いい記事だ。国会に何百人の議員がいようが、安部暴政に何一つストップがかけられない状況では、天皇の「権威」だけが国民を守るのではないか、と私が妄想するのも無理はないだろう。
なお、政治の「権力」と天皇の「権威」を対比する考え方は、偶然だが小沢一郎も同じように考えているようだ。私が小沢のその考えを知ったのはごく最近である。
ただ、天皇は政治的発言をしてはならない、という縛りが(法律上というより戦前の天皇制国家への反省として、政治上の暗黙の了解としてだと私は考えているが)ある。そこを何とか突破する方策は無いものだろうか。それが私の「天皇に『拒否権』を与えよう」という改革案なのだが。下記記事の半ノンフィクション小説では
「私は断じて、加部さんを任命しません。議長から持ち帰って、もう一度、国会で首班指名をやり直してください」
という部分があるそうだ。さすがにこれは戦前の天皇制でなければ不可能な話だが、今の政治(属米政治・極右傾向・民衆虐待)への批判と天皇へのある種の期待が(官僚の中にすら)あるから、こういう場面が描かれたのだろう。
(以下引用)
まあそうですよな。天皇は、原発再稼働反対です。 渾沌堂
上記文抜粋
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天皇が安倍首相の原発再稼働を批判? キャリア官僚による告発小説の衝撃の内容
安倍政権が原発再稼働に前のめりになっている。国会で安倍晋三首相が「(原子力規制委員会の基準に)適合すると認められた原発から順次再稼働を進めたい」と述べたとおり、新基準に合格した九州電力川内原発が今年春にも運転を始める見通しだ。続く関西電力高浜原発にもゴーサインが出た。安全審査申請中の原発は合計14原発、21基にものぼる。
そんな政権の姿勢に水をさすかのように、永田町、霞ヶ関界隈で密かに読まれ、静かな波紋を広げている本がある。『東京ブラックアウト』(講談社)だ。言わずと知れた、ベストセラー『原発ホワイトアウト』の第2弾。現役キャリア官僚の匿名作家、若杉冽による“リアル告発ノベル”である。
前作は「原発はまた、爆発する」という衝撃的な副題のもと、政官財のトライアングルがなぜ原発再稼働に固執するのか、その真の理由を克明に描き出した。端的に言うと、原発再稼働とは、原発によって生み出されるレント(超過利潤)と呼ばれる巨大マネーの還流システム(小説では「モンスター・システム」と表現されている)の再稼働に他ならない。その目的のため、電力会社、官僚、政治家が何を考え、どう行動しているのかを暴き出した。
実際、安倍政権発足後のわずか2年で日本の原発政策は若杉の小説に書かれたとおり(電力会社の思惑どおり)、アッと言う間に「フクシマ以前」に戻ってしまった。
第2弾となる本作『東京ブラックアウト』は再稼働後の苛烈な事故の実際をシミュレートしているのだが、政官界が刮目しているのは、天皇の原発に対するスタンスが描かれたくだりだ。結論を言うと、天皇は原発再稼働には反対なのだという。
〈改めて指摘するまでもなく、今上天皇と皇后両陛下は、東日本大震災の被害に心を痛められている。とりわけフクシマ原発の事故については、美しい日本の国土が放射性物質により汚染され、いまだに一五万人以上の住民が住み慣れた土地からの避難を余儀なくされていること、そして、天から与えられし農作物や畜産物の恵みの多くが、未だ放射能の基準値を超え出荷停止となっていることに、深い悲しみを覚えておられる。(中略)
陛下が私的旅行として足尾銅山の跡地を訪問されたことも、原子力災害を二度と繰り返すことのないようにとの陛下の強い意志の表れである。〉(同書より)
小説には、原子力規制庁長官に就任した警察官僚の井桁勝彦が御所に呼ばれ、天皇と会話するかなりきわどいシーンがある。カギカッコ内は小説に書かれた天皇の“お言葉”だ。
「そろそろ我が国の原子力発電所がまた動き出しますか?」
「……井桁さん、それで、原子力発電所はまた動き始めますか?」
執拗に迫る天皇に、原子力規制庁長官は手続き上の道筋しか答えられない。
「前の民自党政権の四大臣会合のような政治判断は想定していない、ということですね」
「もしも原子力発電所に、フクシマよりも酷い事故があったら、どうやって事故を収めるのですか?」
「原発でフクシマ以上の事故が起きたときに、災害対策本部が立ち上がり、総理が本部長として指揮を執ることが法律には書いてありますね。しかし、結局のところ、いったい誰が責任を持って事故を収めることになるのですか?」
長官は答えられない。それはそうだろう。実はいまの日本の実情では、具体的に誰が事故を収めるのかという根元的なことが決められていない。警察も消防も自衛隊も、協力を要請されることはあっても、暴れ始めた原発に突撃する義務はない。天皇は、この原発事故対策の本質をズバリ言い当てている。
「(前略)じゃあ、誰が事故を収束させるのか決まらないまま、それで再稼働をしてよし、というわけにもいきませんね?」
