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天皇・皇后の御不例と福島訪問

「阿修羅」記事から転載。(末尾の投稿者感想は余計に思えたのでカットした。)
対談の詳細はよく分からないが、書かれた内容にはある程度の蓋然性があるように思われるので、「思考素」の一つとして備忘的に保存しておく。(長いので、読む人は適当に飛ばし読みをすればよいと思う。)
特に赤字部分にした天皇の御不例(この対談の時点では皇后の健康不安はまだ起こっていなかったのだろう)が数次に亘る福島訪問と無関係ではないという指摘は、多くの人の盲点になっていたのではないか。福島訪問は天皇や皇后ご自身の意思によるものだと私は思うが、国民へのその愛情が仇になったようだ。
(なお、私は尊皇主義者だが、「天皇様」「皇后様」とは書かない。「度の過ぎた」敬語は日本語の欠点であるという考えからだ。敬語そのものはあって良いと思うが、社会的上下関係を明示するのが敬語の主な機能であり、上を傲慢にし、下を卑屈にしがちである。)


(以下引用)


100年後の日本(人口は20%~30%に減少、社会の活力も頭脳も何もかも失う)-バスビー他の対談から (院長の独り言)
http://www.asyura2.com/13/genpatu32/msg/139.html
投稿者 天下万民 日時 2013 年 6 月 13 日 12:23:04: icvBmcVGYoU6M
Fallujah, Fukushima, & the Global Radiation Catastrophe, Part 2から

(前略)

モレ: 2009年に、マレーシアのマハティール博士が開催した戦争犯罪会議に招かれました。私にとっては2回目の参加でした。マハティール博士とは、前マレーシア大統領です。バズビーさんも2007年の会議に参加され、それは素晴らしい発表をなさいましたね。
さて、2009年の会議で私は、「世界の人口および出生率の減少を裏付ける2008年の国連報告書」という発表を行いました。そのとき、国連が独自に出した報告書から二つのグラフを皆様にお見せしました。[編者注:第8図および第10図]
第8図
世界、先進国、開発途上国および後発開発途上国における平均年間人口変化率1950年-2050年
1963年に核実験が終了して以来、世界の人口は減少している。
変化率(傾き)は、すべてのグループに関して同様であり、人口減少の原因が共通していることを示唆している。
人口減少の原因が核物質による環境汚染であることは、第10図が示すように、新たな核技術がもたらされる度に人口および出生率が減少していることからも伺える。
すなわち、大気核実験(1952ー63年)、原子力発電所の稼働(1960年以降現在まで)、チェルノブイリ事故(1986年)、劣化ウラン弾および正体不明の核兵器の使用(1990年以降現在まで)および最小に見積もってもチェルノブイリ事故の300倍に等しいフクシマ事故(2011年)により、人口が減少し続けているのが読み取れる。
Source: UN Report: “World Population Prospects: The 2008 Revision – Highlights”, Fig. 2.
第9図 国連とは矛盾する世界人口増加を示す世界資源研究所のグラフ
世界資源研究所は、1982年に「持続可能性」の概念を広めるために設立された研究所で、世界銀行および他の国際金融機関の出資を受けている。
同研究所には、ロックフェラー財団、オープンソサイエティ財団(ジョージ ソロス)および中央情報局関連の財団など、多くの財団が資金を提供している。
また、ゴールドマンサックス、ウオールマート、ウェルズファルゴ銀行、富裕な個人投資家、石油会社も資金を提供している。
同研究所の役員会には、新世界秩序の行動計画を広める「グローバルセールスマン」が名を連ねている。(例えば、元米国副大統領のアル ゴア氏や原子力産業関連者など。)
世界資源研究所は、明らかに新世界秩序の行動計画にもとづいており、人口過剰、人口削減、原子力エネルギー、気候変動などについて喧伝することにより、グローバル支配を目指すエリートの利益に寄与している。
Source: World Resources Institute
第10図 世界、先進国、開発途上国および後発開発途上国における合計特殊出生率の推移1950年ー2050年
1963年の部分的核実験停止条約により、10年にわたったイギリス、アメリカ、ソビエトの大気核実験が終了したが、この国連のグラフは、同条約締結後に出生率が大幅に減少したことを示している。
また、イラク戦争(1990年ー2000年)での劣化ウラン兵器および正体不明の核兵器の導入に伴ってさらに出生率が減少したことをも示している。
2011年のフクシマ事故は、世界の出生率および人口に関して大量殺戮的かつ無差別的な影響を与えたが、いまだにその影響の規模は未知である。しかしながら、過去に判明した核汚染の影響を遥かに上回るであろう。
UN Report: “World Population Prospects: The 2008 Revision – Highlights”, Fig. 3.
