忍者ブログ

A層とB層をつなぐ新しいマスコミを作ること

「泉の波立ち」から転載。
記事自体面白いが、私は表マスコミとネットをつなぐ新しいメディアの創出を提唱しているので、その参考にもなる。ここに書かれたこと、つまり、ジャーナリストではなく、単なるウェブ技術者をネット雑誌編集者にするということの愚かしさは言うまでもないが、では有名ジャーナリストを編集長にすればいいかというと、それも私は疑問である。つまり、表マスコミの慣習や常識に毒された人間では、新しいジャーナリズムを創出することはできないだろう、と思う。
私としては南堂氏自身がそういう新しいメディア、あるいはウェブ雑誌を作ってみてはどうかと思う。毎日のように多くの社会事象を検証し、精力的に記事を書く「知的体力」のある人だから、本業の傍ら、そういう副業もできるだろうし、それは社会的に意義があることだ。毒舌家で偽悪家めいたところはあるが、彼自身、リベラル派に近いと私は見ているので、そういうリベラル派のウェブ雑誌編集長には適任だろう。
あるいは内田樹あたり、大学を退官した後の仕事としてそういうウェブ雑誌編集長になるのもいいのではないだろうか。日本には、A層とB層をつなぎ、B層の意識を引き上げる、そういう新しいマスコミが必要だ。



(以下引用)


2013年06月20日
◆ ハフィントンポストはなぜ失敗したか?
 鳴り物入りで始まったハフィントンポストは、どうやら失敗したようだ。ではなぜ、失敗したのか?

 ──

 鳴り物入りで始まったハフィントンポストは、どうやら失敗したようだ。記事を紹介しよう。
 《 「ハフィントン」オープン1か月 アクセス伸び悩み目立つ 》
米有名ブログサイト「ハフィントン・ポスト」(ハフポ)と朝日新聞社との合弁でスタートした「ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン」開設から1か月経ち、失速ぶりを指摘する声が増えてきた。
 サイト開設直後は多くのアクセスを集めた模様だが、5月中旬以降は開設時の半分以下で推移している。
 ヤフーのリアルタイム検索でハフポが話題になった回数を調べてみると、5月15日にはサイト立ちあげ関連の話題で300件以上ヒットしたが、5月25日以降は100~50件。やはり同様の傾向だ。
独自記事ではない外部からの記事の配信が目立つ上に、市況のニュースを大きく取り上げる割には続報が乏しいといった、「ちぐはぐ」ぶりを指摘する声もある。
 「ブログ記事」も目玉のひとつに掲げており、安倍晋三首相をはじめとする著名人を含めて70人以上が参加しているが、実際に更新されているブログの記事数は1日に5本程度だ。
( → J-CAST )
 《 ハフィントンポストとかほんと何だよ 》
 あんだけ偉そうなこと言ってて、あのハフィントンポスト日本版のサイトはなんなんだよ。更新も少なければ記事も「ここでしか読めない」ネタもない、毎日何かあるかと思って訪れちゃった私が馬鹿みたいじゃないですか。
 それにしても、ハフィントンポストこのやろう。期待だけさせてクソみたいなサイト作りやがって。これではネットヲッチの素材にすらなりません。
( → やまもといちろうBLOG )
 では、どうしてこういうひどい状況になったのか? 実際の記事に即して、考察してみよう。

 ──

 (1) 経済
 経済の記事として、次の記事がある。
  → 日本企業のグローバル化は待ったなし
  → ユニクロ「世界同一賃金」が示すのは日本型雇用システムの終焉
 呆れる。ユニクロの社長と同じことを言っている。「グローバル化時代だから日本人が賃下げになるのは当然だ」というふうに。
 しかしこのことが成立しないことは、「為替レート」という概念を理解するだけで簡単にわかる。
 仮に著者の見解が正しければ、円のレートが下がり、途上国のレートが上がり、結果的に賃金水準が近づいていく。ところが現実には、そうなっていない。ということは、先進国では先進国なりに、独自の先端技術によって高い価値創造をなしている、ということだ。
 こんな経済学のイロハもわからないで、さんざん批判されたユニクロの社長と同じことを主張しているんだから、世間知らずにもほどがある。(周回遅れ。)
 
 どうしてこれほど無能な人間が、デタラメな経済論を書いて、掲載されるのか? そのことが不思議だったが、次のページを見て、わかった。
  → ブロガー一覧 (あいうえお順)
 「あいうえお順」をクリックすると一覧が出る。それを見ると、ブロガー一覧が出るが、ひどいものだ。経済学に関する限り、まともな人間は一人もいない。いくらか目立つのは、アゴラや BLOGOS に書いている二流の人間だけだ。そういう無能な人間を、よりによって選択して、あえて書かせている。それも、ユニクロ擁護というような、保守派の理屈を。
 どうせなら、保守派であっても、池田信夫でも呼べばいいのだが、そうすることもできずに、無能な保守派ばかりを呼ぶ。これでは結局、次のようになる。
 「ハフィントンポストは、アゴラや BLOGOS の劣化版である」
 あまりにも馬鹿げている。

 では、どうして、こういうことが起こったのか? 朝日やハフィントンポストは、リベラルが基調なのだから、リベラルな論者を選べばいいのだ。なのに、どうして、よりによって、アゴラや BLOGOS という保守派の論客ばかりを選ぶのか? しかも、保守派のなかでも無能な人々ばかりを?
 それが疑問だったが、編集長を見ると、わかった。
  → ハフィントン・ポスト 編集長にインタビュー
 この編集長の経歴はこうだ。
 東京理科大学工学部経営工学卒業後、ライブドアでポータルサイトの統括、コンデナストで日本版「WIRED」のウェブエディター、グリーで「GREE ニュース」等などを担当。
( → プロフィル )
 一読してわかる通り、根っからのウェブ屋だ。もちろん、政治や社会や経済などの素養は素人同然だ。だから、経済学で何が正しいかも理解できず、単に「アゴラや BLOGOS で活躍している論客を選ぼう」と考えたのだろう。
 これを一言でいえば、「編集機能の喪失」だ。
 ハフィントンポストは、本来は米国のハフィントンポストの真似をしようとしたはずだ。ところがどういうわけか、そこには朝日新聞社の社員のような、政治や社会や経済の素養を持つ人物がいなかった。編集長に素養がないだけでなく、編集部員にも素養がなかった。新聞や雑誌としての編集機能はなくて、単にウェブ屋の機能だけがあった。そのあげく、先人であるアゴラや BLOGOS の真似をしようとした。結果的に、独自の記事はなく、リベラルな記事もなく、保守派のゴミ記事ばかりになった。つまり、アゴラや BLOGOS の劣化版になった。

 ここが最大の「がっかり」の点だ。なぜなら、たいていの人は、次のようなものを期待したはずだからだ。
 「アゴラや BLOGOS と違って、リベラルな見解」
 「優秀な編集部員によって精選された記事」
 現実には、こういうものは現れなかった。その逆に、次のようなものが現れた。
 「アゴラや BLOGOS のような保守派の見解」
 「無知な編集部員によって拾われたゴミ記事」
 その典型が、冒頭のような記事だ。つまり、
 「グローバル時代には、日本人の賃金が途上国並みに賃下げされるのは当然だ」
 というユニクロの社長みたいな見解だ。経済学に無知なユニクロの社長がこういう見解を唱えるのは、「素人の無知」で笑いものにすれば済むが、ハフィントンポストのようなウェブ媒体が同じような見解を堂々と掲載すれば、ハフィントンポストそのものが馬鹿にされるだけだ。
 それが現状である。もちろん、まともな人は、いちいち読んだりはしない。経済に関する限り、ゴミ記事ばかりである、ということは明白だろう。
 そして、その理由は、編集部に人材を欠いていることだ。

 (2) 政治
 ゴミ記事ばかりである証拠として、次の記事も紹介しておこう。これは政治の記事だが。
  → 日本版NIHに期待すること( 2013-06-20 )
 まったく内容稀薄なゴミ記事だ。「グローバルな視点をもて」という一言だけを書いている。具体性が何もない。これを読んでも、何をどうすればいいのか、さっぱりわからないだろう。もしかしたら、何か重要なことを示唆しているのかもしれないが、文章を読んだ限りでは、何も伝わってこない。ゴミ記事の典型だ。

 どうせなら、同じテーマでも、次のような文章を書くべきだろう。
  → 日本版 NIH とバイオクラスター (★)
 読めばわかるように、ここには「何をどうするか」という具体的な提言がある。
 こういう具体的な提言があって初めて、まともな論拠をなる。
 なのに、ハフィントンポストは、有益なブログ記事を掲載しないで、ゴミ記事ばかりを掲載している。まったくひどいものだ。
( ※ 「日本版 NIH 」について話題にするのだから、「日本版 NIH 」という語で Google 検索すれば、いくつかページがヒットする。上記の(★)もかなり上位にヒットする。報道や解説を除いたオピニオンでは、この記事が最上位だ。だから、Google 検索するだけで、有力なオピニオンが見つかる。それを掲載すればいいのに、そうすることすらできず、よりによってゴミ記事を掲載する。……つまり、ググるという知恵さえないことになる。)
 
 では、どうして、こういうひどいことになったのか? それは、次のシステムによる。
 「掲載するブログ記事の筆者を、あらかじめ固定する。すべての優れた論者の記事から精選するのではなく、まず日本人全体の 100万分の1ぐらいに範囲を限定した上で、彼らの記事だけを掲載する」
 こういうシステムを取る。これでは、まともな記事を精選できるはずがない。精選する対象が、もともと全体 100万分の1しかないからだ。これでは、まともな記事を選べるはずがない。
 かくて、上の二つの記事の例からもわかるように、「駄目な方の記事が掲載されて、まともな方の記事が掲載されない」というふうになる。
 記事の掲載システムそのものが、根本的に狂っているわけだ。

 (3) 地球環境
 では、外部の論者から記事を集めればいいのではないか? そう思うだろう。ところが、それはできないようだ。「原則、拒否」という立場を取っているようだ。そのことは、私が次の記事で確認した。
  → 地球環境の変化(緑地減少)を画像で見る (¶)

 この記事は、私はハフィントンポストに「転載してください」というふうに申し出た。ところがハフィントンポストはかなり時間を経てから、「ご遠慮します」という返事を寄越した。ま、そのときは、「興味がないのかな」と私は思った。ところが、それから数日たって、まったく同じテーマで、次の記事(ゴミ記事)が出た。
  → 地球環境「28年の変化」早送りで:Google Earth 動画7選

