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殺伐とした競争社会と、「こころ」のある社会

「ギャラリー酔いどれ」から転載。
いい記事である。


「ロシアと日本の接近に功を奏しうるのは両国民の似通う精神性や国民性の近さです。
両者に似ているのは 共同体的集団的なメンタリティーで、
この基盤には 
個人の成功の信奉や社会的な競争に依拠した
西側の個人主義を受け付けない
ところがあります


戦後に出来上がった日本版資本主義がよく社会主義に似ているとされるのは
偶然のことではありません。
このモデルのおかげで日本は力強い中流層と幸福な社会を築きましたが、今、
この日本社会に米国の社会競争、市場原理主義の原則を導入しようという試みがなされ、
これが日本人の大半の反感を買っています


ロシアと日本の政治文化の近似性も特筆すべきでしょう。
ロシアでも日本でも物をいうのは頭ではなく「こころ」です
つまり、選択は時に計算ではなく自分の感情に基づいて行われます。」


まさにその通りであり、いまや「西洋文明の精神」すなわち侵略と略奪の思想、我欲肯定主義、個人主義は世界を汚染しており、それが新自由主義の本質でもあるが、日本とロシアの精神の根本には、それに抵抗するものがある。もちろん、個人主義は個人を強い存在にもするが、それは他人を否定し、他人を押しのける「弱肉強食の思想」「序列社会」に容易に転換されるのである。
上の引用部分でも言われているように、高度成長時代の日本は「世界で唯一の成功した社会主義国家」と揶揄され、しかもそれはほとんど真実だったのだ。それは、所得を平準化する税制、手厚い社会福祉、労働者保護政策などによって可能になった。そして、なぜかある時期からそれらはすべて投げ捨てられ、新自由主義という毒悪な思想が社会に蔓延し、この日本を惨苦の中に投げ込んだのである。それが小泉以降の日本社会だ。すなわち、自民党(とその背後の良心的官僚組織)はかつてこの国に「擬似社会主義」の天国を作り、同じ自民党がそれを壊滅状態にしたのである。小泉はその宣言どおり「日本をぶっ壊」したわけだ。今の自民党は、もはやかつての自民党ではない。


(以下引用)



◆http://japanese.ruvr.ru/2014_11_27/280574524/
ロシアの声 11月 27日
新プロジェクト露日の協力:問題と成功


第2回、D.ストレリツォフ氏、
露日接近を促進する似通う精神性と国民性
ロシア人と日本人は精神的に似ている
このことからロシアと日本は可視的将来に
その関係を前代未聞の高いレベルに引き上げるため、
あらゆる可能性を有している



有名なロシア人東洋学者のドミトリー・ストレリツォフ氏は、
MIA「ロシア・セヴォードニャ」の
アンドレイ・イヴァノフ記者に対し、こうした見解を表した。

「両国間には相互関係のためにまだ使われていない、
実に大きなポテンシャルがあります。
このポテンシャルはまず過去の歴史に深刻な問題が無いことと関連しています。

中国や韓国とは異なり、ロシアは境界線の問題を別として、
日本との間に無理解や歴史的問題を抱えていません


これがゆえにロシア人、日本人は互いを感受する際に感情にとらわれることなく
相互関係の拡大を思慮深く考えることができるのです。

たとえば、これもまた中国、韓国と異なる点なのですが
ロシアは日本との間に20世紀の両国関係について
長年にわたる共同研究を実現化することに成功しました。

ロシア人、日本人の専門家らは一緒になって作業を行い、大きな痛点となるような、
デリケートな問題についても共通言語を見つけることに成功したのです。

これが物語っているのは、取り沙汰されるアプローチの違いや
露日関係の諸問題というのが誇張されたものだということなのです。

歴史的な見地からすると
我々は互いを敵だの、ライバルだのとみなすことは出来ません



露日関係のこれからの拡大を牽引していくのは経済界となるでしょう。
経済には大きなポテンシャルがあります。

それはロシアが日本にとっては原料、資源のサプライヤーとして、
日本製品の大型販売市場として、たくさんの日本の技術を求める国として、
なくてはならないパートナーとなりうる
ことに起因しています。

ロシアは北洋航路をとおり、シベリア横断鉄道をとおり、ロシア領空を通っての
欧州へのトランジット回廊としての大きなポテンシャルを有しています。
ここにも協力の大きなポテンシャルがあります。

将来にむけた戦略合意が必要なのは例えば燃料エネルギー面といった
互いを強く結びつけうる側面です。

たとえばサハリンと日本を結ぶパイプライン敷設計画には
私は常に賛同を示しています。これによってより安定した基盤で、
将来性をもってエネルギー分野の関係を拡大する
ことができます。

ロシアにとってこの契約が実れば、販売市場の多極化のためにも、
また政治的観点からも、これは中国に一方的に依存する状態を抜け出し
日本の地位をアジア太平洋地域におけるロシアの重要な経済パートナーと位置づける
ことを指しますが、そのどちらにおいても重要な意味を持つはずです。

