街のいたるところに設置された防犯カメラが逮捕の決め手に(画像はイメージ)

写真拡大



大阪府高槻市の駐車場で中学1年の平田奈津美さんの遺体が見つかった事件で、容疑者逮捕の決め手になったのは、街中に設置された防犯カメラの存在だった。


遺体が発見された駐車場や粘着テープが購入されたコンビニの防犯カメラの映像などが、容疑者の特定、逮捕につながった。

車のナンバーが明らかになり、容疑者が浮かび上がった

平田さんの遺体が見つかり事件が発覚した当初から、防犯カメラが捜査の手がかりになっていたようだ。


大阪府警は駐車場に設置された防犯カメラの映像を解析し、遺体が遺棄されたとみられる2015年8月13日深夜に出入りしていた不審な車の車種を特定したようだ。近くの国道170号線を通った可能性があるとみて、周辺のコンビニなどの防犯カメラも分析していた。


そうした中、現場の近くにある枚方市のガソリンスタンドで、この車が給油する映像がとらえられた。ナンバーなどが明らかになり、捜査線上に山田浩二容疑者が浮かび上がった。


平田さんと星野凌斗さんの姿が最後に確認されたのは、京阪寝屋川市駅前の商店街の防犯カメラだ。ちょうど2人が歩いていた13日朝5時過ぎには、別のカメラに山田容疑者の車が付近を行ったり来たりしている様子が映っていた。


また13日12時39分、柏原市内のコンビニでは、粘着テープ2本を購入する山田容疑者が映っていた。こうした防犯カメラの映像の積み重ねなどから、大阪府警は8月21日、死体遺棄容疑で山田容疑者を逮捕した。

「日常的に監視の中で生きているということを実感」

寝屋川市駅前の商店街や高槻市の駐車場、柏原市のコンビニなど、防犯カメラがさまざまな場所に設置されていたことが容疑者逮捕に大きく貢献した。


しかし一方で、街のいたるところに防犯カメラが存在することにあらためて違和感を持った人も多い。ツイッターなどネットには、

「どこに防犯カメラが設置されているか、わからないな。悪いことはできない」

という感想がある一方で、

「容疑者逮捕や一定の抑止力になるのは事実。だけど、常に誰かから監視されているようで気持ち悪いというのもまた事実・・・」
「こういうのを見ると自分たちがいかに、日常的に監視の中で生きているということを実感」

と不安をつぶやく人も少なからずいた。


8月23日放送の「サンデーモーニング」(TBS系)に出演した谷口真由美・大阪国際大准教授は、

「子どもを持つ親として思ったのは、防犯カメラっていうのは防犯にならないと思う」

とコメント。事件が起きてしまった後の捜査に役立つ可能性はあるとしつつも、

「防犯カメラがあるとしても、夜に子どもが外出していることに何の安全性も担保されない。カメラがあるから大丈夫というのは絶対嘘だと思う」

と事件の予防には否定的な考えを述べ、子どもたちに声をかける周囲の大人の存在が大切だと訴えた。


また同日放送の「サンデースクルンブル」(テレビ朝日系)に出演した菅野朋子弁護士も捜査への役割は認めつつも、

「そもそも防犯というものですから、捜査のためのものではない」

とクギを刺していた。