「人力でGO」というブログの今日の記事が面白いので転載する。
韓国大統領の「天皇侮辱発言」は、文字通り日本人の「逆鱗に触れた」というところがあり、ネット論者の大半が冷静さを失っている感じはあった。(龍は大人しい生き物だが、喉の下の逆鱗に触れると狂暴になる、というのが「逆鱗に触れる」である。天皇とは日本人の逆鱗的存在なのだ。まさしく昔なら「神聖ニシテ冒スベカラズ」だったのだが、その天皇神聖視のDNAは今の人の精神にも伝わっているようだ。左翼的傾向の強い人間である私でさえ、あの発言にはかっとなった。赤の他人から自分の親を侮辱されたような気分である、などと言うと、まさしく戦時中の「国民は天皇の赤子」みたいな言葉になるが、まあ、そんな気分だ。)
しかし、そういう風に日本中が狂っている時に、こういう冷静な言葉を読むと、感心してしまう。「人力でGO」というブログは時々右寄りの記事が散見された記憶があるのだが、案外右にも左にもぶれない、中庸的姿勢があるのかもしれない。
まあ、私は経済面だけで政治的判断をするのが正しいとも思わないし、「誇りよりも金が大事」とも思わないし、「いくら侮辱されても喧嘩をしない」ことが正しいとも思わないが、一般国民が戦争で得をすることはまったく無い、とは思っている。そういう意味では「悪しき平和は良き戦争に優る」主義に近いので、韓国大統領のヒステリー発言に冷静な大人の態度で接するのが、とりあえずはいいとは思う。
ただし、韓国と日本という米国の「属国同士」の喧嘩を米国が処理し損なえば、米国のボロが出て面白いかもしれない、という意地悪な期待感もあったのである。だが、戦争はいかなる場合でも最悪の選択だろう。こういう場合に「うまく喧嘩をする」のが外交というものなのだが、はたして日本はこの問題をうまく着地させられるだろうか。
尖閣問題では中国政府は事態の鎮静化を図っているようで、ここでは日中動乱による漁夫の利という米国の狙いは失敗しつつあるようだが。
(以下引用)
■ 日本もアメリカも民主主義は機能していない ■
消費税増税は確かに財務省のシナリオでしょう。
民主党単独では、法案が成立しないので、
民自公の三党協力で、法案が可決しました。
国民がこれだけ反対しているのに、
敵対する政党が協力して法案を通すなど
アメリカでは考えられません。
アメリカはリーマンショックの銀行救済の決定時でも
表向きは「政治対決」を演出しています。
母親の葬儀に出席していた議員を飛行機で呼び戻して、
最後の一票を投票させて、金融機関を救済する事を決めました。
これなど、メチャクチャ茶番で、
金融機関救済は共和党と民主党の裏の協議で合意されていたはずで、
さらには、票数を調整して、最後の一票を演出しています。
しかし、アメリカ人は、民主主義に誇りを持っていますから、
この茶番を見て、「民主主義の原則は守られた」として
銀行救済を良しとするのです。
日本とアメリカのどちらも出来レースで茶番ですが、
日本人は「お上が決めた事」と批判しながらも諦め、
アメリカ人は「民主主義の選らんだ結果」として満足します。
本質的には、民主主義が「絵に描いた餅」である事は変わりありませんが・・・。
対立政党が、表にせよ、裏にせよ、結託してしまえば
民主主義はその時点で機能を失います。
■ 低支持率を武器とする日本型政治 ■
最近の日本の政治を見ると、「低支持率」を巧みに利用しています。
ほぼ全ての国民が反対する消費税の増税は、
一党だけで成立させると、その政党は国民の支持を失います。
ですから、主要3党が等しく責任を負う形で、非難を分散化します。
その過程で3党協力の必要性を演出する為に
小沢一郎以下が、民主党の党議に造反したから、
3党協力が必要だったという演出をします。
さらには、「消費税増税に反対した」という勢力を温存し、
次の選挙の芽を上手に残しています。
TPP問題についても、
当初、野田首相が独断専行した様に報道されますが、
野田首相や内閣の支持率が下がれば、
TPPの推進には、大きくブレーキが掛かります。
アメリカが野田首相をけし掛けても、
これ以上が政権維持が難しいと言って、逃げる事が出来ます。
当然、アメリカは次の首相を選ぶ訳ですが、
これも、マスコミと国民に叩かれて、
「決められない首相」になって行きます。
■ 国民不在の政治の反映が、「イヤ」しか言わない国民 ■
結局、国民が何を言おうと、日本は官僚達によって、
まあまあ、どうにか運営されています。
だから、国民はとりあえず「イヤ」とだけ言っていれば良い。
何か、都合が悪い事が起きても、「俺は反対したんだけどね」と逃げられます。
だから、ネットの言論は、「イヤ」で埋め尽くされます。
そうして「肯定的意見」は、
「お前が責任取れるのか」という非難で潰されてゆきます。
■ 高校の生徒会レベルの言論 ■
ネット言論の多くが、かつての高校の生徒会レベルです。
校則反対、制服反対と主張した所で、
