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誰もが見ることを見ないという姿勢

今日はちょっと趣向を変えて、変な引用記事を先に書く。
「JBプレス」の「人気記事」つまり、もっとも読まれた記事「ベスト5」である。






1位 【国防】
ついに本性をさらけ出した人民不在の中国帝国   2012.10.09




2位 【世界の中の日本】
ポツダム宣言まで捻じ曲げる中国の歴史操作   2012.10.15




3位 【The Economist】
日本のナショナリズム:ポピュリストに要注意   2012.10.15




4位 【Financial Times】
BMWの「中国パーティー」を警戒する投資家   2012.10.15




5位 【The Economist】
格差と世界経済:真の進歩主義   2012.10.15



上位1位から4位までが中国関係記事である。3位は日中関係の悪化に伴う現象だから、これも中国関係記事。そして、記事内容は、中国を蔑視したり、中国の弱さを嘲笑って喜んだりするものがほとんどだ。
で、こういう記事を読む人間は、そういう記事を読んで「自分は情報を手に入れた」と思うわけだが、はたしてそれは情報だろうか。自分が読みたい傾向をくすぐるような「太鼓持ち記事」を読んでご満悦になっているだけではないか。
まあ、私も、自分が嫌悪する傾向を持っている、と推定できる記事は読まない方だから他人のことは言えないのだが、少なくとも「情報」を手に入れるつもりなら、そういう「読者傾向に合わせて書いた記事」の価値が低いことは言うまでもないだろう。
もう一点、「はたして中国は現在のもっとも注目すべきトピックか」ということに注意してもらいたい。
もちろん、中国への輸出が激減していることは日本のビジネス界にとっては大問題だろうが、それは中国蔑視記事や中国批判記事を書いたり読んだりして解決できることではない。すべて政治のやるべき仕事である。

そして、何より注意したいのは、我々の目が中国の方を向いている間に、もっと重大な出来事が世界経済の上で起こっている可能性がある、ということだ。

それは中東戦争の拡大の問題であり、今日の「徽宗皇帝のブログ」に書いた「アメリカの新ドル発行」の問題である。このことについて、大マスコミがほとんど触れないことが、この問題が意図的に触れられないようにされていることを逆に示している。
そして或る日突然、「大事件」は発生する。しかし、その兆候はずっと前から現われていたのである。ただ、誰もそれを見ていなかっただけだ。
チェスタトンの「ブラウン神父」物の或る短編で、群衆の前で大事件が起こるのだが、ブラウン神父はその瞬間、人々が目撃するその大事件とまったく逆の方向を向いて、何かを見ようとするのである。
私は、この作品を読んで以来、自分もその姿勢を身につけようとしてきたようだ。
「誰もが見ること」は、そう見るために仕組まれたことにすぎないのである。


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金持ち倒産

iPS詐欺に乗せられた便乗記事を書いたことへのお詫び記事でも書こうかな、と思ったが、未だに彼がなぜそんな幼稚な詐欺をやろうとしたのか理解できないので、やめておく。大マスコミの金科玉条である、「言い逃げ」を私も見習うことにするわけだ。「事の真相」が分かるには数世紀かかるかもしれないしね。(笑)
さて、私は『金持ち父さん貧乏父さん』という本の題名が大嫌いだったのだが、私の女房はこういう「金儲け関係ノウハウ本」が大好きで(これ、貧乏人の特徴ね。)、この本を購入していたので、私もついでに読んだのである。まあ、予想どおりのいけすかない思想だったが、ただ一つ、「サラリーマンで富豪になることはできない。経営者になるか投資をしろ」というのは、当たり前と言えば当たり前だが、こうズバリと言ったところは評価した。
その『金持ち父さん』を書いて自分も「金持ち父さん」となったロバート・キヨサキが「金持ち倒産」をしたという話で、これが普通の倒産と違うのは、倒産しても自分の財産は守ったまま、という、周囲に迷惑をかけて自分が生き延びるところである。これこそ、「金持ち父さん」の本質を現した、教科書的実践というものなので、それが分かる人は、「うまい儲け話」には乗らないものである。
例のiPS詐欺にかかった人たちも、そういう我欲に駆られてのことであって、お気の毒ではあるが、自業自得でもある。とまあ、うまく話を結びつけてオチにする。



(以下「ネットゲリラ」から引用)


「金持ち父さん」著者の会社倒産、やっぱり計画倒産だった事が判明!2400万ドル踏み倒し

1 アフリカゴールデンキャット(WiMAX) 2012/10/13(土) 22:39:25.17 ID:GDHnsAS80

「個人資産を守るため」の「計画倒産」?

ニューヨークポスト紙はじめ海外メディアが2012年10月10日(現地時間)に伝えたところによると、キヨサキ氏の経営する会社の1つ、「Rich Global LLC」(リッチ・グローバル)が連邦倒産法第7章の適用を申し立てた。
まさか、資金繰りに詰まってのことでは――との推測がネットを駆け巡り、「これから何を信じればいいの...」といった声も出た。
しかし、真相は別のところにあるようだ。「個人資産を守るため」の「計画倒産」との見方を、海外投資情報を幅広く発信するサイト「Market Hack」が12日に示し、「これは教科書どおりの処置」と書いた。米フォーブス紙も12日、「戦略的なビジネスの選択」と表現、同様の向きは海外メディアに複数ある。
つまり、キヨサキ氏は2400万ドルを負債として「踏み倒す」ために、リッチ・グローバルを「計画倒産」させ、自身のビジネスは別の会社「Rich Dad Co」(リッチ・ダッド)で引き続きおこなう、というのが大半の見方のようだ。

2 オシキャット(神奈川県) 2012/10/13(土) 22:40:01.30 ID:QHmNHizy0
【マルチ商法推薦図書】

3 アメリカンショートヘア(catv?) 2012/10/13(土) 22:40:39.54 ID:Z7+BJd520
要するに金持ちになるにはこういう腐った性格になれと。

5 ロシアンブルー(dion軍)[sage] 2012/10/13(土) 22:41:46.87 ID:2L+57oCK0
アムウエイ

6 ウンピョウ(三重県) 2012/10/13(土) 22:42:45.13 ID:Ye/86PL20
金持ち倒産

8 アンデスネコ(新疆ウイグル自治区)[sage] 2012/10/13(土) 22:42:49.09 ID:t3weqb4o0
とうさん、とうさんうるせーよ

9 マンチカン(関東地方) 2012/10/13(土) 22:43:18.95 ID:6bxxVlZNO
脱税=違法
節税=合法
なにか問題が?