 このゴミ記事を掲載することは、何重もの意味で、問題点がある。
  ・ Google のページが話題になったのは、日本で 5月10日。
  ・ 私がハフィントンポストに申し出たのも、5月10日の夜。
  ・ なのに、掲載日は 5月14日であり、あまりにも遅い。
  ・ 米国版で 5月09日の記事を、5日遅れで翻訳しただけ。
  ・ 掲載内容は、他サイトが 5月10日に出したものと同様。
  ・ その内容は、Google のサイトのパクリ。独自情報はない。
  
 要するに、「無内容のパクリを五日遅れで出した」というだけの記事だ。完全なるゴミである。(五日前の古新聞みたいなもの。いや、五日前の広告みたいなもの。)
 どうせなら、Google の公開した情報よりもはるかに豊富な情報を、多数の画像(見て楽しい)といっしょに出したページ( → 上記の ¶)を、5月11日の時点で掲載すれば良かったのだ。そうすれば、「内容豊富な情報を、最速で掲載した」というふうになるだろう。このことが米国のハフィントンポストでも話題になって、「日本のハフィントンポストから米国のハフィントンポストへ翻訳される」という栄誉に浴したかもしれない。
 ハフィントンポスト(日本版)は、そうすることができたのだ。なのに、その機会をあえて捨てて、かわりに、ゴミ記事を掲載した。
 なぜか? 理由はやはり、(1)(2) だろう。つまり、
  ・ 編集者にまともな人材がいない
  ・ ブロガーを先に決めて固定している(外部の著者を拒否)
 つまり、自分で自分の手を縛っている状況だ。どんなに優れた記事が寄せられても、自分の立てた原則に縛られて、外部の記事を掲載できない。かわりに、内部で書かれたゴミ記事ばかりを掲載する。自分で自分を慰めて快感に耽っているようなものだ。見苦しい。

 (4) 人類の進化
 それでも、どんなにゴミ記事だらけであったとしても、嘘を書かなければ、まだマシである。
 ところが現実には、嘘を書く。次の記事だ。
  → 「10万年後の人類の顔」を予測(画像)
 簡単に言えば、10万年後の人類は、次の特徴を持つと予想されている。
  ・ 目が極端に大きい。
  ・ 脳が大幅に拡大する。
 書いたのは「計算ゲノミクス」の学者だということだから、勝手にゲノムの進化を想像したのだろう。
 しかし、進化論や生物学を理解すれば、このような進化はありえない、とわかる。詳しい説明は別項ですることにして、とりあえず、私は次のコメントを投稿した。
 たいていの哺乳類は夜行性だが、目が大きくなったりはしない。網膜レベルで光の感度が高い生物はいるが、目を大きくするという適応はありえない。 / また、瞳が大きくなれば、像がぼやける。 / また、こんなに大きな眼球がうまく頭蓋に収まりにくい。 / また、重量からしても、運動のときの慣性のせいで、眼球が目玉からはみだしてしまいそうだ。それを防ぐには神経などの構造を作り替える必要があるが、無理。 / 以上のすべてにより、こんなに大きな眼球は生物学的に成立しない。
 ところが、このコメントは、掲載を拒否された。ま、これが掲載されたら、記事の趣旨は全否定されるから、掲載拒否したがる気持ちはわからなくもない。
 だが、学術的な内容の記事について、「反論を一切拒否する」というのでは、学術的に公正さを欠いていることになる。

 このことから、この記事の趣旨がはっきりとわかる。
 「真偽には関係なく、単に面白おかしい記事を掲載して、受けを狙う。そして、論旨の欠点を突かれたら、その批判を徹底的に無視する」
 つまり、学術的な正確さなんかはまったく無視して、おもしろおかしい話題でウケだけを狙っているのだ。
 この意味では、ハフィントンポストは、虚構新聞やボーガスニュースと同様のものだ、と考えていいだろう。
 また、ギガジンやガジェット通信に似ているとも言えるが、これら二つは、「批判コメントは拒否して、肯定コメントだけを掲載する」というような差別行為はしていない。その意味で、これら二つは、ハフィントンポストほど、うさんくさくはない。

 とにかく、ハフィントンポストのコメントは、承認制であるがゆえに、編集部の操作が入っており、公正さが望めない。どうせならば、はてなブックマークのページのコメントでも見た方がいいだろう。たとえば、これだ。
  → 上記ページ の はてなブックマーク
 
 ここには、批判的なコメントも掲載されている。それを読めば、ハフィントンポストの記事が胡散臭い、ということはわかる。
 一方、ハフィントンポストの記事のコメント欄には、「アニメふうだ」というような、アニメの話題ばかりが掲載されている。ゴミ・コメントばかり。
 記事もコメントもゴミばかりとなり、全体がゴミの山となっている。
 こうしてハフィントンポストは、どんどんゴミのかたまりとなっていく。誰も近づかなくなるのは、当然のことだろう。

( ※ Gunosy か、はてなブックマークか、Vingow でも見ている方がマシだ。)
 
________________________________________

 [ 付記1 ]
 本項では、ハフィントンポストを改善するための提言は、特にしない。
 だが、欠点の指摘は具体的にきちんとやったので、それを裏返せば提言になる、とわかるはずだ。
 だから、いちいち提言の形では述べない。日本語が読めれば、中学生でもわかるはずだからだ。(文章を裏返すだけでいい。)
 
 [ 付記2 ]
 それとは別に、私の当初の期待を述べておこう。それは、こうだった。
 「アゴラや BLOGOS のような保守系限定の論壇ではなくて、リベラルを含めた論壇」
 アゴラや BLOGOS にあるのは、「グローバル時代には低賃金で労働者を虐待するのが当然だ」とか、「企業の利益を拡大することこそ、日本経済を強化する」とか、古臭い保守派の意見ばかりだった。そこにはマクロ経済学の理論はなく、単に「市場原理で状況は改善する」という素朴な素人じみた発想の見解があるばかりだった。
 そこで、まともなマクロ経済学の論拠を出して、安倍内閣や野田内閣の難点を指摘し、さらにユニクロ社長ふうの素人論議も打破する……というようなことを期待したものだった。
 しかるに、現実には、先に述べたようになった。(アゴラや BLOGOS の劣化版になった。)……「がっかり」の一言に尽きる。

 [ 付記3 ]
 ハフィントンポストはせめて、WEBRONZA の論者でも呼べば良かったのにね。現時点では、WEBRONZA の方がはるかに優れている。
( ※ WEBRONZA は、有料なのが痛いので、読む気になれないが。でもまあ、たいした金額ではないので、読みたい人には、有料でも金を払う価値はある。ゴミばかりのハフィントンポスト、アゴラ、BLOGOS に比べれば、WEBRONZA はずっとマシだ。朝日新聞社の社員が編集すれば、ずっとマシになる、という例ですね。)
( ※ ただし、「金を取るせいで失敗する」という商売下手も、朝日らしい。せめて無料記事をたくさん掲載して、読者を集めれば、商業的にも成功しただろうに。evernote や Dropbox だって、無料ユーザーをたくさん集めたから、有料ユーザーが集まる。そのことも理解できないで、有料ユーザーばかりを集めたがるのが、WEBRONZA の商業的失敗の理由。)
( ※ WEBRONZA は、有料記事の前半だけ掲載しているようだが、せめて冒頭に「要旨」を掲載するべきだ。中身もろくにわからなければ、金を払う気になれないでしょうが。「要旨」を見て、「なるほど」と思ったら、詳しい内容を知るために金を払う。……これが正しいあり方だ。今の方式では、単に読者が逃げるだけだ。ホントに商売下手ですね。)




拍手

PR

コーポラティズム対民衆の「不可能」な戦い

「神州の泉」から転載。
現在のアメリカを、近代史の大きな流れの中で捉えた好文章であり、私自身の参考として保存しておく。
もちろん、書かれた内容には私にとって新しい情報や知識は無いが、まとめ方が簡にして要を得ているので、「これからの世界」について私自身が考察(なぜかいきなり「絞殺」と変換された。不吉な!)するためのいい叩き台になりそうだ、と思ったわけだ。

21世紀は「1%対99%」の戦いになるだろうが、それは「コーポラティズム対民衆」の戦いでもある。で、前者の場合は、かつては「資本主義対社会主義(または共産主義)」という明確な対立軸があったのだが、ソ連消滅によって社会主義(または共産主義)は敗北したことになっている。そして、奇妙なことにネオコンなどの富裕層の手下連中が一部の論者にかかると「共産主義者」扱いされるという有様である。(神州の泉氏も「共産主義」に関しては「アナーキスト」や「官僚主義」と区別がついていないように見える。本来の「共産主義」とは別の文脈で「共産主義」というレッテルがネット論者の間で使われているわけだ。もちろん、ここには「共産主義はウォール街が作った」というネット神話が底流しているのだろう。もちろん、レーニンへの欧米資本家の資金援助は事実だろうが、それはユダヤの政治支配手法の基本である「両賭け」か、あるいは単に「帝政ロシア解体」とその後の資本主義化が目的であり、それによって「共産主義はウォール街が作った」と言うのは拡大解釈の度が過ぎるだろう。)いずれにせよ、現在は「共産主義対資本主義」という図式は消滅した、と言えるだろう。だが、「社会主義対資本主義」の戦いはまだこれからも続く、というのが私の見方だ。社会主義と共産主義を同一視する人々には意味不明の話かもしれないが。
さて、「コーポラティズム対民衆」の戦いは、ある意味では「資本主義対社会主義」の戦いよりも困難だ。なぜなら、現代社会では、民衆の生活物資はほとんどが企業から提供(もちろん、有料提供、ということだ)されているからだ。いわば、兵站が敵に抑えられた状態で長期戦を戦うという不可能な戦いなのである。この戦いが本当に不可能か、あるいは勝つ手段がどこかにあるか、というのが私の今後の考察課題の一つになりそうである。まあ、老後のボケ防止のための頭の体操にはなるだろう。


(以下引用)




2013年6月20日 (木)