これらのグラフは、1986年以降、世界のすべての国や地域において、人口も出生率も減少していることを示すものです。
これらのグラフをお見せしましたら、会場からかなりの反響がありました。皆さん、「えっ?国連は、人口が急増していて爆発しそうだと言っていたじゃないか!?」と仰るわけです。
でも、驚くことに国連が独自に出した報告書や統計は、すべての国や地域で人口や出生率が減少していると示しているのです。いいですか、国連の統計がそう言っているのです。そして、私が何より驚いたのは、先進国の人口および出生率が最も減少していることでした。原発がない発展途上国より遥かに多くの減少ですし、世界の平均と比べても多くの減少を示していたのです。
フェッツア博士: 先進国より発展途上国の出生率が高いのは、一世帯当たりの子供の数が多いということじゃないのですか。
モレ: 原発立地地図をご覧ください。すべての主要先進国にほとんどの原発が建てられています。日本、アメリカ、カナダ、そしてヨーロッパ..
第11図 世界の原子力発電所の立地図
ロンドンのシティの銀行家は、原子力エネルギーを支配し、原子力は最も安価なエネルギーかつ地球温暖化の解決策であるとして、贈賄と欺瞞にまみれながら推進してきた。
現実には、原子力発電は最も高価な発電方法であり、各国政府の助成金と税金が投入されている。また、ライフサイクル全体を通した温室効果ガスの排出量は最大である。
原子力エネルギーは、世界の公衆衛生および環境の健全性に多大な影響を与えており、国際社会および環境にはその影響に対処するだけの余力はない。
Source: “The Madness of Nuclear Energy”, The Ecologist 29/7 (November 1999), back cover.
フェッツア博士: つまり、原子力に何らかの形で関わっているために地域が汚染され、人口や出生率が減少したということですか。
モレ: その通りです。
フェッツア博士: では、原子力エネルギーは、もともと有害で回避されるべきであったというのですね。これらの国々は、原発周囲の人々の健康や繁栄を度外視して金儲けをしたがる産業界からの働きかけを拒否すべきだったということですね。
モレ: ええ。そして、これら2つのグラフ(第8図と第10図)から読み取れることは他にもあります。
一つには、核実験が非常に深刻な影響を及ぼしたために、人口や出生率が減少したということです。そしてもう一つは、チェルノブイリ事故で、人口や出生率がさらに大幅に減少したし、その後のイラク戦争、アフガニスタン戦争、ユーゴ紛争も人口や出生率の減少に拍車をかけたということです。
このように世界的に起きている人口や出生率の減少は、環境汚染に起因するものです。先進国における人口変化率および出生率を示す曲線はもともと緩やかでした。ですから、急激な減少を示してはいません。しかし、先進国以外のすべての地域に関する減少曲線は、みな一様ですし、急な傾きを示しています。そして、減少傾向は世界的に見られます。それゆえ、人口や出生率の減少は、環境汚染が原因だと言えるのです。
フェッツア博士: バズビーさん、何か付け加えたいことがありますか。
バズビー博士: まあ、人口や出生率の減少の理由の一つは、核実験が行われていた時代に放射能降下物により被爆した男女が、1986年頃から子供を産むようになったということもあるでしょう。
第12図 大気核実験による放射性降下物 1952-63年
「雲の下で 核実験の10年」より引用した放射性物質の降下状況を表す地図。
この地図から、ネバダ核試験場で1200回行われた核実験の影響が見て取れる。
2002年アメリカ政府は、1958年から1963年にアメリカに居住していた全ての人が核実験による放射性降下物に曝されたと認めた。
現在、アメリカでは、放射能の影響と思われるガン、心臓病、自閉症、糖尿病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ぜんそく、ぶらぶら病、新生児の甲状腺機能低下症、肥満、学習障害が蔓延している。
また、アメリカの子供12人に1人に障害がある。
Source: R. L. Miller, “Under The Cloud: The Decades of Nuclear Testing” (1991). D.V.Conn “U.S. Counts one in 12 children disabled”, Washington Post (6 July 2002).
