「阿修羅」から転載。まともな判断力のある知識人は、橋下ファシズムの危険性を感じているようだが、大阪府民はそれが分かっているかどうか、彼らの政治的精神年齢が問われそうだ。だが、横山ノックを選んだり、橋下を選んだりといった「面白半分」の投票行動ばかりしている連中だから、今回もおそらく橋下の圧勝だろう。どこかの政治家が言っていたように、日本人には国民主権やら民主主義など50年早い、という結果になりそうな予感がする。しかし、政治はオモチャではない。あなたの選んだ人間は、あなたを意のままに扱う独裁者になるのである。
(以下引用)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-11-18/2011111801_01_1.html
「しんぶん赤旗」 2011年11月18日(金)
大阪府教育基本条例案に反対します/浅田次郎さん・杉良太郎さん・竹下景子さんら 学者文化人 立場超えアピール
東京大学教授の佐藤学、小森陽一の両氏は17日、東京都内で記者会見し、大阪府の橋下徹前知事が率いる「大阪維新の会」が府議会に提出している大阪府教育基本条例案に反対するアピールを発表しました。アピールは両氏のほか、元中央教育審議会委員の市川昭午氏、女優の竹下景子さんら10人が呼びかけたもの。会見には教育評論家の尾木直樹氏がビデオでメッセージをよせました。
アピールは、教育には子どもと教師らとの「自由な人間どうしの魂の交流が不可欠」と指摘。知事が設定する教育目標に従わない教育委員や教職員を罷免、処罰するという条例案は「教育の力を萎(な)えさせ、子どもたちから伸びやかな成長を奪う」と批判し、教育を知事や議会の支配下におくことは、憲法と教育基本法の大原則に反するとしています。さらに「維新の会」の政治手法を「ファシズムの独裁政治を想起せざるをえません」と批判しています。
会見で小森氏は「子どもを真ん中にすえて、貧困からどう救うかを考えるべき教員と、保護者、地域の人たちを敵対させ、自分たち(維新の会)への共感に向かわせるというもので、教育を破壊するものです。大阪だけでなく全国民が考えるべき問題です」とのべました。
アピールには、17日までに浅田次郎(作家)、阿刀田(あとうだ)高(たかし)(同)、内田樹(たつる)(神戸女学院大学名誉教授)、梅原猛(哲学者)、永六輔(エッセイスト)、妹尾(せのお)河童(かっぱ)(舞台美術家・エッセイスト)、高村薫(作家)、山田洋次(映画監督)の各氏ら58人が賛同。「維新の会、条例案、断固反対いたします」(俳優の杉良太郎氏)、「維新の会の思い上がりが、子どもの教育をゆがめそうだと私も心配です」(脚本家の小山内美江子氏)などのメッセージが寄せられています。
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アピール全文
私たちは、「大阪維新の会」が大阪府議会に提案している教育基本条例案について、大阪にとどまらず日本社会全体にとって見過ごせない問題であると考え、このアピールを発表することにしました。
私たちは何より条例案が、学校教育を知事及び議会の直接的な支配下に置こうとすることに強い危惧を覚えます。条例案によれば知事は、「学校における教育環境を整備する一般的権限」をもち、府立学校に至っては「教育目標」を設定する権限まで委ねられています。さらに、知事の目標に服さない教育委員の罷免、教職員への厳しい処罰などの教育への権力統制の体系が盛り込まれています。
人間を育てる教育には、教える者と教えられる者との、自由な人間どうしの魂の交流が不可欠です。また、子ども一人ひとりの現実に即した、教員や保護者、子どもを支える多くの人々の知恵と判断が尊重されなければなりません。知事や議会が教育上何が正しいかを決定し、それに異義をとなえる者を排除していくことは、教育の力を萎(な)えさせ、子どもたちから伸びやかな成長を奪うものです。
