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テレビ局という現代の「女郎屋」

「播州武侯祠遍照院」ブログから転載。
いい記事を発掘してくれたものである。私はテレビをほとんど見ないので、小島慶子という女子アナは知らなかったが、実に冷徹で頭のいい人のようだ。自分自身とその所属する組織の正体について、他の女子アナたちもこうした認識を明確に持っているのだろうか。これこそまさに本物の「意識が高い系」である。もっとも、それも強欲資本主義の奴隷の一員であるにすぎないが。
下に書かれていることを一言で言えば、「テレビ・芸能界に清純な美人などいないよ。みんなビッチなの。ただ馬鹿なビッチと頭のいいビッチがいるだけ」ということになるか。もう一点は「すべて商売だよ」ということだ。
商売だから、その商売に差し障りのある商品は排除する。それが今回の「ホステスの仕事(アルバイト)をしていた経歴のある女子アナ内定者を不採用にした」テレビ局の行為であり、これは実にもっともな行為だと私は思う。だって、「女子アナ幻想を売る」ための商品が、とんだ不良商品なのだから、「こりゃあ仕入れはできんわ」と考えるのは当然だ。しかし、それが裁判沙汰となることで、彼らの商売のインチキ性が白日の下にあらわになったのはお笑いだ。つくづく、とんでもない商品に関わったのが不運だったとお悔やみ申し上げる。(笑)
と同時に、小島アナ(元アナ?)のこの文章で、テレビ局の醜い体質、脂ぎった狒々オヤジたちのど汚い発想や仕事のやり口(まあ、女郎屋の経営者と同じだ)が公表されたことは、テレビ局という存在に対して致命傷とまではいかなくても、大きなダメージを与えかねない。これは実に勇気ある告発だと思うが、彼女が今後どういう目に遭うか、いささか心配である。


(以下引用)



Updated   
2014.11.27 (Thu)
ヤフーニュース より

上記文抜粋
・・・・・・・・・
【小島慶子さん寄稿】女子アナ内定取り消し裁判に「そろそろ本当のことを言おうよ」

「アナウンサーに必要な清廉性」という言葉の謎

 一体、清廉性ってなんでしょう?学生の内定取り消しの理由として「ホステスのアルバイトをしていたから」と言った放送局を批判して、「玉の輿狙いの女子アナのどこが清廉なんだ!」と書いている雑誌もあったけれど、より条件のいい男性を求めて計画的に行動することを清廉ではないというのも、女は無垢で無欲であって欲しいという男の勝手な言い分です。

【詳細画像または表】

 どうやらホステスが問題らしいですね。男に侍(はべ)って酒をつぎ、飲ませて儲けるのがいけない。欲望をやりとりするのは汚らわしい、有名企業の看板娘にはふさわしくないと。

 じゃあ、ええと、看板娘はいいんでしょうか?若さと美しさでお客さんを呼び込むことは同じですが?男性の劣情を利用して金儲けするような女は卑しいと言うなら、テレビ画面の中の人物を隅々まで鑑賞して好き勝手なことを言う人びとの視線も、酒場で酌婦のスカートの奥を想像する男と同じように浅ましいとは思いませんか?そんな野次馬の視線を知りながら、無欲で清廉な人物を演じることもまた、あざとい欲望のやりとりだと思うのですが。

 それとも処女性?まだどこの男にも侍っていない女を侍らせたいという、生娘願望でしょうか。店で客に酒を注いじゃったら、もう俺(放送局)が最初の客じゃないじゃないか、と。いや侍らせたいなんて思っていない、と彼らは言うでしょう。

 でも、女子アナは、タダで使えるみんなの女です。私が会社を辞めるときにある役員にはっきり言われました。「小島にギャラは払えない、女性に値段は付けられない」って。そう、技術ではなく、性別にお金を支払う感覚なんですね。

 女優になるほど美人ではないけど目を引く器用な女子大生を、全国ネットの番組に出してアイドルにしたり、ニュースを読ませてキャスターに仕立て上げたりするのは、テレビ局社員の権限。社員アナは、会社が給料を払っているので番組予算から出演料を出さなくてもいい。芸能事務所とのしがらみもない。どの子を人気者にするかは、起用する側の思惑次第です。「有名になりたい」という欲望を満たしてやるから、空気を読んで言う通りにしろよ。これは光を浴びる人間と、光を当てる人間との権力闘争です。起用する側の人間がどんなに公平であろうとしても、その支配欲は抑えがたいものです。

求められるのは「私は無欲です」と言い張れる演技力

 しかしテレビに出るのに自分の欲望を晒さずにすむのはアナウンサーにとっても都合のいい話です。「人気者になりたい」「頭がいいと思われたい」というダサい本音をお堅い肩書きで覆い隠し、「別に目立ちたいわけではありません。あくまでも会社員として職務を果たしているだけです」という体で、全国ネットの番組に大学を出てすぐに出演できるのです。なんの実績も技術もなく、ただ有名企業の新入社員だというだけで。