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外部から他人のパソコンを勝手に操作すること

「陽光堂主人の読書日記」というブログから転載。
あるいは有名ブログなのかもしれない。前原誠司が石原慎太郎に尖閣騒動の責任を押し付けている、という面白そうなネタを追ううちに、このブログに出会ったのだが、下記記事の方が面白いので、そちらを掲載する。
我々のパソコン(あるいはモバイル、スマホ)が外部から操作可能である、ということは、我々のパソコンへの得体の知れない「更新」が勝手に行われていることからも明白だろう。中には我々の許可を得て行われるものもあるが、たいていは勝手に、今何かを「更新」しているから電源を切るな、と高飛車に言ってくるのである。
まあ、私はITには無知なので、言う事に責任は持てないが、我々のパソコンが自分の意思によらない変更を常に受けているのは明らかに思える。特に、ネット接続においては、自分の設定が勝手に変えられることは珍しくない。これこそパソコンが外部操作可能だ、ということの明らかな証拠だと思うのだが、下記の記事だと何かの「ウィルス」のせいだ、という話になっている。私は、そんなウィルスなど不要で、いくらでも外部から操作できると思っている。ならば、パソコン犯罪、ネット犯罪の厳罰化は実に危険極まりないもので、膨大な冤罪事件がこれから起こるだろう、と当然推定できるわけである。
ネットで政治批判、権力批判ばかりしている私のような幼稚な馬鹿は、いい加減にこの火遊びをやめるべきなのかもしれない。しかし、それこそがネット犯罪厳罰化に踏み切った権力の狙いなのだから、癪に障る話である。


(以下引用)




冤罪の温床となりかねないサイバー犯罪捜査
 「成り済まし送信」の疑いが濃いのに捜査不充分のまま逮捕された件は、ネットの危うさを知らしめました。犯人に仕立てられた人は真に気の毒ですが、今後同様の冤罪が続出する可能性があり、我々は警戒を怠ることはできません。

 事件はトップニュースとして扱われていますから、改めて紹介する必要はないでしょうが、毎日新聞が顛末を簡潔にまとめていますので、以下引用します。(昨日付、http://mainichi.jp/select/news/20121008k0000m040059000c.html)

   殺人予告:第三者が遠隔操作で書き込みか 演出家を釈放

 大阪市のホームページ(HP)に無差別殺人予告を書き込んだとして、偽計業務妨害罪で起訴されたアニメ演出家の北村真咲被告(42)が事件に無関係だった可能性が高まり、大阪地検が先月21日、勾留取り消しを請求し、釈放していたことが分かった。北村さんのパソコン(PC)は特殊なウイルスに感染し、第三者が遠隔操作した疑いが強いという。「成り済まし」で無関係の人が容疑者になり得るサイバー犯罪の捜査の課題が浮上した形だ。

 また、伊勢神宮爆破を予告する書き込みをしたとして三重県警に逮捕された津市の無職男性(28)のPCからも同種ウイルスが検出され、先月釈放されていたことも判明した。

 北村さんと津市の男性はともに「身に覚えがない」と一貫して否認していた。大阪府警などはウイルス感染の経緯解明を急ぐとともに、不正指令電磁的記録作成・同供用容疑を視野に捜査を進める。

 北村さんのPCは、第三者が遠隔操作でHPに勝手に書き込みできるウイルスに感染。キーボードの入力状況も外部から監視できるようになっていた。府警が8月26日に逮捕してPCを押収した際、ウイルスに感染させるファイルは既に削除されていた。殺人予告が書き込まれた後に、何者かが消去したとみられるが、その後の捜査で復元したという。

 北村さんは7月29日に「(大阪・日本橋にある通称)ヲタロードで大量殺人をする。歩行者天国にトラックで突っ込む」と大阪市のHPに書き込んだとして逮捕された。8月1日には「成田発ニューヨーク行き日本航空006便に爆発物を仕掛けた」と日航に電子メールが届き、飛行機が引き返すトラブルがあった。インターネット上の「住所」に当たるIPアドレスの捜査などから、発信元はいずれも北村さんのPCと確認された。

 大阪地検幹部は「第三者が書き込みをしたことの確認、解析には時間がかかる。起訴を取り消すかどうかすぐに結論は出せないだろう」と話している。【武内彩、三上健太郎、永野航太、田中功一】 (下線は引用者による)

 津市の男性は9月10日午後3時半ごろ、掲示板2ちゃんねるに「伊勢神宮爆破」などと書き込み、神宮の業務を妨害したとして同月14日、伊勢署に逮捕されました。県警によると、逮捕後、押収したPCを調べると、第三者に不正操作される恐れがあるウイルスに感染していたことが判明しました。

 北村さんのケースでは、ウイルスを感染させたとみられるファイルは既に削除されていましたが、津市の男性を捜査した三重県警が大阪府警に情報提供したことから再捜査に繋がりました。危ないところを救われたわけです。