これまでに行われた調査から、1959年から1964年までに産まれた人は、他の時期に産まれた人に比べると、骨の中にストロンチウム90とウランを非常に多く持っていることがわかっています。
また、この時期に産まれた人は、60年代に被爆した結果、遺伝的な損傷を受けたこともわかっています。そして、80年代になって子供を持つようになったとき、その人達から産まれた子供は、「F1」(雑種第一代)というか「Fallout 1」(放射能降下物による被爆を受けた親から生まれた第一代)となったわけですし、子宮内で亡くなった子供もずっと多かったでしょう。
13図 核の時代におけるアメリカの新生児の健康悪化 1945年ー1996年
図1 アメリカにおける乳児死亡率 1935年ー96年
1935年に乳児死亡率が減少に転じて以来、妊婦の管理と啓蒙が功を奏して乳児死亡率は一貫して減少してきた。しかしながら、1947年に始まった核実験時代において、乳児死亡率は大幅に増加した。
スターングラス博士の見積もりによれば、低線量であっても、胎内にいるときから大気中に拡散された放射性物質の電離放射線に被ばくしたことで100万人を超える乳児が死亡した。
イギリスの放射能の専門家であるバズビー博士は、日本のエアフィルターに付着した放射性物質を計測することで、フクシマ事故で拡散された放射性物質の見積もりを行った。
同博士が見積もりのさいに参照したのは、1963年にイギリスのハーウェルにある放射線研究所による計測値である。同研究所は、放射能物質の拡散量が最大時の濃度を計測した。
バズビー博士の見積もりによれば、フクシマ事故により拡散された放射性物質は(2011年8月現在)、1963年にイギリスで計測された濃度の1000倍であり、チェルノブイリ事故の300倍である。
Source: J.M. Gould, E.J. Sternglass et al, “U.S.A. Newborn Deterioration in the Nuclear Age, 1945-1996”, Radiation and Public Health Publications (1998). This was presented at the International Congress on the Effects of Low Dose Ionizing Radiation in Childhood and Youth, in Medicine, Industry and Environment in the Workplace, March 19-21, 1998.
1963年にスウェーデンのルーニン博士が行った調査がネイチャー誌に掲載されました。ルーニン博士は、ネズミを使って実験を行いました。あるグループの雄のネズミにストロンチウム90を注射し、その直後に雌のネズミと交尾させました。これら雌のネズミは妊娠し、妊娠中期まで妊娠を継続させました。
その後、雌ネズミを殺し、胎児の死亡数を数えたのです。その結果、ストロンチウム90を注射された雄ネズミと交尾した雌ネズミの胎児の死亡数は、コントロール群の死亡数より著しく多かったのです。
セシウム137を注射された雄ネズミと交尾した雌ネズミの胎児の死亡数は、コントロール群とさほど差はありませんでした。このことから、1963年頃に生まれた女性の妊娠のさいに胎児の死亡が増加したのではないかと思います。1963年が核実験のピークだったと思いますからね。
このような放射能の妊娠出産への影響は、モレさんの仰ることと辻褄が合いますし、チェルノブイリ後に見られた現象とも整合性が取れます。もちろん、チェルノブイリ事故そのものが、核実験と同様な影響をもたらしたわけではありますが、チェルノブイリ事故の影響だけではありません。
そして、北半球で出生率の過去最大の減少が見られたということも、放射能の影響で説明できます。北半球でほとんどの核実験が行われたからです。
第14図 大気核実験による世界的な糖尿病の増加
特定の狭い地域(ニューヨーク市)、特定の広い地域(アメリカ)そして世界における糖尿病の増加を見れば、核実験の人間の健康への影響を読み取れる。
世界の糖尿病地図は、明らかに放射能降下地図と重なっており、放射性物質がジェット気流とともに基本的に西から東に拡散したことが明らかである。
Source: N.R. Kleinfield “Diabetes and Its Awful Toll Quietly Emerge as a Crisis”, The New York Times (9 January 2006)
大規模な核実験による放射能降下物の拡散地図をご覧になれば、放射性物質のほとんどが北半球に拡散されたことがわかります。そして、最大規模の核実験が行われたのは、旧ソビエトであるロシアのノバヤゼムリャでした。このメガトン規模の実験で、南半球よりも北半球がずっと多く汚染されました。このように放射能汚染が出生率減少の原因であると説明できるのです。