「……本当の保守というのは、原発の再稼働にこだわったり、経済成長を追い求めたり、ということではなくて、我が国の美しい国土や伝統文化を守る、ということではないですかね? この前、小吹衆議院議長にもお話をしたら、小吹さんはよくわかっていましたけどね」
「小吹衆議院議長」が伊吹文明前衆議院議長をモデルにしていることは言うまでもない。
もちろん、ここに出てくる天皇の言葉はフィクションである。だが、作者の若杉は前作発表後、複数のメディアの取材に答え、自らが政策の意思決定に関わる立場にいることを認めたうえで、役所内で直接、あるいは間接的に見聞きした「真実」を小説として伝えたかった、と語っている。天皇とのやりとりをここまで踏み込んで書いているということは、確実な情報源がいるということだ。元財務官僚の高橋洋一は同書の帯に「この小説は95%ノンフィクションだ!!」と記している。
現行憲法下では天皇は国政に関する権能は有しないとされているが、閣僚や官僚の内奏やご進講の際には当然のことながらさまざまな質問やコメントが発せられる。だが、その発言内容を外部に明らかにすることは天皇の政治利用として厳に戒められている。逆にいえば、天皇と直接接触している一部官僚や政治家は政策に対する天皇の意向を知っている、が、表に出せない。出せるとしたら、フィクション(小説)というかたちをとるしかない。
小説『東京ブラックアウト』が政官界で注目されているのはそのためだ。若杉は小説の形をとって、天皇の原発再稼働反対の意志を国民に伝えようとしているのではないか、と──。
いずれにせよ天皇・皇后両陛下は、安倍政権が進める「集団的自衛権」も「改憲」も反対と考えていいだろう。そして前出の『東京ブラックアウト』によれば、「原発」も、ということなのだろうか。同書には、総選挙後の内閣総理大臣の任命に際して、天皇のこんな怒りの言葉まで記されている。
「私は断じて、加部さんを任命しません。議長から持ち帰って、もう一度、国会で首班指名をやり直してください」
さすがにこの部分はフィクションだろうが、「加部さん」(加部信造)が安倍首相をモデルにしているのは間違いない。
『東京ブラックアウト』にはもうひとつ、政界関係者が固唾をのんだシーンが出てくる。元経産官僚の古賀茂明と首相夫人・加部咲恵の“関係”だ。前作『原発ホワイトアウト』でもそうだったが、すべての登場人物が加部信造(安倍晋三)、小吹善明(伊吹文明)と仮名表記になっているのに、古賀茂明だけはなぜか実名になっている。
その古賀が首相夫人の咲恵と日常的にメールのやりとりをしているようすが描かれているのである。古賀と咲恵は原発問題に関心を持つもの同士として知り合った。咲恵は原発については夫と立場を異にし、慎重な姿勢を表明している。お互いにメールで情報交換するようになり、〈咲恵は密かに、古賀に好意を持っていた〉(同書より)というのである。
これも真偽のほどはわからない。だが、いずれにしても“95%ノンフィクション”の『東京ブラックアウト』が安倍首相にとって極めて忌々しい本であることだけは間違いない。
(野尻民夫)
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抜粋おわり
普通に見ていたら、天皇さんとご一家は、「反原発」なのは明白でしょう。
まあ安倍信三は董卓・ヒトラー・ポルポト並みの悪政をして、不逞の賊徒として殺されて、天皇親政を実現させた忠臣になるのかも知れません。
お読みくださりありがとうございます。
(夢人追記)私の前説で触れた、小沢一郎の「天皇論」である。「阿修羅」の或る記事のコメントの一つにあった。
16. 2015年1月04日 16:50:26 : 3uiL5f7S2Y
新進党時代のある夜、小沢は東祥三さんと六本木に向かっていた。六本木は小沢があまり立ち寄らないエリアだが、東さんと飲む時はそこが多かった。東さんは公明党から新進党に合流し、離党後も自由党に入って小沢と行動を共にしてきた人物だ。
私が運転するセルシオが六本木1丁目の坂に差し掛かると、東さんは言った。
「小沢先生」
「なんだ」
「日本の政治家として一番やってはいけないことはなんだと思いますか」
「そりゃ、天皇制をいじることだ」
天皇は国家の権威を持っている。日本では権力は政治的指導者にある。アメリカでは大統領が権威と権力を兼ねる。たとえば政治指導者がスキャンダルをおこしたとしよう。アメリカは権威も権力も傷がつくだろう。しかし、日本の場合は権威には及ばない。それが日本国を維持させている政体である。であるからには、天皇制にまつわる問題はなにがなんでも原理原則を崩してはならない。だから、小沢一郎は羽毛田氏の「異例発言」を許さない、というわけだ。
「天皇制をいじろうとする人間は日本の政治をおかしくする」
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