9・11以降、米国はプルトノミー社会への変移でジョン・ロックの建国精神を放棄した






題名にいきなり、「プルトノミー」とか「ジョン・ロック」という、馴染みのないカタカナを使用して申し訳ないと思っている。

書いている神州の泉自身もこれらの言葉には正直馴染みがない。むしろ、普段は全く意識もせず、考えてもいない類(たぐい)のワードと言ってもよい。

とくにプルトノミー(Plutonomy)なる言葉は、反骨の映画監督・マイケル・ムーアの『キャピタリズム マネーは踊る~』を観て初めて知った。

これは2009年に公開された映画だが、この中に「プルトノミー」という聞いたこともない言葉が出てくる。

それは1%の超リッチな金融寡頭勢力が、95%の底辺層の持つ全財産よりも多い富を占有し、そのことによって独占的に利益を得る社会のことをいうそうである。

映画では、シティバンクが超優良顧客に配ったペーパーに、「現在のアメリカの体制は民主主義ではなくプルトノミーだ」と書いてあったそうである。

つまり、アメリカの金融寡頭勢力は、自分たちが確立した経済的な人民支配体制をプルトノミーなる用語で定義付けていたのである。

プルトノミーという言葉は、ギリシア語で「富」を表す「プルトン」と、英語で経済を表す「エコノミー」の合成語だそうである。

ムーアは、金融寡頭勢力は労働者に対して一片の愛情ももたず、ひたすら金(かね)だけを愛していて、しかも彼らは自分の持ち金だけではなく、貧しい労働者の金にも尽きせぬ食指を伸ばしているという意味のことを言っている。

これは強欲資本主義の行き着いた結果である。富める者はますます富み、持たざる者は搾取されてますます貧しくなっていく。

最悪の二極分化構造ができあがってきたが、これがアメリカ社会の現実である。

さて、次はジョン・ロックだが、彼は18世紀イギリスの啓蒙主義・経験哲学の大御所であり、民主主義の理論的開祖のように思われている超有名人である。

二十歳くらいのときに岩波文庫の小さな文字で書かれているロックの「統治二論」を読んだ記憶はあるが、ほとんど覚えていない。

ただ、これがアメリカ建国精神、つまりアメリカ独立宣言の原理的な思想になっているということはうろ覚えに残っている。

むずかしいことを言うつもりはさらさらないのだが、マイケル・ムーアは映画『キャピタリズム マネーは踊る~』で、じつに重要なことを語っているので、その部分だけをここに紹介する。

現在のアメリカの超格差社会=プルトノミーは、1980年代のレーガン政権時代から続いたフリードマン主義(新自由主義)が社会出力となった総体的な負の結果である。

『やじうまUSAウォッチ』さんの『キャピタリズム マネーは踊る~』に関するとても優れた記事を参照して以下を書く。

ムーアは、アメリカ現下の惨状は、ニューディール政策を始めたルーズベルト大統領最後の演説の思想と全く食い違っていると嘆く。

ルーズベルトは、アメリカ憲法で保障された「幸福の追求」をより具体的に実現するための新しい権利章典の提唱を言挙げした。その演説の要点は次の権利である。以下、上記サイトから転載させていただく。

 ○社会に貢献し、正当な報酬を得られる仕事を持つ権利

 ○充分な食事、衣料、休暇を得る権利

 ○農家が農業で適正に暮らせる権利

 ○大手、中小を問わず、ビジネスにおいて不公平な競争や独占の妨害を受けない権利

 ○すべての世帯が適正な家を持てる権利

 ○適正な医療を受け、健康に暮らせる権利

 ○老齢、病気、事故、失業による経済的な危機から守られる権利

 ○良い教育を受ける権利

この演説の後すぐにルーズベルトは逝去し、この権利章典は実現されなかった。
ここに書かれてあることと、今のアメリカには彼我の懸隔(けんかく)が横たわっている。


この時点から半世紀以上も経って、アメリカという国家そのものは、少数の金融寡頭勢力に簒奪され、アメリカ人のマジョリティは文字通り急速な奴隷化に向かっていて、完全なディストピアに変わり果てている。

ムーアはどうやらこの惨状が、アメリカの国策の変遷というよりも、キャピタリズム(資本主義)の存在そのものにあるのではないかと、強い懐疑を持ったようだ。

神州の泉もまったく同じ感想を持つ。
コントロールの効かない資本の躍動は、人間の生命や環境、国家の多様性を脅かす。

アメリカという国はレーガン政権以降、フリードマン主義の台頭に反比例して国家としての内実を徐々に失い、現在は多国籍企業に母屋を乗っ取られた。
それは人民統治(デモクラシー)から企業統治(コーポレートクラシー)への変貌である。

従って、利潤追求の原理だけを究極的に作動させるだけの、企業のための社会統治原理しか働かない構造ができあがり、そこには肝心の人間の暮らしが存在しなくなっている。

かつては世界中が憧れた豊かさと自由の国は、今や最も貧乏で不自由な国となっている。

企業体が国家を掌握し、人間が完全に疎外された統治構造に変化した結果、そこには人々の幸福追求の空間はすっかり消えてしまっている。

これはルーズベルトが指向した幸福追求の権利とは完全に逆ベクトルである。
それのみか、コーポラティズムはその自己保存本能をますます強めて、アメリカ国民をがんじがらめに弾圧し始めている。

9・11以降、アメリカがテロ対策として敷いた愛国者法(Patriot Act)という翼賛体制は、テロとは無関係に国民の移動の自由や言論の自由を縛るために機能している。

このムーアの話題が、上述したジョン・ロックと何の関係があるのか!?と思われるだろうが、上記に掲げた権利章典の理想はジョン・ロックが「統治二論」で叙述した次の三つの権利をベースに成り立っている。


1、 人はすべて創造主によって平等に創られ、それぞれ譲るべからざる権利を持っている。

2、 政府はこの権利を保障するために、被統治者(人民)の同意によって設けられたものであること。

3、 その自然なる結果として、政府を変更することは人民の権利であること。

(以上の3項目は、岩波文庫のロック著『市民政府論』を訳出した鵜飼信成氏の解説から引用した。)

神州の泉は、メイフラワー号で大陸にやってきた清教徒たちが北米原住民を大虐殺して土地を奪い、奴隷を使役してアメリカを建国した経緯に究極の胡散臭さを見ている。

しかし、それはそれとして、アメリカ建国史にはジョン・ロックの理想を活かそうとした思いがあったことは少なくとも事実である。
しかし当時のアメリカと現在では全く別の世界になってしまっている。

今のアメリカは、他世界を永久に支配・奴隷化して資本の利益だけを求め続ける冷酷な多国籍企業の牙城と化している。

彼らの自己保存・生存欲求は9・11以降、アメリカを完全な監視社会に変貌させ、文字通りオーウェルの「1984年」を実現させてしまっている。

ジョン・ロックの良し悪しは別として、アメリカは彼の理想とは全く異なる、人間不在のモンスター国家に変貌した。

(※推奨 もし『キャピタリズム マネーは踊る~』の概要を知りたければ、『やじうまUSAウォッチ』さんの記事をご覧になっていただきたい。とても正確にこの映画の内容を捉えています。)






拍手

自民党中央執行部と地方議会の乖離

「velvet morning」から転載。拡散、および保存目的であり、解説はしない。
感想を一つだけ。

東京新聞は偉い!






(以下引用)


東京、山梨、大阪を除く四十四道府県議会がTPP交渉参加反対を決議 ― 2013/06/18 19:02





環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加に関し全国の四十四道府県議会が、交渉参加に反対か慎重の意見書・決議案を可決していると、東京新聞でやっています。


以下引用



環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加に関し全国の四十四道府県議会が、交渉参加に反対か慎重の意見書・決議案を可決していることが本紙の取材で分かった。全て自民党および同党系議員が賛成した。同党は参院選公約などでTPPの重要性を訴えるが、足元の地方議員は意見書などをもとに全く違う意思表示をしていたことになる。公約を党本部と地方が都合よく使い分け、二股をかける選挙戦となりかねない。 (中根政人)


 意見書・決議は二〇一〇年十月、当時の菅直人首相が参加検討を表明してから議決が始まった。安倍政権誕生後は二十四道府県が可決。このうち十九道府県は、安倍晋三首相が交渉参加を表明した三月十五日以降だった。


 北海道は、反対の決議と意見書をそれぞれ可決。「米国や豪州との競争力の格差は極めて大きく(TPP参加は)地域社会の崩壊につながる」と政府を痛烈に批判している。慎重対応を求めた意見書のうち、群馬は県産品のコンニャクなどを交渉上の重要品目に位置付けるよう求めている。


 意見書・決議案を可決していないのは都市部の東京、大阪と、交渉上の重要品目でない果物が中心作物の山梨の三都府県だけ。TPP推進を求める議決は一つもない。


 自民党は参院選公約で、TPPについて「守るべきものは守る」とした上で、参加が国益にかなうことを明記する方針。しかし今月四日の党全国幹事長会議では、北海道連や高知県連などが政府方針に強い懸念を示すなど、中央と地方のずれが表面化している。


 今のままでは自民党は参院選で、幹部が公約に沿ってTPPの重要性を訴え、地方議員が意見書や決議に沿って反対を訴えるという、有権者には極めて分かりにくい展開となってしまう。


 日本大学の岩井奉信教授(政治学)は「党本部方針に沿わない意見書に地方議会の自民会派が賛成するのは党内の政策調整が不十分な証拠。中央と地方が食い違ったままでは公約の整合性を厳しく問われる」と指摘している。


<地方議会の意見書・決議> 意見書は、地方議会が国の政策などについて意思をまとめ、議決した文書。地方自治法で、国会や関係行政機関に提出できると定められている。決議も、議会の意思を対外的に示すために行う議会の議決だが、可決した内容を国会などには提出しない。

以上引用

tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013061702000146.html



というわけで、44都道府県が、現実的にTPPに反対しているのです。


しかも、自民党の地方議員が反対している。


それなのに、現執行部が、TPP交渉参加と言う。
安倍や石破は、はっきりと、TPPに賛成であると発言している。
麻生太郎は、日本の水道を民営化し、外資に売り飛ばすとCSISの講演で発言しています。


それで、TPPに反対している人たちを左翼呼ばわりです。











拍手

天皇・皇后の御不例と福島訪問

「阿修羅」記事から転載。(末尾の投稿者感想は余計に思えたのでカットした。)
対談の詳細はよく分からないが、書かれた内容にはある程度の蓋然性があるように思われるので、「思考素」の一つとして備忘的に保存しておく。(長いので、読む人は適当に飛ばし読みをすればよいと思う。)
特に赤字部分にした天皇の御不例(この対談の時点では皇后の健康不安はまだ起こっていなかったのだろう)が数次に亘る福島訪問と無関係ではないという指摘は、多くの人の盲点になっていたのではないか。福島訪問は天皇や皇后ご自身の意思によるものだと私は思うが、国民へのその愛情が仇になったようだ。
(なお、私は尊皇主義者だが、「天皇様」「皇后様」とは書かない。「度の過ぎた」敬語は日本語の欠点であるという考えからだ。敬語そのものはあって良いと思うが、社会的上下関係を明示するのが敬語の主な機能であり、上を傲慢にし、下を卑屈にしがちである。)


(以下引用)