モレ: もちろん、放射能ですよ。そして、311の後に出されたアメリカ疾病予防管理センターの報告を参照しながら、アメリカの地域別の過剰な死者数を調査しました。そして、放射能汚染が死者数を増加させるという現象が見られました。
3月11日から9月3日までの死亡率が上昇しており、通常より3万4千人が多く亡くなっていたのです。この死亡者数には、フクシマ事故による赤ちゃんや胎児の死亡数は含まれていません。この3万4千人という数字は、過去の死亡率では説明できない過剰な死者数なのです。
第15図2011年3月11日以降の過剰な死者数
アメリカ疾病予防管理センターが発表した2011年3月13日より同年9月3日の期間における統計によれば、アメリカのすべての地域で死亡者数が著しく増加し、その数は例年に比べて過剰といえる。
このようなアメリカ全土で見られる急性死は、週を追うごとに増加しているが、その原因は日本のフクシマ事故による環境汚染以外に考えられない。
乳児死亡数も増加したが、この地図の統計には含められていない。
Source: Bobby1, “Post-Fukushima Excess Deaths in US Updated for Sept. 3”
さらに、年齢別の死亡率増加を考察したときに興味深いことがわかりました。
今日65歳以上の人は、第二次大戦終了時以前に生まれたので、子宮内で電離放射線による被爆を受けていません。その人たちの死亡率の増加を見ると、ある地域は3.6%増だったのに対し、別の地域では8%増という違いがみられたのです。
3.6%増だった地域は、西海岸の太平洋沿岸地域でした。一方、8%の増加が見られたのは、カナダ国境からメキシコと国境までの山岳地帯にあるネバダ州、アイダホ州、コロラド州、ニューメキシコ州、アリゾナ州、モンタナ州、ワイオミング州などでした。これらの州がいずれも山岳部にあることから、放射能による環境汚染は、天候と地形に左右されることがわかります。
フェッツア博士: それに、山岳地帯では、特定の大気汚染物質も蓄積されやすいですよね。
第16図 2011年9月日現在のフクシマ事故による死亡率増加
左図: 月ごとのフクシマによる過剰な死者
右図: 過剰な死者の地域および年齢区分
電離放射線による度重なる被爆の積算効果が、若年層の死亡率増加に現れている。
Bobby1, “Post-Fukushima Excess Deaths in US Updated for Sept. 3”
モレ: その通りです。そして、山岳地域のほとんどの州における高齢者の死亡率は、実は、若い世代の死亡率より低いのです。第16図を参照してください。
太平洋沿岸地域、山岳地域、東北中部地域における死亡率を見てみると、45歳から64歳のグループの死亡率の方が、65歳以上の高齢者グループの死亡率よりも高いのです。65才以上の高齢者グループは、胎児のときに電離放射線による被爆を受けていません。でも、45歳から64歳のグループは、核実験や原発からの放射能に被爆しています。
そして、もっと驚いてしまうのは、西南中央部地域における25歳から44歳のグループの死亡率の増加です。18.7パーセントです。この数字は、65歳以上の高齢者グループの死亡率の3倍ですし、大気核実験による胎内被爆を受けた45歳から64歳のグループの2倍から3倍です。
西南中央部地域とは、オクラホマ州、アーカンサス州、テキサス州、ルイジアナ州です。テキサス州には、多くの軍事基地があります。テキサス州からは、中東や中央アジアに多くの兵士が派遣されました。彼らは、戦地からテキサス州に戻ってきたのですが、あまりにも病状が重くて軍隊に戻れないのです。それで、彼らは、基地のまわりで生活するようになります。自分がかつていた基地のまわりに住んで、障害者手当を受けるためです。そして、25歳から44歳のグループにおける死亡率の増加が18.7%というのは、電離放射線への度重なる被爆および数世代に渡る被爆ということによってしか説明できないと思います。
フェッツア博士: 積み重なった影響というわけですね。
第17図 日本の主たる死因 1899年から2003年
1945年までの日本の主な死因は感染症であったが、抗生物質によりおおかたの感染症は撲滅された。
1945年に広島と長崎に原爆が投下され、第二次大戦後の日本の主たる死因に原子力技術の影響が加わった。積算的な被爆で脳血管疾患、ガン(緑色の線)、心臓病による死亡数が増加し、主たる死因の感染症に取って代わった。
Source: Vital Statistics of Japan 2004, Ministry of Health, Labour and Welfare, Vol.1, p.67, Fig.4.
