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墨子の「兼愛」「非攻」の思想

「櫻井ジャーナル」の櫻井春彦氏が、ブログの冒頭に置いた墨子の言葉だが、私も墨子が大好きで、彼(墨子)の主張の根本である「兼愛・非攻」こそが政治のアルファでありオメガであると思っている。
「兼愛」とは「博愛」と同じ。「非攻」は「自分から攻めないこと。完全防御の戦争のみ肯定」。すべての国がこの「兼愛・非攻」を政治の鉄則として遵守したら、地上の天国が実現するだろう。しかし、冨への欲がそれを不可能にする。そこで、墨子は「清廉」をも教えに入れた。つまり、資本主義という、戦争と不可分の思想を最初から否定したのである。物欲の極限の肥大は、他者からの略奪となるのは理の当然だ。

天下兼相愛則治、交相惡則亂(墨子、巻之四)
順天意者、義政也。反天意者、力政也。(墨子、巻之七)
天下有義則治、無義則亂。(墨子、巻之七)

天下は人々が相愛すれば治まり、互いに憎しみあえば乱れる
天意に従う者は義に従って正す。天意に背く者は強制する
天下に義があれば治まり、義がなければ乱れる



ただし、上の訳文には私には少し不満がある。「順天意者、義政也。反天意者、力政也」は、文字通り「天意に従(順)うは義政である。天意に背くは力政である」と読むべきだろう。「者」という字は、「は」という助詞として読めるというのは漢文の初歩であるが、もちろん、「者(もの)」と読んでもいい。しかし、「義政」を「義によって正す」と読むのはかなり無理がある。「政」は「政治」の意味で十分だろう。「力政」もそのまま、暴力による支配の意味でいい。
私にとっての「社会主義(マルクス以前の社会主義)」が「兼愛」思想であり、「憲法9条」が「非攻」思想である。

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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
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