というわけで、下の記事を転載する。まったく同感だ。
こうしたマスコミの姿勢は、マスコミ(正確には大マスコミ、表マスコミ)がいかに地方選挙を馬鹿にし、国民の政治レベルを馬鹿にしているかの表れだろう。
まあ、国民の政治意識も確かに馬鹿にされても仕方がないのだが、まずはこういうマスコミの姿勢に対して怒ることが大事だと思う。そういう意味で、下の記事は貴重な指摘をしている。
(以下引用)
統一地方選挙の投開票の結果をネットで見るのは意外に難しい
ふじいりょう | ブロガー/ライター
2015年の統一地方選挙。4月12日に前半戦の投開票が行われたが、10道県知事選と41道府県議選で、平均の投票率が過去最低だったとのこと。
統一地方選前半、投票率過去最低に(日本経済新聞 ※閲覧には会員登録が必要)
とはいえ、50%前後の人は投票に足を運んでいて、知事・道府県議・政令市議の選挙に数万は投票行動を示しているわけだし、数字の低さは「残念」かもしれないけれど、その「審判」の価値が減じるわけではない。筆者は土曜日に期日前投票を選択したが、会場となっている区役所では列が二順して投票まで10分ほど待つことになった。
なので、各メディアにおかれては、一概に「熱がない」という芸のない通り一遍の言葉を並べるのではなく、選挙選を「投票に行こう」と盛り上げる以外で、情報の提供を充分に果たしていたのかどうか、内省が必要なのでは、と感じる。
個人的に愕然としたのが、知事クラスや注目選挙区、さらに与野党幹部の談話のニュースはネットにも掲載されているが、道府県議・市議だと当落選の結果を探して見ようとするのは非常にハードルが高い、ということだ。各選挙管理委員会のホームページでも2014年の衆議院選挙で公開が止まっているところも多いし、誰が当選して誰が落ちたのか、ネットだとなかなか知ることができない。
それでは、各新聞社のサイトは、というと……順番に見ていこう。
読売オンラインの特集ページは、知事・政令市長の当選者の顔写真やニュースのほかに、下部の地図や右側に各道府県の選挙区が列挙されており、そこから投開票の結果がリンクされている。難点といえば、トップページからだと、「選挙」→「地方選」と3つ下の階層になっていて見つけづらいところだが、結果的に一番情報が網羅されている。というか、ここ一択状態です。
朝日新聞デジタルの特集ページ。一見すると読売と似た画面構成のように見えるけれど、選挙結果の掲載は知事・政令市長選のみ。スクロールしていくと、各地域・道府県が選択できるところがあるのだけど、これ「開票結果」でなく「紙面イメージ」になっており、クリックすると各地方版の該当ページを閲覧できる仕組みになっている。……うん、やりたいことは分かるよ。でもね。PCやタブレットだと各投票結果の数字を見るのには非常に見づらいっすよ……。
毎日新聞の選挙ページ。上部にある「地方選」のボタンをクリックすると、日本列島のイメージにリンクが配置されたページが登場する。ここで任意の都道府県をクリックすると……該当地域のニュースが羅列される。詳しい投票結果は分からない。
産経ニュースの統一地方選2015特集は……。記事冒頭に【統一地方選】とあるニュース記事を時系列に並べたもの。うん、タグで生成できる簡単なヤツですね。
政治に対してのアプローチを強めているネットポータルも少なくないが、こと地方選となるとまだまだな印象になる。『Yahoo!みんなの政治』では、国政選挙なみにアンケートやコラムが充実されており、『Yahoo!ニュース個人』オーサーの関連記事へのリンクもある。だが、各選挙区の結果についての数字は掲載されておらず、提供媒体社のニュース頼りになっている。
独立系の政治・選挙サイトの老舗ともいえる『ザ選挙』。この地方選でもコラムやニュース記事は積極的に配信していた。が、各選挙区の中身を見てみると……。
候補者の項目が空欄になっているところが目立つ。政治家・候補者に入力してもらうというサイトの仕組みになっているので、致し方ないところもあるのだけど……。サービスとしての岐路に立たされているのではないだろうか。
このように、今回の地方統一選に限っていうとネットで投開票の結果の数字を詳細に網羅していたのは読売オンラインと、ここでは詳細に見なかったがNHKの特設サイトくらいで、その他のサイトは結果を知るにも不十分と言わざるを得ない、という状態だった。『niconico』では一部の開票速報を生放送で配信していたり(参照)、各地方紙の中には速報を出しているところもあるが、総じて掲載ページまでにたどりつくまで何クリックも経なければいけなかったり、アクセスが良いとは言えない。
各選挙管理委員会からの情報を吸い上げてデータ化していくという作業には工数が必要だし、そこにリソースを割ける社・団体が限られるという事情もあるだろう。だが、選挙選への啓発や、各候補者の主張について発信するのには熱心でも、やはり「誰が当選をしたのか」を報じられていない、というのでは「有権者は冷めていた」という文言も虚しい。個人的には、投開票の数字というデータを活かせないようなメディアが「ビッグデータとか語っちゃうの?w」と思っちゃうし。
どちらにしてもレガシー・ネットに関わらず、メディアが「選挙への盛り上がり」について何らかの発信をするのならば、同じ程度のリソースを使って、投開票の結果を有権者に提供する努力をする必要があるのでは、と考える次第です。