モレ: その通りです。
フェッツア博士: バズビーさん、フクシマについて討論するまえに、なにかお話になりたいことがありますか。フクシマに関しては、モレさんの最近の調査についてお話を伺ってから、バズビーさんの新しい本についてお話頂こうと思っているのですが。
バズビー博士: ええ、まあ、このような集団に現れる影響に関して、大筋で同意します。以前、モレさんの乳がん患者集団についての考察を聞いたことがありますからね。
そして、5年ごとに区切って見ると、集団に現れる影響がさらにはっきりとわかります。第17図を参照してください。つまり、電離放射線に多く被爆した女性が乳ガンになる可能性が上昇しています。そして、もちろん、電離放射線に被爆しなかった年配の女性の乳ガン罹患率は低いです。このように、かなり明確に違いがわかるのです。
そして、このグループの女性は、年齢を重ねながらガン年齢へと移行していきます。そうしますと、核兵器から放射性物質が大量に大気中に放出されたころに生まれた人たちに、ガンが多く発症するだろうと思います。
私が心配しているのは、このような研究を誰もしていないということです。もちろん何百万ドルや何百万ポンドもの資金が投入され、ガンや他の疾病の原因についての研究は行われています。でも、誰もこれらの研究の方向性を見ることが許されていないのです。研究の出発点やその方向性を考慮することが許されないというのは、とてもおかしなことです。そして、誰かが何かを言おうものなら、すぐさま片隅に追いやられ、笑い者にされるのです。
フェッツア博士: 今、私たちが話しているのは、高齢者のガン発症率の増加と若年層の出生率の低下が世界の人口の減少を引き起こしているということですよね。
バズビー博士: そう、その通りです。ガンだけではないのです。放射能が全面的な影響を及ぼして死を引き起こすことは、皆よく知っています。そして、事実、このことは非常に重要な観察です。なぜなら、もし心臓麻痺で死んだとしたら、死因はガンとはならない からです。
そのため、これまでに被爆者グループに関する遡及的調査が行われましたが、ガンによる死ではなかったと片付けられたことが多くありました。被爆者グループにおける人たちは、ガンを発症するであろう年齢に到達する前に亡くなっていたのです。
フェッツア博士: とても重要なことですね。鋭い分析です。
バズビー博士: ついでに申せば、このことは、核実験に参加した兵士達についても特に当てはまります。私は、今、イギリスで核実験に参加した兵士に関するいくつかの大きな訴訟に関わっております。
実験参加兵士に関するいくつか調査が行われました。そして、ラジウム夜光塗料に被爆した人たちについての遡及的調査、および、なんらかの治療でトロトラストを注入された人々についての遡及的調査も行われました。
[編者注: トロトラストは、X線照射に際して鮮明な画像を得るために体内に注入された二酸化トリウムのこと。]
そして、これらの調査結果を詳細に見ますと、常にガンの調査となっていて、研究者達がこれらの人々におけるガンの発症を見ようとしていることがわかります。実際は、これら調査対象となったであろうはずの人々は、ガン年齢に到達するどころか、調査が始まるずっと以前に亡くなっている場合が多いのです。つまり、調査対象群にはバイアスが入っていて、正しい調査とは言えないのです。
フェッツア博士: モレさん、フクシマに関する話題に移るまえに、このことについて何か仰りたいことがありますか。
モレ: いえ、結構です。
フェッツア博士: では、最近のフクシマについてざっと概観してください。そして、フクシマ事故の影響と日本の人口についてもお聞かせください。人口問題については、すでにお話しになりましたが、フクシマの影響で日本人の消滅に拍車がかかったのではないでしょうか。
モレ: 1月30日付けデイリーメールオンラインには「今後50年で日本の人口は30%急減」という記事がありました。2060年までに、現在1億2800万人の人口が8700万人未満になるというのです。32%の減少です。もう一つ驚くことは、この人口減を語る場合、日本の人口の多くが65歳以上であるということです。引退した人々が人口の40%を占めるということです。
フェッツア博士: 死亡者数の40%が65歳以上ということですか。
モレ: いいえ。人口の40%が65歳以上ということです。
フェッツア博士: わかりました。
第18図 ベラルーシの人口指標 1950年から2004年
核実験により放射性物質が拡散されたが、1986年のロシアのチェルノブイリ事故により放射性物質がさらに拡散されたために、周辺国であるウクライナおよびベラルーシは、より深刻な汚染を受けることになった。
事故の影響は、5年以内にすでに深刻であり、死亡率が上昇を続ける一方、出生率は下降の一途をたどった。
このことから、フクシマ事故が日本、北アメリカの一部の地域、そしてヨーロッパにさえ深刻な影響をもたらすことが予測できる。これらの国や地域は既に、大気核実験、原子力発電所、劣化ウラン兵器、戦場(イラク戦争、ユーゴスラビア紛争、アフガニスタン戦争)で使われた正体不明の核兵器から拡散された放射性物質で汚染されているが、フクシマ事故でさらに深刻な影響を受けると思われる。
Source: Prof. Y. Bandashevsky, “Non cancer illnesses and conditions in areas of Belarus contaminated by radioactivity from the Chernobyl Accident”, Proceedings of ECRR Conference, Lesvos, Greece, May 5-6, 2009, Fig. 4.
