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「日刊ゲンダイ」の見識の高さ

しつこいようだが、河本某の事件について、表マスコミの中では珍しく、「日刊ゲンダイ」電子版がまともな意見記事を書いていたので、転載しておく。
このブログを読む人も飽きただろうから、この件に関する投稿はこれで終わりだ。


(以下引用)



バッシングに便乗 小宮山厚労相こそよっぽどのワル


【政治・経済】
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2012年5月26日 掲載


生活保護削除を検討、扇動報道は思うツボ



<謝罪会見 河本は極悪人なのか>

 鬼のクビを取ったような大騒ぎだ。お笑いコンビ「次長課長」の河本準一(37)が25日、母親の生活保護受給問題で謝罪会見を開いた。会場は100人を超える報道陣でゴッタ返し、わざわざ会見を生中継する民放テレビ局もあったほど。NHKまでトップニュースで伝えていた。まるで大疑獄の当事者のような扱いなのだが、河本はそこまでワルなのか。
 河本は母親の生活保護受給について「今まで福祉の方と相談して決めてきた」と語った。道義的な問題はあるにせよ、違法行為はゼロ。いくら河本が人気芸人とはいえ、メディアは明らかに騒ぎすぎだ。それでも「年収5000万円の人気芸人の母親の生活保護受給はオカシイ」と言うなら、福祉事務所の対応を責めるべきだろう。
 メディアがあおるから、度が過ぎた河本バッシングは一般人にまで広がっている。
「騒動に火がついて以降、河本がテレビ出演するたび、局には『何で、あんなやつを使うんだ!』『フザケルナ!』と、視聴者から嵐のような抗議電話が殺到します。あれだけ激しい抗議を受けると、どの番組も河本を起用するのに躊躇(ちゅうちょ)しますよ」(民放関係者)
 河本が涙ながらに頭を下げても、ネット世論は許さない。会見で「(生活保護受給は)情けなくて恥ずかしかった。誰にも言いたくなかった」と発言したことに早速カミつき、「生活保護を受けている人をバカにしてるの?」「収入が不安定とか言うなら普通の会社に勤めたらいい」と批判が渦巻いている。現在レギュラー番組5本の売れっ子の河本だが、この調子だと、仕事を失って自分自身が生活保護を受けなければ、食べていけない生活に追い込まれかねない。
 許しがたいのは、小宮山洋子厚労相だ。25日の国会で「生活保護費の支給水準引き下げ」や「親族が扶養できると判明した場合の積極的な返還要求」の検討を表明。河本バッシングに便乗したのは明らかだ。
「現在、生活保護費の支給総額は3.7兆円。過去最高額を更新し続け、財政規律を叫ぶ政府にすれば、支給カットは悲願です。河本バッシングは渡りに船で、世論の生活保護への批判が高いうちに、なし崩し的に削減しようとしているとしか思えません。しかし、生活保護は憲法で認められた権利。貧困層を減らすような景気回復策こそ、本来の政治の務めです。定見もなくムードに流されやすい国民性も問題ですが、メディアはやりすぎ。河本問題で騒げば騒ぐほど、権力の思うツボです。大局に立った冷静な報道を心がけるべきですよ」(政治評論家・山口朝雄氏)
 本当のワルは河本バッシングの裏で、ほくそ笑んでいるやつらなのだ。

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