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受刑者チーム、ディベートでハーバード大チームを破る

「ブロゴス」所載のウォールストリートジャーナル記事である。
ハーバードに相当するのは日本なら東大だが、東大の学生相手ならこの受刑者チームは楽勝したのではないか。(笑)それほど、日本の東大生の、いや大学生全般の「現実社会」知識の貧弱さ、思想の貧しさはひどいものだ、と私は思っている。
当たり前の話で、小学校入学から大学卒業に至るまで、無益な知識だけを詰め込まれ、「現実社会」と隔離された授業を受け、政治や社会への興味を圧殺され痴呆化した若者(はっきりと、20代の私自身が痴呆だった記憶があるから、これを書いている。)が、「社会の現実」を知っている受刑者たちと論争して勝てるはずはない。
ただし、念のために言うが、だからと言って、私は犯罪者を賞賛などしないし、彼らの犯罪がこれで軽くなるわけでもないと思うし、また犯罪者の「更正可能性」に関しては私は懐疑的である。一度犯罪を行うような人間は何度でも犯罪を行うだろう、と思っているのだが、また、誰にでも「気の迷い」「悪魔の誘惑」はあるものだから、更生の機会は与えるべきだとも思う。ただし、「二度め」は許してはならないだろう。世の中に「前科2犯」以上が存在してはならない、と思う。
もちろん、生まれ育った環境によって、犯罪の道に進むしかなかったような人々もいる。社会的差別を生まれながらにして受けているような人々だ。アメリカの黒人やヒスパニックにはそれが多いかと思う。日本とアメリカでは事情も違うから、アメリカでの出来事で日本のことを考えるのは間違いかもしれないが、一つ言えそうなのは、「誰でも教育次第でどこまでも伸びるし、また教育次第でどこまでも阿呆になる」ということだ。日本の教育ははっきりと後者(笑)だが、アメリカのハーバード大もあまりたいしたことはないようだ。




(以下引用)


記事

討論でハーバード大生に勝った受刑者、反響に驚く

討論でハーバード大生に勝った受刑者は反響に驚いている Photo: Peter Foley for The Wall Street Journal


最大級の警備が敷かれたニューヨーク州の刑務所で先月18日、3人の受刑者がハーバード・カレッジ(大学過程)の学生とディベートで対決し、勝利を挙げた。このとき、受刑者たちはただ、ディベートで勝負して、刑務所内の教育の力を示したかっただけだったと語った。

受刑者とハーバード大生、ディベートで対決 第2のチャンスで更生支援

 そのあとのことは全く考えていなかった。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が受刑者チームの勝利を紹介した記事はソーシャルメディアで人気を呼び、世界中で報道された。映画化の権利についての映画プロデューサーからの問い合わせも相次いだ。

 受刑者はインターネットを利用できず、ツイッターが登場する前に刑務所に収監された受刑者も多い。受刑者たちにディベートを指導したコーチのデービッド・レジスター氏は「彼らは世界が自分たちの記事にこれほど関心を持っていることに非常に驚いている」と話した。

 レジスター氏によると、それ以上に意味があったのは、「彼らの家族が彼らのことをどれほど誇りに思っているかに気付いたことだ」。

 ディベートに参加したある受刑者はおいが学校で自分のことを自慢していると聞いて感動したという。

 ディベートの勝者が所属しているのはイースタンニューヨーク刑務所のディベートチーム。約20人のメンバーはバード・カレッジ(ニューヨーク州アナンデール・オン・ハドソン)が実施する受刑者向け大学教育プログラム「バード・プリズン・イニシアチブ」を通じて学位取得に向けて勉強に励んでいる。このプログラムにはニューヨーク州全体で約300人が参加、厳しい大学教育を受けている。

 デュジュアン・タトロ受刑者(29)は暴行罪の刑期が明けたら大学院で分子生物学を学びたいと考えている。タトロ受刑者は雄弁なハーバード大チームに勝利して感動したと話した。学生たちを見て「こてんぱんにやられる」と思ったそうだ。

 故殺罪で有罪判決を受けたカルロス・ポランコ受刑者(31)はディベートが終わって「ほっとした」と話す。宿題の遅れを取り戻すことができるからだという。



 ハリウッドは受刑者たちの勝利を見逃さなかった。近く退任するダンカン教育長官は先週、短文投稿サイトのツイッターに「誰かがこの実話を映画化すべきだ」と投稿した。

受刑者とハーバード大の学生のディベート対決はある映画撮影チームによって撮影されていた。映像はドキュメンタリー映画として2018年に公開される予定で、仮のタイトルは「College Behind Bars(鉄格子の中の大学)」。監督はリン・ノビック氏が、製作責任者はケン・バーンズ氏が務めている。

インターネットに書き込まれた読者の反応はさまざまだ。生産的な市民になろうと決意した受刑者に同情する声もあれば、米国で収監されている受刑者数の多さに対する反感や、凶悪犯に無料の大学教育を提供することへの批判もあった。

ハーバード・カレッジ・ディベーティング・ユニオンのドルーバ・バート氏は7日に電子メールに寄せ、メディアの注目に驚いたと述べる一方、ディベート対決が「受刑者に関する固定概念が変わるきっかけとなり、いかにして更生や再犯率低下に取り組むかについての議論に貢献すればいいと思う」と記した。

受刑者が注目されるのは殺人などの犯罪の被害者家族にとっては耐えられないという批判の声もある。コーチのレジスター氏は、受刑者たちは若いときに大変な過ちを犯したが、もう以前の彼らではないと語る。

バード・プリズン・イニシアチブのエグセクティブ・ディレクター、マックス・ケンナー氏は私的な資金で運営されている同プログラムへの寄付が急増したと語る。プログラムの卒業生は医療サービスやカウンセリング、電子機器のリサイクルの仕事に就き、1人はイェール大学神学校で学んでいる。

受刑者たちは監房や運動場、食堂で時間があればいつでもディベートの練習をしたと話す。ハーバード・カレッジの学生と対決する日の朝、何人かが子どもの頃に一生懸命勉強しなかった理由について語った。1人は授業中にやる気がでなかったと言い、別の1人は規模の大きな中学校に転校したら心細くなり、仲間からの圧力で問題を起こしたと語った。

ある受刑者はこう言った。「バード・カレッジでの勉強を始めるまで、もっと意味のある人生を送る能力が自分にあることに気付かなかった」。

審判団が受刑者に肩入れしたのではないかと疑問を投げかける人もいる。受刑者チームは2対1で勝利した。

審判団のメンバーだったコーネル大学のディベートコーチ、リンゼー・ビング氏は受刑者チームがより説得力のある主張をしたと語った。単に受刑者チームを勝たせるのは「彼らにとっても、彼ら努力に対してもずいぶん失礼だ」。

ディベートで受刑者チームは「公立学校は不法滞在の学生の入学を拒否する権利を持つべき」との立場を取らなければならなかった。コーチのレジスター氏によると、ハーバード大学との対決後初めてのチームの会合で、受刑者たちは2時間をかけて自分たちの主張の出来栄えを批判し、提示すべきだった根拠を分析した。

レジスター氏は言う。「彼らは本気でよくなろうとしている」


By LESLIE BRODY



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