 しかし、両人に対する嫌疑が晴れたわけではなく、起訴取り消しには時間がかかるようです。府警幹部は「パソコンの中身を全部調べたら何十年もかかる」と嘆いているそうですが、だからと言って安易な逮捕が正当化されるわけではありません。逮捕されただけで犯人扱いされ、社会的に葬られてしまうことが多いからです。

 我国の警察はサイバー犯罪に弱いようですが、IPアドレスが一致したからという理由で逮捕してしまうのは乱暴に過ぎます。その機器から発信されたというだけの話で、本人が書き込んだとは限らないのですから。

 今回は幸い冤罪の可能性が高いことが判明しましたが、ウイルスの存在が見過ごされたら、そのまま起訴有罪となったかも知れません。冤罪をでっち上げようとする際には、都合の良い手法です。反権力的なサイトやブロガーなどを葬ろうとしたら、権力サイドは同様の「成り済まし送信」をして冤罪をでっち上げればよいわけです。

 今回のようにIPアドレスの一致だけで罪を問うのは難しいですが、場合によっては「違法ダウンロード」で逮捕されるケースも出てくるかも知れません。今月から施行されている改正著作権法(違法ダウンロード刑事罰化)は、そのための布石と考えることもできます。

 津市の男性は逮捕前に、「ネット上のソフトをインストールしてパソコンを使っていたら変な動きがあったので、一旦閉じて放っておいた」などと話しているそうですから、ダウンロードしたファイルにウイルスが含まれていたのです。こういう時は、直ぐさま対処することが必要です。

 怪しい動きをしたら変だと判りますからまだよいのですが、殆ど変化を感じさせない高度で悪質なものであった場合にはお手上げです。フリーソフトや怪しいファイルは極力ダウンロードしない方が賢明でしょう。

 今回の一連の騒ぎは、ネット利用者に対する警告の意味があるのかも知れません。権力者側の恫喝であり、住みにくい窮屈な世の中になりそうです。

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言うことなし!

「ライブドアニュース」から転載。
石原慎太郎と橋下徹は、私が毛嫌いする政治家の双璧(いや、「璧」は宝玉のことだから、「双僻」と書くべきか。「僻」はゆがみ、偏りの意味。「古文」の「ひがひがし」と同様で、「邪悪」の意味にも使える)だが、この発言はある意味では正鵠を射ている。どこがかというと、この授賞(「受賞」のミスではないよ)は政治的意図だろう、という部分だ。
映画の方の「赤いコーリャン」はDVDで見たが、私には退屈な作品だった。どこかの映画祭で賞を取った作品だったと思うが、西欧好みの「遅れたアジア」をリアルに描いている点が評価されたのではないか。パール・バックの「大地」の昔から、西洋人は、東洋に対する自分たちの優越を満足させる作品をやたらに持ち上げるのである。それが人道の皮を被ったおためごかしであるから、「評価された側」は無邪気に嬉しがる。
で、その「赤いコーリャン」の原作者である莫言がノーベル文学賞を受けたわけだが、彼がすぐにかつてのノーベル平和賞受賞者への中国政府への扱いに言及していることからも、彼の政治姿勢は明らかだ。
まあ、べつに私には中国政府側を擁護する義理は無いが、物事はバランス良く見るべきだ、というだけのことである。
ついでに言えば、今回のノーベル平和賞が「EU」であるとは大笑いである。
今にも崩壊寸前のEUを持ち上げようという「政治的意図」が丸見えだ。
そもそも、国や疑似国家に「平和賞」を与えるとは何なのだ?(追記2参照)


(以下引用)




「政権を揶揄、政治的判断で採択」莫言氏受賞で石原知事




産経新聞
2012年10月12日18時52分



 「ノーベル文学賞には政治的な部分がある。世界中が今のシナの姿勢を苦々しく思っていて、ある種の判断で採択したのではないか」。東京都の石原慎太郎知事は12日の定例会見で、中国の作家、莫言氏がノーベル文学賞を受賞したことについて、こう指摘した。

 石原知事は「(莫言氏の作品は)よく読んだことはない」としながらも、「貧しい農民を描くことで、政権への揶揄というか、間接的な批判を書いている」と述べ、これが受賞理由ではないかとの見方を示した。

 また、受賞が有力視されていた村上春樹氏の作品については「無国籍、無人格、無個性というか、世界に蔓延している若者の風潮、本質的な共通項を捉えているから人気がある」と評した。 






(蛇足)

「莫」は「無」と同じであるので、「莫言」は「言うなかれ」「言無し」と訳できる名前だ。彼の政治姿勢、作家としての姿勢が、「表だっては言わないよ」ということか。



(追記)

莫言の作品を読んだこともないくせに、つまらない悪口記事(と言っても、主にノーベル賞への悪口だが)を書いたことに気が咎めるので、莫言を褒めた記事を追加引用しておく。これは「日刊リウイチ」という、多読者、かつ小説の目利きである人物のブログ記事である。この人が褒めているのだから、莫言はいい作家なんだろう。
なお、上気の(蛇足)に書いた「莫言」というペンネームに関する駄言を「毎日新聞」のミニコラム(天声人語みたいな奴)が書いていると後で発見した。爺さんというのは似たような事を言うもののようだ。少しがっかり。


(以下引用)


むしろこの2人が並んだ場合、莫言さんが獲るのがノーベル文学賞的な空気の中では当然で、中国という場所にあって決して反体制の旗手として祭りあげられてはいないけれど、だからといて権力べったりではなくそのマジックリアリズム的な手法の中に、体制も人民もおしなべて批判してみせる筆の冴えを見せている。もう随分と昔に読んだ「酒国 特捜検事丁鈎児の冒険」 なんて本当に凄まじかったよ右も左もメッタ切り。後にエロティックさで発禁になる本すら書いている人が単なる体制ベッタリの作家であるはずがない。名前が挙がった時にこれはとって当然だと思ったら案の定という流れを、多少なりとも本を読む人だったら感じていたし、実際にそのとおりに莫言さんの受賞を喜んでいるんだけれど、メディアは村上さんが獲って当然、莫言誰って感じの報道をずっとしていて、その間に格差めいたものを醸し出していた。

