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「ノンフィクション」の中の真実の割合

「混沌堂主人雑記(旧題)」の引用記事で、このホィットニー証言にどの程度の信頼性があるかは知らない(かなり嘘が混じっており、創作部分があると思う。)が、ここに書かれた昭和天皇の「日本人論」は、まさに正鵠を射ているのではないか。
もちろん、敗戦国元首(この時は既に元首ではなかっただろうが)のお前が言うな、という意見はあるだろうが、私はそうは思わない。むしろ、物事を客観的に冷静に見ているのに感心する。
そうした客観性を持つというのが、国家元首の最大の資質だろう。私はプーチンや習近平にもそれを感じるし、西側首脳には誰ひとりとして感じない。後者はすべてイデオロギーで行動し発言している。それはイスラエルに対する言動で明白だろう。

「ホィットニー文書」はレポートであり、いわば「ノンフィクション」だが、戦勝国の官僚が敗戦国の元首に好意的だったとは思えず、かなり事実を捻じ曲げている可能性が高いのではないか。あるいは、日本語を英語にする際の誤解もあるだろうし、筆者の偏見による無意識の誤謬もあるだろう。私は、「ノンフィクションもフィクションの一種だ」と思っている。人間は自分の目で見て耳で聞いたことすら完全な言語化は不可能であり、書かれた文章はすべて創作(フィクション)だと考えていい。
ついでに言えば、私は自分自身すら信じていない。他者に対しては「とりあえず信じて行動する」わけだ。森鴎外の「かのように」の姿勢である。それが「真実であるかのように」行動しないといかなる行動もできない。
少なくとも、私は下記引用文のタイトル(「日本の歴史上これ程卑劣な証言をした男がいただろうか?」)は、硬直したイデオロギーしか感じない。お前(自分)が敗戦国元首だったら、どう行動し、どう発言したか想像してみたらいい。べつに腹を切って自殺するだけが立派な行為ではない。



(以下引用)
04. 2012年7月04日 06:09:04 : J8T00pNT8Y
http://zenkyoto68.tripod.com/kyoikucyokugo01.htm
日本の歴史上これ程卑劣な証言をした男がいただろうか?
ホイットニー文書
【以下がヒロヒトの発言記録(1946・4~6)】
二、三週間前に占領が長く続くべきであるとの希望を述べた根拠を説明したい。日本人の心には未だ封建制の残滓が多く残っており、それを眼こそぎ(夢人注:もちろん、「根こそぎ」の誤記)にするには長い時間がかかるだろうと感じている。
日本人は全体として、自己の民主化に必要な教育に欠けており、さらに真の宗教心にも欠けており、そのため一方の極端から他方の極端へと揺れやすい。日本人の封建的特徴の一つは、進んで人に従おうとする性格にあり、日本人はアメリカ人のように自分で考える訓練を受けていない。
徳川政権は、民は指導者に従うべきであり、そのため忠誠心以外はいかなる道理も与えられてはならない、という論理のうえに築かれていた。かくして、平均的な日本人は、自分で考えることにおいて昔からの障害に直面している。かなり闇雲に従うという本能によって、現在、日本人はアメリカ的な考えを受け容れようと熱心に努力しているが、例えば労働者の状況を見れば、彼らは自分本位に権利ばかりに注意を集中し、本分と義務について考えていない。
この理由は、ある程度、長年の日本人の思考と態度における氏族性に求められる。日本人が藩に分割されていた時代は、完全には終っていない。平均的日本人は、自分の親戚はその利益を追求すべき友人とみなし、他の人間はその利益を考慮するに値しない敵と考えている。
日本人の間には宗教心が欠如している。私は神道を宗教とは考えていない。それは儀式に過ぎず、合衆国では甚だ過大評価されてきたと考えている。しかし、たいていの神道信者は超保守的で、彼らと、神道と超国家主義を同一視していた復員兵とその他の者は、しっかりと結びつく傾向を持っているので、依然として危険な面がある。政府は、信教の自由に関する命令を厳守する立場にあり、現在彼らを取り締まる手段を持っていないために、こうした状況は危険だ。神道を奉じる分子とその同調者は反米的なので警戒を要すると考えている。
http://zenkyoto68.tripod.com/CourtneyWhitney1.htm

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