100年後の日本(人口は20%~30%に減少、社会の活力も頭脳も何もかも失う)-バスビー他の対談から (院長の独り言)
http://www.asyura2.com/13/genpatu32/msg/139.html
投稿者 天下万民 日時 2013 年 6 月 13 日 12:23:04: icvBmcVGYoU6M
Fallujah, Fukushima, & the Global Radiation Catastrophe, Part 2から

(前略)

モレ: 2009年に、マレーシアのマハティール博士が開催した戦争犯罪会議に招かれました。私にとっては2回目の参加でした。マハティール博士とは、前マレーシア大統領です。バズビーさんも2007年の会議に参加され、それは素晴らしい発表をなさいましたね。
さて、2009年の会議で私は、「世界の人口および出生率の減少を裏付ける2008年の国連報告書」という発表を行いました。そのとき、国連が独自に出した報告書から二つのグラフを皆様にお見せしました。[編者注:第8図および第10図]
第8図
世界、先進国、開発途上国および後発開発途上国における平均年間人口変化率1950年-2050年
1963年に核実験が終了して以来、世界の人口は減少している。
変化率(傾き)は、すべてのグループに関して同様であり、人口減少の原因が共通していることを示唆している。
人口減少の原因が核物質による環境汚染であることは、第10図が示すように、新たな核技術がもたらされる度に人口および出生率が減少していることからも伺える。
すなわち、大気核実験(1952ー63年)、原子力発電所の稼働(1960年以降現在まで)、チェルノブイリ事故(1986年)、劣化ウラン弾および正体不明の核兵器の使用(1990年以降現在まで)および最小に見積もってもチェルノブイリ事故の300倍に等しいフクシマ事故(2011年)により、人口が減少し続けているのが読み取れる。
Source: UN Report: “World Population Prospects: The 2008 Revision – Highlights”, Fig. 2.
第9図 国連とは矛盾する世界人口増加を示す世界資源研究所のグラフ
世界資源研究所は、1982年に「持続可能性」の概念を広めるために設立された研究所で、世界銀行および他の国際金融機関の出資を受けている。
同研究所には、ロックフェラー財団、オープンソサイエティ財団(ジョージ ソロス)および中央情報局関連の財団など、多くの財団が資金を提供している。
また、ゴールドマンサックス、ウオールマート、ウェルズファルゴ銀行、富裕な個人投資家、石油会社も資金を提供している。
同研究所の役員会には、新世界秩序の行動計画を広める「グローバルセールスマン」が名を連ねている。(例えば、元米国副大統領のアル ゴア氏や原子力産業関連者など。)
世界資源研究所は、明らかに新世界秩序の行動計画にもとづいており、人口過剰、人口削減、原子力エネルギー、気候変動などについて喧伝することにより、グローバル支配を目指すエリートの利益に寄与している。
Source: World Resources Institute
第10図 世界、先進国、開発途上国および後発開発途上国における合計特殊出生率の推移1950年ー2050年
1963年の部分的核実験停止条約により、10年にわたったイギリス、アメリカ、ソビエトの大気核実験が終了したが、この国連のグラフは、同条約締結後に出生率が大幅に減少したことを示している。
また、イラク戦争(1990年ー2000年)での劣化ウラン兵器および正体不明の核兵器の導入に伴ってさらに出生率が減少したことをも示している。
2011年のフクシマ事故は、世界の出生率および人口に関して大量殺戮的かつ無差別的な影響を与えたが、いまだにその影響の規模は未知である。しかしながら、過去に判明した核汚染の影響を遥かに上回るであろう。
UN Report: “World Population Prospects: The 2008 Revision – Highlights”, Fig. 3.
これらのグラフは、1986年以降、世界のすべての国や地域において、人口も出生率も減少していることを示すものです。
これらのグラフをお見せしましたら、会場からかなりの反響がありました。皆さん、「えっ?国連は、人口が急増していて爆発しそうだと言っていたじゃないか!?」と仰るわけです。
でも、驚くことに国連が独自に出した報告書や統計は、すべての国や地域で人口や出生率が減少していると示しているのです。いいですか、国連の統計がそう言っているのです。そして、私が何より驚いたのは、先進国の人口および出生率が最も減少していることでした。原発がない発展途上国より遥かに多くの減少ですし、世界の平均と比べても多くの減少を示していたのです。
フェッツア博士: 先進国より発展途上国の出生率が高いのは、一世帯当たりの子供の数が多いということじゃないのですか。
モレ: 原発立地地図をご覧ください。すべての主要先進国にほとんどの原発が建てられています。日本、アメリカ、カナダ、そしてヨーロッパ..
第11図 世界の原子力発電所の立地図
ロンドンのシティの銀行家は、原子力エネルギーを支配し、原子力は最も安価なエネルギーかつ地球温暖化の解決策であるとして、贈賄と欺瞞にまみれながら推進してきた。
現実には、原子力発電は最も高価な発電方法であり、各国政府の助成金と税金が投入されている。また、ライフサイクル全体を通した温室効果ガスの排出量は最大である。
原子力エネルギーは、世界の公衆衛生および環境の健全性に多大な影響を与えており、国際社会および環境にはその影響に対処するだけの余力はない。
Source: “The Madness of Nuclear Energy”, The Ecologist 29/7 (November 1999), back cover.
フェッツア博士: つまり、原子力に何らかの形で関わっているために地域が汚染され、人口や出生率が減少したということですか。
モレ: その通りです。
フェッツア博士: では、原子力エネルギーは、もともと有害で回避されるべきであったというのですね。これらの国々は、原発周囲の人々の健康や繁栄を度外視して金儲けをしたがる産業界からの働きかけを拒否すべきだったということですね。
モレ: ええ。そして、これら2つのグラフ(第8図と第10図)から読み取れることは他にもあります。
一つには、核実験が非常に深刻な影響を及ぼしたために、人口や出生率が減少したということです。そしてもう一つは、チェルノブイリ事故で、人口や出生率がさらに大幅に減少したし、その後のイラク戦争、アフガニスタン戦争、ユーゴ紛争も人口や出生率の減少に拍車をかけたということです。
このように世界的に起きている人口や出生率の減少は、環境汚染に起因するものです。先進国における人口変化率および出生率を示す曲線はもともと緩やかでした。ですから、急激な減少を示してはいません。しかし、先進国以外のすべての地域に関する減少曲線は、みな一様ですし、急な傾きを示しています。そして、減少傾向は世界的に見られます。それゆえ、人口や出生率の減少は、環境汚染が原因だと言えるのです。
フェッツア博士: バズビーさん、何か付け加えたいことがありますか。
バズビー博士: まあ、人口や出生率の減少の理由の一つは、核実験が行われていた時代に放射能降下物により被爆した男女が、1986年頃から子供を産むようになったということもあるでしょう。
第12図 大気核実験による放射性降下物 1952-63年
「雲の下で 核実験の10年」より引用した放射性物質の降下状況を表す地図。
この地図から、ネバダ核試験場で1200回行われた核実験の影響が見て取れる。
2002年アメリカ政府は、1958年から1963年にアメリカに居住していた全ての人が核実験による放射性降下物に曝されたと認めた。
現在、アメリカでは、放射能の影響と思われるガン、心臓病、自閉症、糖尿病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ぜんそく、ぶらぶら病、新生児の甲状腺機能低下症、肥満、学習障害が蔓延している。
また、アメリカの子供12人に1人に障害がある。
Source: R. L. Miller, “Under The Cloud: The Decades of Nuclear Testing” (1991). D.V.Conn “U.S. Counts one in 12 children disabled”, Washington Post (6 July 2002).
これまでに行われた調査から、1959年から1964年までに産まれた人は、他の時期に産まれた人に比べると、骨の中にストロンチウム90とウランを非常に多く持っていることがわかっています。
また、この時期に産まれた人は、60年代に被爆した結果、遺伝的な損傷を受けたこともわかっています。そして、80年代になって子供を持つようになったとき、その人達から産まれた子供は、「F1」(雑種第一代)というか「Fallout 1」(放射能降下物による被爆を受けた親から生まれた第一代)となったわけですし、子宮内で亡くなった子供もずっと多かったでしょう。
13図 核の時代におけるアメリカの新生児の健康悪化 1945年ー1996年
図1 アメリカにおける乳児死亡率 1935年ー96年
1935年に乳児死亡率が減少に転じて以来、妊婦の管理と啓蒙が功を奏して乳児死亡率は一貫して減少してきた。しかしながら、1947年に始まった核実験時代において、乳児死亡率は大幅に増加した。
スターングラス博士の見積もりによれば、低線量であっても、胎内にいるときから大気中に拡散された放射性物質の電離放射線に被ばくしたことで100万人を超える乳児が死亡した。
イギリスの放射能の専門家であるバズビー博士は、日本のエアフィルターに付着した放射性物質を計測することで、フクシマ事故で拡散された放射性物質の見積もりを行った。
同博士が見積もりのさいに参照したのは、1963年にイギリスのハーウェルにある放射線研究所による計測値である。同研究所は、放射能物質の拡散量が最大時の濃度を計測した。
バズビー博士の見積もりによれば、フクシマ事故により拡散された放射性物質は(2011年8月現在)、1963年にイギリスで計測された濃度の1000倍であり、チェルノブイリ事故の300倍である。
Source: J.M. Gould, E.J. Sternglass et al, “U.S.A. Newborn Deterioration in the Nuclear Age, 1945-1996”, Radiation and Public Health Publications (1998). This was presented at the International Congress on the Effects of Low Dose Ionizing Radiation in Childhood and Youth, in Medicine, Industry and Environment in the Workplace, March 19-21, 1998.
1963年にスウェーデンのルーニン博士が行った調査がネイチャー誌に掲載されました。ルーニン博士は、ネズミを使って実験を行いました。あるグループの雄のネズミにストロンチウム90を注射し、その直後に雌のネズミと交尾させました。これら雌のネズミは妊娠し、妊娠中期まで妊娠を継続させました。
その後、雌ネズミを殺し、胎児の死亡数を数えたのです。その結果、ストロンチウム90を注射された雄ネズミと交尾した雌ネズミの胎児の死亡数は、コントロール群の死亡数より著しく多かったのです。
セシウム137を注射された雄ネズミと交尾した雌ネズミの胎児の死亡数は、コントロール群とさほど差はありませんでした。このことから、1963年頃に生まれた女性の妊娠のさいに胎児の死亡が増加したのではないかと思います。1963年が核実験のピークだったと思いますからね。
このような放射能の妊娠出産への影響は、モレさんの仰ることと辻褄が合いますし、チェルノブイリ後に見られた現象とも整合性が取れます。もちろん、チェルノブイリ事故そのものが、核実験と同様な影響をもたらしたわけではありますが、チェルノブイリ事故の影響だけではありません。
そして、北半球で出生率の過去最大の減少が見られたということも、放射能の影響で説明できます。北半球でほとんどの核実験が行われたからです。
第14図 大気核実験による世界的な糖尿病の増加
特定の狭い地域(ニューヨーク市)、特定の広い地域(アメリカ)そして世界における糖尿病の増加を見れば、核実験の人間の健康への影響を読み取れる。
世界の糖尿病地図は、明らかに放射能降下地図と重なっており、放射性物質がジェット気流とともに基本的に西から東に拡散したことが明らかである。
Source: N.R. Kleinfield “Diabetes and Its Awful Toll Quietly Emerge as a Crisis”, The New York Times (9 January 2006)
大規模な核実験による放射能降下物の拡散地図をご覧になれば、放射性物質のほとんどが北半球に拡散されたことがわかります。そして、最大規模の核実験が行われたのは、旧ソビエトであるロシアのノバヤゼムリャでした。このメガトン規模の実験で、南半球よりも北半球がずっと多く汚染されました。このように放射能汚染が出生率減少の原因であると説明できるのです。
モレ: もちろん、放射能ですよ。そして、311の後に出されたアメリカ疾病予防管理センターの報告を参照しながら、アメリカの地域別の過剰な死者数を調査しました。そして、放射能汚染が死者数を増加させるという現象が見られました。
3月11日から9月3日までの死亡率が上昇しており、通常より3万4千人が多く亡くなっていたのです。この死亡者数には、フクシマ事故による赤ちゃんや胎児の死亡数は含まれていません。この3万4千人という数字は、過去の死亡率では説明できない過剰な死者数なのです。
第15図2011年3月11日以降の過剰な死者数
アメリカ疾病予防管理センターが発表した2011年3月13日より同年9月3日の期間における統計によれば、アメリカのすべての地域で死亡者数が著しく増加し、その数は例年に比べて過剰といえる。
このようなアメリカ全土で見られる急性死は、週を追うごとに増加しているが、その原因は日本のフクシマ事故による環境汚染以外に考えられない。
乳児死亡数も増加したが、この地図の統計には含められていない。
Source: Bobby1, “Post-Fukushima Excess Deaths in US Updated for Sept. 3”