実際の学校運営は大人達が粛々と進めて行きます。
生徒会は生徒のガス抜きにはなりますが、
それによって、高校の本質は何も変わりません。
■ 大量の無責任にかき消される、少数の意見 ■
個人のブログでも立派な主張のブログが沢山ある事も事実です。
しかし、今回の竹島問題や尖閣問題では、
多くの良識的なブログも、韓国、中国に対して強硬な意見を展開しています。
それだけ、韓国大統領の天皇発言は、日本人の心を逆撫でした発言です。
一方で政府は、通貨スワップの継続など、現実的な対応をしています。
財務官僚達は、韓国経済が破綻した時のシナリオを綿密に計算して、
経済的負担の少ない方を選択したとも言えます。
韓国が破綻したら、IMFを通じて、日本は莫大な負担をせざるを得ません。
通貨スワップの継続は、「国家間の喧嘩」に対して弱腰とネットは非難します。
だから韓国や中国が付け上がるのだと・・・。
しかし、私は隣国を経済破綻させる事が、国家として正しいとは思いません。
むしろ、日本はアジアの平和と安定を願っていると主張する事の方が、
今は大事な事である様に感じます。
東南アジア諸国は、韓国と違い親日的です。
それらの国家は、韓国の問題点も良く理解しています。
ですから、日本と韓国が子供の喧嘩の様なレベルで争う必要は無いのです。
大人としての喧嘩のやり方があるはずです。
例えば、通貨スワップ継続を表面的には発表しながらも、
裏では、「テメー、これ以上騒ぐと、通貨スワップしてやんないぞ」と脅すとか・・・。
まあ、アメリカが良く使う手ですね。
尤も通貨スワップ継続は、通貨マフィアからの指示だと思います。
通貨の情勢が不安定な時期に、いらぬ騒ぎを起すなという圧力が当然あるはずです。
さらに韓国の格付けを1ランク引き揚げて、後方支援も怠りません。
日韓のイガミ合いも、結局は誰かの掌の上だという何だかトホホな状態であるという事に、
連日、勇ましい事を書きたてるネトウヨの皆さんは、どれだけ気付いているのでしょう?
「イヤ」と言って責任から目を背けている限りは、見えないものが沢山あります。
<追記>
韓国は史上最高の経常黒字を計上し、
それを受けて、格付けが1ランク上がっています。
しかし、経常黒字を押し上げたのは、
国内不況による輸入の減少という、不況型の経常黒字である事に注意が必要です。
ただ、経常黒字が拡大したからという理由で
格付けを引き揚げる、格付け会社って、いったい何なのでしょうね?
韓国大統領の「天皇侮辱発言」は、文字通り日本人の「逆鱗に触れた」というところがあり、ネット論者の大半が冷静さを失っている感じはあった。(龍は大人しい生き物だが、喉の下の逆鱗に触れると狂暴になる、というのが「逆鱗に触れる」である。天皇とは日本人の逆鱗的存在なのだ。まさしく昔なら「神聖ニシテ冒スベカラズ」だったのだが、その天皇神聖視のDNAは今の人の精神にも伝わっているようだ。左翼的傾向の強い人間である私でさえ、あの発言にはかっとなった。赤の他人から自分の親を侮辱されたような気分である、などと言うと、まさしく戦時中の「国民は天皇の赤子」みたいな言葉になるが、まあ、そんな気分だ。)
しかし、そういう風に日本中が狂っている時に、こういう冷静な言葉を読むと、感心してしまう。「人力でGO」というブログは時々右寄りの記事が散見された記憶があるのだが、案外右にも左にもぶれない、中庸的姿勢があるのかもしれない。
まあ、私は経済面だけで政治的判断をするのが正しいとも思わないし、「誇りよりも金が大事」とも思わないし、「いくら侮辱されても喧嘩をしない」ことが正しいとも思わないが、一般国民が戦争で得をすることはまったく無い、とは思っている。そういう意味では「悪しき平和は良き戦争に優る」主義に近いので、韓国大統領のヒステリー発言に冷静な大人の態度で接するのが、とりあえずはいいとは思う。
ただし、韓国と日本という米国の「属国同士」の喧嘩を米国が処理し損なえば、米国のボロが出て面白いかもしれない、という意地悪な期待感もあったのである。だが、戦争はいかなる場合でも最悪の選択だろう。こういう場合に「うまく喧嘩をする」のが外交というものなのだが、はたして日本はこの問題をうまく着地させられるだろうか。
尖閣問題では中国政府は事態の鎮静化を図っているようで、ここでは日中動乱による漁夫の利という米国の狙いは失敗しつつあるようだが。
(以下引用)
■ 日本もアメリカも民主主義は機能していない ■
消費税増税は確かに財務省のシナリオでしょう。
民主党単独では、法案が成立しないので、
民自公の三党協力で、法案が可決しました。
国民がこれだけ反対しているのに、
敵対する政党が協力して法案を通すなど
アメリカでは考えられません。
アメリカはリーマンショックの銀行救済の決定時でも
表向きは「政治対決」を演出しています。
母親の葬儀に出席していた議員を飛行機で呼び戻して、
最後の一票を投票させて、金融機関を救済する事を決めました。