しかも、学校教育を知事や議会の直接的な支配下におくことは、憲法と法令に抵触します。教育基本法第十六条は「教育は不当な支配に服することなく」としていますが、この文言は、時の権力が軍国主義教育をすすめた過去への深い反省のうえに定められた、日本の教育の大原則です。その結果、地方の教育行政は首長が指揮監督する一般行政から分離され、教育委員会がつくられました。
教育委員会の実態やその行政に不十分さがあることは私たちも知っています。しかしその解決は、教育委員会の民主的な改革に求められるものであり、知事らによる直接的な支配となれば不十分さはますばかりです。
私たちはさらに、「維新の会」の政治的な手法に危うさを感じています。いったん選挙に勝ったことによって、あたかもすべてを選挙民から白紙委託されたように振る舞うことは、ファシズムの独裁政治を想起せざるをえません。
多くの方々が力をあわせ、大阪府教育基本条例案やそれに類する計画をとめ、子どもの伸びやかな成長のために考えあい話しあい、できることから行動していくことを訴えます。
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戦前のような現場はごめん/人々を危険な道に…
寄せられたメッセージから
・戦前のような教育現場は絶対にごめんです!(漫画家の石坂啓氏)
・教育は子どもを芽生えさせるものであって、管理すべきではないと思います(東京大学名誉教授の坂本義和氏)
・公教育の内容と方法に関する憲法上の制約を無視し、かつての失敗を再現するもの(一橋大学名誉教授の杉原泰雄氏)
・独裁的な権限を持った者は、人々を危険な道に追い込む。歴史は過去のものではなく、未来への予言でもある(舞台美術家・エッセイストの妹尾河童氏)
・社会の一番の弱者である子どもの人権を守ることは、民主主義の基本であると考えます。反動的支配主義に反対します(漫画家の原田智子氏)
・「独断」に気付かず、自己主張を正当化する言動を許すことはできません(服飾デザイナーの森南海子氏)
・戦前・戦中の苦い経験―そこから生まれた教育の政治からの独立という思想は大切にし、守っていかなければなりません(くらしと経済研究所の山家悠紀夫氏)
・国民の不満・不安・不信の怒りを独裁的手法でくみ上げて独裁権力を築こうとする、まさにファシズム的潮流(元大阪城天守閣館長の渡辺武氏)
(以下引用)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-11-18/2011111801_01_1.html
「しんぶん赤旗」 2011年11月18日(金)
大阪府教育基本条例案に反対します/浅田次郎さん・杉良太郎さん・竹下景子さんら 学者文化人 立場超えアピール
東京大学教授の佐藤学、小森陽一の両氏は17日、東京都内で記者会見し、大阪府の橋下徹前知事が率いる「大阪維新の会」が府議会に提出している大阪府教育基本条例案に反対するアピールを発表しました。アピールは両氏のほか、元中央教育審議会委員の市川昭午氏、女優の竹下景子さんら10人が呼びかけたもの。会見には教育評論家の尾木直樹氏がビデオでメッセージをよせました。
アピールは、教育には子どもと教師らとの「自由な人間どうしの魂の交流が不可欠」と指摘。知事が設定する教育目標に従わない教育委員や教職員を罷免、処罰するという条例案は「教育の力を萎(な)えさせ、子どもたちから伸びやかな成長を奪う」と批判し、教育を知事や議会の支配下におくことは、憲法と教育基本法の大原則に反するとしています。さらに「維新の会」の政治手法を「ファシズムの独裁政治を想起せざるをえません」と批判しています。
会見で小森氏は「子どもを真ん中にすえて、貧困からどう救うかを考えるべき教員と、保護者、地域の人たちを敵対させ、自分たち(維新の会)への共感に向かわせるというもので、教育を破壊するものです。大阪だけでなく全国民が考えるべき問題です」とのべました。
