和田秀樹のブログから転載。
毎日、というわけでもないが、いつも似たような事ばかり言うのも少々飽きてきたので、生活保護問題はもうやめにしようと思うのだが、他に面白い記事もないので、この件についての「まともな意見」を少し紹介するわけである。
和田秀樹も「物事を大きく見る」ことができる人間の一人だろう。木の一本一本、つまり一芸能人の犯罪や、受給全体の0.3%にしかすぎない不正受給の問題ではなく、森、つまりこの問題が日本経済や日本社会にとってどういう意味を持つかを見る必要があるのである。
政府の一番大事な役目というのは、所得の再分配なのである。つまり、放っておけば冨者はその力を使って貧しい階層の金を自分の懐にどんどん吸収していく。それにストップをかけ、貧しい人間、普通の人間の生活を守るのが政府の大事な役目だ。その再分配機能が働かなくなったのがこの「新自由主義の世界」なのである。すなわち「1%対99%」の世界だ。
生活保護の問題もそういう視点で見れば、何が正解かはすぐに分かることである。
(以下引用)
多少の不正がでても、それがきちんと消費に回るなら、国のためには悪いことではないし、それより貧しい人たちの命のほうが大切だ。ヨーロッパでは、GDP比でいくと、日本の3-4倍が生活保護に使われているという実情だってどこも報じない。消費税をヨーロッパ並みに増税するのなら、BIを導入すべきと声高に主張すべきなのに、自民党は消費税法案に賛成してほしいなら最低保証年金をあきらめろと野田首相につきつけ、民主党もそれを飲みそうな雰囲気だ
たまたま、昨日は、保険診療の日だったのだが、二人の患者さんのことばが印象的だった
一人は、生活保護の受給者だったが、ちゃんと年金ももらっている。年金が生保の基準より少ないので、差額を生保で受けているとのことだ。実は、ワーキングプアや安い年金の人が生保より少ない収入なのだから、生保を下げろという議論が盛んだが、そういう安い給料とか安い年金の人は生保を受ける権利がある(高齢者の場合は、貯金がなければの話だが)し、実際に申請すればもらえるはずだ。働けるはずだという言い訳を役所もしにくい。現に働いているのだから。もともと生保には最低限の健康で文化的生活を保証するという機能があるのだから、BIの機能ももっているのだ
しかし、そんなことはどこも報じない
この病弱な患者さんは、年金が少ないおかげで生保の受給資格を得て、そのため医療費の自己負担がタダですんでいる。若いころにビジネスが成功して相当額の税金を払ったから当然の権利と思っているが、今の騒ぎで、基準が下がって、年金が生保の基準より上になってしまったら、今後医療が続けられるかが不安だという
その通りだと思う
別のヨーロッパ留学経験のあるインテリの患者さんは、働いているワーキングプアの人間が、生保より収入が少ないというが、それは日本の最低賃金が安すぎるせいなのに、それに文句を言わないのは異常だという。ヨーロッパだと、働いても生保以下だと働いてもらえないので、最低賃金は当然それ以上に上がる。それで生保の基準のほうを下げろという話にならないし、それが労働者の当然の権利ということになる
実際、この20年で20%近くも労働者の平均収入が下がっているのは日本だけだ。アメリカのように経営者が強欲な国でも20%くらい上がっている
日本のアホ経営者が、国際競争というと価格競争だと勘違いしたために起こったことだが、生保というのは最低賃金を維持するための制度(あまり安いと働かなくなる)なのに、逆に給料が下がったから生保を下げろという信じられないくらい労働者に損な議論が、まかり通っているのは異常な話だ。
これでは内需がどんどん細って、それこそ中国にものを買ってもらわないとやっていけない国になるから国の独立などなくなるだろう
毎日、というわけでもないが、いつも似たような事ばかり言うのも少々飽きてきたので、生活保護問題はもうやめにしようと思うのだが、他に面白い記事もないので、この件についての「まともな意見」を少し紹介するわけである。
和田秀樹も「物事を大きく見る」ことができる人間の一人だろう。木の一本一本、つまり一芸能人の犯罪や、受給全体の0.3%にしかすぎない不正受給の問題ではなく、森、つまりこの問題が日本経済や日本社会にとってどういう意味を持つかを見る必要があるのである。
政府の一番大事な役目というのは、所得の再分配なのである。つまり、放っておけば冨者はその力を使って貧しい階層の金を自分の懐にどんどん吸収していく。それにストップをかけ、貧しい人間、普通の人間の生活を守るのが政府の大事な役目だ。その再分配機能が働かなくなったのがこの「新自由主義の世界」なのである。すなわち「1%対99%」の世界だ。
生活保護の問題もそういう視点で見れば、何が正解かはすぐに分かることである。
(以下引用)
多少の不正がでても、それがきちんと消費に回るなら、国のためには悪いことではないし、それより貧しい人たちの命のほうが大切だ。ヨーロッパでは、GDP比でいくと、日本の3-4倍が生活保護に使われているという実情だってどこも報じない。消費税をヨーロッパ並みに増税するのなら、BIを導入すべきと声高に主張すべきなのに、自民党は消費税法案に賛成してほしいなら最低保証年金をあきらめろと野田首相につきつけ、民主党もそれを飲みそうな雰囲気だ
たまたま、昨日は、保険診療の日だったのだが、二人の患者さんのことばが印象的だった
一人は、生活保護の受給者だったが、ちゃんと年金ももらっている。年金が生保の基準より少ないので、差額を生保で受けているとのことだ。実は、ワーキングプアや安い年金の人が生保より少ない収入なのだから、生保を下げろという議論が盛んだが、そういう安い給料とか安い年金の人は生保を受ける権利がある(高齢者の場合は、貯金がなければの話だが)し、実際に申請すればもらえるはずだ。働けるはずだという言い訳を役所もしにくい。現に働いているのだから。もともと生保には最低限の健康で文化的生活を保証するという機能があるのだから、BIの機能ももっているのだ
しかし、そんなことはどこも報じない
この病弱な患者さんは、年金が少ないおかげで生保の受給資格を得て、そのため医療費の自己負担がタダですんでいる。若いころにビジネスが成功して相当額の税金を払ったから当然の権利と思っているが、今の騒ぎで、基準が下がって、年金が生保の基準より上になってしまったら、今後医療が続けられるかが不安だという
その通りだと思う
別のヨーロッパ留学経験のあるインテリの患者さんは、働いているワーキングプアの人間が、生保より収入が少ないというが、それは日本の最低賃金が安すぎるせいなのに、それに文句を言わないのは異常だという。ヨーロッパだと、働いても生保以下だと働いてもらえないので、最低賃金は当然それ以上に上がる。それで生保の基準のほうを下げろという話にならないし、それが労働者の当然の権利ということになる
実際、この20年で20%近くも労働者の平均収入が下がっているのは日本だけだ。アメリカのように経営者が強欲な国でも20%くらい上がっている
日本のアホ経営者が、国際競争というと価格競争だと勘違いしたために起こったことだが、生保というのは最低賃金を維持するための制度(あまり安いと働かなくなる)なのに、逆に給料が下がったから生保を下げろという信じられないくらい労働者に損な議論が、まかり通っているのは異常な話だ。
これでは内需がどんどん細って、それこそ中国にものを買ってもらわないとやっていけない国になるから国の独立などなくなるだろう
PR