モレ: それで、今、日本で何が言われているかというと、バズビーさんと私が話してきたこととまったく同じです。出生数が死亡者数を下回るのです。出生数が非常に少ない。それで、日本は年金基金や膨張する社会保障費について懸念しているわけです。社会保障費は、毎年、1兆円ずつ増加していると言われています。でも、日本は社会保障費の増大を心配している場合ではなくて、日本人が生存していけるのかどうかを心配すべきだと思います。
フェッツア博士: 日本は、島国ですからね。遺伝的浮動に関して言えば、外界との交流が少なくて比較的孤立した集団ですから、フクシマ事故による放射能汚染の遺伝子への影響は広範囲でみられるようになるでしょう。一部の人々はすでにフクシマ事故により、急性の遺伝的影響を受けていますし、汚染が拡大するにつれ日本人すべてから遺伝的影響が見られることになるでしょうね。
モレ: 日本の去年の出生率は、1.39でした。日本の人口を維持するには、2.08人でなければなりません。
フェッツア博士: そうですね。
モレ: その上、今回の事故で大量に被爆しましたから、日本人の出生率は、今後、確実に減少の一途です。
フェッツア博士: では、今から100年後に、日本の人口は、現在の人口の20%から30%ぐらいになりますかね。
モレ: そうでしょうね。 そして、遺伝子に多大な損傷を受けていますよね。だから、死亡者数をいくぶんか補うようにして生まれる若い世代は、精神的に障害を持っているでしょうし、それゆえ生産性や社会の活気も衰えてしまうでしょう。文化というのは発想力にもとづいて形成されますからね。50年後または100年後に、人口全体の頭脳が損傷を受けているなら、一体、何が残るというのでしょう。
第19図 降下するアメリカ大学進学適正試験の点数 1952年から1994年
アメリカの大学進学適正試験(SAT)の点数は、1945年に生まれた生徒(グラフの線に添って記載されているのは出生年)の480点から、1963年生まれの生徒の425点へと大幅に下がった。
1963年はアメリカの核実験のピークであった。アメリカの高校生達が受けたSATの点数は、1945年から1963年に12.5%下落したが、その後、回復することはなかった。大気核実験に取って代わって原子力発電所が放射能汚染を続けたからである。(1)
世界保健機関の世界調査によれば、アメリカは世界で最も精神病を患うものが多いのだが(26%)、それは核時代の負の遺産の一つといえるだろう。(2)
Source: (1) Sternglass, E.J., S. Bell, “Fallout and SAT Scores: Evidence for Cognitive Damage During Early Infancy”, Phi Delta Kappan, April 1983, pp.539-545; and (2) “Prevalence, Severity, and Unmet Need for Treatment of Mental Disorders in the World Health Organization World Mental Health Surveys, The WHO World Mental Health Survey Consortium, Journal of the American Medical Association (JAMA), Vol. 291 No. 21, June 2, 2004: 2581-2590.
フェッツア博士: 恐ろしい話ですよね。日本は、自動車、電子工学やテレビといった分野だけでなく、広い分野で創造性と技術力に優れていた国ですからね。私もですが、アメリカ人は、東芝のテレビを欲しがっていましたよね。「メードインジャパン」のファンだった。
モレ: 日本の文化は、伝統的に創意工夫に富んでいて、創造性豊かでした。社会の活気たるや、目を見はるものがありましたよね。
私は、2000年以来、日本全で20回講演会を行いましたが、その度に、日本はもともと技術力が高い国だと述べてきました。日本全国に参り、フクシマのような事故が起きることを警告しておりました。2004年のジャパンタイムズ紙で警告したのですよ。
[編集者注:2004年5月23日付「死の原発ルーレットで遊ぶ日本」]
もう二度と警告致しませんよ。こんなことが二度と起きて欲しくないからです。本当に日本は、活気に溢れ文化の高い国だったのに、素晴らしい社会文化をいったん失ってしまったら元には戻せません。
フェッツア博士: モレさんは、外部的な要因を考慮してではなく、日本の技術力の評価や原子力産業の現状にもとづいて警告されたのでしたよね。
モレ: いいえ、違います。大地震の可能性があるから、とても危険だと言ったのです。
フェッツア博士: ああ、地震ね。日本は、多くの原発を断層の上に建てましたからね。
モレ: そう断層の上にね。それに日本は世界でも地殻運動の活発な場所です。日本の国土は、世界の全陸地の0.3%ですが、主な地震の10%以上が日本で起きているのです。
第20図 死の原発ルーレットで遊ぶ日本
原発技術者の菊池氏が注釈を記した日本地図。
日本は、4つの構造プレート上にあり、地震が起きる「高いリスク」と「非常に高いリスク」のある国である。
その国土のうえに、54基の原子力発電所が建てられている。
Source: L. Moret, “Japan’s deadly game of nuclear roulette”, Japan Times (23 May 2004)

(中略)
フェッツア博士: バズビーさん、日本についての新しいご本のことを教えてくださいませんか。その本は、なんという本で、いつ出版されるのですか。
バズビー博士: その本は、日本語だけで書かれてあります。
フェッツア博士: 日本語だけ!
