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先住民と「開拓者」(11月10日追記)

私は、日ハムは好きな球団の一つだし、差別問題で被差別側が些細な事象に過剰反応を示すことをあまり好ましく思ってはいないが、これは日ハム広報部があまりに無神経すぎただろう。
「北海道は、開拓者の大地だ」
は、どう読んでも「北海道の所有権は開拓者である本土人に属する」としか読めない。お前ら、アイヌにはここに住む権利は無い、と言われているように先住民族であるアイヌは思うのではないか。
確かに、現在の北海道は移住者である側が全面的な支配権を持っている。だが、所有権(この概念そのものを否定する孔徳秋水さんの意見に私もかなり賛同してはいるが)という面から言えば、はたして北海道が誰のものか、本当に「開拓者」側のものなのか、分かったものではない。そもそも、アイヌにとっては「開拓」など、迷惑行為であり、余計なお世話だっただろう。



(以下引用)




「開拓者の大地」広告遺憾 日本ハム球団にアイヌ団体が文書提出へ

「開拓者の大地」は遺憾 巨大バナー広告
北海道・新千歳空港に掲げられている「北海道は、開拓者の大地だ」と書かれたプロ野球北海道日本ハムファイターズの巨大バナー広告
Photo By 共同 

 北海道・新千歳空港に掲げられているプロ野球北海道日本ハムファイターズの巨大バナー広告にある「北海道は、開拓者の大地だ」との表現は先住民族の権利を害し遺憾として、アイヌ民族の最大組織「北海道アイヌ協会」(札幌市)が球団側に配慮を求める文書を提出する方針であることが7日、関係者への取材で分かった。

 日本ハムの球団関係者は共同通信の取材に「解釈の相違であって、スポーツにおいて何事にもチャレンジし、道を切り開くという意味で使った」と説明している。

 協会が問題視しているのは、6月から来年1月まで空港の出発ロビーに掲げられている縦5・5メートル、横2メートルの4種類のうち1種類。栗山英樹監督の写真とともに「北海道は、開拓者の大地だ」との大文字が表記されている。

 アイヌ民族にとっては、江戸時代以降に本格化した和人の北海道開拓は「先住の土地から追われた負の歴史」との解釈が一般的で、北海道アイヌ協会の阿部一司副理事長は「アイヌが見たら泣きたくなる。4枚のうち1枚は取り下げるべきだ」と話している。

 同協会の下部組織の中には、「球団は広告を即刻、取り下げるべきだ」との声もあり、近く北海道アイヌ協会の理事会を開き、球団や広告を掲示した北海道空港ビルへの対応を決める。

 広告のほかの3種類では、大谷翔平投手の写真と「才能も、好き放題伸びる大地」、中田翔内野手の写真と「日本の四番は、北海道にいる」、陽岱鋼外野手と「海を渡る理由が、この大地にはある」と表現されている。



[ 2015年11月7日 22:54 ]



(11月10日追記)日ハム球団の、素早く誠実な対応は賞賛に値するものだ。日本政府や橋下大阪市長などの、常に自らの過ちを糊塗する言行の卑劣さとは比較にもならない。



日本ハム 巨大バナー広告撤去へ「アイヌ民族に対して配慮に欠けた」

 日本ハムは9日、新千歳空港に掲げられている「北海道は、開拓者の大地だ」と書かれた巨大バナー広告を同日中に撤去すると発表した。球団は撤去の理由を「アイヌ民族の皆さまに対して配慮に欠けたことはおわびすべきとの理由で速やかに取り下げる判断に至った」と説明した。

 アイヌ民族にとっては、江戸時代以降に本格化した和人の北海道開拓は「先住の土地から追われた負の歴史」との解釈が一般的で、北海道アイヌ協会が、広告の表現は「先住民族の権利を害しており不適切」として、球団に配慮を求めていた。

 広告は6月から来年1月まで空港の出発ロビーに掲げられる予定だった縦5・5メートル、横2メートルの4種類のうち1種類。栗山英樹監督の写真とともに「北海道は、開拓者の大地だ」との大文字が表記されている。

 日本ハムはこの撤去と同時に、大谷翔平投手や中田翔内野手の写真が入ったほかの3種類の広告も撤去するという。



[ 2015年11月9日 13:45 ]




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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
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