アピールには、17日までに浅田次郎(作家)、阿刀田(あとうだ)高(たかし)(同)、内田樹(たつる)(神戸女学院大学名誉教授)、梅原猛(哲学者)、永六輔(エッセイスト)、妹尾(せのお)河童(かっぱ)(舞台美術家・エッセイスト)、高村薫(作家)、山田洋次(映画監督)の各氏ら58人が賛同。「維新の会、条例案、断固反対いたします」(俳優の杉良太郎氏)、「維新の会の思い上がりが、子どもの教育をゆがめそうだと私も心配です」(脚本家の小山内美江子氏)などのメッセージが寄せられています。
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アピール全文
私たちは、「大阪維新の会」が大阪府議会に提案している教育基本条例案について、大阪にとどまらず日本社会全体にとって見過ごせない問題であると考え、このアピールを発表することにしました。
私たちは何より条例案が、学校教育を知事及び議会の直接的な支配下に置こうとすることに強い危惧を覚えます。条例案によれば知事は、「学校における教育環境を整備する一般的権限」をもち、府立学校に至っては「教育目標」を設定する権限まで委ねられています。さらに、知事の目標に服さない教育委員の罷免、教職員への厳しい処罰などの教育への権力統制の体系が盛り込まれています。
人間を育てる教育には、教える者と教えられる者との、自由な人間どうしの魂の交流が不可欠です。また、子ども一人ひとりの現実に即した、教員や保護者、子どもを支える多くの人々の知恵と判断が尊重されなければなりません。知事や議会が教育上何が正しいかを決定し、それに異義をとなえる者を排除していくことは、教育の力を萎(な)えさせ、子どもたちから伸びやかな成長を奪うものです。
しかも、学校教育を知事や議会の直接的な支配下におくことは、憲法と法令に抵触します。教育基本法第十六条は「教育は不当な支配に服することなく」としていますが、この文言は、時の権力が軍国主義教育をすすめた過去への深い反省のうえに定められた、日本の教育の大原則です。その結果、地方の教育行政は首長が指揮監督する一般行政から分離され、教育委員会がつくられました。
教育委員会の実態やその行政に不十分さがあることは私たちも知っています。しかしその解決は、教育委員会の民主的な改革に求められるものであり、知事らによる直接的な支配となれば不十分さはますばかりです。
私たちはさらに、「維新の会」の政治的な手法に危うさを感じています。いったん選挙に勝ったことによって、あたかもすべてを選挙民から白紙委託されたように振る舞うことは、ファシズムの独裁政治を想起せざるをえません。
多くの方々が力をあわせ、大阪府教育基本条例案やそれに類する計画をとめ、子どもの伸びやかな成長のために考えあい話しあい、できることから行動していくことを訴えます。
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戦前のような現場はごめん/人々を危険な道に…
寄せられたメッセージから
・戦前のような教育現場は絶対にごめんです!(漫画家の石坂啓氏)
・教育は子どもを芽生えさせるものであって、管理すべきではないと思います(東京大学名誉教授の坂本義和氏)
・公教育の内容と方法に関する憲法上の制約を無視し、かつての失敗を再現するもの(一橋大学名誉教授の杉原泰雄氏)
・独裁的な権限を持った者は、人々を危険な道に追い込む。歴史は過去のものではなく、未来への予言でもある(舞台美術家・エッセイストの妹尾河童氏)
・社会の一番の弱者である子どもの人権を守ることは、民主主義の基本であると考えます。反動的支配主義に反対します(漫画家の原田智子氏)
・「独断」に気付かず、自己主張を正当化する言動を許すことはできません(服飾デザイナーの森南海子氏)
・戦前・戦中の苦い経験―そこから生まれた教育の政治からの独立という思想は大切にし、守っていかなければなりません(くらしと経済研究所の山家悠紀夫氏)
・国民の不満・不安・不信の怒りを独裁的手法でくみ上げて独裁権力を築こうとする、まさにファシズム的潮流(元大阪城天守閣館長の渡辺武氏)
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