 結果は見てのとおりということで、慌てて差し替え莫言さんに関する原稿とか用意して載っけたんだろうけれど、それでもやっぱり残る村上春樹贔屓の空気。そんなにみんな村上さんが好きなのか? 「風の歌を聴け」から始まる三部作に「ダンス・ダンス・ダンス」とそれから「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」までは凄まじく素晴らしく虚無を描いて読む人を異世界へと引っ張り込んだ。安倍公房さんほどの難解さはなくそれでいて虚ろな空気の中に幻想を見せて楽しませてくれた。「1Q84」でもそのニュアンスはあるけれどもどこかやっぱりエンターテインメント、長い割に薄くなって虚無の空気が足りてない。そんな作家が獲るべき賞なのか否か。そうした議論がメディアにはほとんど乗らず、ただネームバリューだけでそうじゃなかと報じられる。そこには作品そのものに対する視点がない。

 対して莫言さんは今なお激しく戦っている。そしてこれからさらに激しい戦いに巻きこまれる。そんな作家が獲った賞をさて来年、村上春樹さんがとれるのか。もっと世界には相応しい作家がいるんじゃないのか。トマス・ピンチョンにティム・オブライエンにジョン・バースにジョン・アーヴィングにポール・オースターにリチャード・パワーズに他多数。今の世界の文学を語った上で村上春樹の位置を語る中からノーベル文学賞の行く先を問うような報道があって初めて、世界の文学に人の目も向くんだろうけれどそうした意識なんてまるでないのが今の新聞文化系報道。来年もだからやっぱり“候補”として挙げられているだろう村上春樹さんが獲る獲らないといった喧噪ばかりが紙面を埋め尽くし、対抗に誰がなってそれが世界の文学の上でどういった軌跡をたどってきた人なのかと問う記事は誰も書かずどこにも載らないんだろうなあ。どうでもいいやもう。


(追記2)「阿修羅」より。


◆チェコ大統領「EUのノーベル平和賞受賞は悲劇的誤り」
http://japanese.ruvr.ru/2012_10_14/91167341/

  13日チェコのバツラフ・クラウス大統領は、2012年度のノーベル平和賞にEUが選ばれたことについて「悲劇的な誤りだと思う」とコメントした。
 また大統領は、次のように述べている―

  「ノーベル賞は常に、特定の人物の具体的な活動に対し授与されてきた。組織体に対し、それもおまけに官僚組織体に対し授与するとは,この賞の価値を失わせるものだ。そうしたものをあえて誰かが受け取るのかどうか、私には分からない。」

  クラウス大統領は、公然とEU懐疑論を展開する政治家として知られており、国家を超えたEUの権限拡大からチェコの主権を守るべきだとの発言を定期的にしている。

 オスロでの平和賞受賞者発表の際、ノルウェー・ノーベル賞委員会のヤーグラン委員長は、授賞理由として、EUが平和及び紛争の平和的調整、民主主義と人権擁護を目指す戦いを成功裏に進めてきた業績を挙げている。






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お前たちには浮かれ騒ぎの種を、俺たちは金を (追記、追追記あり)

「泉の波立ち」のOPENブログから転載。
ノーベル賞の科学部門は「先駆的研究」に与えるものであり、実はそれが真に先駆的であると証明される頃には、その研究は実用化されていて、「業界的」には陳腐なものとなっていることもあるわけだろう。もちろん、ここではまだ全然陳腐どころではないし、山中教授の業績の偉大さを称えるのは当然だ。
しかし、問題は、それがどのように実用化されるのか、ということであり、日本人がノーベル賞受賞によってやっとiPS細胞というものの存在を知った時には、すでにアメリカがその特許を独占し、早くも実用化が実現しつつあったのである。
要するに、A(「発見」や「新発明」)と、B(「実用化」や「特許」)のうち、金に結びつくのは当然Bであるから、資本主義的に言えばAの栄誉など日本人が取ろうが、かまわない、ということなのである。これがノーベル賞を「与える側」の考えだろう。ついでに言えば、今回の山中教授は「抱き合わせ受賞」であり、それによって白人の名誉は保たれている。
今回の南堂氏がこの事実を指摘したことは素晴らしいが、「だから研究費を増やせ」、という結論には私は不賛成だ。
井口博士のブログによく書かれているように、今や国立大学の科学研究費は膨大なものになっているらしい。問題は、せっかくの研究が「特許取得」や「実用化」の過程で様々な障害に遭うという日本の官僚システムや産業界システムにある。

(追記)

上の記事は今朝未明に書いたものだが、今朝のテレビやネット記事によると、ハーバード大学側はこのことを否定しているようだ。どうもよく分からないのだが、大学の関与だけを否定しているのか、それともこの「人体実験」の事実そのものを否定しているのか、あるいは「人体実験の成功」を否定しているのか、後報を待つしかないだろう。
まあ、私の邪推では「これはまだ公表してはいけないものだった」ために、どこかからストップがかけられたのではないか。つまり「人体実験」自体は成功していたが、何かの事情でうやむやにされた可能性がある、と見ている。
などと、自分の「フライング」のミスを強弁するわけだが、実際、世間で報道される「事実」なんてその程度の「操作された事実」なのだから、そうした記事に基づく私の記事の誤りなども別にどうということはない。内田樹ではないが、誤りも正しさに至る道の一つでしかない。
ただし、上の記事に書いた部分のうち、「すでに特許を取ってあった」は完全な間違いだろう。だからこそ、「まだ公表できない」のかもしれない。

