下の記事で分かるように、
ビタミンB₁は水に溶けやすいため、調理のときに失われてしまうことが少なくありません。さらに、摂取しても体に吸収されにくく、吸収された後も体外へ排泄されやすいという特徴があります。そのため、実際に摂取できるのは、元の食品に含まれる量よりもかなり少ないと考える必要があります。このように、ビタミンB₁は非常に摂り入れにくく、身体に蓄積しない傾向があり、不足しやすい栄養素のひとつです。
なのである。つまり、サプリに頼るのが即効性があり確実だということだろう。ここには「摂取しても体に吸収されにくく」とあるが、私の経験ではビタミンB剤の服用は即効性がある。
なお、脚のつりは漢方薬「芍薬甘草湯」も抜群の効果(即効性)があるが、値段を比較すれば、普通のビタミン剤のほうが常習的服用にはいいかと思う。
また、脚の筋肉が減少している老人は、散歩や軽い体操などで脚の筋肉強化をするのもいいと思う。現代人は椅子生活だから、ただでも脚の筋肉が弱いのである。膝関節を直角より大きく曲げる動作をすることもほとんど無いはずだ。(最大が、洋式トイレに座る程度。)相撲の蹲踞の姿勢のできる老人(あるいは若者も)は稀だと思う。
まあ、私のように酒も甘い物も好きという人間を酒も甘い物も嫌い(不要)という人間と同列にはできないので、ここに書いたことはご同輩への忠告にすぎない。しかし、現在のように食品価格暴騰だと、若い人や女性も含め、多くの人がインスタント食品や安いうどんなどに頼るだろうから、この記事は案外万人向けかもしれない。
(追記)これなども、難病でもなんでもなく、入院時は脚気が極度に進行した状態だったのではないか。(「中村さん」は作家の中村うさぎ)
原因も病名もわからぬまま体調は悪化し
── 中村さんは、2013年の9月に「スティッフパーソン症候群」という病名がつき、しばらく入院生活を送られていました。病気を発症した当時の状況を教えてください。
中村さん: 2013年の夏ですね。急に食欲がなくなって、何も食べられなくなりました。手が震え始めておかしいなと思っていましたが、症状が夏バテにも似ていたので放置していたんです。その後、息切れがひどくなり、歩くのもつらい状態になりました。友人の医師に話したら、病院で一度診てもらったほうがいいと言われて、病院に検査にいったところ即入院となりました。
── それ以前は、体の不調などはなかったのでしょうか。
中村さん: 今にして思えば、昔から頻繁に足がつっていたんですよね。でも、当時はかなりヒールの高い靴を履いていたので、「ヒールのせいで足がつるのかな」と思って、あまり深く考えていませんでした。
(以下引用)
脚気(かっけ)ってどういう病気?
全身のむくみや下半身の倦怠感、痺れなどさまざまな症状が現れる
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脚気はビタミンB1が不足して起こる疾患で、末梢神経の障害と心不全(心臓に異常が生じてポンプの役割を果たさなくなること)による全身浮腫(むくみ)を起こします。脚気の初期には食欲不振があり、他に全身がだるく、とくに下半身に倦怠感が生まれます。次第に足のしびれやむくみ、動悸、息切れ、感覚の麻痺などの症状があらわれます。さらに進行すると手足に力が入らず寝たきりとなり、そのまま放置すると心不全が悪化して死に至ることもあります。
現代でも脚気予備軍は増加
脚気は食生活の偏りなどによるビタミンB₁の欠乏が原因
ビタミンB₁の欠乏
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ビタミンB₁は水に溶けやすいため、調理のときに失われてしまうことが少なくありません。さらに、摂取しても体に吸収されにくく、吸収された後も体外へ排泄されやすいという特徴があります。そのため、実際に摂取できるのは、元の食品に含まれる量よりもかなり少ないと考える必要があります。このように、ビタミンB₁は非常に摂り入れにくく、身体に蓄積しない傾向があり、不足しやすい栄養素のひとつです。
食生活の偏り
かつて多発した脚気は、米食が中心だったころには、よく精米された白米を中心とした食事に原因があるといわれてきました。現在、脚気の発症は減っていますが、食生活の偏りがビタミン不足を招き、脚気の発症につながることもあります。
