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円安容認説への批判

まず、「円安は輸出企業に有利で輸入企業に不利である」というのは経済学の基本だと思うが、その理屈から考えてみる。ただし、この場合、「輸入」とは原材料や燃料を海外から仕入れて製品を作ることも含むから、天然資源がゼロに近い日本では純粋な「輸出企業」はほぼ存在しないと見ていい。要するに既製品(完成品)を輸入したり輸出したりするような「ディーラー」や商社などを除けば、一般企業(製造業)は完全な輸出業とも輸入業とも言えない、「半輸入半輸出業」と分類されるべきではないだろうか。で、そのどちらの場合でも円安が「不利である」ことは明白な話だろう。原材料費や燃料費が値上がりするのだから不利に決まっている。
ところで、円安が輸出業に有利であるというのは実はトリックがある(詭弁である)、と私は思っている。1ドル=100円の相場で作った1ドルの品物が1ドル=120円の円安になれば、獲得した1ドルが120円になるから輸出企業は「儲かった」という理屈だとすれば、日本国民は為替相場の変化で100円相当の品物を120円で買わされるわけである。企業自体にしても、米国で売った代金の1ドル自体は何も変わっていないわけで、それが日本に戻ることで120円になるのだから、いわば「日本国民から20円余計に受け取った」と言えるのではないか。トヨタがいくら稼いでも日本が裕福にならない理屈がここにある、というのは屁理屈だろうか。
まあ、上の理屈は我ながらあまり自信はないが、円安は「円の価値の低下」であるから、原材料や燃料をほとんど海外に依存している日本にとって大変な「国難」だ、というのは誰でも直感的に理解できるのではないか。
円安が素晴らしいことなら、昔のように1ドル=360円に戻したらどうか。阿鼻叫喚の地獄になること請け合いであるwww

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