(追追記)

「ネットゲリラ」に関連記事があるので、これを先に転載しておこう。コメントにあるように、「つまり、どういう事だってばよ」である。
なかなか、このドタバタ騒ぎは面白い。

1 エジプシャン・マウ(神奈川県) 2012/10/12(金) 01:50:38.31 ID:JZkpJX5i0
米マサチューセッツ総合病院がiPSの臨床応用を否定

体を構成するさまざまな細胞になり得る人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った初めての臨床応用を行ったとの森口尚史氏の説明に対し、治療を実施したとされた米マサチューセッツ総合病院の広報担当者は11日、共同通信の取材に「病院や(関連する)ハーバード大の内部審査委員会が治験を承認したとの事実はない」と否定した。
またハーバード大は、森口氏が1999年11月末~2000年初めにかけ1カ月ほど在籍したが、その後の関わりはないとしている。
森口氏は客員講師を務めていると話していた。
森口氏はロックフェラー大で開かれているトランスレーショナル幹細胞学会で治療の内容をポスターで発表したが、主催するニューヨーク幹細胞財団は「内容に疑義がある」として、ポスターを撤去した。

学会も、森口氏の発表内容に疑義があるとして発表の展示を撤去した。
ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった山中伸弥京都大教授のiPS細胞をめぐり混乱する異例の事態となった。
ハーバード大は、森口氏が1999年11月末~2000年初めにかけ1カ月ほど在籍したが、その後の関わりはないとしている。

2 スペインオオヤマネコ(福岡県) 2012/10/12(金) 01:51:43.03 ID:xWzA165n0
つまりどういうことだってばよ





(以下引用)*こちらが最初の引用。「泉の波立ち」より。


2012年10月11日


◆ iPS細胞(日本の敗北) その2

 「 iPS細胞は日本が米国に敗北するだろう」という私の予測が、すでに実現しつつある。米国では日本に先だって、人間への臨床適用に成功した。大成果だ。

 ──

 これは読売新聞の特ダネらしく、他の新聞にはほとんど掲載されていないようだ。(後追い記事は少しある。)
 簡単にまとめれば、次の通り。
  ・ iPS細胞を人間への臨床適用に成功した。
  ・ 成功したのは米ハーバード大学の研究者。
  ・ その研究者は日本人。
 
 皮肉なことに、米国の勝利のために貢献しているのは、日本人だ。ではどうして日本人が米国でやっているかというと、日本では研究体制が整っていないからだ。まともな研究をするとしたら、米国でやるしかない。つまり、
 「iPS細胞で成果を上げたければ米国へ」
 という状況になっている。研究者は、日本の名誉のためにやっているわけではなく、人類のためにやっているのだから、米国でやるのが当然だ。
 そして、米国は、日本人研究者の知恵を使って、特許などを頂戴して、ボロ儲け、という仕組み。日本は金や制度をケチっているせいで、どんどん米国に負けていく、というわけ。
 山中さん一人で米国の巨大な体制に勝てるはずがない。その懸念を、すでに表明していたが、それがたったの三日程度で実現してしまったわけだ。
 「予測が当たった」と喜っべきか悲しむべきか。  (^^); 

 ──
 
 以下では、記事を一部引用しよう。(ネットから。詳細は読売の紙の新聞を参照。)

 《 iPS心筋移植、ハーバード大で…初の臨床応用 》
 あらゆる種類の細胞に変化できるiPS細胞(新型万能細胞)から心筋の細胞を作り、重症の心不全患者に細胞移植する治療を米ハーバード大学の日本人研究者らが6人の患者に実施したことが、10日わかった。
 iPS細胞を利用した世界初の臨床応用例で、最初の患者は退院し、約8か月たった現在も元気だという。ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった京都大の山中伸弥教授がマウスでiPS細胞を作製してから6年、夢の治療として世界がしのぎを削る臨床応用への動きが予想以上に早く進んでいる実態が浮き彫りになった。
 iPS細胞を利用した心筋の細胞移植を行ったのは、ハーバード大の森口尚史(ひさし)客員講師ら。
( → 2012年10月11日 読売新聞 )



 《 iPS世界初の臨床応用 心筋細胞作り患者6人に移植 》
 森口講師らによると、今年2月に初の移植を受けた34歳の米国人男性は回復し、経過を見守っているが、現状では異常は出ていないという。
 米国人男性は09年2月に肝臓がんのため肝臓移植を受けたが、今年2月に心臓から血液を送り出す力が弱まる虚血性心筋症となった。
 摘出後に保存してあった男性の肝臓組織から、肝細胞になる手前の前駆細胞を取り出し、細胞増殖に関わるタンパク質や薬剤を加えてiPS細胞を作製。これを心筋細胞にして増殖させた上、弱った心臓の約30カ所に特殊な注射器で注入した。
 拒絶反応やがん化などの兆候はなく、心機能が徐々に回復して10日後にはほぼ正常になった。
( → zakzak 2012-10-11 )



 森口講師は再生医療の研究をしており、今年2月、アメリカ人の心不全患者に同意を得た上で、山中教授とは異なる手法で作ったiPS細胞を利用した治療を世界で初めて行った。ハーバード大学の倫理委員会は、動物実験などのデータで安全性を確かめた上で、暫定的に承認を与えた。
 森口講師らは、計6人に対し、山中教授とは異なる手法でiPS細胞から作った心筋細胞を注入しているが、今のところ異常は起きておらず、「元気に社会復帰している」という。
 iPS細胞を使った研究は、これまで動物実験にとどまっていたが、今回、実際に細胞を患者に移植したことで、研究は大きな節目を迎えた。実用化に向けて大きく前進したことになるが、今後も安全性の確認など課題が残されている。
( → 日本テレビ 2012-10-11 )



