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How the web was woven.

「世に倦む日々」から転載。
私はフランス語はまったくダメなので文脈から推定すれば、(私の受験時代の英文読解は、すべてそれ。英単語を真面目に覚える努力をせず、意味の分かる数少ない単語を足掛かりに全文の大意を推定する、というやり方。人間の言うことなど、いつも似たようなものであるw それで結構いい点を取っていたが、これは邪道であるから受験生や学生にはお勧めしない。)記事冒頭部分は、スローガンが「私はチャーリー(シャルリ)だ」から、「我々は皆チャーリー(シャルリ)だ」に変わった、ということか。
なるほど、fascioである。こうして全体主義は形成されていくわけだ。

今回の記事タイトルは、「エルビス・オン・ステージ」でエルビス・プレスリーが歌った曲の一つ。自分のsoulの中に恋心が蜘蛛の巣のように広がっていった、という歌だが、恋心だけでなく全体主義的思想も蜘蛛の巣のように心に網をかけていくのである。


(以下引用)

NOUS NE SOMMES PAS CHARLIE - シャルリー・エブドの意味と限界

昨日(1/11)の大規模デモ行進を機に、スローガンが"JE SUIS CHARLIE"から徐々に"NOUS SOMMES CHARLIE"に変わっている。"NOUS SOMMES TOUS CHARLIE"と、tous(all)を付けたプラカードや垂れ幕も増えてきた。50か国以上の首脳が集まったことも影響して、テロリストであるイスラム過激派に対して一切の斟酌を許さないという空気が固まりつつあり、 シャルリー・エブドを絶対的正義とする認識が全体を覆いつつある。NYの911テロの発生後も、こんな感じで世界が急速に一つの束(fascio)に収斂して行った。14年前の事態を思い出すと、不穏な予感を覚えざるを得ず、だから敢えて流れに抵抗する意味で、"NOUS NE SOMMES PAS CHARLIE"と反論を返したい。世界の全員が"CHARLIE"ではない。"JE SUIS CHARLIE"のメッセージに共感できない者も多くいる。その立場から、”NOUS NE SOMMES PAS CHARLIE"と、ノンの意思を言挙げしたい。14年前、ブッシュの奸計と扇動によって、世界中の国と人々が、悪であるテロリストの側につくか、正義である米国の側につくか、旗幟を鮮明にしろと迫られた。そして、日本を含む多くの国々が、米国の陣営に与して「テロとの戦い」に参軍させられた。911テロの事件は、悪(テロリスト)と正義(米国)の戦争というような、そんな乱暴な定義で整理できるものではなく、そんな単純な理解で態度を決めてはいけなかったにもかかわらず。

あのとき、NYで惨劇が起きた直後は、問題を「テロとの戦争」の文脈で意味づけるのは誤りで、もっと丁寧に背景を考えるべきだという反論も上がっていた。鳥越俊太郎など左派からは、事件に対する米国側の言説は一方的で、そもそもテロは犯罪であって戦争ではなく、戦争だから一緒に戦えと要求するのは強引すぎるという正論が示され、マスコミ言論の一角で説得的な位置を占めていた。あくまで犯罪であり、刑事事件なのだから、犯人の動機を調べ、裁判にかけ、再発防止に全力を尽くすというのが本筋ではないかと、そういう冷静な議論も最初のうちはあった。だが、史上初めて本土を空襲されて大量の犠牲者を出した米国は、イスラムへの敵視と憎悪でファナティックな排撃論が過熱し、その影響を受けた日本の論壇でも、瞬く間に慎重論は排除され、論壇から一掃され、米国の提灯持ちのマスコミ論者によって「テロとの戦い」の論理で征服されて行った。今、フランスで、欧州と米国と旧英領とキリスト教の国々で、プラカードに掲げられている"JE SUIS CHARLIE"、"NOUS SOMMES CHARLIE"の主張は、14年前のブッシュの唱えた画一化と単純化の論理そのものであり、複雑な事件の背景を捨象し、動機を無視し、内在的な分析と考察を放棄し、それをテロという単純なシンボル言語で処断し、悪魔の仕業に還元しているのと同じだ。"JE SUIS CHARLIE"のスローガンは、被害者であるシャルリー・エブドから事件の責任要素を完全に拭い去り、正義の受難と認める主張だ。

