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「災厄の町」推理の結果報告

前回の記事を書いたため、気が急いたのか、「災厄の町」の残りを全部読み終えた。
私の「推理」の結果報告をすると、細部に少し違いはある(たとえば、ジムと「妹」との関係が愛人関係ではなく結婚関係だった、という点。まあノーラとも結婚することでジムは心ならず重婚罪を犯したわけだ。これはキリスト教社会ではかなり重罪、あるいは道徳的に深い罪だろう。何しろ結婚は本来「死が二人を分かつまで」というのがキリスト教の倫理だから。そのアメリカが今や世界一の離婚社会であるのは別の話で、この作品は1940年から1941年にかけての時代の話だ。)が、まあ90点といったところだろう。「手紙」が、偽造ではなく実際にジムが書いたもの(ただし、その殺害予定対象はノーラではなく、その前の妻)という点も違うが、これは別にノーラの偽造としてもさほど変わりは無いと思う。ジムの自筆か偽造か、という点でのクイーンの「正解」は、話を無意味に複雑化しただけと思える。つまり、私の推理の「真犯人」と「トリック」は正解、つまり肝心かなめの部分は大正解だったのである。
ちなみに、この作品のトリックというか、中心的な「謎」は、推理小説の古典であるアントニー・バークリーの「毒入りチョコレート事件」を連想させる。ただし、クイーンのこの作品では、ローズマリーが「うまい具合に」ノーラの持っていた毒入りカクテルを奪い取って飲んだ、という部分が「偶然でしかない」ということを説明していない。つまり誤魔化している。トリックの肝心かなめの部分を説明しない、というのは最低だろう。
まあ、作品を一読しただけで、あとは全体をおおまかに拾い読みしただけだから、私が勘違いしているところがあるかもしれない。だが、自分の推理力はさほど悪くはないな、という自信にはなった。記憶力が悪くなったぶん、分析力や判断力はマシになっている気がする。つまり、枝葉を捨てて幹を見る能力は高くなったようだ。

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