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農地国有化という案

「泉の波立ち」の南堂氏が農業救済策について面白い案を書いているので、転載しておく。
農地国有化というのは、非常にいい案である。大昔の「公地公民制」ですな。確かに、土地の私有権とか漁業権とかいった原理的問題が、第一次産業衰退の根本にあるわけだ。新規農業者の参入を許さない法制度が、農業衰退の根本原因なのだが、その改善のために、農地国有化は非常にいい案だし、それと「農業年金」を併用すれば農家の抵抗も減らせるだろう。
現在の法制度が農業への新規参入者を排除する制度になっていることについては、次回にでも書くことにする。(覚えていればだが)


(以下引用)


【 対案 】
 では、どうすればいいか? 馬鹿げた政府案のかわりに、私がまともな案を示そう。それは「農地の国有化と、農業年金の支払い」という案だ。詳しくは、こうだ。
 「政府の投入する金は、すべて、農地の買収費とする。つまり、農地の国有化だ。ただし、土地は一挙に買収するのではなく、農業年金の形で分割払いとする。生涯にわたって少しずつ金をもらう」

 この場合、いろいろとメリットがある。
1.単に金を与えるのではなく、土地の買収なので、公正である。(農民だけに国の金を与えるのは不公正である。)
2.国が買収した土地は、そのまま所有者に低額で貸与すればいい。(農民は現在の土地で農業を継続できる。ただし使用料を払う。)
3.農民は使用料を払うのが馬鹿らしいと思ったら、農業を辞めればいい。その場合、以後は生涯、農業年金をもらえる。
4.使用料を払ってもやっていける大型の農業従事者が生き残り、使用料を払えない小型の農業従事者は消えていく。こうして自然に農業の集約が進むので、自然に生産性の向上が進んでいく。(現状では、やたらと補助金漬けになるので、無能な人ばかりが優遇される。そのせいで自然な交替が進まない。市場原理に反するので、状況が歪んでしまう。)
5.時間がたつと、高齢の農民が死亡して、農業年金の支給は止まる。数十年後には、農業補助金はゼロになる。(現状の案では、永遠に現金給付が続くので、農家の家系ばかりが不当に利益を得る。何もしないで金をもらえるの代々続くので、世襲の貴族のようになる。農業貴族。)
6.なお、農業年金の支払額は、一律ではない。土地の大小によって金額は変わる。また、余命の長い若手は、もらう期間が長くなるので、毎年の受給金額が少なくなる。そのような微調整は必要だ。ただし、技術的に細かなことは、ここでは話題にしない。細かなことは、あとでいろいろと修正すればいい。
 以上の案を、私の代案とする。


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