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マリの国家首脳がなぜあの位置に?

「晴耕雨読」首藤信彦の記事の一節。
私も、あの黒人政治家が、なぜ一番目目立つところにいて、ネタニヤフと腕を組んだりしているのか、疑問に思った。マリという国にそれほどの存在意義があるというのは奇妙である。(こうした政治家の集合写真における位置関係は世界支配層の家来の中では非常に重んじられ、通常は1アメリカ、2ドイツ3イギリスまたはフランスと決まっている。)また、アッバスという人物自体、イスラエルの第五列ではないか、という疑いは前々から持っている。戦いあっている国同士、上層部はツーカーで、国民だけが殺し合いをしている、ということだ。


(以下引用)



そしてテロと言論攻撃に反対する370万人のデモその先頭をきる各国首脳も参加しての連帯デモ。

オランド大統領の隣にドイツのメルケル首相、近くにサルゴジ元大統領、キャメロンイギリス首相、犬猿の仲のアッバスとネタニヤフが同じデモの列に!...

ではオランド大統領の隣にいるのは黒人の政治家は誰か?

それはマリのイブラヒム・ケイタ大統領だ。

私が何に疑問を感じているかお分かりだろうか?



(追記)上の疑問について調べていて、下記記事に出遭った。「イランラジオ」の記事だが、これほどいい記事があったとは知らなかった。マリの件だけでなく、フランスの二枚舌政治、西側諸国のテロとの戦争の欺瞞など、明快に説明している。少し古い記事だが、政治情勢の根本は今も変わっていない。



フランスのマリ軍事介入、その目的の表と裏

フランスによるマリの軍事介入の影響は、西アフリカの多くの地域や国民に拡大しています。フランス軍の戦闘機によるマリの反体制派への攻撃から数日もたたないうちに、アルジェリアの反体制武装勢力が数百名にのぼる様々な国籍の人々を人質に取りました。人質の中には、西側諸国の人々や日本人もいました。



 


人質がとられた場所はアルジェリア南東部・イナメナスの天然ガス施設でした。アルジェリア軍はすぐにガス施設を包囲し、数日間の衝突後、多くの武装勢力のメンバーや人質が死傷し、この事件は終結しました。


武装勢力は様々な要求を行いましたが、その最も重要な要求は、フランス軍によるマリへの軍事介入の停止でした。フランス政府はマリに軍事介入する前に、マリの反体制派を弾圧する中でフランスに同調させるべく、アルジェリアの同意を得ようと努力していました。しかし、アルジェリア政府はマリの危機がアルジェリアに及ぶのを懸念したために、フランスのこの要求に応じませんでした。最終的にアルジェリア政府は慎重にフランス政府と限定的な同調を行いました。アルジェリアはマリ北部と1400キロにわたり国境線を接しており、マリの最大の隣国です。フランス軍のミラージュ戦闘機とラファエル戦闘機は、アルジェリア上空を通過し、マリの反体制派を標的にしています。


マリは1960年9月22日、長年に渡るフランスの植民地支配の後、独立しました。しかしフランスはその後もこの国の政治経済での影響力を維持し、いまだにマリに多くの権益を持っています。フランスのそうした権益のうちのひとつは、マリの地下資源、特にウランです。マリは1年前から、深刻な政治危機に直面しています。マリの反体制派グループは、同国の北部地域を制圧しています。フランス政府はマリ政府を支援するために反体制グループに対抗し、数ヶ月に渡りマリの隣国やフランスの友好国に軍事介入するための下地を整えることに努めていました。フランス政府ははじめ、フランスの管理の下でマリの戦争をアフリカに広めようとしていました。しかしアフリカ西部諸国の政府はマリの情勢不安が自国に拡大することを懸念し、フランスとの同調を控えていました。最終的にフランス政府自身が、保護下においているマリ政府を支援するため、テロとの戦いという口実を設け、国連安保理の了承を得ず、一方的な政策により、マリに対し軍事介入を行いました。


フランスのこの最近の措置の根源となっているものは、歴史の中で解釈する必要があります。1904年、フランス軍は1800万平方キロメートルの面積をもつマリを植民地化しました。フランスが見た夢とは、マリとそれ以外の地中海南部のアフリカ諸国の豊富な地下資源から利益を得ることでした。フランスはアフリカを収奪する中で、イギリスと競い合っていました。アフリカのフランス植民地はアフリカ西部のベニン、ブルキナファソ、ギニア、マリ、モーリタニア、ニジェール、セネガルでした。


フランスは植民地主義時代、セネガルの首都ダカールからアフリカ・フランス植民地ブロックを形成することを決定しました。しかしフランスはアフリカの植民地が実質的に独立することは望んでいなかったのです。


フランスのオランド大統領がマリへの軍事介入を決定したこと、彼がサルコジ前大統領の軍国主義を踏襲していることを示しています。サルコジ前大統領は、辞任間際にフランス軍をリビアに軍事介入させました。


フランスのマリへの軍事介入は、あらゆる国際条約に反しており、フランスやマリの人々、その近隣諸国の人々に対する大変危険な余波が後からついてきています。フランス国内では、多くの人々がこの措置に反対しています。これについて、フランスのドビルパン元首相の発言は一考に価するものです。