清涼飲料水やインスタント食品に多く含まれる糖質を分解するには、ビタミンB₁が必要不可欠です。そのため、これらの食品を大量に摂り過ぎると、分解にビタミンB₁が使われて体内で不足し、脚気を引き起こすことがあるのです。
アルコールの過剰摂取
アルコールの分解には多量のビタミンB₁が使われます。そのため、お酒を大量に飲むと、ビタミンB₁が不足して脚気を引き起こすことがあります。
ビタミンB₁欠乏症やアルコール依存症が脚気(かっけ)を引き起こす
潜在性ビタミンB₁欠乏症
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ビタミンB₁は、偏食などによって食事から必要量が摂れなかったり、加工食品などによる糖分の摂り過ぎや激しい運動によって消費されたりした結果、不足します。また、白米は玄米に比べてビタミンB₁の含有量が少なく、少ないおかずと一緒にたくさん食べることが続くと、体内のビタミンB₁が不足します。その結果、体のだるさや倦怠感、足のむくみ、動悸、息切れなどの症状が生じます。この状態では脚気の発症ではありませんが、さらにビタミンB₁が不足すると発症の可能性が高まるので、「脚気予備軍」ともいわれています。
アルコール依存症
アルコールの摂取がないと精神的・肉体的にも不安定な状態になり、一日のうちでもアルコール摂取が断続的に続く状態をいいます。常にアルコールのことを考えるようになり、酒量を減らしたり禁酒したりすると、不眠や不安、悪寒、痙攣などの離脱症状があらわれることがあります。酒類を飲むことが優先となるため、食事のバランスが悪くなり、ビタミン不足が起こります。なかでもアルコールの分解に多量のビタミンB₁が使われるため、ビタミンB₁の欠乏が原因となり脚気を引き起こすことがあります。
脚気(かっけ)のような症状が気になるときは適切な検査を受け対処を
医療機関で診察
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脚気かどうかを判断するために、膝の下のくぼみを叩いて足が自然に跳ね上がるかどうかを見る検査方法(膝蓋腱反射)があります。足が跳ね上がらない場合は脚気かどうかの目安になりますが、休んでも体の疲れがとれない、手足にしびれや麻痺などの症状が残るというようなときは、主治医に相談するか、内科、整形外科などを受診しましょう。
ビタミンB₁の欠乏が疑われるときは、注射(点滴)によりビタミンB₁を補います。この補充によって症状はおおむね改善されますが、末梢神経障害を生じている場合はすぐには回復しないことがあります。
アルコール依存症の人に対しては、アルコール依存症および同依存症によって生じた疾患の治療と並行してビタミンB₁の補充治療を行います。
普段の食事や市販薬などでビタミンB₁を補給して脚気(かっけ)対策
ビタミンB₁の摂取
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脚気を予防するには、ビタミンB₁を多く摂ることが大切です。普段の食事で積極的な摂取を心がけ、難しいときはサプリメントや市販薬の服用で欠乏しがちなビタミンB₁を補いましょう。
ビタミンB₁を多く含む食材
ビタミンB₁ | 玄米、豚肉、うなぎ、枝豆 など |
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アリシン※ | 玉ねぎ、にら、にんにく、ねぎ |
※ビタミンB₁の吸収を高める成分
ビタミンB₁は、玄米、豚肉、うなぎ、枝豆などに豊富に含まれています。また、ビタミンB₁の吸収を高める成分であるアリシンが豊富な玉ねぎ、にら、にんにく、ねぎを食材に加えるとさらに効果的です。
市販薬でビタミンB₁を補給
忙しい日々を過ごしているなかでは、食事から意識的にビタミンB₁を摂ることは難しいものです。そんなときは、ビタミンB₁が含まれたドリンク剤やビタミン剤を服用することも考えてみましょう。ビタミンB₁は体に吸収されにくい特徴を持っているので、体への吸収率を高めたビタミンB₁誘導体が含まれている医薬品で補うという方法もあります。
酒類は適量にとどめる
酒類はビタミンB₁を多く消費し、飲み過ぎは食事のバランスを崩しビタミン不足を招くばかりか、アルコール依存症の原因にもなります。日頃からバランスのとれた食生活を心がけ、アルコールの飲み過ぎには十分注意しましょう。
参考
米田誠; 神経治療. 36, 395-98, 2019.
石川欽司; 日集中医誌. 12, 92-94, 2005.