいにしようという腹だ。それと同様なのが、某芸人のブログ発言がきっかけで英国新聞に日本を励ます記事が書かれたとかいうことでその芸人を英雄扱いするスピンである。どちらも下らない話である。医師が高齢者を残して避難しようが、誰に責められる? 最後まで残ってその場で死ねと誰に言える? また、英国新聞に日本激励の記事が出たところで今の日本にとって何の意味がある? マスコミの愚劣さは死んでも治らないようだし、そういうマスコミに騙される日本人が無数にいるという状況もまだまだ続きそうである。

ついでに暴言を吐かせてもらう。寝たきりの病人や認知症の老人は救助作業の最後に置くべきである。老人や病人自身、あるいはその家族もその覚悟を持つべきだ。彼らを救うために前途有為な人間が死んでいくというのは逆立ちしたやり方である。もちろん、幼児や子供は最優先で助けるべきだ。50年60年も生きてきて、このような災害時にまで、まだ生にしがみつくのは見苦しいと思うべきである。まあ、人生観は人それぞれだから、自分の命がすべてに優先するという考えの人間がいてもいいが、あの津波の時に、赤ん坊とその母親の救助を優先させるように申し出て、自らは津波に呑みこまれた人間も何人かいたということをよく考えるがよい。



(以下引用) 




高齢者残し、医師ら避難か=原発圏内の病院-福島(時事通信)
http://www.asyura2.com/09/jisin16/msg/596.html
投稿者 いいげる 日時 2011 年 3 月 17 日 23:50:27: Xn2tbFdBriSHs


高齢者残し、医師ら避難か=原発圏内の病院-福島
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011031700997&j4&rel=my

 事故が相次ぐ福島第1原発(福島県大熊町)の10キロ圏内にあり、避難指示が出た同町の双葉病院で、患者を避難させるため自衛隊が到着した際、病院内は高齢の入院患者128人だけで、医師や病院職員らがいなかったことが17日、分かった。県災害対策本部が明らかにした。
 同病院の患者のうち14人は、避難途中や避難先の県立いわき光洋高校(いわき市)で死亡した。
 対策本部によると、官邸危機管理センターは14日未明、原発の10キロ圏内に取り残された住民について「明け方までに避難させること。避難しない場合は責任を取れない」と県に指示したという。
 県は自衛隊に救助を要請。自衛隊は14~16日にかけ、バス3台を使って双葉病院から128人を搬出した。しかし、隊員が病院に到着した時点では、300人を超える患者のうち、寝たきりの高齢者らだけが取り残され、病院関係者はいなかったという。
 自衛隊は患者の被ばく状況を調査した上で、避難所に移動させた。
 県の担当者は「病院職員がいないことはあり得ない。放棄ととられても仕方がない」と批判。同病院を運営する医療法人「博文会」関係者は取材に対し、「理事長と連絡が取れず、事実関係は分からない」としている。(2011/03/17-20:52)  

  拍手はせず、拍手一覧を見る



コメント
01. 2011年3月18日 00:05:05: cqRnZH2CUM
予想通り、インフラ崩壊が始まっている
まあ、これだけ政府批判や危険を煽るデマ情報が
溢れていては、責められないな

02. 一隅より 2011年3月18日 01:00:36: PnbUj1IYwR18o : EDdl3oR2Vp
>県の担当者は「病院職員がいないことはあり得ない。放棄ととられても仕方がない」と批判、ということです。
しかし、安全な家にいるだけの自分などには、何もいえない。
役に立つ技術も知識もないのが残念なばかりです。

医療関係者はじめ、自治体、消防、警察、自衛隊、電力会社、運輸の方々などなど、皆さまに感謝します。


ただ、上記の記事のなかで、
>『官邸危機管理センターは・・・「明け方までに避難させること。避難しない場合は責任を取れない」と県に指示した』

と読んで、ほとんど絶望的な気分になりました。

暖かい東京にいて、「・・・させろ。させなければ、自分たちは《責任を取れない》」というのが、人の上に立つ、国のトップにある、「官邸」とは。



03. 2011年3月18日 02:12:35: IEvZBtjwq6
14日、東京の各国大使館に伝えられたこと。
「11日の最初の爆発で、作業員が20名死んでいる。」2011 年 3 月 17 日 http://bit.ly/bl3Pd9

04. 2011年3月18日 02:50:03: OWVxv8NGOE

誤報訂正されました。
福島県の担当者は、産婦人科医が不当逮捕後に無罪になった大野病院事件の仕返しでもしたつもりだったんでしょうかね。双葉病院はその事件の舞台の一つです。


----
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110317/dst11031711330032-n1.htm

