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量子コンピューターは本当に実現可能か

日立のホームページ記事だが、これを読んでも「量子コンピューター」の概念がさっぱり分からない。「1でもあり0でもある」という概念が分からないし、その概念を使ったコンピューターがなぜ高速性や大量処理機能を持つのかも分からない。
まあ、例によって仏教を持ち出せば、「色即是空」と「空即是色」は重なっている、という感じかwww
あるいは「マクベス」の魔女のように「きれいは汚い、汚いはきれい」ということか。それとも絶対矛盾の自己同一か。
で、問題は、このコンピューターが本当に実用化された場合、従来のコンピューターの情報を保護していた暗号が容易に解かれる、つまりIT社会の安全性がゼロになる、ということだろう。ITの発展がIT社会を崩壊させるという、ここにも「きれいは汚い」という暗黒面がある。

(以下引用)

量子コンピューターとは? メリット・デメリットを解説







量子コンピューターとは? メリット・デメリットを解説

量子コンピューターの開発が加速しています。実用化されれば、交通渋滞の解消、医薬品の開発、ビッグデータの解析、AIの開発などに大きな進展をもたらすと言われています。量子コンピューターとはどのようなコンピューターなのか、その登場が与える社会へのインパクトや実用化により生まれるメリット・デメリットについて解説します。

量子コンピューターのメリットとは

量子コンピューターは量子ビットを使って計算することで桁違いの処理能力を発揮します。その速度は従来のコンピューターの実に約1億倍と言われています。


従来のコンピューターにおいて、処理速度の高速化はやがて限界がくると言われていました。その限界を超え、従来のコンピューターでは成し得ないレベルの計算、例えば数えきれないほどのパターン(新薬開発のために行われる膨大な数の素材の組み合わせ、複数のチェックポイントを経由する交通ルートなど)から、最適なパターンを一つ見つけ出すといった計算を瞬時に行えるようにするのが量子コンピューターです。


これによりビッグデータの解析技術やAIの能力向上が見込め、新薬の開発スピードを飛躍的に上げたり、交通システムを改善したりといった活用へとつなげられると考えられます。


また量子コンピューターは電力消費が極めて小さいというメリットがあります。量子コンピューターの「D-Wave」は、冷却装置によりごく低温で動作し、消費電力は冷却装置も含めて25kW 以下だとされています。

従来のコンピューターと量子コンピューターの違い

従来のコンピューター(古典コンピューター)は情報を「0か1」という2通りの状態で表す「ビット」を最小単位として扱っています。これに対し、量子コンピューターは、量子力学の基本性質である「0と1の両方を重ね合わせた状態」をとる「量子ビット」を使って計算します。「0と1の両方を重ね合わせた状態」とは、「0であり、かつ1である」という状態のことを言います。この2つまたはそれ以上の状態を同時に表すことができる性質を、「重ね合わせ」と呼びます。


現在、量子コンピューターには「量子ゲート方式」と呼ばれるタイプと、「量子アニーリング方式」と呼ばれるタイプの2種類が存在します。


量子ゲート方式は1990年代頃から研究開発が進み、最近ではIBMやGoogleも実用化に向けた研究を行っています。量子ビットや重ね合わせを利用するのはこの方式の量子コンピューターです。


1994年にアメリカの論理計算科学者ピーター・ショアは、因数分解用のアルゴリズム「ショアのアルゴリズム」を発表しました。このことが大きな反響を呼んだのは、従来のコンピューターにとって因数分解のような計算は、計算可能ではあるけれどとてつもなく時間がかかるものだったためです。量子ゲート方式の量子コンピューターは「0と1」だけではない理論と方法を用いることで、因数分解を実用的な速さで行う新しいコンピューターとしての可能性を示しました。


一方の量子アニーリング方式は、2011年にカナダのベンチャー企業、D-Waveシステムズが量子コンピューター「D-Wave」の開発に成功したと発表して有名になりました。その原理は、1998年に東京工業大学の西森秀稔教授と門脇正史氏が提唱した理論が基になっています。量子アニーリング方式は量子ゲート方式よりもさらに用途が限られ、複数の選択肢から組み合わせた結果を評価し、その中から最適な組み合わせを決める「組み合わせ最適化問題」を解くことに特化した量子コンピューターだとも言われています。


2015年、NASA(航空宇宙局)のエイムズ研究センターで行われたNASA、USRA(大学宇宙研究連合)、Googleによる記者会見で、性能テストを行った結果、D-Waveの量子コンピューターは従来のコンピューターに比べて1億倍高速であると発表されました。

量子コンピューターの実用化がもたらす変化とは

量子ゲート方式によって因数分解が現実的な処理速度で行えるようになると、現在、金融分野を中心に広く採用されている暗号が容易に解読可能になると言われています。一部の専門家は、10年以内に量子コンピューターがそれらの暗号を破るのではないかと予測しています。具体的には「RSA」や「楕円曲線暗号」のような公開鍵暗号、「ディフィー・ヘルマン」などの鍵共有による方式が役に立たなくなるとされています。


そのため、量子コンピューターの実用化に対抗して、これまでの暗号やセキュリティ対策に代わる新暗号方式や新セキュリティ対策の開発が急がれています。このことは量子コンピューターがもたらすデメリットの一つとも言えるでしょう。

量子コンピューターの可能性

しかし一方で、社会に新しい希望をもたらすような可能性も開けています。


量子アニーリング方式が解く組み合わせ最適化問題は、例えばセールスマンの訪問先が複数あるとき、最も短い時間ですべてを巡回するルートを見つけるために役立つとされています。この巡回セールスマン問題が簡単に解けるようになれば、次は自動運転における交通渋滞緩和や、分子の構造分析を通じて進められる新薬の開発にも応用できると期待されています。


また量子コンピューターによって、ビッグデータの解析が今よりもずっと容易になるという観測もあります。ビッグデータ以外にも膨大なデータを掛け合わせたシミュレーションが可能になることから、まったく新しい製品の研究開発が進んで技術革新が起こったり、正確な未来予測ができるようになったりといったことも実現するかもしれません。


そしてもう一つ、大きな期待をされているのが、AIと量子コンピューターの組み合わせによる技術革新です。とくに機械学習の分野には組み合わせ最適化問題を含む要素が多くあり、量子コンピューターによってAIの開発が飛躍的な発展を遂げる可能性が指摘されています。


量子コンピューターの実用化にはまだまだ多くの課題も残されています。しかし、量子コンピューターが切り拓こうとしている未来への道筋はおぼろげながら見えており、その開発は急ピッチで進んでいくと考えられます。量子コンピューターが身近なものになれば産業と社会に変革が起きるでしょう。それによって私たちの生活もまた大きく変化するに違いありません。



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