フランスのドビルパン元首相は、回想録の中でマリへの軍事介入計画を正しい考えではないとしています。ドビルパン元首相はフランスの出版物『ディマンシェ』に掲載された回想録で、フランス軍のマリ攻撃を、アフガニスタンやイラク、リビアにおけるここ10年間の失敗と比較し、「フランス政府は歴史の勉強を教訓とすることはできなかった」と述べています。彼はその回想録の中で、好戦主義をウイルス[のようなものである]とし、「アメリカのネオコンがフランスにも影響を及ぼしている」と語っています。また好戦的や精神や、戦争を始めようと先を急ぐ政府関係者に懸念を抱いている、として、「我々は、明確な理由もなく目をつぶったままで戦場に赴き、戦争を行っている」と記述しています。


フランスの週刊誌「ル・ポワン」は、フランスの極右政党、国民戦線の創設者ジャン・マリー・ル・ペンのマリ武力介入への反応について取り上げ、次のように記しています、「我々はサルコジ前大統領時代に、そして社会党の支援を得て、リビアの反体制派武装グループに対して軍事面でも注目に値する援助を行ってきたことを支持した。これは我々の元に帰ってくるブーメランのようなものである。現在、我々はシリアでも反体制派武装組織が勝利することを望んでおり、またマリにおいては反体制派と戦争を行う」。


ジャン・マリー・ル・ペンはフランスのマリへの単独軍事介入に触れ、「この措置においては、我々だけが残るだろう。EUとアフリカにおけるフランスの同盟国がフランスの利益のために動こうとしなければ意味がないだろう。我々は、そのときまでに条件がさらに明らかになるのを期待している」と語っています。


この表明はフランスの代表的な政治家の見解を明白に示すものであり、あたかも多くの問題を物語っているようなものです。実際フランスは利益を生み出す場所では、原理主義者を支持し、利益を生み出さない場所では、アルカイダやテロとの戦いの名目で、これらのグループと対峙しています。アルカイダの名前は、西側が戦争を扇動するための暗号に変わりました。


アメリカのブッシュ元大統領は、イラクやアフガニスタンでの戦争をまさにこの暗号によって開始しました。オバマ大統領にはこの戦争を終わらせると考えられていましたが、実際はまさにこの暗号を用いて、北アフリカから東南アジアまでの地域で大規模な秘密裏の戦争を展開してきたのです。現在まさにこの暗号は、アフリカで新たな戦争が発生する理由となり、イギリスのキャメロン首相がコメントしたように、数十年間に渡って長引く可能性があります。フランスもまた、アメリカと同じように、単独で一方的な軍事措置をとっています。


ヨーロッパの大部分の国々は、フランスのマリへの軍事介入を支持する表明を行いましたが、この支持は政治的な面を多分に含んでいます。フランスの同盟国は、自国の兵士の命をフランスの利益のために危険に晒したいとは思っていません。こうした中で、イギリスはリビアのカダフィ政権に反対してフランスとともに行動しましたが、現在は方針を変更し、マリへの武力介入に直接的に参加せず、フランスの軍事作戦における物資補給のみを援助しています。まさにこうした関係により、南ヨーロッパの国々、とりわけ注目に値する軍事力を持つスペインやイタリアも、フランスに対して外交レベルでの支援と、軍事作戦を技術的に支援するのみに留まっていることを示しています。そのほかのヨーロッパ諸国も、フランスを軍事面で大きく支援し、影響を及ぼすほどの支援を行っていません。


フランスがEU諸国から全面的な支援を受けていないと考えられるのは確かなことです。マリの近隣諸国やフランスの同盟国も、マリには少数しか派兵しないとしています。これらの国々は5000人以上の兵士を派遣する責務を負っています。しかしマリに到着したアフリカ諸国の兵士は、その数を大きく下回っています。


テロとの戦いを名目に軍事介入を行う時代はすでに終わり、もし誰もこのことに気づかなければ、フランスのオランド大統領は他の国以上にこのことを繰り返すでしょう。昨年のフランス大統領選でオランド大統領が掲げたスローガンの一つに、フランス軍のアフガニスタンからの撤退があります。サルコジ前大統領はフランス軍のアフガニスタン駐留が、テロとの戦いとフランスの人々の安全確保のために必要な措置であるとしました。しかし、フランス人兵士数十人が死亡したり、アフガニスタンのフランス軍駐留に同国の人々が不満を持っていたことから、オランド大統領は選挙戦の中でこのテーマを基本的なスローガンとして利用したのです。現在フランス政府は、アフガニスタン政府とタリバンの和解のために、タリバンの代表者を招待しました。タリバンは、ついこのあいだまでテロの象徴であり、フランスの兵士たちはタリバンとの戦いを口実にアフガニスタンに派遣されていたのです。


フランスによるマリへの軍事介入は、この国に情勢不安と戦争を拡大する原因となり、フランス政府の主張とは逆に、この介入はマリの反体制派を掃討することができないばかりか、逆に彼らを戦争に煽り立てることになり、彼らは人質事件などのあらゆる方法を用いることで、フランス軍が撤退するまで、マリの反体制勢力の戦意をさらにかき立てることになるでしょう。











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