避難所で高齢者ら14人が死亡 福島県いわき市
2011.3.17 11:32

福島県立いわき光洋高校(いわき市)の避難所で、病院や介護施設から避難してきた高齢者ら入院患者14人が死亡していたことが17日、分かった。

 亡くなったのは、男性6人、女性8人。全員が要介護者だったという。

 県災害対策本部などによると、福島第1原発の20キロ圏内で避難指示が出たことを受け、14日に双葉病院(大熊町)などから128人の入院患者が、自衛隊のバスでいわき光洋高校に避難。別の病院などに移るために一時的に避難所で待機してたが、16日までに14人が亡くなった。そのうち2人はバスの移動途中で亡くなったという。

 当時、避難所には医師1人、看護師2人など医療スタッフがいたが、医療機器が最低限しかなく、畳の上に毛布を敷き、寝ていたという。ヒーターで暖はとっていた。16日までにほとんどの患者は別の病院などに移ったという。

 同校の校長は取材に対し、「とにかく異常なことが次から次へと起きている。今はまだ混乱しているしか言えない」と話している。


-----
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011031800030

「避難時に院長いた」=福島県が訂正発表

 福島県は17日夜、福島第1原発の事故で避難指示が出た双葉病院(福島県大熊町)で高齢者らが避難する際、医師や病院関係者らがいなかったと同日発表したことについて、自衛隊の救出時には院長がいたと訂正した。
 県によると、同病院は原発から10キロ圏内にあり、自衛隊が14日から15日にかけ3回に分けて高齢者を救出。院長は1回目の救出時に立ち会っていたという。
 院長は県に対し、救援を求めるため病院の外に出たが、原発で事故が相次ぎ、戻るのを断念したと説明。他の病院スタッフも途中からいなくなったという。(2011/03/18-01:18)


拍手

棄民のための意図的ガソリン不足?

山科恭介のブログから転載。もはや一般庶民には関東脱出も不可能になっているようだ。しかも、庶民の関東脱出を足止めするためにわざとガソリン不足を起こしているのだと筆者は言っている。もしそうならば、まさに慄然とするような悪魔の所業である。この震災自体は偶然の自然現象だったのかもしれないが、もしもガソリン不足が意図的ならば、NWO(世界新秩序)の40億人削減計画は事実であったことになる。だが、まさか……そんな事がありえるだろうか。
マスコミが福島原発事故について「心配はありません」という言葉を繰り返しているのも、パニックを防ぐためというよりは、庶民の脱出を足止めするためかもしれない。つまり、「彼らは死んでくれたほうが国家財政のため」という恐るべき発想である。民間の募金や贈与などのニュースはあるが、国家は何をしたのか。自衛隊が出動して原発事故拡大を防いでいる?その自衛隊の犠牲も「民間の犠牲」ではないか。下っ端の兵隊はいくら死んでも「彼ら」は何の痛痒も感じないのである。政府関係者は一生懸命に不眠不休で働いている? さあ、それはどうだろうか。政府関係者も「彼ら」にとっては使い捨ての使用人にすぎない。本当に国民を救うために政府が何をやったかを見れば、ドタバタの演技以外には何一つ有効な対策をやっていないことが見えるだろう。


(以下引用)


脅かすつもりなど、もうとう無い。
これだけは嫌だと思っていた原発事故第一報を聞いた時の私の直感が、当たりそうだ。
最悪のシナリオに向かって日本は進んでいる。

ゆっくりと眠る事ができない。
このブログは、私の遺書になりそうだな。(笑)
 
東電は計画停電などと嘯(うそぶ)いているが、事ここに至り、尚、原発の必要性を訴えているように感じる。
が、そんなことは、もう何をやっても無駄だ。
どのみち東電の職員は日本の国民から八つ裂きにされる事は間違いなく、福島原発が連鎖反応してフルメルトダウンしたら、彼らは日本のどこでも生きては行けないだろう。
電力不足は間違いないが、それは原発の機能が停止したからだけではなく、国内火力発電所の多くが、今度の震災で強烈なダメージを受けたからだ。
嘘だと思うのなら、東電のサイトを確認してみれば良い。

ところで、天皇は、どうやら京都に逃げたようだ。
東京で頑張っているとの報を聞いて、さすがに天皇だと思ったが、彼の真意は兎も角、周りがほっとけなかったのだろうな。
まっ、Twitterでこんな事を言うと反応が大きすぎるから、ここで言っておく。
ビデオレターの周波数を解析した人間が60ヘルツだと言っていたので、ほぼ間違いないだろう。京都御所周辺での警備強化と多くの皇室関係車両をみかけたとの情報も入っている。

