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朝日が消えて茶色の朝が来るか

「人生は冥土までの暇つぶし」から転載。
朝日新聞が革新側であったのは遠い昔の話であり、船橋洋一を重用し始めたころから大きく右旋回し、体制擁護側に回っているのだが、世間では今だに「朝日=サヨク新聞」のイメージが強いようだ。だからこその今回の朝日潰しなのだが、朝日は単に「左翼のシンボル」にすぎず、本音は日本全体を右一色に染め上げることであるのは言うまでもない。つまり、「茶色の朝」が近づきつつあるのである。
なお、引用記事画面と編集土台画面が重なって見づらいので、引用記事画面はずっと下に下げておく。
















































































































































(以下引用)


あえてエールを
昨日の東京新聞に載った佐藤優氏のコラムについては概ね賛成だ。亀さん家の場合、珊瑚記事捏造事件(1989年に沖縄県西表島において、朝日新聞社のカメラマンが自作自演で珊瑚に落書きによる傷をつけ、その写真をもとに新聞記事を捏造した虚報事件)を発端に、朝日新聞の購読を止めて久しいが、今月11日の木村伊量社長による謝罪会見を見て、ついに来るべきものが来たと思った。

確かに、日本を貶めた朝日新聞の行為はとても許されるものではないが、同時に以下の佐藤優氏の記事にある、「政治的な好悪で〝朝日をたたく〟という結論ありきでメディアスクラムを行っている新聞、雑誌が自らの記事も誤報、読者をミスリードする危険性に対して無自覚になりつつあるのが怖い」は、正にその通りだと思う。

特に露骨だったのは読売新聞だ。9月14日、「おためし新聞」と称して同日付の新聞がポストに入っていたのだが、御丁寧なことに、『朝日「慰安婦」報道は何が問題なのか』と題した、20ページにわたる小冊が挟まれていたのである。時の政権、より具体的には米国発の情報がほんどを占めるため、ネットの世界では〝ゴミ売新聞〟とすら称される、同紙のこうした行為に唖然として言葉も出なかった。

こうした同紙の〝営業熱心〟な姿勢で思い出したのが、今から10年ほど前の出来事だ。地区の小学校のサッカー少年を集めてプロのサッカー選手を招待した、半日サッカースクールが読売新聞主催で開催されたことがある。亀さんの息子もサッカーをやっていたので参加したところ、数日して同紙の勧誘員が、「うちの新聞を購読しませんか」と訪問してきたのである。亀さんが、「子どもサッカーを利用しての売り込み、汚いと思わないかい?」とズバリ指摘すると、決まり悪そうに販売店の男はスゴスゴと帰っていったのを思い出す。

朝日新聞だけではなく、「自らの記事も誤報、読者をミスリードする危険性に対して無自覚になりつつある」新聞雑誌にも、われわれは注意を向けていきたいものだ。

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[2014/09/20 06:57] | 佐藤優 | トラックバック(0) | コメント(0) |






(夢人補足)「マガジン9」より「茶色の朝」の解説入りのインタビュー記事で、小泉が圧勝した時の日本の状況が背景にある。実際、「茶色の朝」はその頃から始まっていた、と考えてもいい。







木村祐一さん
うえはら ひろこ  宮崎県生まれ。
前国立市市長。元東京・生活者ネットワーク代表。国立市景観裁判原告団幹事。1999年より現職。
著書に『〈環境と開発〉の教育学』(同時代社)
『どうなっているの?東京の水』(北斗出版)など。
『マガジン9条』 の発起人の一人。
“全体主義”は、気がついたらなっているもの
編集部

今回の選挙は、歴史的な自民党の圧勝に終わりました。どのように受けとめられましたか?

上原

私は今回、テレビの開票速報はいっさい見ませんでした。ある程度の予想はしていましたが、自民圧勝という現実をテレビによって突きつけられるのが、いやだったのです。しかし結果として、国民は自らの手で、強力な権力を小泉内閣と国に与えてしまいました。



こういった状況の中で、みなさんに是非、一度手にとってもらいたい絵本があります。『茶色の朝』(大月書店)という、1998年にフランスで出版された絵本です(お役立ちブックス参照)



物語の内容を簡単に説明すると、ある日突然 、増えすぎた猫を制限するため、「茶色の猫は繁殖率が低い、だから茶色の猫を飼いましょう」という法律 “ペット特措法”ができます。最初はみんな、ばかばかしいと笑っていたのに、いつの間にか「周りに迷惑をかけてはいけない」という雰囲気が広がり、そのうち猫だけでなく犬も茶色でなければならないという“拡大解釈”がされていきます。毒団子が自治会組織で自主的に配られ、愛犬を泣きながら毒殺していく市民。そのうちに、民間憲兵のような市民グループができて、ペットが茶色かどうかの厳しい取り締まりが始まります。



主人公は違和感を覚えながらも、「周りの流れに逆らわないでいさえすれば、自分の生活は安心だろう。茶色に守られた安心、それもいいだろう」と考えるようになります。しかしついに、友達が逮捕されてしまうのです。「彼は茶色の犬に換えたはずなのになぜ?」「以前黒い犬を飼っていただろう。過去に茶色以外のペットを飼っていたのもダメだそうだ」という近所の人の話を耳に、過去に白黒の猫を飼っていた主人公は、恐怖を感じながら眠れない夜を過ごします。そして翌朝、強く叩かれるノックの音で目を覚ますという話です。


編集部

ばかばかしくて、でも怖い話ですね。

上原

この本がつくられたフランスの政治背景を説明しておくと、極右の政党が1980年代末頃からどんどん表に出てきて、1998年の地方都市選挙では大躍進となります。そこで著者であるフランク・パブロフ氏は、これらの動きに抗議するため、この絵本を出版します。とにかく広く若い人に読んでもらいたいということで、印税は取らず1冊1ユーロ(現在135円程度)で販売するわけです。誰でも買える値段ですよね。  



そして2002年、3年前の大統領選挙では、人種差別と排外主義で知られる極右のルペン候補が第2位になって、決選投票をシラク大統領と一騎打ちでやるまで極右勢力が伸びたとき、恐怖を感じた人たちがこの本を運動に使ったわけです。本は爆発的に読まれ、「極右にノンを!」の運動が広がり、選挙でルペン候補は敗れます。人びとのファシズムの動きにつながる危機感を目覚めさせるのに、一役かったと言われています。  



本の巻末に哲学者の高橋哲哉さんが、「私たちのだれもが持っている怠慢、臆病、自己保身、他者への無関心といった日常的な態度の積み重ねが、ファシズムや全体主義を成立させる重要な要因であることを、じつにみごとに描き出してくれています」とメッセージを寄せていますが、まさにその通りで、全体主義というのはヒトラーもそうだったけど、いまからみんなを制圧するとか、弾圧するなんて絶対に言ってはきません。民主主義の手続きをちゃんと踏みながら、気がついたら全体主義に入っているのです。そしてそこに手を貸すのは「私たちみんな」。



だからおかしいと思ったら、きちんと言い続けて打ち消していかないと、抵抗することを怠慢にやり過ごしていると、いつの間にか自分の自由が拘束されてしまうのです。恐怖政治というのはただ権力者が来て弾圧するだけではなくて、民主主義の制度を使って出てくるものだから、芽が出てきたときにきちんと、動いて声を出していかないと、あっという間に大変なことになってしまう。




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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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