 この治療に関係する研究費用は約1億5000万円。起業投資家から集めた。森口氏は、「日本では税金が使われるから、成果を上げなければならないが、こちらでは投資家がリスクをとってくれる」「日本では、いろいろな規制があって実施できなかっただろう」と、新しい医療技術に対する日米の制度の違いを指摘。研究者側についても、「日本にも優秀でやる気のある人はいるが、結集しにくい。懸命に働き、本気で声を上げなければいけない」と述べた。
 森口氏は成功の背景として、「少人数の機動的な研究チーム」の結成を挙げた。同大やマサチューセッツ工科大で機械工学を学ぶ大学院生ら5人ほどが積極的に研究に参加し、心筋細胞の増殖に必要な「過冷却」技術を提供したうえ、この治療に関係する研究費用の調達を一手に担った。
( → 2012年10月11日 読売新聞 )

 以上の記事を読んで、「日本人が成功した!」と思っている人もいるだろうが、それは勘違い。今回の権利はすべて米国のものだ。米国のハーバード大学と米国の投資家のものだ。日本人がそれを使いたいときには、多額の権利料を払う必要があるだろう。

 とにかく、今回の成果を見たら、「米国に出し抜かれた」「米国に負けた」と思うべきだ。また、その理由は、日本人の優秀な研究者が貢献したからだ。さらにまたその理由は、日本の開発体制が全然ダメだからだ。

 ともあれ、これで日本は、米国に周回遅れ。1周どころか3周か5周ぐらい遅れている。つまり、あと3~5年ぐらいたたないと、日本では人間への臨床適用ができない。
 完全敗北。いわば、「真珠湾の緒戦で大勝利」と思って浮かれたあとで、本土爆撃で全面敗北するようなものか。
  
( ※ だからあれほど言っておいたのに。……)


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 [ 付記 ]
 近く専門論文が発表されるそうだ。詳しい話を知りたい人は、続報を待つといいだろう。
 
 【 関連項目 】
 「 iPS細胞は日本が米国に敗北するだろう」という私の予測は、私はすでに何度か書いている。最近でも何度か書いたが、古いものでは、下記項目がある。
  → iPS細胞(日本の敗北)

 これが「その1」にあたるので、本項は「その2」となる。

  ※ 予測だけじゃなくて、原因も記している。どちらも
    「予算不足」などを理由としている。

 【 関連サイト 】
 文部科学省が10年間で300億円を出す、というニュースがある。

 文部科学省が今後10年間、約300億円を助成する方針を固めました。iPS細胞の研究を巡っては、国はこれまでに2008年度から5年間で約100億円を助成していました。助成の上限が原則的に5年間の科学研究の分野では異例の措置。
( → Yahoo ニュース )

 すごい金額のように見えるが、10年間の総額だから、1年間ではたったの 30億円だ。全然、足りない。桁が違っているんじゃないかと思うぐらいだ。
 これじゃ米国に負けるのは当然というものだ。
 で、山中教授は「金を出してください」と頭を下げるのに忙しくて、研究に専念できない。

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「本当の現実」の創造

「マドモワゼル愛」さんの記事に素晴らしい部分があるので、転載する。
私のようなひねくれジジイとは違って、マドモワゼル愛さんは性格がいい。物事を肯定的に見るが、かと言って簡単に騙されもしない。
私は昔、「天国の鍵」という子供向け哲学小説の中で、「この世には騙す人と騙される人、そして騙しも騙されもしない人の三種類がいます。皆さんはその三番目の人になってください」と、読者として想定した子供たちに呼びかけたが、マドモワゼル愛さんは、まさしくその「騙しも騙されもしない人」の代表だろう。しかも、いつも太陽に向かっているような姿勢がある。こういう「向日性」は、私には羨ましい。

下に書いてあるように、我々は実はすでに新しい世界を作るための「道具」は持っているのではないだろうか。
今の社会の提供している電気に依存した物品なので、例としては不適切だが、たとえば、「ガラケー」と呼ばれる携帯電話の持つ機能は、20年前なら最新鋭のスパイ兵器にもなりえたものだ。それが、今や子供の玩具並みの扱いである。我々は自分たちの持っている巨大な財産の価値を本当は理解していないのではないだろうか。百円ショップで買える材料で、一万円も出せば、無人島のロビンソンクルーソーが羨望のあまり自殺したくなるほどの生活用品が揃うのではないか。
ならば、我々は拝金主義の社会や、金に支配された政府から独立して、アーミッシュのように生きることもできるのではないか。そして、その生活のほうが「便利で文化的な」今の生活よりも、あるいは満足と幸福をもたらすかもしれない。
そういう夢想を、ただの夢想ではなくリアルに考察する時期に我々は来ているのかもしれない。


(以下引用)


本当の現実を創造する以外にもう私たちの道はないと思う。ありがたいとことに、現実創造は昔にくらべ個人レベルで大きなイノベーションがあり、可能になっている。

巨大工場でしか生産できなかったものが、個人の家でできる。ミシン一台あればどんな服でもつくれる。しかも一流ブランドよりもずっとよいものができる。

エネルギーだってきっとつくれる。個人の力は支配されている形だとものすごく弱くされているが、独立する形だと、これまでになく強くなれることに早く、多くの人が気づいていくと面白い。

おそらく100人があつまって、もうお金を使わないで助け合って暮らすにはどうしたらいいかしら、、、と、毎晩、会議を3時間ほどつづけていけば、半年もすれば、「なんだ、本当にいけるぞ、、これは。」という段階がやってくると思う。