政府機能は近々、西日本に移るだろう。
その発表が東日本に暮らす国民への最後通牒だ。
陸上自衛隊は、すでに放射能対策シフトを組んでいる。
福島原発の処理は、どこまでやっても負け試合になる公算が強い。
機動隊の放水車で使用済み核燃料棒へ放水するなどという算段は、すでに打つ手が何も残っていないということを示している。
それがたとえ一時的に成功したとしても、これから何年にもわたってそんなことをやり続けなければならない。無理だ。

福島原発の放射能汚染に関し、やれ半径20kmだ、30kmだとか言われているが、冗談じゃない。
半径200kmでも全然足りないぐらいだ。
尚、英国、米国はすでに国内自国民に対し、福島原発から最低でも80kmの退避を勧告している。
この80km圏(50マイル)が、一次放射能被害に対する世界の常識だ。
だが、一番の問題は、風向きだ。
風の方向により、放射能汚染物質は平気で数百km飛んでいく。
http://www.spiegel.de/images/image-191816-galleryV9-nhjp.gif

このまま行くと、チェルノブイリの10倍以上の放射能汚染で、東北関東は全滅するだろう。
だが、もう原爆のような大爆発は起こらない。
それに備えての 「計画停電」 だ。
突如として出てきた 「計画停電」 を不思議には思わなかったか?
しかも、やったり、やらなかったり。
あれは、ずっと前から計画されていたシミュレーションである。
それがついに出てきたということは、事は最終段階に入ったということだ。
関東地方の電力を遮断し、鉄道、交通を寸断し、国民の移動を制限する方策である。
東日本の国民はフルメルトダウンが起これば、囲い込み作戦を展開され、もう何処にも逃げる事はできない。
まさに、アウシュビッツを連想するな。(笑)
しかし、
これは放射能汚染に対する国家の基本行動であり、致し方ない。
世界標準なのだ。
その為のアドバイザー数名が、すでに米国から到着している。
日本は、政治や報道の全てが世界標準ではないのに、最後でそれを実現してしまうなんて、
なんと皮肉なことか。

これは、現段階での最悪のシナリオだが、東海地震が誘発されて浜岡原発が同じようになったら、西日本の連中達もうかうかしてはいられない。
東海地震が誘発されるということは、南海地震も、という可能性が高い。
その最終段階で、おそらく、日本は北海道の一部と九州の一部しか人間が棲息できない
状況になるだろう。
日本という国家が無くなるのである。

最良のシナリオでも、10年後、日本の人口は半分に減る。
放射能汚染された日本国民を快く受け入れる周辺国は、たぶん、無い。
汚染された食物を多くの国民が口にする事になり、癌が多発するだろう。
今回の原発事故は、チェルノブイリ原発事故で放出された放射能の10倍以上になる。
生き残った日本人に言っておく。

国家の指導者を間違えると、こうなるという見本だ!

東海道新幹線だけが不気味に動いている。
西へと避難する金持ち連中達を運ぶためだ。
首都圏のガソリンは十分に供給されていない。
民衆の多くが勝手に車で西へ行ってもらっては困るからだ。
私は、車を持ってはいるが、現在ガソリンが入っていない。
西日本に知り合いもいないので、また、そのカネも無いので、
移動は出来ない。
そして、
今の段階では、そのつもりもない。

まだ死にたくはないが、それも、やむを得ないだろう。
もうそろそろ、覚悟を決めなければならない。
これが単なる夢であったらいいのに・・・・

東北関東の住民で、あと10年生きたいのなら、今のうちに西へ逃げろ。
誰も責める人間など、いないから・・・・



拍手

福島の状況

「阿修羅」記事のコメント欄から転載。
こうしたコメントから、原発被災地の状況がある程度わかる。それはテレビで伝えられているよりもはるかに危機的なものだ。


(以下引用)



29. 2011年3月15日 23:49:08: UWEyRBz46g

「どこまで逃げれば…」周辺の避難住民、不安と怒り交差

慣れない町の地図を見る、福島第1原発の避難指示区域から移動した人たち=15日午前、郡山市


 かつてない重大な危機を迎えた。福島第1原発2号機で15日、最後のとりでの原子炉格納容器が損傷し、放射性物質が漏れだした。周囲の放射線量数値は一気に上がり、新たに30キロ圏内で屋内退避が指示された。「冷静に行動を」。菅直人首相は呼び掛けるが、東京電力からの情報は乏しい。「怖い」「国は何をしている」。交差する怒りと不安。「逃げるにも車の燃料がない」。住民の一人はあきらめの言葉を口にした。
 原子炉格納容器の中で何が起きているのか。放射性物質が広範囲に漏れたとみられる福島第1原発。「国は何をしているんだ」「どこまで逃げればいいのか…」。新たな屋内退避の指示も出た15日、周辺住民は20キロ圏外の避難先で不安と怒りをあらわにした。

