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気の赴くままにつれづれと。
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【EU内における「三つの軸」】
スロバキアをはじめとする中東欧の多くの国々は民主化後一定の時期を経てEUやNATOに加盟した。政治を民主化し市場経済を導入して、西欧諸国に追いつけ追い越せと急速な経済発展を続けている。欧州委員会から受け取る種々の補助金、そしてEUメンバーとしてEU内の四つの自由(人の移動の自由、モノの移動の自由、サービスの移動の自由、資本の移動の自由)を享受していることも、経済の高い成長率に貢献している。
しかし、「EUに加盟して順調に経済が発展している」といった単眼だけで中東欧諸国を捉えることは若干危険である。
私はEU諸国内には「3つの軸」があるのではないかと考えている。第1は「豊かな西側の諸国 対 発展途上の中東欧諸国」という東西の軸、第2は「独仏英などの大国 対 多くの中小国」という軸、第3は「ブラッセル(欧州委員会) 対 加盟各国」、という軸である。スロバキアを始めEU加盟中東欧諸国の多くは、この三つの軸のいずれにおいても後者に属する。
多くの中東欧諸国において、EUに加盟したことは国全体の発展や安定、国民の福利厚生増加には資しているという大まかなコンセンサスがあると思う。同時に、
(イ)西側の相対的に豊かな国からEU補助金という形で種々の金銭的支援は受けているが、西欧諸国に経済的にキャッチアップしていくとともにこれら支援は今後目減りしていくことが確実視されていること。
(ロ)加盟28ヵ国とEUが巨大化していく中でEU外交内政に関わる重要政策の多くが独、仏等の主要な大国の先導によって決められてしまう傾向が益々強まっていること。
(ハ)市場統合はじめEU統合が深化していくほど、加盟各国の国内経済や社会、国民の生活に直接影響のある法律や規則がブラッセルの欧州委員会によって決められてしまう傾向が強まっていること。
といった点についてのフラストレーションも増大しつつあるように思われる。
政治の右傾化とポピュリズム化は先進民主主義国の多くに共通する世界的傾向であるが、特にEU、就中中東欧諸国では、このような要因も、EU懐疑派、あるいは反EUといった右よりの世論を高め、ポピュリスト政治家や政党が各国内で影響力を強める背景になっていると考える。
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