バズビー博士: 日本語の本は、6月中に出版されるでしょう。まだ、書名は考えておりません。
[訳注: C.バズビー著、飯塚真紀子訳「封印された『放射能』の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか」は、2012年7月に講談社から出版されました。]
まあ、私は、フクシマに関する本を書いたというか、少なくとも編集を致しました。「フクシマと健康への影響、何が起きるか」という本で、10月か11月に出版されました。
[編者注: ヨーロッパ放射線リスク委員会のサイトでバズビー博士の本を概観することができますし、pdfのダウンロードすることもできます。]
そして、この本は、ヨーロッパ放射線リスク委員会(ECRR)の国際会議での討論に基づいてまとめたものです。私は、この委員会の代表です。2009年に、この委員会は、ギリシャのレスボスで国際会議を開催しました。この会議の目的は、チェルノブイリ事故を検討して放射能のリスクモデルを見直すことでした。
そしてもちろんフクシマ事故が起きたとき、この国際会議の会議録をすべて参照しました。フクシマで何が起きるか、日本の人々がどうなるかを知りたかったら、チェルノブイリ事故で何が起きたのかを検討し、また、この国際会議に参加した旧ソ連の科学者達の報告を参照するしかないのです。
この会議には、優秀な科学者が20名程参加して、チェルノブイリ事故による健康被害についての討論を行いました。我々参加者は、遺伝的損傷、精神障害や知能低下、心臓疾患、性比の変化、そしてもちろんガンなどの健康被害が出ていると伺いました。
このようにチェルノブイリ事故のせいで、ありとあらゆる健康被害が出ており、国際放射線防護委員会(ICRP)によるリスクモデルの間違いを明らかにしました。ICRPのリスクモデルとは、フクシマ事故に関して放射線の被爆量を制限するために使用されておりますが、もちろん、非常に誤った用い方をされています。
まあ、私の本の内容なざっとこのようなものです。フクシマ事故とその健康被害と予測に関するものです。アマゾンから購入できますよ。
また、この本では、モレさんがお話になっていたことにも全て言及しております。つまり、モレさんが取り上げた問題は、日本の人々にも起きるだろうと書きました。例えば、知能低下や精神障害や心疾患などが日本で増えて行くであろうと記したのです。
フェッツア博士: 歴史的にみても、日本の人々はおしなべて世界でもっとも知性が高かったのに。
バズビー博士: 被爆すると精神機能や思考力にも多大な影響がでます。放射能による精神機能や思考力への影響に関する調査はいくつかあります。何人かの研究者がすでに調査しましたが、その一つは放射性降下物による被爆を受けたノルウェイの子供達についてでした。
フェッツア博士: 放射能が神経組織やシナプス結合に影響するということですか。
バズビー博士: そうです。能力全般が低下するのです。そして、日本という経済大国が被爆を受けたのですから、国の経済力が破壊されてしまうか、経済力が確実に減少するということです。
また、私の日本語の本では、私がフクシマで独自に行った調査結果についても記してあります。私は、福島県の各地と周囲の県で少なくとも18台の車のエアフィルターから放射性核種を計測いたしました。千葉県や東京でも車のエアフィルターを調査しました。これらの車の調査から、ガンマ線のスペクトルを分析し、大気中にどれほどの放射性核種があるのかを示したのです。
第22図 早川教授の放射能汚染ルートマップ
日本の群馬大学教授早川氏が念入りに作成した地図には、2011年3月11日からの放射性物質の濃度の等高線、拡散ルートおよび拡散のタイミングが示されている。
3月11日の地震と津波から10日以内に、日本の広大な部分が高濃度の放射性物質の拡散により汚染されてしまったが、そのことが国民に伝えられることはなかった。
3月15日までには、汚染は西方の長野県の山岳部に達し(黄色)、また南西にも到達した(赤)。
3月20日までには、汚染は福島の北東に向かった(青)。
3月21日までには、放射能は南に向かい、千葉県を通って東京に到達した(ピンク)。
他のプルームは、仙台を汚染した後に太平洋沿岸を北東に進んだ(青緑色)。
再度記すが、3月11日のフクシマ事故後10日以内に日本の広大な部分が高濃度の放射能で汚染されたが、国民に知らされることはなかった。
Source: Prof. Yukio Hayakawa, Gunma University, Japan