 福島市に近い川俣町。5千人以上が避難してきている。新たな指示を受けて「最悪の状況も考え」(職員)11カ所の避難所に屋内退避を指示した。町対策本部の佐藤光正さんは「さらに遠くに避難させようにも難しい。とにかくガソリンがない。それに全住民にどうやって連絡するのか」と途方に暮れた。

 第1原発から西に30キロ離れた田村市にある常葉体育館。大熊町から避難した男性(51)は「大変なことが起きたとしか言いようがない。古里に戻りたいのはやまやまだが、先が見えない」と声を震わせた。

 常葉体育館には約600人が避難。数十人がテレビにくぎ付けとなった。男性は「1年たとうが、3年たとうが、生まれ育った場所に戻りたいというのはみんな同じ気持ち。その気持ちをなくしてしまったらどうにもならない」と語った。

 別の体育館では「国の対応は後手後手だ。不安を通り越して、あきらめの気持ち」と避難している50代の男性が声を震わせた。

 田村市のさらに西にある磐梯熱海温泉。旅館に避難した男性は家族と親戚の計13人で車4台に分乗して逃げてきたが「ガソリンがなく、身動きが取れない」という。温泉の駐車場では女性が「車でペットと一緒に逃げてきたが、宿泊施設が営業していなかった。冷えるが、今夜は野宿するしかない」と憔悴(しょうすい)した表情。

 約300人が避難する相馬市の避難所「スポーツアリーナそうま」の男性は「逃げる時に乗ってきた車はたくさんあるが、燃料がない。疲れ果てて動けない人もいる」と話した。

 田村市のグループホーム「今泉」では、つけっぱなしのテレビの周りに入所者が集まり、食い入るように見つめた。「大変だ。これからどうなるんだろうか…」。職員は動揺する入所者を落ち着かせながら、施設からの避難を求められた場合の方法を話し合った。

 職員の渡辺紀美代さん(44)は「体が不自由な入所者をどう避難させるか。避難所の環境は大丈夫なのか。入所者の面倒を見ながら、自分も避難しなければならない」と不安そうだった。


2011年03月15日火曜日

http://www.kahoku.co.jp/news/2011/03/20110315t63068.htm



30. 2011年3月15日 23:50:53: UWEyRBz46g
原発周辺 東寄りの風
 気象庁によると、福島県内の地域気象観測システム(アメダス)は東日本大震災で観測不能となった所が多く、福島第1原発近辺の正確なデータは得られていない。南約50キロのいわき市小名浜では15日午前中、3~6メートルの北北東―東北東の風が吹いた。原発周辺では日中、東寄りの風が続く見込みという。

 北約100キロにある仙台のアメダスのデータによると午前11時現在、東南東の風。小名浜から仙台の間に、観測可能なアメダスはない状態。

 原発がある福島県浜通り地方は、気圧の谷の影響で15日夜から16日未明にかけて雨か雪が降る見通し。17日にかけて冬型の気圧配置となるため、原発周辺では西寄りの風が強まるとみられる。


2011年03月15日火曜日


http://www.kahoku.co.jp/news/2011/03/20110315t63067.htm



31. 2011年3月15日 23:52:32: UWEyRBz46g

冷静な行動を 福島知事訴え
 福島第1原発2号機で放射性物質漏れの危険性が高まった15日、福島県の佐藤雄平知事は住民に冷静な対応を求めるとともに「国を挙げ、事業者は社運をかけて全力で対策を講じていただきたい」と述べた。

 福島市内の災害対策本部で午前10時すぎから開かれた会議。知事は「落ち着いて行動してほしい」と県民に呼び掛けた。

 対策本部では職員らが不安や焦り、怒りを抱えながら奔走。南相馬市出身の30代の男性職員は仕事中に足を止め「私たちのふるさとは、一体どうなっちゃうんでしょう。怒り心頭です。こんなことになるなら(原発を)引き受けなければよかったのに」とこぼした。

 首相が第1原発の半径20キロから30キロ圏内の住民に屋内退避を指示したとするテロップがテレビに流れると、職員らの視線が一斉にくぎ付けに。

 災害対策課の職員は「詳しいことは分からないが、指示に従って早急に対応したい」と話した。住民の避難を担当する班は机の上に地図を広げ、該当範囲を確認。市町村への連絡に追われた。


2011年03月15日火曜日


http://www.kahoku.co.jp/news/2011/03/20110315t63066.htm


拍手

カレンダー

06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

カテゴリー

最新CM

プロフィール

HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

ブログ内検索

アーカイブ

カウンター

アクセス解析