最初はまったくお金を使わない、、ということは無理でも、三年計画ぐらいで、それが達成できるはずだ。もっと早くできるところも出てくるだろう。

これが15人程度でできるようになるともっとすばらしいが、とにかく三人よれば文殊の智慧だ。道具はもう個人に与えられているのだから、この100年のイノベーションの成果を今度は私たちが受け取って、新しい生活の方法を編みだす。

お金を使わなくても生きていけるシステム、、、これができたら、すぐにユートピアは来る。

本当は国がここに力を入れてくれたら、あっという間に実現するのだが、国はそうはしない。国は国民ではないところに奉仕する機能だからである。彼らは国民に奉仕しているのではない。そこから搾り取ってもっと別のボスにささげるのが仕事なのだ。

とにかく、いま、システムにしばられている個人は今もっとも弱いが、独立した際にはもっとも強くなるという逆転が起きている。これは凄いことなのだ。

ただし、アイデアや独自性はどうしても必要になると思うが、それは段々と学んでいけるはず。今の段階では、とにかくこうした独立の夢を捨てないで欲しい。一人になっても、助け合えば生きていく方法はある、ということを忘れてはいけない。

そのうち、それを実践し、成功させていく人たちが沢山現れていく。そんなに先のことでもないと思う。

現システムが人を雇用できなくなれば、必然として人は個として生きていかねばならないから、見放されたところから、新たな可能性と成功が起きてくる。面白いようにそうなる。

変なものからは嫌われたほうが得。変な人からは見放されたほうが得。お前なんか野垂れ死にだ、、、と突き放されたほうが本当は得、、、、。そのことをまだ知らないだけ。すべてはそこから始まります。

時代はどんどん悪くなる一方ですが、どんどん新しいものへつながっていくから、本当はどんどんよくなっていることは間違いない。

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日本には地下資源や海底資源など無い

たまたまシェールオイルの話はこちらのブログに書いたので、その続きとして関連記事を「阿修羅」から、記事への読者コメントも含めて転載しておく。
正直言って、「日刊ゲンダイ」記事は経済界の提灯持ち、あるいはただの「お祭り」記事だと私は思う。記事の内容についてロクに調べもしないで書いている記者は、案外多いのではないか。
シェールオイルの採掘方法を少し調べただけで、これが経済的にペイする可能性は少ないことは分かるはずだ。つまり、基本的事項さえ自分で調べず、他から与えられた情報を鵜呑みにして書いている、と私は思う。マスコミ記者の大半はそんなものだろう。経済記事には特にその手の人間が多い。
コメント各氏はさすがに賢明であり、マスコミ記者よりよほど知識もある。
まあ、「日刊ゲンダイ」は政治記事などでは時々ビッグヒットを飛ばすから全否定もできないが、クズ記事も多いようだ。
「コメント04」のように、メタンハイドレードについて貴重な情報を与えてくれるコメントもあるから、こういう掲示板ではコメントもなるべく読むべきだろう。ただし、政治問題の場合だと、優れた記事へのコメントの9割は、逆にネット右翼や工作員による読むに堪えない悪口雑言であり、読む価値はまったく無いが。



(以下引用)



国内初 シェールオイル採取 日本が「資源国」になる日 100年分のメタンハイドレートも埋蔵 (日刊ゲンダイ) 
http://www.asyura2.com/12/hasan77/msg/836.html
投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 10 月 07 日 22:22:26: igsppGRN/E9PQ


国内初 シェールオイル採取 日本が「資源国」になる日
http://gendai.net/articles/view/syakai/138984
2012年10月4日 日刊ゲンダイ


 日本が資源国になる日は近いか――。

 3日、石油資源開発(JAPEX)が、岩盤に含まれる「シェールオイル」を採取し注目を集めている。1日に秋田県鮎川油ガス田で試掘作業を開始し、国内初の取り出しに成功したのだ。

 秋田県内には国内の年間石油消費量の約1割に当たる計1億バレルのシェールオイルが埋蔵されているという。

 海外では生産が本格化しているが、日本では技術面や採算性の問題から採掘されていなかった。

「今回の採取が取っ掛かりとなって、日本が資源国に生まれ変わる可能性が出てきました。シェールオイルの採掘は、日本海側に眠るほかの資源の開発の呼び水になります。注目されているのは、ズバリ、メタンハイドレート。深海底などでメタンと水が結晶化した氷状の物質です。日本近海の埋蔵量は、国内消費量の100年分に相当するとみられている。シェールオイルと違って簡単に取れるし、採取コストも安い。これまでは、日本が資源輸入国であることを望んだ米国に遠慮して、存在すらタブー視されてきた。米国は、日本に中東でカネを落とさせることで、域内の安定を図ってきたのです。でも、シェールオイルの発掘で資源の開発がオープンになってきた。これを機に、さらに調査を進めるべきです」(エネルギー業界関係者)

 実際、風向きは変わり始めている。3日、日本海沿岸10府県で構成する「海洋エネルギー資源開発促進日本海連合」の山田啓二会長(京都府知事)と泉田裕彦事務局長(新潟県知事)は、資源エネルギー庁を訪れて、メタンハイドレートの開発を日本海側で加速するように要望したのだ。東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満氏はこう言う。

「日本は、天然ガスや石油などの鉱物資源輸入が全体の3分の1を占めている。それらに支払われている金額は年間23兆円にも上ります。メタンハイドレートの開発が軌道に乗り、エネルギーを自前で賄う国になれば、10兆円単位のコストが浮きます。貿易赤字の解消につながるし、雇用の機会も増える。火力発電の低コスト化が実現するから原発もいらなくなるのです。電気代が安くなれば、工場生産のコストも安くなる。株式市場にとってもプラス。“資源国”というイメージは株価を押し上げる材料になるのです」

 米国の顔色をうかがっている場合ではない。


 

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コメント




03. あんちっく。 2012年10月08日 12:55:12 : hrcFwVFb245Vo : B3AxMfqNjU
>秋田県内には国内の年間石油消費量の約1割に当たる計1億バレルのシェールオイルが埋蔵されているという。

これ埋蔵総量(推定)?