さらに、年齢別の死亡率増加を考察したときに興味深いことがわかりました。
今日65歳以上の人は、第二次大戦終了時以前に生まれたので、子宮内で電離放射線による被爆を受けていません。その人たちの死亡率の増加を見ると、ある地域は3.6%増だったのに対し、別の地域では8%増という違いがみられたのです。
3.6%増だった地域は、西海岸の太平洋沿岸地域でした。一方、8%の増加が見られたのは、カナダ国境からメキシコと国境までの山岳地帯にあるネバダ州、アイダホ州、コロラド州、ニューメキシコ州、アリゾナ州、モンタナ州、ワイオミング州などでした。これらの州がいずれも山岳部にあることから、放射能による環境汚染は、天候と地形に左右されることがわかります。
フェッツア博士: それに、山岳地帯では、特定の大気汚染物質も蓄積されやすいですよね。
第16図 2011年9月日現在のフクシマ事故による死亡率増加
左図: 月ごとのフクシマによる過剰な死者
右図: 過剰な死者の地域および年齢区分
電離放射線による度重なる被爆の積算効果が、若年層の死亡率増加に現れている。
Bobby1, “Post-Fukushima Excess Deaths in US Updated for Sept. 3”
モレ: その通りです。そして、山岳地域のほとんどの州における高齢者の死亡率は、実は、若い世代の死亡率より低いのです。第16図を参照してください。
太平洋沿岸地域、山岳地域、東北中部地域における死亡率を見てみると、45歳から64歳のグループの死亡率の方が、65歳以上の高齢者グループの死亡率よりも高いのです。65才以上の高齢者グループは、胎児のときに電離放射線による被爆を受けていません。でも、45歳から64歳のグループは、核実験や原発からの放射能に被爆しています。
そして、もっと驚いてしまうのは、西南中央部地域における25歳から44歳のグループの死亡率の増加です。18.7パーセントです。この数字は、65歳以上の高齢者グループの死亡率の3倍ですし、大気核実験による胎内被爆を受けた45歳から64歳のグループの2倍から3倍です。
西南中央部地域とは、オクラホマ州、アーカンサス州、テキサス州、ルイジアナ州です。テキサス州には、多くの軍事基地があります。テキサス州からは、中東や中央アジアに多くの兵士が派遣されました。彼らは、戦地からテキサス州に戻ってきたのですが、あまりにも病状が重くて軍隊に戻れないのです。それで、彼らは、基地のまわりで生活するようになります。自分がかつていた基地のまわりに住んで、障害者手当を受けるためです。そして、25歳から44歳のグループにおける死亡率の増加が18.7%というのは、電離放射線への度重なる被爆および数世代に渡る被爆ということによってしか説明できないと思います。
フェッツア博士: 積み重なった影響というわけですね。
第17図 日本の主たる死因 1899年から2003年
1945年までの日本の主な死因は感染症であったが、抗生物質によりおおかたの感染症は撲滅された。
1945年に広島と長崎に原爆が投下され、第二次大戦後の日本の主たる死因に原子力技術の影響が加わった。積算的な被爆で脳血管疾患、ガン(緑色の線)、心臓病による死亡数が増加し、主たる死因の感染症に取って代わった。
Source: Vital Statistics of Japan 2004, Ministry of Health, Labour and Welfare, Vol.1, p.67, Fig.4.
モレ: その通りです。
フェッツア博士: バズビーさん、フクシマについて討論するまえに、なにかお話になりたいことがありますか。フクシマに関しては、モレさんの最近の調査についてお話を伺ってから、バズビーさんの新しい本についてお話頂こうと思っているのですが。
バズビー博士: ええ、まあ、このような集団に現れる影響に関して、大筋で同意します。以前、モレさんの乳がん患者集団についての考察を聞いたことがありますからね。
そして、5年ごとに区切って見ると、集団に現れる影響がさらにはっきりとわかります。第17図を参照してください。つまり、電離放射線に多く被爆した女性が乳ガンになる可能性が上昇しています。そして、もちろん、電離放射線に被爆しなかった年配の女性の乳ガン罹患率は低いです。このように、かなり明確に違いがわかるのです。
そして、このグループの女性は、年齢を重ねながらガン年齢へと移行していきます。そうしますと、核兵器から放射性物質が大量に大気中に放出されたころに生まれた人たちに、ガンが多く発症するだろうと思います。
私が心配しているのは、このような研究を誰もしていないということです。もちろん何百万ドルや何百万ポンドもの資金が投入され、ガンや他の疾病の原因についての研究は行われています。でも、誰もこれらの研究の方向性を見ることが許されていないのです。研究の出発点やその方向性を考慮することが許されないというのは、とてもおかしなことです。そして、誰かが何かを言おうものなら、すぐさま片隅に追いやられ、笑い者にされるのです。
フェッツア博士: 今、私たちが話しているのは、高齢者のガン発症率の増加と若年層の出生率の低下が世界の人口の減少を引き起こしているということですよね。
バズビー博士: そう、その通りです。ガンだけではないのです。放射能が全面的な影響を及ぼして死を引き起こすことは、皆よく知っています。そして、事実、このことは非常に重要な観察です。なぜなら、もし心臓麻痺で死んだとしたら、死因はガンとはならない からです。
そのため、これまでに被爆者グループに関する遡及的調査が行われましたが、ガンによる死ではなかったと片付けられたことが多くありました。被爆者グループにおける人たちは、ガンを発症するであろう年齢に到達する前に亡くなっていたのです。
フェッツア博士: とても重要なことですね。鋭い分析です。
バズビー博士: ついでに申せば、このことは、核実験に参加した兵士達についても特に当てはまります。私は、今、イギリスで核実験に参加した兵士に関するいくつかの大きな訴訟に関わっております。
実験参加兵士に関するいくつか調査が行われました。そして、ラジウム夜光塗料に被爆した人たちについての遡及的調査、および、なんらかの治療でトロトラストを注入された人々についての遡及的調査も行われました。
[編者注: トロトラストは、X線照射に際して鮮明な画像を得るために体内に注入された二酸化トリウムのこと。]
そして、これらの調査結果を詳細に見ますと、常にガンの調査となっていて、研究者達がこれらの人々におけるガンの発症を見ようとしていることがわかります。実際は、これら調査対象となったであろうはずの人々は、ガン年齢に到達するどころか、調査が始まるずっと以前に亡くなっている場合が多いのです。つまり、調査対象群にはバイアスが入っていて、正しい調査とは言えないのです。
フェッツア博士: モレさん、フクシマに関する話題に移るまえに、このことについて何か仰りたいことがありますか。
モレ: いえ、結構です。
フェッツア博士: では、最近のフクシマについてざっと概観してください。そして、フクシマ事故の影響と日本の人口についてもお聞かせください。人口問題については、すでにお話しになりましたが、フクシマの影響で日本人の消滅に拍車がかかったのではないでしょうか。
モレ: 1月30日付けデイリーメールオンラインには「今後50年で日本の人口は30%急減」という記事がありました。2060年までに、現在1億2800万人の人口が8700万人未満になるというのです。32%の減少です。もう一つ驚くことは、この人口減を語る場合、日本の人口の多くが65歳以上であるということです。引退した人々が人口の40%を占めるということです。
フェッツア博士: 死亡者数の40%が65歳以上ということですか。
モレ: いいえ。人口の40%が65歳以上ということです。
フェッツア博士: わかりました。
第18図 ベラルーシの人口指標 1950年から2004年
核実験により放射性物質が拡散されたが、1986年のロシアのチェルノブイリ事故により放射性物質がさらに拡散されたために、周辺国であるウクライナおよびベラルーシは、より深刻な汚染を受けることになった。
事故の影響は、5年以内にすでに深刻であり、死亡率が上昇を続ける一方、出生率は下降の一途をたどった。
このことから、フクシマ事故が日本、北アメリカの一部の地域、そしてヨーロッパにさえ深刻な影響をもたらすことが予測できる。これらの国や地域は既に、大気核実験、原子力発電所、劣化ウラン兵器、戦場(イラク戦争、ユーゴスラビア紛争、アフガニスタン戦争)で使われた正体不明の核兵器から拡散された放射性物質で汚染されているが、フクシマ事故でさらに深刻な影響を受けると思われる。
Source: Prof. Y. Bandashevsky, “Non cancer illnesses and conditions in areas of Belarus contaminated by radioactivity from the Chernobyl Accident”, Proceedings of ECRR Conference, Lesvos, Greece, May 5-6, 2009, Fig. 4.
モレ: それで、今、日本で何が言われているかというと、バズビーさんと私が話してきたこととまったく同じです。出生数が死亡者数を下回るのです。出生数が非常に少ない。それで、日本は年金基金や膨張する社会保障費について懸念しているわけです。社会保障費は、毎年、1兆円ずつ増加していると言われています。でも、日本は社会保障費の増大を心配している場合ではなくて、日本人が生存していけるのかどうかを心配すべきだと思います。
フェッツア博士: 日本は、島国ですからね。遺伝的浮動に関して言えば、外界との交流が少なくて比較的孤立した集団ですから、フクシマ事故による放射能汚染の遺伝子への影響は広範囲でみられるようになるでしょう。一部の人々はすでにフクシマ事故により、急性の遺伝的影響を受けていますし、汚染が拡大するにつれ日本人すべてから遺伝的影響が見られることになるでしょうね。
モレ: 日本の去年の出生率は、1.39でした。日本の人口を維持するには、2.08人でなければなりません。
フェッツア博士: そうですね。
モレ: その上、今回の事故で大量に被爆しましたから、日本人の出生率は、今後、確実に減少の一途です。
フェッツア博士: では、今から100年後に、日本の人口は、現在の人口の20%から30%ぐらいになりますかね。
モレ: そうでしょうね。 そして、遺伝子に多大な損傷を受けていますよね。だから、死亡者数をいくぶんか補うようにして生まれる若い世代は、精神的に障害を持っているでしょうし、それゆえ生産性や社会の活気も衰えてしまうでしょう。文化というのは発想力にもとづいて形成されますからね。50年後または100年後に、人口全体の頭脳が損傷を受けているなら、一体、何が残るというのでしょう。
第19図 降下するアメリカ大学進学適正試験の点数 1952年から1994年
アメリカの大学進学適正試験(SAT)の点数は、1945年に生まれた生徒(グラフの線に添って記載されているのは出生年)の480点から、1963年生まれの生徒の425点へと大幅に下がった。
1963年はアメリカの核実験のピークであった。アメリカの高校生達が受けたSATの点数は、1945年から1963年に12.5%下落したが、その後、回復することはなかった。大気核実験に取って代わって原子力発電所が放射能汚染を続けたからである。(1)
世界保健機関の世界調査によれば、アメリカは世界で最も精神病を患うものが多いのだが(26%)、それは核時代の負の遺産の一つといえるだろう。(2)
Source: (1) Sternglass, E.J., S. Bell, “Fallout and SAT Scores: Evidence for Cognitive Damage During Early Infancy”, Phi Delta Kappan, April 1983, pp.539-545; and (2) “Prevalence, Severity, and Unmet Need for Treatment of Mental Disorders in the World Health Organization World Mental Health Surveys, The WHO World Mental Health Survey Consortium, Journal of the American Medical Association (JAMA), Vol. 291 No. 21, June 2, 2004: 2581-2590.
フェッツア博士: 恐ろしい話ですよね。日本は、自動車、電子工学やテレビといった分野だけでなく、広い分野で創造性と技術力に優れていた国ですからね。私もですが、アメリカ人は、東芝のテレビを欲しがっていましたよね。「メードインジャパン」のファンだった。
モレ: 日本の文化は、伝統的に創意工夫に富んでいて、創造性豊かでした。社会の活気たるや、目を見はるものがありましたよね。
私は、2000年以来、日本全で20回講演会を行いましたが、その度に、日本はもともと技術力が高い国だと述べてきました。日本全国に参り、フクシマのような事故が起きることを警告しておりました。2004年のジャパンタイムズ紙で警告したのですよ。
[編集者注:2004年5月23日付「死の原発ルーレットで遊ぶ日本」]
もう二度と警告致しませんよ。こんなことが二度と起きて欲しくないからです。本当に日本は、活気に溢れ文化の高い国だったのに、素晴らしい社会文化をいったん失ってしまったら元には戻せません。
フェッツア博士: モレさんは、外部的な要因を考慮してではなく、日本の技術力の評価や原子力産業の現状にもとづいて警告されたのでしたよね。
モレ: いいえ、違います。大地震の可能性があるから、とても危険だと言ったのです。
フェッツア博士: ああ、地震ね。日本は、多くの原発を断層の上に建てましたからね。
モレ: そう断層の上にね。それに日本は世界でも地殻運動の活発な場所です。日本の国土は、世界の全陸地の0.3%ですが、主な地震の10%以上が日本で起きているのです。
第20図 死の原発ルーレットで遊ぶ日本
原発技術者の菊池氏が注釈を記した日本地図。
日本は、4つの構造プレート上にあり、地震が起きる「高いリスク」と「非常に高いリスク」のある国である。
その国土のうえに、54基の原子力発電所が建てられている。
Source: L. Moret, “Japan’s deadly game of nuclear roulette”, Japan Times (23 May 2004)