 もしも本当に出演することに興味がないのなら、1000倍もの競争率を勝ち抜いて内定を勝ち取ることはできません。むしろ、出たがり屋であることは採用する側もされる側も百も承知の上で、無垢を装い通すことができる能力をはかられているのです。どんなに見え透いた嘘でも「いいえ私は無欲です」と言い張れる演技力こそが、「高度の清廉性を求められる出演者」には必要なのですから。それが女性でも、男性でも。

 そう、ホステスはそのお芝居を売り物にしているからいけないのです。おいおい、無垢を装って金儲けしちゃいけないよ。無欲なふりのお芝居は、ただ雇い主の歓心をかうためだけにするものだ。せっかく、ご褒美に光の当たる場所を用意しているのだから。ってね。

 女子アナという商品は、企業の内輪で消費される若い人たちの象徴です。どれどれ今年の新人は?と品定めして、あの子がいいこの子がいいと論評し、お気に入りには目をかける。懐いたら引き立ててやるから、その恩義を忘れるなよ。毎年毎年、そうやって新入りを値踏みしては、手なずける。ちょっとでも手を離れそうになると、生意気だとか勘違いしているだとか言ってこきおろす。ね?どこの職場にもあるでしょう。みんなが大好きな、若い子いじり。

 ある時、放送局は気がつきました。その内輪の品評会を公開すれば商品になる。若い女と人事という、男が大好きな話題を兼ね備えたアイテムが手元にあるぞ。しかも、使い放題じゃないか!と。それが女子アナブームです。気取ったお嬢ちゃんが実は“おばかさん”なのをからかって、社内の人気者に仕立て上げる。社外から見たら高嶺の花の女の子を、自分たち内輪の人間はいくらでもこきおろすことが出来るんだぜ、という優越感の表れでもあります。

 でもそれは、女性アナウンサーがエリートだと見なされているからこそ成立する見せ物。そう、女子アナに「いかにも高度の清廉性」がないと、内輪ネタの面白みがなくなってしまうのです。元ホステスのアナウンサーではダメなのです。すでに商品化されているものを内輪の理屈で商品化しても、白々しいだけですから。

 このプレイをより見応えのあるものにするためには、女の子がより選ばれた人物である印象を与えることが大事です。視聴者は、自分の職場の新人よりも100倍可愛いOLが、会社員という役割から逸脱しそうになるのを必死にこらえているうちに思わずぼろが出てしまう、というプレイをぞくぞくしながら見ているわけですから。

 名門校出身で、美人で、人当たりが良くて、慎ましくて、お上品な見た目の女の子が、実はもの知らずで無防備で、淫らで強欲なのを露呈してしまうなんて、最高の見せ物だよね!とは誰も言わないけれど、出る人も見る人も起用する人も、みんなわかっているのです。

無垢で無欲な振りをするほど、欲望は暴力的になる

 仕事に不可欠な読みの技術は、プレイの質を高める上でも役立ちます。共演者に頭をはたかれ、視聴者の失笑を買い、調子に乗っているチャラい女「のように見えて、実はプロの読み手」であるというギャップは劣情を掻き立てます。いくらお叱りを受けても「でも読みのプロです」と言えば、なんだか一目置かれてしまう。

 有名企業のお抱え技術者、しかも社を代表したアナウンス(発表)を行う優等生であるという特権は、保険にもなります。内輪ネタを晒して巷の注目を集めておきながら、いざとなったら「いえ、あれは余興で、本業はこちらです」と、高度の清廉性を誇示するためのツールが、アナウンス技術です。アイドル女子アナが中年期を迎えてニュースキャスターに鞍替えするのもこの論法。いえいえ、私もともと知性派だし。あれは若い頃、会社に言われてやってたことですから、って真面目な顔で、渡された原稿を読む。まるで10年前から報道の現場にいるみたいな顔をして。第二幕の始まり始まりです。

 かつてハーフのアナウンサーはいなかった。学生時代にタレントをしていた子も敬遠された。ミスコン女王の経歴は必死で隠した。でも今はこれ、ぜーんぶアナウンサーへの近道です。解禁につぐ解禁。これを機会に、ホントのことを言えばいい。はい、これはぶっちゃけ、欲望のやりとりです。だからこそ「高度の清廉性」を求められるお仕事なのです。それを演じきる技術さえあれば、どれほど出たがりで世ずれていようとも構わない、って。その方がフェアだ。

 満員電車に詰め込まれたサラリーマンも学生も、主婦も子どもも「いい子であれ」って言われて息苦しい思いをしている。その抑圧の象徴が「女子アナ」という記号なんじゃないかと思うのです。もうやめようよ。無垢で無欲な振りをするほど、欲望は暴力的になるものだから。

 

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仙人
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