私の研究チームは、アメリカエネルギー省の膨大な書類を独自に入手しました。アメリカエネルギー省が日本各地で行った計測結果を記してある書類です。私が知る限り、この書類は公表されておりません。そして面白いことに、アメリカエネルギー省の計測結果は、私たちの車のエアフィルター調査結果を裏付けるものでした。
フクシマ事故の始まりからアメリカエネルギー省は、東京のアメリカ大使館の屋根の放射性核種を計測していましたし、他の場所においても、携帯用大容量エアサンプラを用いて
計測していました。私たちの手許には、その計測結果があります。
フェッツア博士: では、アメリカエネルギー省は、被爆による絶望的な結果を既に承知していたと仰るのですか。
バズビー博士: アメリカは確かに計測したのです。アメリカは、放射性物質を計測しましたし、私たちはその計測結果を持っております。アメリカは、初期の段階で大量の放射性核種が東京にやってくることを知っていましたが、誰も何も言わなかったのです。[編者注: 第22図参照のこと]
フェッツア博士: 911後の環境保護局のウィットマン局長みたいですね。911の時、空気には有毒物質や重金属が沢山含まれていたというのに「空気は吸っても何の問題もないですよ」と言いましたものね。政府は、国民の健康など構わずに政治的な理由だけで動くという無責任さの表れですよ。
バズビー博士: 世界中、政府と国民の間にはガラスの壁が立ちはだかっているようですね。政府はなにかをやる。国民は、政府のやることを目には見える。でも、実際には、国民は、何も本当のことを知らされないまま置いておかれる。そして、世界で日本ほど、政府と国民との隔たりが激しい国はありません。日本の人々は「原子力の神」への生け贄にされているのです。日本の現状を表現しようとすると、私には、このように申し上げるほかございません。
(中略)
モレ: 天皇陛下も2011年11月にご入院になりましたね。そして、皇太子ご夫妻の一人娘であられるたった10歳の愛子さまも、被爆による症状で...
フェッツア博士: おそらくフクシマですよね。それともそれ以前の放射能かな?
モレ: フクシマです。
バズビー博士: もちろん、フクシマに決まっています。フクシマの影響は、日本国民全体にはっきりと現れるのです。心臓発作は特に良くみられるでしょうね。
モレ: 日本政府は、天皇皇后両陛下を低空を飛ぶヘリコプターにお乗せし、福島に何度もお連れしたのですよ。もちろん、両陛下の印象をより良くする写真を撮るために、福島ご訪問をさせたのです。それで、天皇皇后両陛下は、あの酷く放射能汚染された雲の中を飛ばれて...
第30図 天皇皇后両陛下、福島をご訪問
放射能は、国境を越え、宗教や社会経済的階級の別なく人々に影響する。放射能は、「機会均等を推進する殺人者」なのだ。
天皇陛下そして皇太子ご夫妻の幼い愛子さままでが、日本全国を汚染した放射能に被爆された。天皇陛下および愛子さまは、2011年11月、ご入院になった。
Source: “Japan’s Emperor, Empress, Visit Quake’s Hardest-Hit Areas”, 27 April 2011.
フェッツア博士: すごい汚染なわけでしょ? なんと馬鹿げたことをするんだ。
モレ: 福島ご訪問の際には、往復ともに非常に汚染された空を飛ばれたのですよ。両陛下の福島ご訪問は、1回だけではありません。何度もです。

フェッツア博士: モレさん、バズビーさん、今日は本当にありがとうございました。番組を終えるにあたって、それぞれから一言づつ頂きたいと思います。モレさん、お願いできますか。
モレ: そうですね。エネルギー獲得のために、我が子を殺す動物なんていますか。安全保障のためだといって、我が子を殺す動物なんていますか。他国を占領したいからといって、我が子を殺す動物なんていますか。そんなの人間だけです。
フェッツア博士: バズビーさんは、いかがですか。
バズビー博士: そうですね。もし未来に、火星の歴史学者が空飛ぶ円盤に乗って、地球で何が起きたのかと調査にやってきたとしたら、きっと腰を抜かすでしょうね。
フェッツア博士: (感情を抑えるような低い声で)番組進行は、フェッツアでした。ゲストのお二方、そしてラジオをお聞きの皆様、ありがとうございました。






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