(中略)
フェッツア博士: バズビーさん、日本についての新しいご本のことを教えてくださいませんか。その本は、なんという本で、いつ出版されるのですか。
バズビー博士: その本は、日本語だけで書かれてあります。
フェッツア博士: 日本語だけ!
バズビー博士: 日本語の本は、6月中に出版されるでしょう。まだ、書名は考えておりません。
[訳注: C.バズビー著、飯塚真紀子訳「封印された『放射能』の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか」は、2012年7月に講談社から出版されました。]
まあ、私は、フクシマに関する本を書いたというか、少なくとも編集を致しました。「フクシマと健康への影響、何が起きるか」という本で、10月か11月に出版されました。
[編者注: ヨーロッパ放射線リスク委員会のサイトでバズビー博士の本を概観することができますし、pdfのダウンロードすることもできます。]
そして、この本は、ヨーロッパ放射線リスク委員会(ECRR)の国際会議での討論に基づいてまとめたものです。私は、この委員会の代表です。2009年に、この委員会は、ギリシャのレスボスで国際会議を開催しました。この会議の目的は、チェルノブイリ事故を検討して放射能のリスクモデルを見直すことでした。
そしてもちろんフクシマ事故が起きたとき、この国際会議の会議録をすべて参照しました。フクシマで何が起きるか、日本の人々がどうなるかを知りたかったら、チェルノブイリ事故で何が起きたのかを検討し、また、この国際会議に参加した旧ソ連の科学者達の報告を参照するしかないのです。
この会議には、優秀な科学者が20名程参加して、チェルノブイリ事故による健康被害についての討論を行いました。我々参加者は、遺伝的損傷、精神障害や知能低下、心臓疾患、性比の変化、そしてもちろんガンなどの健康被害が出ていると伺いました。
このようにチェルノブイリ事故のせいで、ありとあらゆる健康被害が出ており、国際放射線防護委員会(ICRP)によるリスクモデルの間違いを明らかにしました。ICRPのリスクモデルとは、フクシマ事故に関して放射線の被爆量を制限するために使用されておりますが、もちろん、非常に誤った用い方をされています。
まあ、私の本の内容なざっとこのようなものです。フクシマ事故とその健康被害と予測に関するものです。アマゾンから購入できますよ。
また、この本では、モレさんがお話になっていたことにも全て言及しております。つまり、モレさんが取り上げた問題は、日本の人々にも起きるだろうと書きました。例えば、知能低下や精神障害や心疾患などが日本で増えて行くであろうと記したのです。
フェッツア博士: 歴史的にみても、日本の人々はおしなべて世界でもっとも知性が高かったのに。
バズビー博士: 被爆すると精神機能や思考力にも多大な影響がでます。放射能による精神機能や思考力への影響に関する調査はいくつかあります。何人かの研究者がすでに調査しましたが、その一つは放射性降下物による被爆を受けたノルウェイの子供達についてでした。
フェッツア博士: 放射能が神経組織やシナプス結合に影響するということですか。
バズビー博士: そうです。能力全般が低下するのです。そして、日本という経済大国が被爆を受けたのですから、国の経済力が破壊されてしまうか、経済力が確実に減少するということです。
また、私の日本語の本では、私がフクシマで独自に行った調査結果についても記してあります。私は、福島県の各地と周囲の県で少なくとも18台の車のエアフィルターから放射性核種を計測いたしました。千葉県や東京でも車のエアフィルターを調査しました。これらの車の調査から、ガンマ線のスペクトルを分析し、大気中にどれほどの放射性核種があるのかを示したのです。
第22図 早川教授の放射能汚染ルートマップ
日本の群馬大学教授早川氏が念入りに作成した地図には、2011年3月11日からの放射性物質の濃度の等高線、拡散ルートおよび拡散のタイミングが示されている。
3月11日の地震と津波から10日以内に、日本の広大な部分が高濃度の放射性物質の拡散により汚染されてしまったが、そのことが国民に伝えられることはなかった。
3月15日までには、汚染は西方の長野県の山岳部に達し(黄色)、また南西にも到達した(赤)。
3月20日までには、汚染は福島の北東に向かった(青)。
3月21日までには、放射能は南に向かい、千葉県を通って東京に到達した(ピンク)。
他のプルームは、仙台を汚染した後に太平洋沿岸を北東に進んだ(青緑色)。
再度記すが、3月11日のフクシマ事故後10日以内に日本の広大な部分が高濃度の放射能で汚染されたが、国民に知らされることはなかった。
Source: Prof. Yukio Hayakawa, Gunma University, Japan
私の研究チームは、アメリカエネルギー省の膨大な書類を独自に入手しました。アメリカエネルギー省が日本各地で行った計測結果を記してある書類です。私が知る限り、この書類は公表されておりません。そして面白いことに、アメリカエネルギー省の計測結果は、私たちの車のエアフィルター調査結果を裏付けるものでした。
フクシマ事故の始まりからアメリカエネルギー省は、東京のアメリカ大使館の屋根の放射性核種を計測していましたし、他の場所においても、携帯用大容量エアサンプラを用いて
計測していました。私たちの手許には、その計測結果があります。
フェッツア博士: では、アメリカエネルギー省は、被爆による絶望的な結果を既に承知していたと仰るのですか。
バズビー博士: アメリカは確かに計測したのです。アメリカは、放射性物質を計測しましたし、私たちはその計測結果を持っております。アメリカは、初期の段階で大量の放射性核種が東京にやってくることを知っていましたが、誰も何も言わなかったのです。[編者注: 第22図参照のこと]
フェッツア博士: 911後の環境保護局のウィットマン局長みたいですね。911の時、空気には有毒物質や重金属が沢山含まれていたというのに「空気は吸っても何の問題もないですよ」と言いましたものね。政府は、国民の健康など構わずに政治的な理由だけで動くという無責任さの表れですよ。
バズビー博士: 世界中、政府と国民の間にはガラスの壁が立ちはだかっているようですね。政府はなにかをやる。国民は、政府のやることを目には見える。でも、実際には、国民は、何も本当のことを知らされないまま置いておかれる。そして、世界で日本ほど、政府と国民との隔たりが激しい国はありません。日本の人々は「原子力の神」への生け贄にされているのです。日本の現状を表現しようとすると、私には、このように申し上げるほかございません。
(中略)
モレ: 天皇陛下も2011年11月にご入院になりましたね。そして、皇太子ご夫妻の一人娘であられるたった10歳の愛子さまも、被爆による症状で...
フェッツア博士: おそらくフクシマですよね。それともそれ以前の放射能かな?
モレ: フクシマです。
バズビー博士: もちろん、フクシマに決まっています。フクシマの影響は、日本国民全体にはっきりと現れるのです。心臓発作は特に良くみられるでしょうね。
モレ: 日本政府は、天皇皇后両陛下を低空を飛ぶヘリコプターにお乗せし、福島に何度もお連れしたのですよ。もちろん、両陛下の印象をより良くする写真を撮るために、福島ご訪問をさせたのです。それで、天皇皇后両陛下は、あの酷く放射能汚染された雲の中を飛ばれて...
第30図 天皇皇后両陛下、福島をご訪問
放射能は、国境を越え、宗教や社会経済的階級の別なく人々に影響する。放射能は、「機会均等を推進する殺人者」なのだ。
天皇陛下そして皇太子ご夫妻の幼い愛子さままでが、日本全国を汚染した放射能に被爆された。天皇陛下および愛子さまは、2011年11月、ご入院になった。
Source: “Japan’s Emperor, Empress, Visit Quake’s Hardest-Hit Areas”, 27 April 2011.
フェッツア博士: すごい汚染なわけでしょ? なんと馬鹿げたことをするんだ。
モレ: 福島ご訪問の際には、往復ともに非常に汚染された空を飛ばれたのですよ。両陛下の福島ご訪問は、1回だけではありません。何度もです。