この一面化された主張が、事件発生の直後から一瞬のうちに運動として立ち上がり、マスコミとネットを通じて全世界に伝播し、この事件に対する一般市民の標準的で常識的な対応と態度になってしまった。欧米社会とキリスト教世界の人々は、14年前の慌ただしく忌まわしい画一化の暴論と、杜撰で不毛な敵/味方の切り分けと、「十字軍」に擬したプロパガンダの洪水と、プロパガンダへの盲目的な追随と、その後に犯した錯誤と犠牲を忘却してしまったらしい。不幸な幕開けで始まった21世紀が、10年以上の長い時間をかけて、ようやく狂気から醒めつつあるかに見えていたが、また逆戻りの反動と暗黒に一転してしまった感がある。オランドや各国首脳やパリでデモに参加した市民たちは、「イスラムとテロリストは違う」と峻別論を言い、その論法で"JE SUIS CHARLIE"を正当化するのだけれど、それを聞いたイスラムの人々が、その言葉に本当に納得しているかは疑問だ。中東のイスラムの人々や欧州のイスラム系移民たちは、その「国際標準」の峻別論に表立って抵抗する素振りは見せないし、カメラの前で否定すれば国際社会を敵に回すことになるから控えているけれど、「自分たちばかりに都合のいいきれいごとを言いやがって」と不審に感じているに違いない。シャルリー・エブドの風刺画が迷惑な挑発であるという指摘は、TBSのインタビューに答えたパリのイスラム系移民の女性が正直に証言していた。それが彼らの偽らざる本音であって、内心ではシャルリー・エブドの被害を自業自得だと感じているのは明らかだ。

(以下略)




(追記)先ほど、下の記事を見て、その中の写真のプラカードも「je suis ○○」であるのに気付いて興味を惹かれた。この写真のプラカードがどういう政治的文脈でのものかは不明だが、パリの反イスラムデモ(反テロデモを標榜してはいるが、事実は「反イスラム」だろう。)と同じバック(モサドか)がそこにいることを示しているような気がする。


相次ぐ反ユダヤ主義の暴力、国外移住も視野に フランス

AFPBB News



【AFP=時事】先週仏パリ(Paris)のユダヤ人向け食料品店で起きた銃撃事件をはじめ、反ユダヤ主義的な襲撃事件がフランスで急増している──これらの社会問題がきっかけとなり、同国を後にすることを考えるユダヤ人が増えている。


 50代のポーランド系ユダヤ人男性のローランさんは、もし自分が30歳だったら、フランスを離れてイスラエルに移住しただろうと話す。「私はユダヤ教の教えを実践する敬虔な信者ではないが、一部の人たちは私のことを『イッド(ユダヤ人に対する軽蔑的な呼び方)』として見ているという印象を受ける」。苗字を伏せたままコメントした。


 パリ(Pari)では9日、同市東部のユダヤ人向け食料品店に押し入り買い物客を人質にしたアメディ・クリバリ(Amedy Coulibaly)容疑者が4人を殺害。その2日前には、サイド・クアシ(Said Kouachi)容疑者と弟のシェリフ・クアシ(Cherif Kouachi)容疑者が風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)本社を襲撃し、12人を殺害している。


 フランス史上最悪のこの一連の襲撃事件は、同国の50万~60万人のユダヤ人コミュニティーを大きな混乱に陥れた。


 2012年3月に仏・トゥールーズ(Toulouse)のユダヤ人学校でイスラム過激主義のモハメド・メラ(Mohamed Merah)容疑者が生徒3人、教師1人を射殺した事件をユダヤ人らに思い出させたためだ。


 氏名を公表しないことを条件に取材に応じたパリ北部の食料品店で店長を務める女性は、2013~14年にかけて反ユダヤ主義者による襲撃や脅迫の件数が倍増しており、日々びくびくしながら暮らしていると語った。


 こうした中、同国を離れることを選択するユダヤ人も大勢いる。フランスを離れイスラエルに移住したユダヤ人の数は、2014年に約7000人に上り、前年の2倍となった。


 9日の襲撃事件を受けて、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は、より多くの人々に移住を呼び掛けている。


 不安の鎮静化を目指す仏政府首脳部は、イスラエルと米国に続く世界第3位のユダヤ人コミュニティーを安心させるためにあらゆる努力を行っている。


 マニュエル・バルス(Manuel Valls)首相は、「ユダヤ人のいないフランスは、フランスではない」と述べ、またフランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領も11日の歴史的な反テロを訴えたデモ行進に先立ち、ユダヤ人指導者らと面会しコミュニティーの警備強化を約束している。


イスラエル・テルアビブ(Tel Aviv)北部の沿岸都市ネタニヤ(Netanya)で開かれた追悼式に出席したフランス系イスラエル人ら(2015年1月11日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News© AFPBB News 提供 イスラエル・テルアビブ(Tel Aviv)北部の沿岸都市ネタニヤ(Netanya)で開かれ…

 仏国内のユダヤ系施設を統括する組織代表によると、オランド大統領は、すべての学校とシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝堂)の警備に、警察だけでなく軍隊の投入もありうると述べたという。


【翻訳編集】AFPBB News

















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