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例によってお役人仕事

朝日com.から転載。
今のような「効率化」の時代に、従業員数を前年比で10%増やす会社があるだろうか。どの企業も合理化(=人減らし)しか考えていないのに。
まあ、こういう制度や法令は、いわば「政府は働いていますよ。雇用問題をちゃんと考えていますよ」というエクスキューズみたいなもので、実は、申請者が少ないほど政府としては嬉しいはずだ。本来、政府というものは、金は貰いたがるが、金を出すのはいや、というものなのだから。だから政府予算から金を出す時も、自分たち官僚や政治家に余禄やキックバックがある物にしか金は出さない。
というわけで、この「雇用促進減税」は官僚的立場からすれば「成功」であったわけである。つまり、失敗したということが彼らにとっての成功なのである。
それもこれも「前年比10%の従業員数増加」という無茶な基準に原因がある。そして、こうなることは最初から官僚の計算の上だったわけだ。
真に雇用促進を考えるなら、すべての従業員数増加に対し減税をするべきだったに決まっている。1人でも増やしたら減税、というのが当然である。そうすれば本当に雇用促進効果もあっただろう。しかし、それをしたら「本物の減税」になるので、政府や官僚はそれをやらないわけである。
しかし、「想定の3%」という結果は、もしもこれが民間企業の事業計画なら、このプロジェクトに関わった者全員がクビという事態だろう。(まあ、実際には、大会社の権力者の肝入りのプロジェクトは、失敗しても、上の人間はほとんど責任は取らない。アメリカでも日本でもこれは同じだ)
これで役人たちがクビにならないのは、結局役人仕事というものは「誰がやったか国民には分からない」ようになっているからである。プロジェクトの中心となった役人(今回の場合なら、指示した菅総理の責任ではない。これは役人による国民欺瞞の問題だ)の名前をはっきりとマスコミに公表することを慣例にしない限り、役人のやり放題は今後も続くだろう。


(以下引用)

雇用促進減税、申請伸びず 条件厳しく想定の3%どまり
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• 菅直人

 人を多く雇った企業の法人税を軽減する雇用促進税制が低空飛行を続けている。菅直人前首相の肝いりの施策で年間約17万5千人の雇用創出効果があるとうたっていたが、受け付け開始1カ月後の8月末までに想定の約3%しか申請が出ていない。目標達成への道のりは険しい。
 厚生労働省の調べによると、8月末までの申請は全国で705社にとどまり、見込まれる新規雇用者数は5771人足らずだという。9月以降は申請が増えている可能性もあるが、制度の効果が見込みを大きく下回るのは間違いなさそうだ。
 雇用促進税制は、リーマン・ショック後の不況で、完全失業率が5%台に達するなど厳しい雇用情勢への対策のひとつ。雇用者数を年10%以上増やすなどの条件を満たした会社は、法人税額から大企業で10%、中小企業では20%を上限に、次年度に増えた雇用者1人あたり20万円の税額控除が受けられる。今年度の税制改正の目玉として8月から申請の受け付けを開始し、3年の時限措置だ。

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