もちろん他の分野でもそれぞれの長所を生かして、
具体的なプロジェクトを拡大する必要性があります。

ロシアは現在の困難にもかかわらず、経済成長の大きなポテンシャルを有しています。
日本でもこれは理解されています。
このポテンシャルは資源だけに立脚したものではありません。
ロシアの人的キャピタルもその生産、科学基盤もそうです。

つまりロシアは日本にとって投資協力の重要なパートナーであり続けているのです。
歴史的経験からこれは証明されています。

なぜなら日本の会社がロシアに開設した日本企業はすべて利益を出しており、
その経済的独立性を証明し、生産を拡大している
からです。

この作業は日本企業になんらかの特恵を与えて、続行しつづけねばなりません。
活動の特殊体制を作ることも一計です。
たとえば経済特別区のようなもの、
まさに日本の資本を誘致する別の形態を設けることもできるでしょう。


政治分野ではなんとしても政治対話を復活させねばなりません。
このノーマルな流れは今年、
ウクライナ危機と対露制裁政策に日本が参加したがゆえに途切れてしまいました。

政治関係、政治情勢の正常化およびリーダーどおしの個人外交の復活に
こぎつけなくてはなりません。ロシアと日本の関係は今、十分に良い状態にありますが、
個人的コンタクトを続け、来年、
なんとしてもプーチン大統領の訪日を実現させねばなりません。

このほか、軍事政治協力、国際政治分野でより多くの可能性があります。

北東アジアの状況は信頼のおける国際安全保障メカニズムを欠いていることから、
露日の相互関係は安定化に貢献し、リスク回避政策の要因になります。

つまり、日本にとって正常な対露関係はこの地域のパートナらと、
第1にこれは中国と韓国ですが、これらの国との関係の平衡をとる手段であり、
これらの国との関係にある問題に釣り合いをとることにつながります


この地域に確固とした安全保障の国際的メカニズムとシステムを作ることは可能です。
これを日本とロシアの参加の元に、
北朝鮮というファクター、また変化する軍事政治バランス要因を考慮し、
中国の拡大も見据えて行うのです。

ところでロシアは、日米の軍事政治同盟は
アジア太平洋地域の戦略的状況の安定化要因であるとして、
これに理解を持って接しています。

そのため軍事面でロシアを日本の敵国とみなしてはいけないのです。

それにロシアは、自分が敵国扱いされないためにあらゆることをやっています。
日本が近隣諸国との間に抱える領土論争でも中立的立場を保持し、
歴史問題でも日本への余計な批判は差し控えています。

このほか、ロシアは集団的自衛権という
新たな安全保障ドクトリンを採択したときも批判せず、
また制裁戦争に参加したときでさえ、日本に対して対抗措置を採ることは控え、
欧州に対して採ったような食料品の禁輸措置などはしかなかったのです。

これはつまり、ロシアは日本との政治関係正常化に絶対的な関心を抱いており、
相互信頼、友愛の雰囲気を生みたいと思っている
ことに他なりません。

これが将来、領土問題の解決にも
露日関係の完全な政治的正常化の条件を作り出していくのです。

ロシアが、制裁にまつわるあれこれに関わらず、日本に対しては好意的関係を保っている
ことは注視に値します。これに対して日本での状況は残念ながらより複雑です。

領土問題やロシアについて
客観的報道を常に心がけているわけではない日本のマスコミのせいで、
対露関係では先入観、偏見が色濃く残っています。

それでも、今日本がある地政学的条件では、ロシアとの正常な関係なくして、
日本は安定も安心感も得られないことを日本人の多くは理解している
のです。

ロシアと日本の接近に功を奏しうるのは両国民の似通う精神性や国民性の近さです。
両者に似ているのは 共同体的集団的なメンタリティーで、
この基盤には 個人の成功の信奉や社会的な競争に依拠した
西側の個人主義を受け付けない
ところがあります


戦後に出来上がった日本版資本主義がよく社会主義に似ているとされるのは
偶然のことではありません。
このモデルのおかげで日本は力強い中流層と幸福な社会を築きましたが、今、
この日本社会に米国の社会競争、市場原理主義の原則を導入しようという試みがなされ、
これが日本人の大半の反感を買っています


ロシアと日本の政治文化の近似性も特筆すべきでしょう。
ロシアでも日本でも物をいうのは頭ではなく「こころ」です
つまり、選択は時に計算ではなく自分の感情に基づいて行われます。

ところで戦後日本にはほぼ一党体制が形成されてきましたが、
これもソ連のシステムを彷彿させるといえます。

私たちが日本人と理解しあうことのできる分野は、
西側の人間とはなかなか理解が得られないような分野であることがよくあります。

たとえば日本人にとってはロシアの詩歌や古典文学は心に近く、
60年代の日本人インテリ層はみんな、これを読んで育ちました。

ロシア人にとっては芥川龍之介や安部公房、大江健三郎、村上春樹の文学は近しい存在です。
こうした作家らは世界に対し一義的な見方をしていません。

私たちが文学、文化で共通言語を見出すことができるというのも、
多くのことを物語っているのです

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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
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