なら、ほとんど(全く?)意味ないじゃん。


04. 2012年10月08日 14:02:07 : cf3FcjnxVo
日刊ゲンダイ技術担当者さん調べたら簡単に理解出来るはずですよ。
シェールオイルに関する模範的な増す塵様の記事
朝日新聞掲載「キーワード」の解説
地下にある「頁岩(けつがん)(シェール)」と呼ばれる泥岩の層に含まれている石油。これまでは採掘するのが難しかったが、強い水圧をかけて岩盤層に亀裂を入れて取り出す方法が開発され、生産しやすくなった。 原油価格の高騰 で採掘コストも見合うようになり、米国やカナダで盛んに生産されるようになっている。岩盤層に含まれる「シェールガス」とともに、採掘可能な量が急増することから「シェールガス革命」と呼ばれる。
( 2012-07-06 朝日新聞 夕刊 1総合 )

既に海外でも話題になっていますが地底深くで安定している地層を強引にいじくるのですから当然問題は発生します。
塩酸まで混入されるような記載もあり群発地震の多発や地下水の汚染など海外NPOさんの記事を検索して下さい。

メタンハイドレートに関しても記事は多数ありますので検索して調べて下さい。
殊に尖閣諸島の問題があり日中資源戦争勃発かで最近急に沢山出てきた情報ですからより慎重に。

例えば「メタンハイドレートは資源ではない」石井吉徳・元国立環境研究所長 様抜粋
http://www.alterna.co.jp/7097
今回の原発事故の後、メタンハイドレートを原子力の代替として注目すべきとの論も出てきた。しかし東京大学名誉教授で元国立環境研究所長の石井吉徳さんは「そもそもメタンハイドレートは使えるような資源ではない」と断言する。その論を寄稿して頂いた。
■資源は質がすべて
3・11の原発事故を契機として、日本独特ともいえる、エネルギーについての、とんでもない誤解が喧伝されている。「日本近海の海底下にはメタンハイドレートが膨大にある」「日本のメタンガス消費量の100年分もある」というものだ。
NHKを含めたメディアでも、派手なキャッチフレーズで登場する。その姿は「溺れる者藁をもつかむ」かのようで、私は機会あるごとに警告してきたが、一向にその勢いは衰えない。、、、、、
■いわゆるメタンハイドレートは、濃集されていない
繰り返すが、資源は質が全て、量ではない。濃集されていないものを集めるにはエネルギーが要る。ところが日本ではその意味が理解されない。
例えば、1996年の時点でわかっているだけでも、メタンハイドレートは天然ガス換算で7.35兆立方メートル、日本で消費される天然ガスの約96年分、以上あるというのである。
これは原始埋蔵量であって、経済的に可採な資源量と違う。大事なのは「エネルギーコスト」だ。良く話題になるマネーコストは殆ど無意味である。
海底面下に薄く分布するメタンハイドレートは固体である。通常のガス田のように掘削しても噴出するわけでない。先ず地層中に安定分布する固体からメタンガスを遊離しなければならない。
だが、当然、ガス化にはエネルギーが要る。EPR(エネルギー収支比)は低い。一言すれば問題にならない。
、、、

シェールオイルは例えば需要と供給の経済原則で競争相手のコストが下がれば一瞬でパーであり、ロシアなどは天然ガスを独自に販売しておられるようですが不安定ではないのでしょうか?
また太陽光、潮力、風力、バイオ発電など環境に優しくても不安定だと思われているようです。
しかし実績もあり昼夜の別なく安定に発電出来てコストも安い地熱発電は全く話題にもならないあるいは話題にもしないで完全スルー。
小規模発電方式で日系企業がアイスランドで大活躍され世界的にも認められているはずだと思いますが。
あわせて温水の利用で新たな産業も発達し環境にもやさしいと思います。
例えば
アイスランドから地熱発電設備5基、22.5万kWを一括受注受注累計15基、56.5万kWに、全世界では100基を超す三菱重工業2008年6月10日 発行 第 4712号
当社は、日本国内はもちろん、海外でもアイスランドのほか、インドネシア、米国、フィリピンなどで地熱発電設備の受注・納入実績があり、その累計出力は270万kWに及ぶ。これらの実績と技術力をテコに、二酸化炭素(CO2)を全く排出しない自然エネルギーである風力・水力・太陽光発電設備などとともに、地熱発電設備の受注活動に注力する。
と書かれていましたが日本ではなぜ原子力オンリーなのか全くよくわかりません。


05. 2012年10月08日 14:49:20 : NzcRtfFIew

この記事のシェールガス楽観論に水をかけるようで恐縮ですが・・・
地震国の日本でシェールガスの採掘をするのは、危険すぎると思います。
以前他の記事にもコメントさせてもらいましたが、部分再掲載します。
現在米国では、"NO FRACKING (フラッキング)!" 運動が盛んです。
シェールガス・オイル採取は、大量のケミカルを使用して地中深くの岩盤に
錐で穴を開けるような具合なのですが、これがとてつもなく危険なのです。
地下水脈の損なわれる危険性が非常に高い。すでに井戸水のかわりにガスが
噴出した事件もあり、また当然のことながら、地震の原因ともなりました。
www.gaslandthemovie.com/whats-fracking/

原発も含めて、こうした環境破壊を伴わなければ得られないエネルギーは、
不幸をもたらすものだという認識が得られてもいい時期だと思います。

在米者




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