これなど、メチャクチャ茶番で、
金融機関救済は共和党と民主党の裏の協議で合意されていたはずで、
さらには、票数を調整して、最後の一票を演出しています。
しかし、アメリカ人は、民主主義に誇りを持っていますから、
この茶番を見て、「民主主義の原則は守られた」として
銀行救済を良しとするのです。
日本とアメリカのどちらも出来レースで茶番ですが、
日本人は「お上が決めた事」と批判しながらも諦め、
アメリカ人は「民主主義の選らんだ結果」として満足します。
本質的には、民主主義が「絵に描いた餅」である事は変わりありませんが・・・。
対立政党が、表にせよ、裏にせよ、結託してしまえば
民主主義はその時点で機能を失います。
■ 低支持率を武器とする日本型政治 ■
最近の日本の政治を見ると、「低支持率」を巧みに利用しています。
ほぼ全ての国民が反対する消費税の増税は、
一党だけで成立させると、その政党は国民の支持を失います。
ですから、主要3党が等しく責任を負う形で、非難を分散化します。
その過程で3党協力の必要性を演出する為に
小沢一郎以下が、民主党の党議に造反したから、
3党協力が必要だったという演出をします。
さらには、「消費税増税に反対した」という勢力を温存し、
次の選挙の芽を上手に残しています。
TPP問題についても、
当初、野田首相が独断専行した様に報道されますが、
野田首相や内閣の支持率が下がれば、
TPPの推進には、大きくブレーキが掛かります。
アメリカが野田首相をけし掛けても、
これ以上が政権維持が難しいと言って、逃げる事が出来ます。
当然、アメリカは次の首相を選ぶ訳ですが、
これも、マスコミと国民に叩かれて、
「決められない首相」になって行きます。
■ 国民不在の政治の反映が、「イヤ」しか言わない国民 ■
結局、国民が何を言おうと、日本は官僚達によって、
まあまあ、どうにか運営されています。
だから、国民はとりあえず「イヤ」とだけ言っていれば良い。
何か、都合が悪い事が起きても、「俺は反対したんだけどね」と逃げられます。
だから、ネットの言論は、「イヤ」で埋め尽くされます。
そうして「肯定的意見」は、
「お前が責任取れるのか」という非難で潰されてゆきます。
■ 高校の生徒会レベルの言論 ■
ネット言論の多くが、かつての高校の生徒会レベルです。
校則反対、制服反対と主張した所で、
実際の学校運営は大人達が粛々と進めて行きます。
生徒会は生徒のガス抜きにはなりますが、
それによって、高校の本質は何も変わりません。
■ 大量の無責任にかき消される、少数の意見 ■
個人のブログでも立派な主張のブログが沢山ある事も事実です。
しかし、今回の竹島問題や尖閣問題では、
多くの良識的なブログも、韓国、中国に対して強硬な意見を展開しています。
それだけ、韓国大統領の天皇発言は、日本人の心を逆撫でした発言です。
一方で政府は、通貨スワップの継続など、現実的な対応をしています。
財務官僚達は、韓国経済が破綻した時のシナリオを綿密に計算して、
経済的負担の少ない方を選択したとも言えます。
韓国が破綻したら、IMFを通じて、日本は莫大な負担をせざるを得ません。
通貨スワップの継続は、「国家間の喧嘩」に対して弱腰とネットは非難します。
だから韓国や中国が付け上がるのだと・・・。
しかし、私は隣国を経済破綻させる事が、国家として正しいとは思いません。
むしろ、日本はアジアの平和と安定を願っていると主張する事の方が、
今は大事な事である様に感じます。
東南アジア諸国は、韓国と違い親日的です。
それらの国家は、韓国の問題点も良く理解しています。
ですから、日本と韓国が子供の喧嘩の様なレベルで争う必要は無いのです。
大人としての喧嘩のやり方があるはずです。
例えば、通貨スワップ継続を表面的には発表しながらも、
裏では、「テメー、これ以上騒ぐと、通貨スワップしてやんないぞ」と脅すとか・・・。
まあ、アメリカが良く使う手ですね。
尤も通貨スワップ継続は、通貨マフィアからの指示だと思います。
通貨の情勢が不安定な時期に、いらぬ騒ぎを起すなという圧力が当然あるはずです。
さらに韓国の格付けを1ランク引き揚げて、後方支援も怠りません。
日韓のイガミ合いも、結局は誰かの掌の上だという何だかトホホな状態であるという事に、
連日、勇ましい事を書きたてるネトウヨの皆さんは、どれだけ気付いているのでしょう?
「イヤ」と言って責任から目を背けている限りは、見えないものが沢山あります。
<追記>
韓国は史上最高の経常黒字を計上し、
それを受けて、格付けが1ランク上がっています。
しかし、経常黒字を押し上げたのは、
国内不況による輸入の減少という、不況型の経常黒字である事に注意が必要です。
ただ、経常黒字が拡大したからという理由で
格付けを引き揚げる、格付け会社って、いったい何なのでしょうね?
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