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松下幸之助の呪いが日本を暗雲と毒霧に包んでいる

「世に倦む日々」記事の後半を転載。
松下幸之助を尊敬する人は多いが、その松下幸之助が、何のために松下政経塾を作ったのか、その松下政経塾が日本の政治と社会をどれほど地獄的なものにしたのか、総括してみるべきだろう。あの鳩山小沢に導かれた「民主党革命」も、松下政経塾グループによるクーデターで破壊されたのである。今の民主党も、その実体は松下政経塾そのものだ。
下記記事にあるように、日本の高度成長の時代は、いわば「鼓腹撃壌」の時代であり、若者も大人も政治を眼中に入れず、平和に幸福に暮らすことができた。当時の「怒れる若者」など、自分の個人的な不満の原因を社会に押し付けているだけの話でしかなく、一般大衆は「世界で唯一成功した社会主義国家」と揶揄された社会体制の中で、利権欲と打算と同時に国民への義務の念も持っていた「まともな」政治家と官僚を擁して、いわばこの世の天国を享受していたのである。
この世の天国。今から、あの頃を見れば、まさにそうであったのではないか。これは単に「過去はすべて美しい」という錯覚などではないはずだ。
その日本を今の地獄的社会に変えたのが、「社会主義的平等」を憎悪し、「資本家と支配階級のための社会」を目指す人々であったのだ。その「隠れた刺客」の養成所が松下政経塾であったわけである。


(以下引用)



松下政経塾は、革新自治体が次々と生まれた1970年代に、幸之助が危機感を感じて準備に動いたもので、革新勢力による政権奪取を阻止し、日本を保守二大政党の体制にする目的と使命を担い、そこで活躍する若手政治家を育成するために創設した政治教育機関だった。とにかく、東京も大阪も名古屋も横浜も京都も神戸も、社共の革新首長が制覇している時代で、都市の若者層は革新陣営を支持していて当然の世の中だった。大橋巨泉や前田武彦、永六輔や黒柳徹子がテレビの第一線で活躍し、新劇俳優を含めて群れなす赤旗文化人が市民権を持っていた時代だった。労音と労演が日常にあった。鼓腹撃壌の時代。われわれは、のほほんと天下太平の中で個々の人生を謳歌しに社会に出たが、野田佳彦や松原仁や野間健はそうではなかったのだ。そのような日本に強い嫌悪感と拒絶感を覚え、社会主義の勢力を撃退し殲滅すべく、そしてリベラル一色となった日本の政治を転覆すべく、若い野望をギラギラさせて政治を志していたのである。新保守の日本に改造すべく。

鼓腹撃壌。今から考えると、青年だったわれわれは油断していたと深刻に後悔せざるを得ない。政経塾の話は新聞で知っていたが、同じ年頃の当時の右翼青年たちが、幸之助の資金でここまでのし上がるなどと想像もしていなかった。野田佳彦の大学時代のプロフィール情報は、今の(極端に右傾化した)常識感覚で読むと、普通の保守の政治志望の青年の姿である。だが、当時、大学生だった者の記憶と実感からすれば、その男はまさに右翼学生と名指しされて接近を憚られる異形の存在だったと証言できる。普通の学生ではない。なるほどと、世の中の価値観(イデオロギー)の変容と循環に嘆息せざるを得ない。つまり、政治家になるためには、私のように「鼓腹撃壌」にどっぷり漬かって平穏な暮らしを望むタイプの人間では駄目なのだ。青年のときから目を血走らせた冷酷な野獣の革命家でなくてはならない。青年期から眼前の時代を憎悪し、断絶し、転覆してやろうと凶悪な意思を持った男でなくてはならない。野田佳彦や前原誠司はそうだったのだ。彼らはイデオロギッシュな革命家だった。戦後民主主義が築き上げてきた日本を、憲法9条と25条の理念が制度になって実現したマイルドな日本を否定し、それを粉砕することを誓った反共右翼の革命青年だった。二大政党制を導入し、社共を一掃し、日本を英米モデルに改造する新保守・新自由の革命。青年期に異端分子だった彼らは、その神聖な使命に人生を賭け、そして見事に目標を達成した。若い頃、彼らは反体制だった。私は体制派だった。ノンポリ青年とは体制派の青年のことである。

70年代、日本の体制は9条と25条が生きたリベラルの世界だった。私は社会に何の不満もない体制派のノンポリ青年で、日本の政治と経済を信頼しきっていた。自由に楽しく生きられると確信し、自分が政治に関わる必要を感じていなかった。彼らは社会を忌み恨み呪う不満分子で、社会の破壊を目論む過激な反体制派だった。反体制派の青年でないと政治家にはなれない。なるほどそうかと、歯噛みしつつ、憤りに震えつつ政治の真理に納得する。



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