フェッツア博士: モレさん、バズビーさん、今日は本当にありがとうございました。番組を終えるにあたって、それぞれから一言づつ頂きたいと思います。モレさん、お願いできますか。
モレ: そうですね。エネルギー獲得のために、我が子を殺す動物なんていますか。安全保障のためだといって、我が子を殺す動物なんていますか。他国を占領したいからといって、我が子を殺す動物なんていますか。そんなの人間だけです。
フェッツア博士: バズビーさんは、いかがですか。
バズビー博士: そうですね。もし未来に、火星の歴史学者が空飛ぶ円盤に乗って、地球で何が起きたのかと調査にやってきたとしたら、きっと腰を抜かすでしょうね。
フェッツア博士: (感情を抑えるような低い声で)番組進行は、フェッツアでした。ゲストのお二方、そしてラジオをお聞きの皆様、ありがとうございました。






拍手

地方主権社会?

「本音言いまっせー!」というブログから転載。「孫埼亨の視点」とあるから、孫埼亨の文章を紹介したものだろう。
私は実は孫埼亨をそれほど高くは評価していない。彼のベストセラー「戦後史の正体」(だったか?)の内容は、ネット世界では常識にすぎないものであり、それを政治の世界では或る程度の地位のある知識人が一般人に向けて書いたところに意義があったということだ。この書があれほど大きな驚きで世間に迎えられたことの方が、ネット知識人にはむしろ驚きだろう。参考までに、私がネットに最初に触れた頃に感銘を受けた、或る人物による「日本戦後史略史」的な文章をこの記事に続けて転載する。(多分、明日になる。うまく転載できるようなら、彼の文章をシリーズで紹介していきたい。)その文章は今から10年以上も前のものだが、孫埼の「戦後史の正体」と比べて少しも見劣りするものではなく、むしろ短い文章の中に日本戦後史の正体を明瞭に描き出した名文章であると思う。筆者は白石隆というが、同名の政治学者ではなく、山口県に住む市井の中小企業経営者のようである。

さて、私が孫埼亨を評価するのは、彼がいわば「日本属国論」を堂々と出版したという点にある。これが副島あたりなら、「際物著作家」「自称政治学者」の書いたもの、ということでまったく注目されないだろうが(私は副島の功績は認めている。ここに書いたのは副島への「世間の評価」を私が推測したものだ。)、まがりなりにも実際の政治の世界に身を置いた者が書いたという点で孫埼の書は世間を瞠目させたのである。(「瞠目」程度の熟語がワードでは出てこない! これでは日本人の漢字知識は劣化する一方だろう。)
その意味で孫埼の功績は大きいが、彼の知識や分析力自体はべつに高いものではない、と私は見ているわけだ。
前置きが長くなったが、私が下の文章を転載したのは


「小さな中央政府・国会と、大きな権限をもった効率的な地方政府による「地方分権・地域主権国家」が実現し、

技術創造型のベンチャー企業をはじめ「ものづくりの知恵」を蓄えた中小企業経営者や自立的農業者、それにNPOや協同組合などの市民セクターが生き生きと活動する「共生型・資源循環型の市場経済」が発展して、持続可能な成長とそのもとでの安定した雇用が可能になっているだろう。」

という部分に非常に引っ掛かるものを感じたからだ。
「地方分権」「地域主権社会」というものは、はたしてそのような天国になるのだろうか。いったいこのような楽観的な予測が可能な、どんな根拠があるというのだろうか。
孫埼の主張は、見方を変えれば「国家主権喪失」肯定論、「グローバル社会」肯定論ではないだろうか。地域主権とは何か。はたしてそれは国家主権の喪失を補うだけの機能を持ちうるだろうか。それとも、単に新自由主義的グローバリズムの下部組織にしかならないという可能性は無いのか。私はむしろ後者である可能性が高いと思う。
確かに官僚支配国家の腐敗は極度に達している。だが、それは中央集権国家であるからだろうか。地方主権国家になれば官僚支配が無くなるというどんな根拠があるのか。
何か新しい国家システムを提示するなら、単なるお題目ではなく、具体的な見取り図と思想基盤を提示するべきだろう。それがなければ、「現政権(独裁者etc)を倒せば地上の天国が来る」と信じて人形使いに操られる未開国の国民と同じことである。
もちろん、下の文章に続けて、「地方主権国家」の詳細な内容や理論的根拠が書かれているのかもしれないので、これはただの疑惑を述べただけである。まあ、私は幾つかの会社で会社員勤めをしていた頃に、いろんな「社内改革」が常に社員の労働強化にしかならなかったという経験を積んでいるので、「改革」というものには概して疑い深いのである。耶律楚材の「一利を興すは一害を除くに如かず」は政治や組織における最高の金言だと私は考えているが、たいていの場合、「一利を興す」提言は、「提案者にとっての」一利であるのが後になると分かるものなのである。もちろん、ただ思慮が浅いために、一利と思うことがその裏に多大な害悪を潜ませていることに気づいていないという場合も多い。孫埼氏の「地方主権論」は、その類だろうと私は思っている。これは橋下の「道州制」と同じく、「国家解体思想」であって、「国家再生思想」としては問題の多い思想ではないだろうか。


(以下引用)


明治国家以来の、欧米に追いつき追いこせという単線的な目標に人々を駆り立ててきた、官僚主導による「強制と保護の上からの民主主義」と、そのための中央集権・垂直統合型の「国家中心社会」システムは、すでに歴史的役割を終えた。

 これに代わって、市民主体による「自立と共生の下からの民主主義」と、そのための多極分散・水平協働型の「市民中心社会」を築き上げなければならない。 

いま必要なことは、すでに人口の7割を超えた戦後世代を中心とする市民のもつ創造的なエネルギーを思い切って解き放ち、その問題意識や関心に応じて地域・全国・世界の各レベルの政策決定に参画しながら実行を監視し保障していくような、地球市民的な意識と行動のスタイルをひろげていくことである。

小さな中央政府・国会と、大きな権限をもった効率的な地方政府による「地方分権・地域主権国家」が実現し、

技術創造型のベンチャー企業をはじめ「ものづくりの知恵」を蓄えた中小企業経営者や自立的農業者、それにNPOや協同組合などの市民セクターが生き生きと活動する「共生型・資源循環型の市場経済」が発展して、持続可能な成長とそのもとでの安定した雇用が可能になっているだろう。




拍手

特殊B層の自覚

朗報である。推奨中止の理由は副作用の事例が多発している事にあるが、ネット上での子宮頸がんワクチンへの批判も中止理由の一つにはなっているかと思う。これをきっかけに、医療専門家もWHOなどの権威を盲信し、盲従するのではなく、自分の判断で行動するようになってほしいものである。

専門家なるものも、ある意味では官僚と同様、「教科書」だけを頭に詰め込んだ「特殊B層」(知識層に属するB層を私が今命名したw)にすぎないことを自覚するべきだろう。もちろん、医療界だけではなく、科学界、法曹界、教育界その他、権威的な分野はたいてい「昔からの定説」「今支配的な学説」「古株の重鎮の言動」などで支配されていると私は推測している。つまり、「自分の頭で考える人間」は専門家ほど少ない、と私は思っている。こうした人間を「特殊B層」と私は言っているのである。
一番の問題は、彼らが自分をB層だとまったく考えていないことだろう。彼らは自分の知的レベルに自信があるから、自分が間違っている時でも、それが分からない。そして彼らが社会をリードするから、社会はいつまでも誤った方向に進む。戦後68年間の日本、いや、明治維新以降の日本は、彼ら特殊B層が作った社会だと言っていい。それは3.11という歴史的災害や2009年の民主党革命によっても変わらなかったのだ。
もちろん、専門家のすべてがそうなのではないのだが、マス(塊)としての特殊B層は、それほど頭がいいとは私には思えない。東大を一番で出たと自称する片山さつきなどの程度の低さを見れば、そう思いたくなるのも無理はないだろう。いや、東大批判ではなく、本題に戻ろう。医学関係や科学関係でさまざまな奇妙な「定説」や無根拠な慣習がはびこる様(そしてそれが世間に流す害悪)を見れば、専門家の人々には「もう少し広い視野と誠実さを持て」、と言いたくなる。ソクラテスの「無知の知」ではないが、何より、「自分はそれほど頭が良くない」という自覚を持つことが一番大事なのではないだろうか。謙虚さというものや、自分は学ぶべきだという自覚は、幾つになっても、どんな地位にあっても必要なことだと思う。


