作品賞受賞作として『ラ・ラ・ランド』のタイトルが読み上げられ、壇上に上がった『ラ・ラ・ランド』チームが歓喜の受賞スピーチを始めるも、その後本当の受賞作は『ムーンライト』であることが判明して大混乱のうちに幕を閉じた第89回アカデミー賞授賞式。『ラ・ラ・ランド』の主演女優エマ・ストーンがこの件について、授賞式後のプレスルームで胸の内を明かした。
さぞがっかりしているのかと思いきや、「わたしは『ムーンライト』がマジで好きなの。本当に大好きなの! 本当に興奮しているわ」と絶叫せんばかりに『ムーンライト』をたたえたエマ。「そりゃもし『ラ・ラ・ランド』が作品賞を獲れたら素晴らしかったでしょうけど、わたしたちは『ムーンライト』の偉業にとっても興奮しているわ。映画史における名作の1本だと思うもの」と興奮気味に語った。
この日、授賞式で作品賞のプレゼンターを務めたのは、『ボニーとクライド/俺たちに明日はない』のウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイだ。ウォーレンは「作品賞のオスカーを受賞するのは……」と言いながら受賞作の書かれたカードが入った(とされる)封筒を開けるも、戸惑った様子でフェイに目配せ。しかし、フェイはそのまま「ラ・ラ・ランド」と読み上げてしまった。ウォーレンはその後、舞台上で「何が起きたか説明させてください。封筒を開けました。“エマ・ストーン『ラ・ラ・ランド』”と書いてあったんです」とアカデミー側から間違った封筒を渡されたようだと説明していた。
エマによると、自身が主演女優賞を受賞した際に渡されたカードはずっと手元にあったといい、「蒸し返したいわけじゃないんだけど、自分のカードは持っていたわ。だから何が起きたかわからないの」とのこと。「これってこれまでのオスカーで最もクレイジーな瞬間なの?」と記者陣に問いかけ「Yeah!」と返されると、「最高! わたしたちは歴史を作ったってことでしょ!」と前向きに続けていた。『ラ・ラ・ランド』は作品賞は逃したものの、主演女優賞(エマ)や監督賞(デイミアン・チャゼル)、作曲賞、歌曲賞など最多6部門に輝いている。
ちなみに、この件について『シックス・センス』などどんでん返し映画の大家であるM・ナイト・シャマラン監督は「2017年のアカデミー賞のエンディングの脚本を書いたのは僕だ。(司会の)ジミー・キンメル、僕たちやったね!」とシャレの効いたツイートをして17時現在5万6,000件の「いいね」が付くなど反響を呼んでいる。(編集部・市川遥)