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通る人が多くなればそれが道になる

「長周新聞」から転載。
TPP問題は中曽根・レーガン・サッチャー時代に始まる新自由主義思想と絡めて考えるべきである。つまり「企業のために国民を犠牲にする」ことが大手をふってまかりとおるようになってきた時代に原点がある。マスコミがそれを支援し、国民いじめをした上記三人はむしろ名政治家扱いされ、諸国民の中にはそれに騙された者も無数にいる。つまり、

現実を見ずに言葉を信じる

人間が実は世の中の大半を占めているのである。我々は「朝三暮四」の故事の猿たちを笑えない。マスコミを支配すれば何でもできる、ということを確認した彼ら(世界支配層)はそれ以降、あらゆる悪行を堂々とやり始めた。9.11での自国民虐殺と、それに名を借りた「テロとの戦い」と称する他国侵略、石油強奪、他国首脳暗殺、何でもやり放題である。
いつまで我々はこのような状態に甘んじているのだろうか?

「少数者による多数者の支配」は、実は簡単にひっくり返せるものである。少なくとも、民主主義が機能しているならば、選挙で人民が自分たちの敵を見定めて、その対立者に投票しさえすればいい。つまり、全人民の政治的覚醒があれば、時間はかかっても巨悪を滅ぼすことはできる。

(以下引用)


TPPの問題点は何かは、小泉構造改革で日本はどうなったかが証明している。日本は倒産と失業、貧困がうっ積する貧困大国となった。この根源はアメリカが日本の富を吸いとって国内に金が回らないようにしたからである。この間地方自治体などの予算はさんざんに削られたが、削った国家財政の90兆円ほどはアメリカ国債の購入に当てられた。
 また輸出優先、国際競争力こそ命綱のごとく騒いできたが、競争力が強まれば円高になるばかりで、さらに大企業が輸出でもうけたドルは国内に回るのではなくアメリカ国債の購入に当てられた。個別の企業はもうけて内部留保は250兆円にも及んでいるが、国民経済としては貿易黒字がいくら出ても何の利益にもならなかった。アメリカが日本の富を吸い上げ、大企業だけがもうけをため込んだことが国民が貧乏になった根本の原因である。
 国際競争力の最大の問題は関税などではなく円高である。リーマンショック後、円高が急激に進んだが、それは欧米が量的金融緩和でドル札やユーロ札の増刷をやりまくって通貨安競争をやりながら、日本にはデフレ政策をやるように強制してきたからである。円高によって買いこんだ米国債は3分の1が紙クズになった。
 小泉構造改革からつづく野田のTPP参加は、リーマンショックまで来て破たんした市場原理主義、金融資本主義をさらに徹底し、泥船状態となったアメリカに引きずられて日本を無理心中させるものとしてあらわれている。
 80年代のアメリカから続く新自由主義なるものは、再生産に投資することのできなくなった膨大な余剰資金をつかった金融資本の野蛮きわまりない世界の略奪であった。株価至上主義を強制して目前の大競争を強制して産業資本を追い立て、競争原理一本槍で国内の農漁業と農漁村の共同体をつぶしてきた。それは金もうけ唯一、効率第一、コスト削減をバカの一つ覚えのように唱えて、自然と共同の労働力に依存した生産活動を破壊するものであった。
 TPP参加は日本の国益を丸ごと投げ捨てる売国奴の政治である。政治家も官僚も、メディアも御用学者も、検察も自衛隊もアメリカに認められることが出世の条件で、いかに国民を欺き、ないがしろにするかを競う有様である。まさに植民地従属国のかいらい政府である。
 事態の進展は、諸政党は革新系を装う勢力をふくめてあてにならないことを暴露している。ひ弱な野田政府の暴走に対して、かれらに依存した間接民主主義にゆだねるということではらちはあかない。今農民や医療従事者などの大きな動きになっているが、必要なことはイカサマ革新勢力を乗り越えた大衆自らの全国的な直接の政治行動である。
 戦後日本の原水爆禁止運動は世界的に突出した位置を占める大運動となった。そのながれは60年安保改定阻止の一大政治斗争となった。その後、大きな政治支配の枠組みを認めた中で部分的な改良を求め、経済的で自分たちだけの生活要求だけを求める潮流が長年はびこってきた。そしてそれはレーガン、サッチャーと組んだ中曽根が国鉄民営化・すなわち新自由主義改革をやるに及んでたたかう力を失い、多くの労働組合もさまざまな左翼勢力も与党への加担になだれを打ってすすんできた。
 TPPは、国をつぶすのかどうか、日本の国としての進路をかけた共通問題としてあらわれている。あらゆる階級、階層、諸地域のさまざまな生活要求は、TPPに象徴される日米同盟に根源がある。今や全人民共通の政治課題をたたかう力をいかに結集するかが重要課題となっている。

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