(以下引用)


子宮頸がんワクチン、検討会「一時的に接種推奨控える」
朝日新聞デジタル 6月14日(金)19時29分配信

子宮頸(けい)がんワクチンの勧奨見合わせを受け、厚生労働省が医療機関向けに作成したリーフレット
 【森本未紀】子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に長期的な痛みやしびれを訴える人が相次いでいるため、厚生労働省の検討会は14日、一時的に接種の推奨を控えるとの意見をまとめた。これを受け、厚労省は自治体に通知を出す。定期接種は中止しないものの、自治体に接種対象者に案内を出さないよう求める。

 定期接種のワクチンで推奨を控えるのは異例。接種対象者は希望すれば、これまでどおり無料で受けられるが、医療機関は接種者に対し、推奨していないことを説明する。

 検討会では、ワクチン接種後に体に痛みが出るなどの健康被害43例について議論した。委員からは「患者に何が起きたのか調査が必要」との声が相次いだ。同省は秋以降、16の大学病院で、痛みなどの症状と予防接種との因果関係の有無を調べ、積極的な接種を推奨すべきか結論を出す。

 検討会の桃井真里子座長は「中止ではないので、打たないとの判断もできるし、打ちたい人は今まで通り打てる。ワクチン自体の安全性に大きな問題があるということではない」と話した。

 このワクチンは、4月から小学6年~高校1年の女子を対象に原則無料で受けられる定期接種になっている。ごく一部で重い副作用も報告されている。副作用が出た場合は、予防接種法に基づき、国が因果関係を認定すれば市町村から医療費などが給付される。
朝日新聞社




拍手

ベクレったりセシったり

「阿修羅」や「東海アマ」にも転載されていたが、元々のツィッター上のやりとりの方が分かりやすいかと思うので、そちらを転載する。「RYOEN」という人が最初にツィートしたらしい。
参考までに言えば、私は魚は全部放射能汚染されていると思ってはいるが、食べます。もう年だから、この世にあまり未練は無いので。(できれば、福島近辺産の魚介類は、もっと値段が安くなってほしいのだが。w)若い人はもはや魚は食べないほうがいいだろう。海藻類もダメかもしれない。貝類は最悪だろう。まあ、もともと日本近海の多くの場所で原発廃水が流されてはいたのだが。



(以下引用)


Ryoen‏@Ryochandan
スーパーの鮮魚コーナーの所で、千葉沖産のカツオの試食があったんだけど、通りすがりのギャルが「こんなベクレってる刺身食うとかマジありえないんだけど~!ヤバくね?」とか言って去って行った。試食してた人が気まずそうにしてた。



2013年6月10日 - 21:05



だがし 脱原発に1票+1匹‏@tar3oakwood15時間
豪快(爆笑)“@Ryochandan: スーパーの鮮魚コーナーの所で、千葉沖産のカツオの試食があったんだけど、通りすがりのギャルが「こんなベクレってる刺身食うとかマジありえないんだけど~!ヤバくね?」とか言って去って行った。試食してた人が気まずそうにしてた。”



daddy‏@daddysirart15時間
@Ryochandan @tar3oakwood 「ベクレってる刺身」かぁ〜、なるほどねぇ〜・・・!
ギャルたちは何でもウマいこと表現するもんだわ!!
それに意識だって、けっこう高い!!!



だがし 脱原発に1票+1匹‏@tar3oakwood15時間
@daddysirart ですねぇwww試食する方も気まずくなるくらいなら最初っから食うなってwww Ryoenさん、ぐっじょ! @Ryochandan



小雪(ほんとのしあわせってなんだろう)‏@koyuki111415時間
@Ryochandan そのギャルさんかっこいい!




daddy‏@daddysirart14時間
@tar3oakwood @Ryochandan ギャル語の会話なんて、ほとんど意味不明で聞き耳立てるキモチもなかったけど、案外、面白いこと言ってんのね。
「ベクレってる」って、じつにニュアンスが伝わるわぁ〜。
流行させても、いいくらい・・・・(笑)



僕ドザエモン左側‏@bc5b47d14時間
@Ryochandan 彼女等は何を基準に話てたのだらう(・。・? ソノ勝浦の近くに避難してきとるんやけど(ー.ー;)





Ryoen‏@Ryochandan14時間
@daddysirart @tar3oakwood @koyuki1114 私も個人的にベクレってるって言葉は使っていたんですけど、案外使ってる人多いのかな?とw
そのギャルは母親と2人で来てたみたいでしたけど、母親は鮮魚コーナーを完全にスルーして歩いて行きましたw



Ryoen‏@Ryochandan14時間
@bc5b47d 市場に出回っていても多少なりとも汚染されている訳ですし、そういった基準で過敏になっているのかもしれないですね。お年寄りぐらいでしたよ、刺身をカゴに入れて買っていったのは。




小雪(ほんとのしあわせってなんだろう)‏@koyuki111414時間
@Ryochandan @daddysirart @tar3oakwood わたしもベクレってるよく使ってます。ベクレることを気にしていないひとに通じるのかな?浸透してるのかな?w




Ryoen‏@Ryochandan14時間
@koyuki1114 @daddysirart @tar3oakwood 「ベクレってる」をお使いの方がここにもww気にしてない人には「???」でしょうねww




だがし 脱原発に1票+1匹‏@tar3oakwood13時間
@Ryochandan @koyuki1114 @daddysirart 日常的には使ってなくても気にはしてるんじゃないでしょかね?なんせ気まずくなるくらいですからwww日本人お得意の同調圧力ですね。そんな中で堂々とベクレてるって言えるギャルとそのお母さんに敬礼( ̄^ ̄)ゞ




だがし 脱原発に1票+1匹‏@tar3oakwood13時間
@Ryochandan @daddysirart @koyuki1114 素敵なお母様♪




daddy‏@daddysirart12時間
@Ryochandan @tar3oakwood @koyuki1114 「ベクレってる」って、若い人の間ではそんなポピュラーな言葉として定着していたんですね!
おもわず、Ryoenさんのプロフィールを覗きに行っちゃいました。(笑)
フォローさせていただきますね。





Miyupika‏@Miyupika12時間
@koyuki1114 @Ryochandan @daddysirart @tar3oakwood 「ベクレてる」とか「セシってる」とか使います。




だがし 脱原発に1票+1匹‏@tar3oakwood11時間
@Miyupika 「セシってる」は初耳です(笑) @koyuki1114 @Ryochandan @daddysirart




daddy‏@daddysirart11時間
@tar3oakwood @Miyupika @koyuki1114 @Ryochandan 「セシってる」っていうのも、とってもニュアンスが判り易いですね。
たとえば、どんな場面で飛び出してくるんだろう「セシってる」の方は・・・・?




小雪(ほんとのしあわせってなんだろう)‏@koyuki111411時間
@daddysirart @tar3oakwood @Miyupika @Ryochandan セシってるは使ったことないけどおせち料理をおセシ料理と言っちゃってる。







Ryoen‏@Ryochandan10時間
@daddysirart @tar3oakwood @Miyupika @koyuki1114 セシってるは使った事無かったですねw使ってみますwww






(付録「カレイドスコープ」より転載。)*後半略。赤字部分は夢人による強調。




ネット検閲と言論統制
再稼動強行のために「情報統制」するNWO・自民党





自民党に政権交代したとたん、昨年の夏に行われた「将来の原発比率をどうするか」について、国民から広くパブリック・コメントを募集した「2030年 エネルギー環境に関する選択肢」調査の重要な部分が閲覧ができなくなっていたことがわかりました。
予想していた通り、自民党による凄まじい国民への情報統制が、すでに始まっているのです。


自民党独裁政権による「再稼動シナリオ」を強行するため、新安全基準案について国民的議論を封じ込める動き

安倍政権は、将来の原発比率をどうするか、昨年の夏に政府が実施した意見聴取会の議事録や、意見公募(パブリックコメント)に寄せられた約9万件の意見の全文など、「国民的議論」の具体的なやりとりが掲載されていたホームページの閲覧ができない状態にしてしまいました。

原発再稼動に反対する国民は、「黙っておれ!」ということです。
ここまで凄まじい「独裁」とは、まったく恐れいる。

エネ比率公募意見9万件 政権交代後閲覧できず
(東京新聞 6月8日)

将来の原発比率をどうするか、昨夏に政府が実施した「国民的議論」の具体的なやりとりが、ホームページ(HP)で閲覧できない状態になっている。

議論に参加した一般市民や有識者からは、大多数が脱原発を訴えた国民の声を軽んじているのではないかと、疑念がわき起こっている。 (小野沢健太)

閲覧できなくなったのは、国民的議論の特設サイトに掲載されていた意見聴取会の議事録や、意見公募(パブリックコメント)に寄せられた約九万件の意見の全文など。

内閣官房のHPには、どんな意見が多かったかなど国民的議論の結果をまとめた文書は残っている。

しかし、一般の人たちが原発とどう向き合うのか述べた内容や、電力会社の幹部が原発は必要とする会社の考えを発表し、会場が紛糾した様子などを記録した生のやりとりは確認できなくなった。

政権交代により、「国民的議論」を担当していた国家戦略室が廃止され、戦略室のHPも閉鎖された。

内閣官房の担当者は「技術上の問題で特設サイトの内容が内閣 官房のページに移せなかった。
現在作業を進めており、今後掲載する」と説明。閲覧できなくなって二ヵ月がたつが、再掲載の時期はいまだにはっきりしない。

国民的議論の検証会合で、委員を務めた大阪大の小林伝司教授は、
「現政権にとって(議論の結果が)意に沿わないものであったとしても、国家が行った議論の結果にアクセスできないままにさせていることは、野蛮としか言いようがない」と、国の姿勢を厳しく批判した。

昨年八月に福島市で開かれた意見聴取会で、脱原発への思いを述べた同市の会社員遠藤義人さん(50)は「国は原発の再稼働に積極的で、被災者の声に耳を傾けようともしない。私たちの発言がなかったことになり、福島が切り捨てられていくようで非常に残念」と話した。

<国民的議論> 2030年の段階で発電量に占める原発の割合はどの程度がいいかについて、政府は(1)0%(脱原発)(2)15%(3)20~25%- の3案を提示。昨夏、全国11会場で意見聴取会を開き、発表者の7割が0%を求めた。意見公募には約9万件が寄せられ、9割近くが0%案を支持。民主党政 権は「30年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」とするエネルギー戦略をまとめた。



(以下略)























拍手

カレンダー

06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

カテゴリー

最新CM

プロフィール

HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

ブログ内検索

アーカイブ

カウンター

アクセス解析